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論文

低銅原子炉圧力容器鋼の照射脆化特性

鈴木 雅秀; 西山 裕孝

金属, 71(8), p.42 - 45, 2001/08

Cu含有量が少ない原子炉圧力容器鋼材(以後、低銅圧力容器鋼材と呼ぶ)の照射特性について、実験的に検討した結果を紹介し、脆化にかかわる課題について解説した。照射データは全てJMTRを用いて取得したものである。全般的な照射特性としては、シャルピー衝撃特性の変化量($$Delta$$T41J)は小さく、良好な性質を有することがわかるが、鋼材間のばらつきが大きく、鋼材によっては、2$$times$$1019 n/cm$$^{2}$$ (E$$>$$1MeV)の照射で$$Delta$$T41Jが60$$^{circ}C$$を超える。高純度の低銅鋼材に対しては、脆化予測式から判断すればもっと脆化の低減が期待されてもよいものである。低銅鋼材における照射特性の相違、ばらつきは鋼材組織の何を反映しているのかについて、未照射材を用いた検討を行った。この結果、中性子による変化の少ない低銅鋼材ほど微細で高密度の炭化物を有する組織となっていることがわかった。この他、化学成分として窒素の効果等について言及した。

報告書

損傷組織の定量化技術の研究, 溶接部の高温損傷の定量化技術; 先行基礎工学分野に関する平成11年度報告書

門馬 義雄*; 山崎 政義*; 永江 勇二; 加藤 章一; 長谷部 慎一; 青砥 紀身

JNC-TN9400 2000-044, 22 Pages, 2000/03

JNC-TN9400-2000-044.pdf:1.37MB

高速炉プラントの新構造材料および寿命診断技術の開発では、従来強度評価の補強資料として定性的理解のみに用いられてきた材料組織の微視的観察結果とその分析データを定量的に把握し、組織変化が材料特性におよぼす効果あるいは相関性を評価する手法の確立が必要である。特に炉心構造健全性を保証するために、溶接継手部における高温長時間強度特性と組織変化の関係を明らかにする技術開発のニーズが高い。このため、高速炉容器の溶接金属について、クリープによる組織の経時変化を定量化する技術に取り組んだ。本研究では、まず高速炉容器用に開発された316FR鋼を母材として、16Cr-8Ni-2Moおよび共金系(18Cr-12Ni-Mo)の溶接金属のクリープ試験を823および873Kで行い、37,000hまでのクリープ破断データを取得することにより、そのクリープ特性を明らかにした。さらにクリープ破断した試験片平行部の組織観察を行い、析出物の面積を定量化し、その経時変化とクリープ損傷の対応についての検討を行った。溶接金属のクリープ強度は高応力短時間側で16Cr-8Ni-2Mo系が共金系よりも小さいが、低応力長時間側では16Cr-8Ni-2Mo系と共金系のクリープ強度が同等になる傾向がみられた。また、クリープ破断延性は16Cr-8Ni-2Moの方が共金系よりも優れていることがわかった。さらに、溶接金属の823Kでの低応力長時間および873Kでは$$delta$$フェライト中に析出した$$sigma$$相界面に発生する割れがクリープ破壊の起点となることを明らかにした。16Cr-8Ni-2Mo系溶接金属の析出量はいずれの温度時間においても共金系溶接金属よりも少ない。析出物の変化はマグネゲージで測定した残留$$delta$$フェライト量の変化と良く対応しており、$$delta$$フェライト量が時間の経過と共に減少するのに伴い、析出量は増加することを明らかにした。16Cr-8Ni-2Mo系溶接金属のクリープ破断材平行部の析出量とクリープ破断時間(対数)との関係をLarson-Millerパラメータ(LMP)で整理すると、1次式で表すことができ、この式から16Cr-8Ni-2Mo系溶接金属の析出量の予測が可能になった。

論文

Microstructure and hardening in thermally aged and neutron-irradiated Fe-Cu model alloy

