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中馬 誠; 多田 幹郎*; 伊藤 均*
食品照射, 35(1-2), p.35 - 39, 2000/09
大腸菌等の放射線感受性は、その最適生育温度である30または37で測定されることが多い。しかし、放射線処理された肉類または魚介類は10以下で保存されるため、30または37で得られたデータが正確でない可能性がある。事実、鶏肉での結果では低温貯蔵で大腸菌群等の殺菌効果が予想以上に促進される傾向が認められた。本研究ではこれらの現象を明らかにする目的で大腸菌等の各種菌株について放射線感受性を検討した。その結果、各菌株とも30または40でD値が最高になり、20以下ではD値が低減する傾向が認められた。ことに10ではD値は著しく小さくなり、その傾向は菌株によって異なっていた。したがって肉類等の必要殺菌線量も低温貯蔵と組み合わせることにより20~50%低減できることを示している。
Y.Prachasitthisak*; 伊藤 均
食品照射, 31(1-2), p.1 - 3, 1996/00
食肉の中でも鶏肉は食中毒菌や腐敗菌による汚染が著しいことが知られている。本研究では国内産の鶏肉12試料を用いて放射線による殺菌効果と貯蔵効果について検討した。その結果、鶏肉中の好気性細菌は1g当たり210~510個検出された。大腸菌群も110~310個検出され、50%以上が腸内由来と思われる菌種で構成されていた。鶏肉を室温下で照射すると1kGyで大腸菌群は検出されなくなり、好気性細菌なども著しく低減した。また、非照射試料からはPseudomonasやFlorabacteriumなどの多種類の細菌が検出されたが、照射後にはPsychrobacterなどの細菌が生残していた。鶏肉は10C貯蔵では2~3日で腐敗するが、1kGy照射により6日以上の貯蔵が可能になり、3kGyでは12日以上の貯蔵が可能となった。なお、鶏肉を照射すると肉の赤色度が増加したが、3kGy照射により照射臭が若干認められた。
伊藤 均; M.S.Islam*
Radiation Physics and Chemistry, 43(6), p.545 - 550, 1994/00
被引用回数:15 パーセンタイル:77(Chemistry, Physical)本研究で用いた香辛料中の総細菌数は1g中110~610個であった。電子線又はガンマ線での殺菌線量は6~9kGyであったが、電子線では若干殺菌線量が高くなった。Bacillus pumilusやB.megaterium,Aspergillus flavusの乾燥胞子を用いた電子線とガンマ線での感受性の比較により、電子線とガンマ線の殺菌効果の差は線量率の酸素効果の影響によることが明らかになった。一方、香辛料の照射による過酸化物価の上昇は高線量率の電子線照射では抑制される傾向が認められた。一方、香辛料中の精油成分の組成は電子線又はガンマ線を50kGyまで照射しても変化しなかった。
伊藤 均; M.S.Islam*
食品照射, 28(1-2), p.16 - 20, 1993/00
これまでの研究で香辛料のガンマ線殺菌線量は7~10kGyであり、香気成分は全く変化しないことを明らかにしてきた。今回は電子線による香辛料の殺菌効果および成分変化において線量率の影響があるかどうか検討した。その結果、香辛料の汚染菌であるBacillus pumilusとB.megateriumは水分活性0.4以下の乾燥下、無添加系ではガンマ線と電子線での感受性は全く同じであり、添加物共存下または低酸素圧下では電子線のD値はガンマ線に比べ著しく増加した。一方、各種香辛量では電子線での殺菌線量が増加する傾向が若干認められたが、実用的にはガンマ線とほぼ同じ線量で殺菌することができた。過酸化物価の増加はガンマ線の方が著しい傾向が認められたが20kGy以下では両者の差は認められなかった。精油成分の組成は200kGyまで照射しても変化せず、電子線とガンマ線の差も認められなかった。
伊藤 均
バイオ電磁工学とその応用, p.306 - 314, 1992/00
