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加藤 智子; 石原 義尚; 鈴木 祐二*; 内藤 守正; 石黒 勝彦; 池田 孝夫*; Richard, L.*
JNC TN8400 2001-003, 128 Pages, 2001/03
高レベル放射性廃棄物地層処分の安全評価では、地下深部に埋設された高レベル放射性廃棄物に含まれる放射性核種が地下水によって人間の生活環境に運ばれることを想定し、その移行プロセスと被ばく経路からなる生物圏モデルを作成して線量を推定する。安全評価は極めて長い時間を対象とするため、一万年先頃に到来すると考えられる地球規模の氷期などの気候変動により、地球規模で地表の環境は著しい影響を受けることが想定されるとともに、人間生活への影響も大きくなる。このような気候変動や関連する要因により、現在の生活環境と比べはるかに異なる環境に放射性核種が流入することを想定する必要がある場合には、その起こりうる将来の環境の状態と整合性を図った代替の生物圏モデルをいくつか想定しておくことが合理的であると考えられる。本報告書では、気候変動による生物圏システムへの影響を生物圏モデルに取り入れた場合、その影響がどの程度のものとなるかを把握することを目的に検討を行った。検討にあたっては、気候変動によるシステムへの影響の取り扱いについては世界中に現存する気候状態をアナログとして利用し、作成された生物圏モデルから求まる線量への換算係数を、現在の気候状態を想定したシステムのものと比較することによって行った。
掛樋 勲; 中林 弘樹
JNC TN9400 2000-051, 237 Pages, 2000/04
本研究は、従来のPurex再処理法-ペレット加工法と異なるシステム概念の乾式リサイクルシステム(乾式再処理-射出成型(金属燃料)、振動充填(酸化物燃料)加工法)について、その安全システムを構築するために、安全システムの考え方(安全システム概念)を示し、安全評価に関わる検討を行ったものである。安全システムの考え方については、我が国現行の再処理安全審査指針に則って、必要な安全機能、安全設計要件及び安全設備を示し、課題を摘出した。安全評価に関わる検討については、想定する異常事象及び事故事象を選定し、安全設計パラメータ(閉じ込めフィルタ能力等)と漏洩インベントリをパラメータとして、公衆被ばく量制限との関係を求め、課題を摘出した。また、臨界管理の設計及び評価に資するため、臨界解析を行った。以上のように、本研究では、安全設計方針(安全設計上考慮すべき事項)、指針等の作成及び具体的な安全設計を進めるために、乾式システムの安全システム概念を体系化して、課題を示した。
森島 重彌*; 古賀 妙子*
JNC TJ1400 2000-008, 82 Pages, 2000/03
環境中にはカリウム・40をはじめウラン系列、トリウム系列などの自然放射性核種が広く分布しているが、一様な分布はしていないことから大地よりの環境線として、またラドンの発生源として種々の形態で生活環境に関与し時間的にも空間的にも大きく変動している。わが国では一般的に、花崗岩地域が多い西日本では放射線量率は高いので、自然放射線に対する理解を深め、花崗岩などの高自然放射線地域における自然放射性核種の挙動と分布を明らかにするために環境調査を行う。調査する地域としては、特に、中国地方の花崗岩地域である島根県太田市池田鉱泉地域、鳥取県東伯郡三朝温泉地域、近畿地方で奈良県奈良布鉢伏地域、奈良県字陀郡室生地域、兵庫県神戸市有馬温泉、兵庫県川西市、関東地方で山梨県巨摩郡増富温泉及び対照地域としては東大阪市を含む大阪府周辺とし、ラドンおよび崩壊生成核種を含む自然放射性核種の環境中における挙動と分布に関する検討を行ったので、その結果を報告する。(l)ラドンの測定は、長い設置期間が必要であるが取扱が容易なカップ式ラドン・トロンモニタ、活性炭捕集によるピコラド法および30ml容のシンチセルの瞬時捕集によるパイロンラドンモニタ等の方法により検討した。