河西 寛*; 鈴木 雅秀

Effects of Radiation on Materials (ASTM STP 1366), p.492 - 515, 2000/03

 被引用回数:1 パーセンタイル:28.51

鉄-0.6wt%銅合金の組織の関して、JMTRで290$$^{circ}C$$で0.0055dpaまで照射した後、電子顕微鏡を用いて銅の析出挙動を観察し、熱時効材及び純鉄との比較を行った。熱時効材では2種類の銅析出物が観察された。第1のタイプは非常に薄く双晶のないもので、熱時効とともに厚みが増加し、大きさと密度が減少した。第2のタイプは双晶を含む微細な析出で、熱時効による硬化の過程でほとんど変化しない。このため、熱時効による硬化は第1のタイプのものによると考えられた。一方、照射では大きく硬化するが、第1のタイプが消失するのに対し、第2のタイプは消失しなかった。照射材では鉄の(110)回折パターンのうえに、2つの(111)パターンが観察されたが、その一つはCu$$_{3}$$Feによるもの、もう一つはFe$$_{3}$$O$$_{4}$$によるものと考えられた。照射による大きな硬化は前者の生成によるものと結論された。

報告書

A Study on Pore Structure of Compacted Bentonite (Kunigel-V1)

佐藤 治夫

JNC-TN8400 99-064, 22 Pages, 1999/10

JNC-TN8400-99-064.pdf:1.45MB

本研究では、拡散に及ぼす圧縮ベントナイトの間隙構造因子の影響を評価するため、非収着性のトリチウム水(HTO)を用いて以下に示す4種類の拡散実験を行った。(1)圧縮ベントナイトの圧縮方向をパラメータとした透過拡散実験[圧縮方向の影響](2)圧縮ベントナイト中の珪砂混合率をパラメータとした非定常拡散実験[珪砂混合率の影響](3)圧縮ベントナイトの初期粒径をパラメータとした非定常拡散実験[初期粒径の影響](4)圧縮ベントナイト中に単一亀裂がある場合の含水修復期間をパラメータとした非定常拡散実験[亀裂の影響](1)については、クニゲルV1とクニピアF(クニゲルV1を精製してNa型スメクタイトを95wt%以上にしたもの)を対象に、乾燥密度1.0と1.5Mg・m-3に対して実効拡散係数(De)を圧縮方向を変えて測定した。(2)については、クニゲルV1を対象に、見掛けの拡散係数(Da)を乾燥密度0.8,1.4,1.8Mg・m-3、珪砂混合率30と50wt%に対して測定した。(3)については、粒径が0.1$$sim$$5mmと粉末状であるクニゲルV1より大きい、粒状ベントナイト(OT-9607)を対象に、Daを乾燥密度0.8,1.4,1.8Ma・m-3に対して測定した。(4)については、乾燥密度1.8Mg・m-3の含水飽和ベントナイトに人工的に貫通した亀裂を入れ、7または28日間再含水させ、Daを測定した。(1)については、クニゲルV1には全密度ともDeに圧縮方向依存性は見られなかったが、クニピアFでは、圧縮方向に対して直角方向からの方が軸方向からより大きなDeとなった。(2)のベントナイト中の拡散係数に及ぼす珪砂混合率の影響については、全乾燥密度ともDaに影響は見られなかった。(3)の拡散係数に及ぼす初期ベントナイト粒径の影響については、粒状ベントナイト(OT-9607)に対するDaが粉末状であるクニゲルV1の場合と全密度ともほぼ同じであり、ベントナイトの初期粒径の影響は見られなかった。(4)のベントナイト中の単一亀裂の修復特性については、Daに及ぼす亀裂の修復期間依存性や亀裂の影響は見られなかった。これらのことから、圧縮ベントナイト(クニゲルV1)の間隙構造は、ベントナイトの圧縮方向の影響、珪砂混合率の影響、及び初期粒径の影響を受けにくく、貫通した亀裂が発生した場合においても短時間で亀裂

