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報告書

福島第一原子力発電所における生体遮へいの放射能濃度の推定に関する研究(委託研究)

廃炉環境国際共同研究センター 分析研究グループ; NAIS*

JAEA-Research 2025-004, 102 Pages, 2025/08

JAEA-Research-2025-004.pdf:3.33MB

東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所にて発生する放射性廃棄物の管理を計画する上で、廃棄物中の放射能量の推算が不可欠である。核燃料の損傷に伴う汚染とともに原子炉運転中の放射化による寄与を考慮するが、後者に関して生体遮へいコンクリートは物量が多く重要な対象である。生体遮へいに含まれる放射化生成物の放射能濃度を求めるに当たって、福島第一原子力発電所では現地調査や分析試料の採取が困難であるので、放射能濃度を計算解析により求めることとなる。ここで、実際の構成材料の条件を考慮した検討のためには、微量に含まれる成分の放射化や水による中性子束への影響を考慮する必要があり、計算解析に係わる不確実性の評価が重要となる。本研究では、生体遮へいコンクリートが含む微量な成分及び水分量を調査するとともに、福島第一原子力発電所の2号機原子炉建屋を対象とした3次元の計算モデルを構築し、放射能濃度を推定した。この推定結果に含まれる不確実性を評価するために、不確実性に寄与する因子を抽出し、それらの因子が計算結果に及ぼす不確実性、すなわち、計算モデルの多様性及び計算モデルに用いるパラメータの変動幅が計算結果に及ぼす影響を検討した。その結果に基づいて、不確実性に寄与する支配的な要因を抽出するとともに、コンクリートを廃棄物として取り扱う方策を検討した。

報告書

放射線・化学・生物的作用の複合効果による燃料デブリ劣化機構の解明(委託研究); 令和4年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業

廃炉環境国際共同研究センター; 東京工業大学*

JAEA-Review 2024-026, 80 Pages, 2024/10

JAEA-Review-2024-026.pdf:1.96MB

日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和4年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という。)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所(以下、「1F」という。)の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和元年度に採択された研究課題のうち、「放射線・化学・生物的作用の複合効果による燃料デブリ劣化機構の解明」の令和元年度から令和4年度分の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、放射化学、核化学、核物理、燃料材料科学の専門家に環境微生物の専門家を加えた研究者により、模擬デブリの作製から、照射、化学的作用及び生物作用による溶出試験を行い、富岡町の国際共同研究棟等にJAEAが有する先端分析機器を駆使してデブリの性状の変化、元素の溶出挙動を分析し、放射線損傷と酸化環境下における化学的及び生物学的損傷の複合作用による燃料デブリの劣化機構を解明することを目的とした。令和4年度には、放射線・化学・生物的作用の複合効果による燃料デブリ劣化機構の解明のため、$$gamma$$線照射下における微生物の模擬燃料デブリ劣化試験、Feと錯形成能を有するシデロフォアであるdesferrioxamine (DFO)あるいは代替物とFe、Uの錯形成能、模擬燃料デブリやマイクロ粒子を計測できるマイクロ流路を用いた溶解試験、Fe酸化物への収着へのシデロフォアなどの影響、モデル微生物や1F付近で採取した菌種による模擬燃料デブリの劣化に関する知見を実験により得た。更に、模擬デブリの劣化を時間の関数として表すモデルを作成し、計算を行った。

報告書

放射線・化学・生物的作用の複合効果による燃料デブリ劣化機構の解明(委託研究); 令和3年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業

廃炉環境国際共同研究センター; 東京工業大学*

JAEA-Review 2022-066, 91 Pages, 2023/03

JAEA-Review-2022-066.pdf:5.88MB

日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和3年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所(1F)の廃炉等を始めとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、令和元年度に採択された「放射線・化学・生物的作用の複合効果による燃料デブリ劣化機構の解明」の令和3年度の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、放射化学、核化学、核物理、燃料材料科学の専門家に環境微生物の専門家を加えた研究者により、模擬デブリの作製から、照射、化学的作用及び生物作用による溶出試験を行い、富岡町の国際共同研究棟等にJAEAが有する先端分析機器を駆使してデブリの性状の変化、元素の溶出挙動を分析し、放射線損傷と酸化環境下における化学的及び生物学的損傷の複合作用による燃料デブリの劣化機構を解明することを目的とした。令和3年度には、放射線・化学・生物的作用の複合効果による燃料デブリ劣化機構の解明のため、$$gamma$$線照射下における微生物の模擬燃料デブリ劣化試験、6価ウランの錯形成能、模擬燃料デブリやマイクロ粒子を計測できるマイクロ流路の構築、Fe酸化物への収着挙動、モデル微生物や1F付近で採取した菌種による模擬燃料デブリの劣化に関する知見を実験により得た。

報告書

放射線・化学・生物的作用の複合効果による燃料デブリ劣化機構の解明(委託研究); 令和2年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業