積分型ラドンモニタは固体飛跡検出器として硝酸セルロース(コダック社製LR‐115type2)を用いた。ラドンモニタのそれぞれの特性により、カップ法は3ケ月間以上の設置捕集のため最小検出限界が高く感度が悪いが、設置期間中の平均濃度が得られ、他の方法では24時間又は瞬時の短期間の平均ラドン濃度となる。ピコラド法は検出器が小さく、捕集も容易で簡便な測定で同時に多数測定が可能なため分布図などの作成に有効である。(2)三朝温泉地域における1999年12月まで約5年間に実施した空気中ラドン濃度は各地域毎の平均値で、屋外ではND150Bq/m/SUP3、屋内ラドン濃度は8194Bq/m/SUP3と幅広く変動し、一般に屋内濃度が屋外濃度より高く、その比は1.12.3に変動している。測定した地域の内、三朝地区、旭地区(竹田川沿)および竹田地区天神川沿い(竹田川上流の一部)が高く、三朝温泉地区の東南部小鹿地区および三徳地区では低濃度であった。これを地質図と比較して見ると、高ラドン濃度を示した旭、竹田、三朝温泉地域は花崗岩層に位置し、低ラドン濃度を示した小鹿、
高嶋 秀樹; 叶野 豊; 江森 修一; 進藤 勝利
JNC TN9410 2000-001, 20 Pages, 1999/12
高速実験炉「常陽」では、平成10年2月24日から平成11年6月28日の期間にかけて、第12回定期検査が実施された。本定期検査は、当初予定されていた作業に安全対策等の工事作業が加わり3ヶ月程度期間が延長されている。期間中の被ばく管理については、予想総被ばく線量当量約407人・mSvに対して実績被ばく線量当量は263.92人・mSvであった。これらのことを含め、今回の定期検査は適切な放射線作業計画の基に行われたことが確認できた。本報告書は、第12回定期検査で行った被ばく管理結果について、これまでの定期検査の実績を基にとりまとめた。
辻村 憲雄; 篠原 邦彦; 百瀬 琢麿
PNC TN8510 98-001, 13 Pages, 1998/07
AmericanNationalStandardHPSN13.41-1997"CriteriaforPerformingMultipleDosimetry"を翻訳した。この規格は、複数個の線量計を用いて個人の被ばく線量を評価する必要がある場合の条件とその際の方法論を定めている。内容は、現在、国内で実施されている「不均等な被ばく形態における線量評価法」とほぼ同様であるが、複数個の線量計の着用が必要とされる条件、それらの身体配置並びに線量評価方法及び記録のありかた等が具体化されている。
辻村 憲雄; 篠原 邦彦; 百瀬 琢麿
PNC TN8410 98-083, 20 Pages, 1998/05
東海事業所では、放射線業務従事者のモニタリング期間は原則的に3カ月間であるが、プルトニウム燃料取扱施設等で作業を行う者については短期間に比較的高い被ばくを受ける可能性があるため1カ月毎に個人線量計を交換し、被ばく管理を行っている。しかし、モニタリング期間を3カ月間から1カ月間に変更する際の具体的な条件はこれまで設定されていない。本研究では、平成7年度の1カ月管理者の被ばく実績値を基に、モニタリング期間を1カ月から3カ月に変更した場合の被ばく線量当量分布を試算し、有意値として記録される割合の変化を調べた。その結果、3ヶ月間の合計線量が0.3mSvに満たない程度の線量レベルであれば、1カ月管理にする必然性は小さいことが分かった。
石橋 祐三; 黒田 能克*; 仲嶋 淳*
PNC TJ8216 98-003, 243 Pages, 1998/03