放射線の生物分野への応用は医療診断や治療ばかりでなく、医療用品の滅菌、食品照射、品種改良、害虫の不妊化などがある。ここでは線やX線、電子線を用いたバイオでの応用分野について解説する。また、食品照射技術については別章で解説する。放射線の生物分野での応用、1)生物への放射線の作用(ラジカルの作用、DNA修復、標的説、等)、2)放射線滅菌(エチレン・オキシドとの比較、放射線法の利点)、3)放射線滅菌による生物資源の有効利用(醗酵工業、農林産廃棄物、下水汚泥への応用)、4)害虫の不妊化(ミバエ等への応用)、5)放射線による品種改良(植物への応用)、6)その他(医療)、放射線の食品・薬品工業での応用、1)食品照射の応用分野、2)照射食品の健全性と実用化の動向、3)薬品工業での応用分野。
久米 民和; 伊藤 均; 飯塚 廣*; 武久 正昭
Agricultural and Biological Chemistry, 47(5), p.1065 - 1069, 1983/00
飼料から分離されたA.versicolorの分生子の生存曲線は緩衝液中でも乾燥状態でもシグモイド型であった。D値とInduction doseは、緩衝液中で37および17~18krad、乾燥状態では50~51および25~48kradであった。これらの結果から、A.versicolorの殺菌線量は0.7Mrad以下で十分であることが明らかとなった。他の好浸透圧性糸状菌の放射線感受性もA.versicolorとほぼ同様であった。分離されたA.versicolor3株のうち2株に発ガン性物質であるステリグマトシステンの産生能が認められた。精白米培地上に生産されたステリグマトシスチンの量は、M13株で410g、c132で、280g、MYA-0056で730gであった。しかし、M26株には生産性が認められなかった。ステリグマトシスチンは乾燥状態では放射線に対して安定であり分解を達成するためには52Mradの高線量が必要であった。したがって、ステリグマトシスチンが生産される前に殺菌することが必要である。
渡辺 宏; 青木 章平; 佐藤 友太郎*
日本食品工業学会誌, 24(2), p.59 - 64, 1977/02
電子線エネルギーやビーム電流、および照射前後の加熱処理などが果皮の褐度化や殺菌効果に及ぼす影響について調べ、カビや褐度の発生を抑えて温州ミカンを貯蔵するための条件を検討した。果皮の褐度化は電子線エネルギーが低いほど少なく、0.2MeVでは非照射と変わらなかった。前報での線量測定の結果から、果皮の褐度化は果皮だけに吸収された線量に依存し、果実全体に吸収された線量には依存しないことを明らかとした。また殺菌効果は0.5MeVで最も大きく、エネルギーが高くなるにつれて逆にカビの発生率は増加した。ビーム電流を変えて間接的に線量率効果を調べた結果、褐度発生には影響がみられないが、殺菌効果は電流が大きいほど、大きくなった。照射前後の加熱処理は無処理の場合よりも褐度やカビの発生を増加させた。したがってカビや褐度を抑えて貯蔵するには、比較的大きなビーム電流で0.5MeVで照射することが望ましく、また照射前後のミカンの品温を一定にする必要があると思われる。
渡辺 宏; 青木 章平; 佐藤 友太郎*
食品照射, 11(1-2), p.39 - 45, 1976/02
0.2~1.5MeVの範囲で電子線エネルギーを変化させ、エネルギーと褐度発生との相関、ならびに各エネルギーでのカビ抑制効果について検討した。ミカン表面を200krad照射し、3Cで3ヶ月間貯蔵すると、褐度発生率は0.2MeVでは非照射と同じで10%であったが、0.5MeVでは非照射の1.4倍、0.9MeVでは1.8倍、1.5MeVでは2.7倍となり、エネルギーが高くなるほど褐度発生率は増加した。カビ発生の抑制効果は0.2MeVでも幾分認められるが、0.5MeVが最も効果が大きく、0.9MeVや1.5MeV逆に低下した。一般市場への移送を考慮し、照射後3Cに3か月貯蔵した試料をさらに、16~25C室温で1週間貯蔵した場合のカビと褐度の発生率をしらべた結果、0.5MeV照射区でカビや褐度の発生が最も少なく、0.2MeV、0.9MeV、1.5MeVではカビの発生が著しかった。また線量率効果はみられず、照射前後の加熱処理(52C、5分)はカビの発生と褐度の発生を増加させた。電子線の透過性と殺菌効果について考察した。