報告書

緩衝材中の空隙構造に関する研究; 成果概要

田中 皓*

JNC-TJ1400 99-042, 17 Pages, 1999/02

JNC-TJ1400-99-042.pdf:0.4MB

緩街材中の空隙構造に関しては,「均一空隙モデル」及び「有効空隙モデル」の2つのモデルが提案されている。緩衝材中の枝種の移行挙動を電気二重層理論に基づき検討するに当たっては,これらのモデルのいずれが適切なものであるのかを決定することが重要である。本研究では,クニピアFを対象として,表面電位の推定、庄密体の電顕観察を行い,その結果を基に計算された「均一空隙モデル」及び「有効空隙モデル」それぞれの実効拡散係数を実測値と比較して,これらのモデルの妥当性を検討した。また,クニゲルV一1を用いてCs及びNpの実効拡散係致を測定した。結果は次の通りである。(1)表面電位の推定 電位の測定を行い,表面電位の推定を行った。得られた値は,‐56.5mVである。(2)圧密体の電顕観察SEM観察及びSrCl/SUB2溶液を含浸させた圧密体中のSr分布のEPMA観察を行った。いずれの観察においても,「有効空隙モデル」を支持する結果は得られなかった。(3)「均一空隙モデル」及び「有効空隙モデル」の検討「均一空隙モデル」及び「有効空隙モデル」いずれからの実効拡散係数推定値も定量的には実測値との一致は得られなかった。しかしながら,充填密度依存性や拡散種の電荷依存性は定性的には「均一空隙モデル」での予測と一致した。それゆえ,空隙モデルとしては「均一空隙モデル」が適切ど考えられる。(4)Cs及びNpの実効拡散係数測定以下の植が得られた。Cs:3.9$$times$$10/SUP-10 m/SUP2/s(充填密度1.4g/cm/SUP3) 2.5$$times$$10/SUP-10 m/SUP2/s(充填密度1.8g/cm/SUP3) 3.2$$times$$10/SUP-11 m/SUP3/s(充填密度2.0g/cm/SUP3) Np:1.2$$times$$10/SUP-10 m/SUP2/s(充墳密度0.8g/cm/SUP3) 2.5$$times$$10/SUP-11 m/SUP2/s(充墳密度1.4g/cm/SUP3) 2.5$$times$$10/SUP-12 m/SUP2/s(充填密度1.8g/cm/SUP3)

報告書

緩衝材中の空隙構造に関する研究

田中 皓*

JNC-TJ1400 99-041, 93 Pages, 1999/02

JNC-TJ1400-99-041.pdf:3.77MB

緩衝材中の空隙構造に関しては,「均一空隙モデル」及び「有効空隙モデル」の2つのモデルが提案されている。緩衝材中の核種の移行挙動を電気二重層理論に甚づき検討するに当たっては,これらのモデルのいずれが適切なものであるのかを決定することが重要である。本研究では,クニピアFを対象として,表面電位の推定,圧密体の電顕観察を行い,その結果を基に計算された「均一空隙モデル」及び「有効空隙モデル」それぞれの実効拡散係数を実測値と比較して,これらのモデルの妥当性を検討した。また,クニゲルV一1を用いてCs及びNpの実効拡散係致を測定した。結果は次の通りである。(1)表面電位の推定 電位の測定を行い,表面電位の推定を行った。得られた値は,‐56.5mVである。(2)圧密体の電顕観察SEM観察及びSrCl/SUB2溶液を含浸させた圧密体中のSr分布のEPMA観察を行った。いずれの観察においても,「有効空隙モデル」を支持する結果は得られなかった。(3)「均一空隙モデル」及び「有効空隙モデル」の検討「均一空隙モデル」及び「有効空隙モデル」いずれからの実効拡散係数推定値も定量的には実測値との一致は得られなかった。しかしながら,充填密度依存性や拡散種の電荷依存性は定性的には「均一空隙モデル」での予測と一致した。それゆえ,空隙モデルとしては「均一空隙モデル」が適切と考えられる。(4)Cs及びNpの実効拡散係数測定以下の植が得られた。Cs:3.9$$times$$10/SUP-10 m/SUP2/s(充填密度1.4g/cm/SUP3) 2.5$$times$$10/SUP-10 m/SUP2/s(充填密度1.8g/cm/SUP3) 3.2$$times$$10/SUP-11 m/SUP3/s(充填密度2.0g/cm/SUP3) Np:1.2$$times$$10/SUP-10 m/SUP2/s(充墳密度0.8g/cm/SUP3) 2.5$$times$$10/SUP-11 m/SUP2/s(充墳密度1.4g/cm/SUP3) 2.5$$times$$10/SUP-12 m/SUP2/s(充填密度1.8g/cm/SUP3)