FBR燃料再処理施設などの将来施設における自動化には、高放射線環境下で使用できる耐放射線性マイクロコンピュータを中心とした耐放射線性電子機器の開発が必須である。この開発により信号ケーブルの本数削減、自律制御による作業効率の向上、長寿命化による保守費の削減が可能となる。ここでは、耐放射線性マイクロコンピュータによる施設の自動化に向けたシステムの構築を行うためのシステム検証を目的とした「耐放性マイコン内蔵型線スペクトル測定装置」のシステム設計を行った。この設計にあたっては、先に実施した耐放射線性マイクロコンピュータのブレッド・ボード設計・試作の成果を踏まえ、ハイブリッドIC技術を適用した耐放射線性マイクロコンピュータを採用した。この耐放射線性マイクロコンピュータは、集積線量が10sup7RADを越えた状態にあっても機能するものとし、10sup8RAD(集積線量)を目標としたものを組み込んだ設計を行った。
池田 孝夫*; 吉田 英爾*
PNC TJ1281 98-002, 123 Pages, 1998/02
生物圏は、地層処分された高レベル放射性廃棄物を起源とする放射性物質が種々のプロセスを経て移行し、最終的に人間に対して影響を及ぼす場である。従って、地層処分システムの安全性を評価するためには、生物圏における人間への影響を評価することが不可欠である。本研究においても昨年度までに生物圏評価に関する国際協力研究であるBIOMOVS計画及びBIOMASS計画で検討並びに整備された「代表的生物圏手法」等の調査を行い、それに基づいて種々の評価条件に適用可能な汎用的な生物圏評価モデル(コンパートメントモデル)の開発、生物圏データの収集そして計算コードの開発を行ってきた。本年度はこれまでの成果を踏まえ、高レベル放射性廃棄物処分に係る第2次取りまとめの円滑な実施に資することを目的として、段階的なアプローチを用いてこれまで明らかとなっている第2次取りまとめの前提条件に従い代表的生物圏を設定するとともに、モデルの開発及びデータ整備を行い生物圏内での放射性核種の移行/蓄積並びに人間への影響を解析し概括的評価を行った。さらに、各コンパートメントの重要度及びコンパートメント間の核種移行プロセスの重要度についての感度解析を行い、モデルの簡略化についての検討を実施した。なお、本年度の研究対象としては、前提条件に関わる不確実性を排除し、評価に保守性を確保する観点から深井戸を放出経路とする場合について検討した。
池田 孝夫*; 吉田 英爾*
PNC TJ1281 98-001, 376 Pages, 1998/02
生物圏は、地層処分された高レベル放射性廃棄物を起源とする放射性物質が種々のプロセスを経て移行し、最終的に人間に対して影響を及ぼす場である。従って、地層処分システムの安全性を評価するためには、生物圏における人間への影響を評価することが不可欠である。本研究においても昨年度までに生物圏評価に関する国際協力研究であるBIOMOVS計画及びBIOMASS計画で検討並びに整備された「代表的生物圏手法」等の調査を行い、それに基づいて種々の評価条件に適用可能な汎用的な生物圏評価モデル(コンパートメントモデル)の開発、生物圏データの収集そして計算コードの開発を行ってきた。本年度はこれまでの成果を踏まえ、高レベル放射性廃棄物処分に係る第2次取りまとめの円滑な実施に資することを目的として、段階的なアプローチを用いてこれまで明らかとなっている第2次取りまとめの前提条件に従い代表的生物圏を設定するとともに、モデルの開発及びデータ整備を行い生物圏内での放射性核種の移行/蓄積並びに人間への影響を解析し概括的評価を行った。さらに、各コンパートメントの重要度及びコンパートメント間の核種移行プロセスの重要度についての感度解析を行い、モデルの簡略化についての検討を実施した。なお、本年度の研究対象としては、前提条件に関わる不確実性を排除し、評価に保守性を確保する観点から深井戸を放出経路とする場合について検討した。
谷本 健一
PNC TN9450 98-002, 52 Pages, 1998/01