廃炉環境国際共同研究センター; 東京工業大学*

JAEA-Review 2022-005, 93 Pages, 2022/06

JAEA-Review-2022-005.pdf:6.95MB

日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和2年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所(1F)の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、令和元年度に採択された「放射線・化学・生物的作用の複合効果による燃料デブリ劣化機構の解明」の令和2年度の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、放射化学、核化学、核物理、燃料材料科学の専門家に環境微生物の専門家を加えた研究者により、模擬デブリの作製から、照射、化学的作用及び生物作用による溶出試験を行い、富岡町の国際共同研究棟等にJAEAが有する先端分析機器を駆使してデブリの性状の変化、元素の溶出挙動を分析し、放射線損傷と酸化環境下における化学的及び生物学的損傷の複合作用による燃料デブリの劣化機構を解明することを目的とした。令和2年度には、放射線・化学・生物的作用の複合効果による燃料デブリ劣化機構の解明のためHeイオンを照射した模擬燃料デブリのイオン交換水による溶解、4価イオンの錯形成能、マイクロ流路におけるU(VI)の検出法、モデル微生物や1F付近で採取した菌種による模擬燃料デブリの劣化に関する知見を実験により得た。

論文

最近のRPT誌レビュー論文から; PHITSの医学物理計算への応用

古田 琢哉

医学物理, 41(4), P. 194, 2021/12

粒子・重イオン輸送計算コードPHITSは、近年における放射線の医学利用の高まりを受けて医学分野での利用例が増大しており、当該分野で有効な計算機能も開発されてきた。このような研究に関係する成果を、2021年にRadiological Physics and Technology誌で発表した「PHITSの医学物理計算への応用」と題するレビュー論文にまとめた。その後、日本医学物理学会の編集委員会より、この論文の内容を国内の関係者へ周知する紹介記事の投稿依頼があった。そこで、レビュー論文で報告したPHITSを利用した医学物理分野での応用例や有益なPHITSの機能、そしてユーザー間の情報交換の目的のために解説したPHITSフォーラムの情報等を日本医学物理学会誌で紹介する。

論文

Medical application of Particle and Heavy Ion Transport code System PHITS

古田 琢哉; 佐藤 達彦

Radiological Physics and Technology, 14(3), p.215 - 225, 2021/09

PHITSユーザー数は、集計を開始した2010年以降に順調な増加傾向を示している。その中で、近年は医学物理分野における新規ユーザー数の増加が顕著となっている。そのため、PHITSを利用した数多くの研究が発表されており、その内容も放射線治療応用、施設の遮蔽計算、放射線生物学応用、医療機器研究開発等、多岐に渡っている。本稿では、これら応用研究の具体例を示しつつレビューを行うとともに、医学物理応用研究で有益なPHITSの機能を紹介する。

報告書

浅地中処分のためのJPDR生体遮蔽コンクリートの放射能評価手法の検討

河内山 真美; 岡田 翔太; 坂井 章浩

JAEA-Technology 2021-010, 61 Pages, 2021/07

JAEA-Technology-2021-010.pdf:3.56MB
JAEA-Technology-2021-010(errata).pdf:0.75MB

原子炉施設の解体廃棄物の浅地中処分にあたっては、廃棄物中の放射能インベントリを評価することが必要である。本報では、JPDRの解体で発生した生体遮蔽コンクリートのうち炉心に近い部分について、浅地中処分のための放射能評価手法を検討するとともに、埋設処分の際の処分区分を判断するために、計算による放射能評価を行った。本計算では、中性子/光子輸送計算コードDORTと核種生成消滅計算コードORIGEN-Sを用いて放射化放射能計算を行い、対象コンクリートの放射能濃度を評価した。DORT計算ではJENDL-4.0から作成されたMATXSLIB-J40ファイルから断面積ライブラリを作成し、ORIEGN-Sでは、SCALE6.0付属の断面積ライブラリを用いた。評価した放射能濃度を過去の報告書における測定値と比較したところ、半径方向においては数倍程度高い場所があったものの全体的に傾向が一致しており、垂直方向においては大変よく一致することが確認できた。また、対象コンクリート廃棄物の平均放射能濃度Di(Bq/t)と浅地中処分で評価対象とされている140核種に対する基準線量相当濃度の試算値Ci(Bq/t)を比較評価した結果、対象コンクリート廃棄物は全体の約2%を除けばトレンチ処分が可能であると見通しが得られた。さらに、核種毎の相対重要度(Di/Ci)から、トレンチ処分における重要核種を予備的に選定した結果、H-3, C-14, Cl-36, Ca-41, Co-60, Sr-90, Eu-152, Cs-137の8核種を重要核種として選定した。

報告書

放射線・化学・生物的作用の複合効果による燃料デブリ劣化機構の解明(委託研究); 令和元年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業