報告書

Nb基およびMo基超耐熱合金の特性評価

森永 正彦*; 山内 貴司*; 小田 雅章*

PNC-TJ9603 98-002, 48 Pages, 1998/03

PNC-TJ9603-98-002.pdf:2.14MB

現在までに高温液体金属技術のフロンティア領域の開拓のために液体アルカリ金属腐食環境下での使用に耐える超高温材料としてNb基およびMo基合金の設計と開発を行なってきた。本研究ではNb基選定合金の強度特性を実験的に評価するとともに、Nb基合金の1073K脆化機構の解明を試みた。また、本委託研究では、これまでの研究の総括として、Nb基およびMo基選定合金の各種特性評価を総合的に行うことを目的とした。

報告書

セメント起源微粒子の挙動に関する研究

田中 知*; 長崎 晋也*

PNC-TJ1602 98-003, 38 Pages, 1998/03

PNC-TJ1602-98-003.pdf:1.02MB

放射性廃棄物の地層処分には、セメント系材料の使用が考えられており、セメント系材料の溶解挙動、核種吸着に関して様々な研究がなされている。セメントを構成するシリカはアルカリ溶液中でコロイド粒子を放出する可能性を指摘されており、その場合セメントの溶解挙動や核種移行に影響を与えることが考えられる。しかしGreenbergらはpHを変化させたシリカ溶液の光散乱実験を行い、pH$$>$$10.5の溶液ではシリカコロイドの形成はないと結論づけている。そこで本研究ではOPCセメント溶液、シリカ溶液を限外ろ過したフィルターをSEM観察することで、セメント溶解液中にコロイド状の生成物が存在しないことの確認を行った。

報告書

金属塩造粒過程の解析に関する研究(III)

not registered

PNC-TJ1636 97-002, 73 Pages, 1997/03

PNC-TJ1636-97-002.pdf:3.62MB

本研究は、試料液滴の粒径分布の狭い狭分散噴霧を用いて、噴霧熱分解法により硝酸セリウム溶液から二酸化セリウム粒子を生成した。そして、その熱分解過程、または、生成粒子に影響を及ぼす要因を明らかにすることを目的とし、生成条件が生成粒子の粉体特性に及ぼす影響に関して検討した。特に、試料の初期液滴径、初期濃度、気流温度に着目し、それらが生成粒子の粒度分布、および、その形状に及ぼす影響を明らかにした。生成粒子の粒径を、画像処理法により測定した結果、硝酸セリウム溶液の熱分解過程において、試料液滴は一段または二段階の発泡による飛散、または分裂により、生成粒子の粒度分布は初期液滴の分布に対して広く、その粒度分布には、二つのピークが存在し、そのピーク値は生成条件によらず、頻度のみが変化する。そして、その平均粒径は、初期液滴径および初期濃度の増加にともない大きくなり、気流温度の上昇にともない小さくなる、また、電子顕微鏡により生成粒子を観察した結果、生成粒子の形状は、表面に空孔を有し、表面の粗いものであるが、中空状でその外殻は多孔状である。

報告書

金属塩造粒過程の解析に関する研究(II)