核燃料施設のデコミッショニング技術は、測定・除染・解体・遠隔作業等の各要素技術とデーターベースを組合せ、解体工法、費用、工期。作業者の放射線被ばく線量、廃棄物発生予測等を評価しシステム化を図る必要がある。この評価に際しては、解体・撤去対象物の汚染形態等が多種多様であることから、個々のケース毎に最適な手順、方法、作業管理を幅広く検討する必要がある。特に核燃料施設のデコミッショニングに際しての特微は、施設が核燃物質であるプルトニウム等の超ウラン各種、あるいは90SR及び137CS等の核分裂生成物を取扱っていることである。従って、1除染・解体作業時のより厳重な内部被ばく対策、2放射能の包蔵性管理、3二次廃棄物の低減化対策を講ずる必要があるために、除染・解体手法は広い適用性が要求される。また汚染各種の多くは長半減期であることから、1減衰効果によるデコミッショニング作業時の被ばく低減が望めない、2核種の包蔵性維持のために、施設閉鎖後も運転時と同様な管理体制が要求される。3ブローボックス、搭槽類等の機器設備やオフガス設備等の耐用年数は、例えば100年以上は有していないこと等の理由から、基本的には施設・設備の特徴を考慮して、効果的にデコミッショニングに係わる技術開発体験を図る-1に示す。各々の要素技術は、試験を通してその機能・性能を確認するとともに、重要な技術について
高嶋 秀樹; 江森 修一; 荻沼 宏樹; 安藤 秀樹
PNC TN9410 97-094, 27 Pages, 1997/10
高速実験炉「常陽」では、平成7年5月10日から平成9年3月24日の期間にかけて、第11回定期検査が実施された。本定期検査は、期間延長が行なわれたため、被ばく管理については2期間に分割し実施した。その結果、前記(H7.5.10H8.12.7:約17ヶ月)における総被ばく線量当量の実績は、予想総被ばく線量当量約280人・mSvに対して243.34人・mSv、後期(H8.12.8H9.3.24:約3ヶ月)については予想総被ばく線量当量約85人・mSvに対して44.73人・mSvとなり、定期検査期間中の総被ばく線量当量は288.07人・mSvであった。これらのことを含め、今回の定期検査は適切な放射線作業計画の基に行なわれたことが確認できた。本報告書は、第11回定期検査で行った被ばく管理及び被ばく低減対策についてこれまでの定期検査の実績を基に取りまとめた。
辻村 憲雄; 篠原 邦彦; 百瀬 琢麿
PNC TN8410 97-207, 25 Pages, 1997/06
外部放射線による線量限度を超える被ばくが生じた場合、実効線量当量とは別個に人体内部の臓器・組織の線量当量(吸収線量)を評価する必要がある。そのため、TLDバッジから評価した1cm線量当量を基に臓器・組織の線量当量を評価する手法について検討した。数学ファントムを用いて計算された人体内部の臓器・組織の線量当量と、TLDバッジから評価した1cm線量当量の関係を調べ、TLDバッジによる臓器・組織の線量当量の評価式を構築した。さらに、人体前面に対して面平行に放射線が入射する場合を想定し、プルトニウム燃料製造施設の放射線業務従事者の平成7年度の被ばく実績より、任意の組織・臓器の線量分布を計算し、実効線量当量の分布と比較した。
佐藤 聡; 高津 英幸; 真木 紘一*; 山田 光文*; 森 清治*; 飯田 浩正; R.Santoro*
Journal of Fusion Energy, 16(3), p.211 - 218, 1997/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)放射化されたトロイダルコイルを、それのみをトーラスから引き抜いた場合と、放射化された真空容器もあわせて引き抜いた場合の、両者に対して、ITER敷地内のガンマ線公衆被曝線量を、2次元Sスカイシャイン解析により評価した。ITER建家から1kmを敷地境界とした場合、前者の場合は1.1Sv/year、後者の場合は84Sv/yearとなった。前者の場合は、100Sv/yearとした場合の制限値を十分満足している。後者の場合は、一桁の裕度を考慮すると、天井のコンクリートを約14cm(現設計では15cm)厚くする必要がある。