徳岡 直静*; 小林 守*; 神山 隆*

PNC-TJ1636 96-001, 64 Pages, 1996/03

PNC-TJ1636-96-001.pdf:14.63MB

本研究は、試料液滴の粒径分布の狭い狭分散噴霧を用いて、噴霧熱分解法により硝酸セリウム溶液から二酸化セリウム粒子を生成した。そして、その熱分解過程、または、生成粒子に影響を及ぼす要因を明らかにすることを目的とし、生成条件が生成粒子の粉体特性に及ぼす影響に関して検討した。特に、試料の初期液滴径、初期濃度、気流温度に着目し、それらが生成粒子の粒度分布、および、その形状に及ぼす影響を明らかにした。生成粒子の粒径を、画像処理法により測定した結果、硝酸セリウム溶液の熱分解過程において、試料液滴一段または二段階の発泡による飛散、または分裂により、生成粒子の粒度分布は初期液滴の分布に対して広く、その粒度分布には、二つのピークが存在し、そのピーク値は生成条件によらず、頻度のみが変化する。そして、その平均粒径は、初期液滴径および初期濃度の増加にともない大きくなり、気流温度の上昇にともない小さくなる。また、電子顕微鏡により生成粒子を観察した結果、生成粒子の形状は、表面に空孔を有し、表面の粗いものであるが、中空状でその外殻は多孔状である。

論文

In-situ observation of the motion and growth of He bubbles in matrix and along grain boundaries in Al

小野 興太郎*; 古野 茂実; 北條 喜一; 北野 保行*

Microstructures and Functions of Materials (ICMFM 96), 0, p.273 - 276, 1996/00

アルミニウム中の結晶粒界でのヘリウムバブルの移動挙動を電子顕微鏡その場観察で調べた。バブルは粒界転位に沿って一次元的移動をすること、また大傾角粒界上でのバブル移動の拡散係数は粒内のそれの10倍以上であることを明らかにした。

報告書

人工バリアから岩盤への核種移行及び地下水水質の形成に関する現象解析のためのモデル開発(2)(成果報告書)

not registered

PNC-TJ1211 94-002, 111 Pages, 1994/03

PNC-TJ1211-94-002.pdf:5.66MB

IMAGE-MASTRA、及びIMAGE-GEOCHEMを各試験を通じて実施される人工バリアから岩盤への核種移行、及び地下水の水質形成に関する現象解析のために必要とされる以下の調査及び試験を行った。1.均質母岩系に接する緩衝材外側境界条件のモデリングに関する調査・検討(1)緩衝材外側境界条件に関するモデル調査スウェーデン、スイスで行われた安全評価における緩衝材外側境界の扱いについて調査を行った。(2)緩衝材外側でのミキシングセルモデルの妥当性の検討人工バリアと外側岩盤の核種移行を同時に解くモデルと緩衝材外側にミキシングセルを置くモデルとの比較計算を行い、ミキシングセルモデルの妥当性を検討した。(3)IMAGE-MASTRA試験の改良項目の検討濃度測定の再現性検討を通じて、今後の試験における改良点を明らかにした。2.鉱物の反応速度データの取得とベータベース整備(1)長石の溶解に関する文献調査長石の溶解の過程には、イオン交換反応過程、指数関数的溶出過程、放物線的溶出過程、線型的溶出過程の4段階にあることが示されている。線型的溶出過程での溶解速度は、Albite10-17$$sim$$10-14mol/cm2/s、Anorthite10-16$$sim$$10-12mol/cm2/s、Orthoclase10-17$$sim$$10-15mol/cm2/sであった。また、試料の比表面積が大きくなるに従い、溶解速度が低く測定されることがわかった。(2)長石の溶解試験Albite、Anorthite、Microclineの蒸留水中での溶解速度を測定した。その結果、溶解速度はそれぞれ、2.0$$times$$10-16mol/cm2/s、6.8$$times$$10-17mol/cm2/s、3.4$$times$$10-17mol/cm2と測定された。これらの結果は、文献値とほぼ一致することを確認した。また、鉱物表面をSEM及びEPMAを用いて観察した結果、91日間の試験期間では変質及び析出層は確認されなかった。

報告書

金属組織観察用試料調整方法マニュアル

上野 文義; 小林 十思美; 伊藤 卓志; 長谷部 慎一; 菅谷 全*; 大久保 和行*; 鴨川 浩一*

PNC-TN9520 92-002, 54 Pages, 1992/03

PNC-TN9520-92-002.pdf:5.13MB

本報告書は、金属組織学的解析技術の維持・向上を目的として、材料開発室材料物性解析グループにおいて、これまで蓄積してきた金属組織観察用の試料調整技術をマニュアルとしてまとめたものである。このマニュアルでは、対象材料として、代表的鋼種であるSUS304鋼、SUS316鋼及びMOD、9CR-MO鋼を選んだ。調製方法としては、光学顕微鏡および走査型電子顕微鏡(SEM)での観察に用いるための樹脂埋め・研磨・エッチング方法、および透過型電子顕微鏡(TEM)での観察に用いるためのレプリカ及び薄膜試料の調製方法、について記載した。また、当グループにて実際行った試料調製の条件の例や、それによって得られた組織写真の例を記載した。これらの方法は、金属組織学的解析の分野では一般的に用いられているものがほとんどであるが、当グループにおいて新たに考案した調製方法も含まれている。このマニュアルが、今後の新しい材料や新しい材料評価技術の開発の対応するための基礎となることを望む。

報告書

実規模ガラス固化体の浸出試験(2)

園部 一志; 石黒 勝彦

PNC-TN8410 92-114, 85 Pages, 1992/03

PNC-TN8410-92-114.pdf:4.03MB

クラックの存在量が既知の大型模擬ガラス固化体を用いて静的及び動的(回分式流水)条件下で浸出試験を実施した。試験試料には、キャニスタに充填された実規模模擬ガラス固化体(410mmxH1300mm)を厚さ約230mm程度に輪切り状に切断し、内在するクラック量を測定したものを用いた。浸出条件は、98度C、蒸留水系とし、静的条件では、共存物が無い場合と圧縮ベントナイトを共存させた系での実験を行った。また、動的条件では、共存物が無い状態で、毎日21.6lの浸出液(蒸留水)の交換を行う回分式流水条件下で行った。試験期間は、いずれも90日間とし、浸出後に浸出液、ガラス表面変質層の組成分析等を実施した。その結果、ベントナイトを共存させない系でのガラスサンプルからの主要成分の静的/動的条件における浸出挙動は、従来の小型試料の試験結果や浸出モデルでその傾向を説明できるものであった。ベントナイト共存系の浸出試験で、ベントナイト成分と重複しない溶出成分は、ホウ素のみが検出されたが、その濃度の時間的変化は、圧縮ベントナイト中のホウ素の拡散を考慮してほぼ説明できるものであった。また、内在するクラック表面の走査型電子顕微鏡観察及びニ次イオン質量分析装置による分析の結果、クラック表面の平均浸出速度は、いずれの浸出条件においても外表面部の浸出速度の約0.6%であった。また、既に前報で報告した実規模ガラス固化体の360日間の浸出試験結果と比較すると、クラック表面の変質層の厚みは同程度であり、90日以降の浸出速度はそれまでの平均浸出速度よりも更に小さいことが示唆された。3つの試験条件において、クラック部の表面変質層は、動的条件 静的条件 ベントナイト共存条件の順に厚く、クラック部の液交換が僅かながらもこの順に大きいことが推察された。観察されたクラック部での浸出抑制現象は、高S(ガラスの表面)/V(溶液の体積)環境におけるSi成分の溶解度による溶出制限効果によって定性的に説明することができた。