辻村 憲雄; 江尻 明; 小松崎 賢治; 百瀬 琢麿; 篠原 邦彦
PNC TN8410 97-002, 40 Pages, 1996/12
動燃事業団東海事業所では、昭和57年度より放射線業務従事者の個人被ばく管理にTLDバッジを使用しており、現在、約13,000個のTLD線量計を保有している。これら保有する全てのTLD線量計について、年一回の感度試験並びにゼロ点確認試験等を行いTLDの品質管理を行っているが、全てのTLDの感度は等しく揃っているわけではないため、ホウ酸リチウム系のTLDで約8%、硫酸カルシウムTLDでは約5%の感度の個体差を有しており、より精度の高い線量評価を行うにはTLDの感度の固体差を極力小さくする必要がある。本報告では、個々のTLDについて感度の固体差を補正する係数(感度補正係数)を実験的にあらかじめ定めておき、線量評価の段階で補正を加えることによって、線量評価精度を向上させる手法について検討した。その結果、ホウ酸リチウム系のTLDについては約5%、硫酸カルシウムTLDについては約2%まで、感度の固体差を低減させることが可能であることが判明した。また、現在実施しているTLD品質管理方法に関する問題点を摘出し、今後の検討課題としてとりまとめた。
辻村 憲雄; 百瀬 琢麿; 篠原 邦彦
PNC TN8410 96-402, 90 Pages, 1996/12
現在、個人被ばく管理に使用しているTLDバッジのうち、中性子線の測定に使用するTLD線量計は、線のみに感度を有する7Li211B4O7(Cu)蛍光体と線と中性子線の両者に感度を有する6Li210B4O7(Cu)蛍光体を用いたTLD素子の組み合わせから構成されている。6Li210B4O7(Cu)素子の発光量から中性子線のみによる情報を得るには、7Li211B4O7(Cu)素子の線による発光量を6Li210B4O7(Cu)素子のそれと同等と見なして両者の発光量の差し引き計算を行う必要があるが、両TLD素子の感度が必ずしも等しく揃っているわけではないことに加えて、中性子線に対する線の混在割合が多いような場合には、差し引き計算に伴う誤差が相対的に増大し、中性子線量当量の評価値の精度が著しく低下する可能性がある。本研究では、以下に示す二種類の方法で、中性子線と線の混在場におけるTLDバッジの中性子線の分離評価精度を定量的に求めた。(1)中性子線と線の混合割合を変化させた照射実験(2)シミュレーション計算による誤差評価実験値との比較から本研究で提示した誤差計算モデルの妥当性を確認した。さらに、その誤差計算モデルを用いてプルトニウム燃料製造施設の作業者の中性子線量当量評価値の精度を推定した結果、記録レベル上の中性子線量当量の検出限界0.2mSvでの精度は、中性子線に対する線の混在比12の範囲では約2030%であった。
石黒 秀治
PNC TN8440 96-057, 135 Pages, 1996/09
平成8年度第2四半期(平成8年7月平成8年9月)に実施した業務概要について報告する。記載項目は,安全管理業務概要,安全管理一般,放射線管理,環境安全,個人被ばく管理,小集団活動の推進,研究開発,外部発表等について,取りまとめたものである。
住野 公造; 青山 卓史; 長井 秋則
PNC TN9410 96-216, 85 Pages, 1996/07
燃料破損時や限界照射試験(RTCB試験)時には,炉内カバーガス中にXe,Kr等の希ガスFPが放出され、放射能濃度が上昇する。これによる被ばくを低減するとともに,既存の廃ガス処理系へ放出される希ガスFP量を低減するためには,カバーガス中の放射能濃度を速やかに下げる必要がある。本研究では,活性炭吸着床の深冷吸着法を用いた「常陽」カバーガス浄化設備(CGCS)の希ガスFP回収効率を確認するため,燃料カラム部破損模擬試験時において破損燃料から放出され,炉内カバーガス中に移行した希ガスFPならびに原子炉停止中に非放射性の希ガスを用いて性能確認試験を行った。その結果、CGCSの希ガスのワンスルー回収効率は,Xe,Krそれぞれについて約90%および約80%以上であり,燃料破損時には現状の運転方法で90%以上のカバーガス中の希ガスFPを速やかに回収できることがわかった。