論文

Damage analysis of vanadium irradiated with 14MeV-neutrons

有賀 武夫; 片野 吉男; 鈴木 建次; 池田 裕二郎; 中村 知夫; 白石 健介

J.Nucl.Mater., 133-134, p.667 - 670, 1985/00

 パーセンタイル:100

核融合炉炉物理用中性子源の14MeV中性子を室温で3.0$$times$$10$$^{1}$$$$^{9}$$/n$$^{2}$$まで照射した純バナジウム試料中の欠陥集合体の分布を電子顕微鏡で観察し第1次ノックオン原子(PKA)のエネルギー分布との関係を調べた。欠陥集合体は、孤立した3~15nmのものと70nmの大きさの領域に数個のサブカスケードに分割した大きさ5~15nmの集合体が特徴的に観察された。集合体の数密度は2$$times$$10$$^{2}$$$$^{1}$$/m$$^{3}$$であるが、個々のカスケード(1つのPKAに起因)としてはその1/2程度である。これは3$$times$$10$$^{1}$$$$^{9}$$/m$$^{2}$$まで照射したバナジウム中のPKA密度の約1/4に相当する。さらに、最も頻度高く観察された10~15nmの大きさの集合体は、2体衝突近似の格子照射損傷計算の結果から、約20KeVのPKAによるものと推定され、典型的なサブカスケードに分割した集合体は100~数百KeVのPKAに起因している。これはPKAのエネルギー分布で100~400KeVのPKAが約50%を占めることと顕著な相関を示すものと認められた。

論文

Radiation-generated prismatic loops around gas bubbles in alumnium-lithium alloy

白石 健介; 菱沼 章道; 片野 吉男

Radiat.Eff., 21(3), p.161 - 164, 1974/03

中性子照射したAl-Li合金にはHeの気泡が観られる。気泡の中の圧力が平衡圧より高い場合には、200KVの電子顕微鏡で試料の温度を200$$^{circ}$$Cに上げて観察中に気泡の周囲に転位ループの列が生成する。$$<$$110$$>$$方向に並んだ転位ループは{111}面に載っており、a/2$$<$$110$$>$$のバーガース・ベクトルをもっている。加速電圧1000KVの超高圧電子顕微鏡による観察では、この転位ループ列の生成は50$$^{circ}$$Cの温度で短時間におこる。転位ループは、電子線照射によって生じた空格子点が歪の最も大きい気泡の表面近くで{111}面上に析出し、気泡による歪場によってa/2$$<$$110$$>$$のバーガース・ベクトルをもった完全転位ループになることによって生成すると考えられる。また、転位ループの列は過飽和に存在する空格子点に助けられた$$<$$110$$>$$方向への転位ループの辷りによるものであると考えられる。

口頭

SXESによる遷移金属元素の化学状態研究

寺内 正己*; 高橋 秀之*; 村野 孝訓*; 小池 雅人; 今園 孝志; 小枝 勝*; 長野 哲也*

no journal, , 

チタン酸化物TiO $$_{2}$$において価電子帯を構成するTi 3$$d$$から$$L$$殻空孔への遷移に伴うTi-$$L_{alpha,beta}$$を計測した。これは、O 2pとTi 3dの共有結合成分の化学結合状態を反映している。Ti $$L_alpha$$のピーク位置は金属Tiのそれに比べ低エネルギー側にシフトしているが、これは価数変化に伴うケミカルシフトの予想とは逆方向である。すなわち、スペクトル強度分布に価電子の結合状態密度分布が重畳した結果、単純なケミカルシフトを観測できないことを示している。一方、結合状態に寄与しない内殻準位間遷移に伴う$$L_{l}$$のピークシフトは価数変化に伴うケミカルシフトの方向と一致することが分かった。

口頭

FE-SEM/EPMA軟X線分光法による微量超軽元素分析

高橋 秀之*; 朝比奈 俊輔*; 村野 孝訓*; 高倉 優*; 寺内 正己*; 小池 雅人; 今園 孝志; 小枝 勝*; 長野 哲也*; 笹井 浩行*; et al.

no journal, , 

市販のEPMAおよびFE-SEMに搭載できる分光範囲50$$sim$$210eVの軟X線分光器(SXES)を開発した。このSXESは、光電子分光器(XPS)や電子エネルギー損失分光器(EELS)に匹敵する高いエネルギー分解能(0.2eV程度)を持ち、更に、高P/B比と高感度なことにより微量超軽元素分析が可能である。この特長により、FE-SEMを用いても鋼中の微量炭素を100ppm以下の感度で検出できること、微小領域における微量超軽元素の観察・分析に有効であることがわかった。

口頭

核鑑識と放射化学

篠原 伸夫; 木村 祥紀; 大久保 綾子

no journal, , 

核鑑識とは、捜査当局によって押収された核物質(NM)や放射性同位元素(RI)の組成、物理・化学的形態などを分析して、出所, 履歴, 輸送経路, 目的を明らかにする技術的手段である。核鑑識技術により、不正に使用されたNMやRIの起源を特定し、犯人を刑事訴追できる可能性が高まり、核テロなどに対する国際的な核セキュリティ体制強化に貢献できる。本発表では、日本原子力研究開発機構で開発した核鑑識技術(同位体組成分析, 不純物分析, 核物質の精製年代測定法、粒子形状の電子顕微鏡観察、核鑑識ライブラリとデータベース)を紹介するとともに、日本における核鑑識体制にも言及し、核鑑識における放射化学の役割を考察する。

口頭

ジルコンを用いる過去環境推定法に基づく福島デブリ生成環境の解析手法の開発

北垣 徹

no journal, , 

地球表層環境条件を長期保持するジルコン(ZrSiO$$_{4}$$)の分析による過去環境推測手法を、福島第一原子力発電所(1F)事故で生成した溶融炉心とコンクリートの反応(MCCI)生成物中の(Zr,U)SiO$$_{4}$$に応用し、1F事故時の環境条件(温度及び酸素分圧)を推定する手法を開発することで事故進展挙動の解明に貢献する。(Zr,U)SiO$$_{4}$$は事故後から炉内から取出されるまで炉内冷却水中に浸漬しているため、この間の水との反応による形状変化や含有元素への影響を定量的に評価することで、1F事故時の情報がより精緻に推定可能となる。一方、ZrSiO$$_{4}$$は化学的に非常に安定であるため、水との反応は数$$mu$$m程度と予想され、この分析にはマイクロスケール以下の微小な分析が可能な電子顕微鏡の利用が適当である。本発表では、研究計画の概要と東北大学金属材料研究所が有する電子顕微鏡を用いた(Zr,U)SiO$$_{4}$$の観察計画について紹介する。

口頭

セラミックスへの高速重イオン照射による表面ナノ構造の形成過程

石川 法人; 田口 富嗣*; 喜多村 茜

no journal, , 

100MeV以上の高速重イオンをセラミックスに照射すると、表面に10nm程度の隆起物(ナノヒロック)が形成することが知られている。表面ナノ構造ともいえるナノヒロックの形成メカニズムの解明に向けて、様々なセラミックスについて、照射した微小試料の透過型電子顕微鏡(TEM)観察を行ってきた。200MeV Auイオンを照射したCeO$$_{2}$$の場合、球状のナノヒロックが観察された。また、CaF$$_{2}$$の場合、半球に近いナノヒロックが観察された。上の材料を含めて、BaF$$_{2}$$, SrF$$_{2}$$の場合もナノヒロックの内部が再結晶化しており、結晶質であることが判明した。一方、200MeV Auイオンを照射したY$$_{3}$$Fe$$_{5}$$O$$_{12}$$の場合には、ナノヒロックが非晶質であることが確認できた。その他のセラミックスについても調べた結果、結晶質のナノヒロックが観察されるような材料と非晶質のナノヒロックが観察される材料とに分類されることが分かった。前者の材料の場合には、イオンの飛跡に沿って一旦局所的に高温になり融解した領域が冷却中に再結晶化してイオントラックの寸法が結果的に小さくなったと解釈され、一方で後者の材料の場合には、イオンの飛跡に沿って一旦局所的に高温になり融解した領域が、冷却中に再結晶化できずにアモルファス化(非晶質化)し、融解した部分がそのまま非晶質化したと解釈できる。上記のセラミックス以外の材料に観察対象を広げることで、上記のモデルの妥当性が強化された。

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