辻村 憲雄; 百瀬 琢麿; 篠原 邦彦
PNC TN8410 96-211, 37 Pages, 1996/07
国際放射線防護委員会(ICRP)は、これまでの基本勧告を改訂し、1990年にICRPPublication60を勧告した。この新勧告では、線量限度の変更の他に、線量拘束値や放射線防護の概念等についても新しい考え方を示しているが、個人の被ばく線量の評価上、重要となるのは放射線荷重係数、組織荷重係数の導入及び線質係数の変更である。また、ICRPとICRU(国際放射線単位測定委員会)の合同タスクグループが実施しているOperationalQuantityの体系化の整理が進み、新たに個人線量計の校正用線量という新概念が導入されつつある。これらICRPの新勧告、あるいはICRP-ICRU合同タスクグループの報告が国内法令に適用された場合、これまでの評価線量の値は大きく変わる可能性があるため、本研究では、平成7年度に主にプルトニウム燃料取扱施設で作業を行った放射線業務従事者が着用した個人線量計の測定値から、ICRPの新勧告等が国内法令に導入された場合の被ばく線量を試算し、現行法令の下での線量値と比較した。その結果、中性子線と低エネルギー線の混在場であるプルトニウム燃料取扱施設においては、中性子線による集団線量当量は現状の約2倍、線による集団線量当量は現状の約0.60.8倍となり、両者を合算した場合では現状とほぼ同程度になることが分かった。今後、本資料が法令改正にあたって円滑な対応を行うための検討資料となることを期待する。
天野 光
JAERI-Research 96-029, 190 Pages, 1996/06
人間の呼吸に関わる地表面近傍大気中に存在する放射性核種で濃度が高くかつ人への被曝が無視できない、天然放射性核種であるRnとその短半減期娘核種(Po、Pb、Bi、Po)、宇宙線生成核種であるBe、人工起源であるSr、宇宙線でも生成し人工起源でもあるH、を主に取り上げ、それらの簡便でかつ精度の高い測定法の開発、大気中濃度変動や地表面への沈着挙動、植物への移行等の環境中挙動の解明、及び呼吸による内部被曝線量評価を行ったこれまでの研究成果をまとめたものである。
石田 順一郎; 二之宮 和重; 大西 俊彦; 堀越 義紀; 長谷川 憲一
PNC TN8440 96-008, 183 Pages, 1996/03
ガラス固化技術開発施設は、平成4年4月に施設が竣工し、同年5月からコールド試運転を行い、平成6年9月2日に管理区域を設定した。その後、平成7年1月31日からホット試験運転(HT-95-1)を開始したが、同年2月22日に溶融炉ガラス流下停止事象が発生したため同年3月1日に試験運転を終了し、引き続き本事象に係わる復旧作業を行い、同年8月31日に復旧作業が全て終了した。同年9月18日からホット試験運転(HT-95-2)を開始し、同年10月26日に最終使用前検査(線量当量率等の検査)を受検し、翌日ホット試験運転(HT-95-2)が無事終了した。同年12月1日に使用前検査合格証が交付された。管理区域設定からホット試験運転(HT-95-2)終了までの間、個人被ばく管理及び作業環境管理において特に問題はなかったが、排気監視において第2付属排気筒から14Cが放出基準値未満であるものの検出下限値を若干上回る放出が確認された。本報告書は、ガラス固化技術開発施設の放射線管理について、管理区域立ち上げから使用前検査合格まで実施した業務の経緯、定常放射線管理、作業管理、排気の監視及び管理区域立ち上げ時の改善等について取りまとめたものである。