廃炉環境国際共同研究センター; 東京工業大学*

JAEA-Review 2020-046, 69 Pages, 2021/01

JAEA-Review-2020-046.pdf:4.81MB

日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和元年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。本研究は、研究課題のうち、平成31年度に採択された「放射線・化学・生物的作用の複合効果による燃料デブリ劣化機構の解明」の令和元年度の研究成果について取りまとめたものである。

論文

Development of a calculation method for estimating specific energy distribution in complex radiation fields

佐藤 達彦; 横谷 立子; 仁井田 浩二*

Radiation Protection Dosimetry, 122(1-4), p.41 - 45, 2006/12

 被引用回数:82 パーセンタイル:97.40(Environmental Sciences)

長期宇宙滞在や重イオン癌治療を計画するためには、高エネルギー重イオン被ばくによる生物影響を正しく評価する必要がある。そのためには、重イオン飛跡周辺のスペシフィックエネルギー分布に関する情報が必要となる。そこで、われわれは、モンテカルロ法を用いて、1MeV/n$$sim$$100GeV/nの重イオン飛跡周辺のスペシフィックエネルギー分布を計算した。また、その結果をもとに、すべての重イオンによるスペシフィックエネルギー分布を再現できる解析関数を開発した。この解析関数に重イオン輸送計算コードPHITSを組合せれば、宇宙飛行士の特定臓器や癌患者の腫瘍部におけるスペシフィックエネルギー分布を簡便かつ短時間で計算することができる。

論文

Neutron crystallographic study on rubredoxin from ${it Pyrococcus furiosus}$ by BIX-3, a single-crystal diffractometer for biomacromolecules

栗原 和男; 田中 伊知朗*; 茶竹 俊行*; Adams, M. W. W.*; Jenney, F. E. Jr.*; Moiseeva, N.*; Bau, R.*; 新村 信雄

Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America, 101(31), p.11215 - 11220, 2004/08

 被引用回数:52 パーセンタイル:62.09(Multidisciplinary Sciences)

原研原子炉JRR-3設置の生体高分子用中性子回折装置BIX-3を用いて、高い熱安定性を持つ${it Pyrococcus furiosus}$由来ルブレドキシンの中性子結晶構造解析を行った。結晶化はH原子からのバックグラウンドを抑えるため重水中で行った。回折実験は常温で行い、1.5${AA}$分解能でデータ収率81.9%を得た。立体構造モデルの精密化では、306個のH原子と50個のD原子及び37個の水和水を同定した。その結果、モデルの信頼性を示す${it R}$因子及び${it R}$$$_{free}$$因子は最終的に各々18.6%, 21.7%となった。この中性子解析により、X線解析では明確でなかったアミノ酸側鎖のO-D結合の方位を明らかにできた。また、主鎖のN-H結合のH原子は多くがD原子に置換されている一方で、その中で5つのH原子は置換されずに保たれていることがわかった。これはその周囲の高い構造安定性を示す。さらに中性子散乱密度図では、このタンパク質の高い熱安定性に寄与していると考えられているND$$_{3}$$$$^{+}$$末端のその周囲に広がる水素結合ネットワークを詳細に明らかにすることができた。

論文

Evaluation of the resistance of ${it Euglena gracilis}$ to ion beam radiation

林 浩孝*; 和田 成一; 舟山 知夫; 鳴海 一成; 小林 泰彦; 渡辺 宏*; 古田 雅一*; 上原 赫*

Journal of Eukaryotic Microbiology, 51(3), p.321 - 324, 2004/06

 被引用回数:5 パーセンタイル:6.18(Microbiology)

宇宙ステーションのような閉鎖系での食糧確保と二酸化炭素の吸収,酸素の供給に最も有望な生物種の一つであるユーグレナに対し、模擬宇宙線としてさまざまなLET値を有する重イオンビームを照射して放射線抵抗性を調べた。最も致死効果の高いLET=196keV/$$mu$$mのイオンビームに対しても40Gyまでの線量域では生育に影響がないことから、宇宙基地での利用が可能であることがわかった。照射後生存率におけるRBE(生物学的効果比)のLET依存性を調べた結果、ユーグレナ細胞は哺乳動物細胞や植物細胞とは異なる放射線応答機構を有することが示唆された。

論文

New applications of ion beams to material, space, and biological science and engineering

福田 光宏; 伊藤 久義; 大島 武; 西堂 雅博; 田中 淳

Charged Particle and Photon Interactions with Matter, p.813 - 859, 2003/11

近年、イオンビームは、医学・医療をはじめ、材料科学・バイオ技術などの原子核物理学以外の分野において広範に応用されるようになり、従来のX線・$$gamma$$線・電子線などの利用では得られなかった研究成果が続々と生み出されてきている。イオンビームは、物質中でその飛跡に沿って局所的にエネルギーを付与し、高密度に物質をイオン化したり、励起したりすることができるだけでなく、優れた直進性,異種元素の注入,打ち込み深度及び個数の自在制御,物質表面原子のたたき出しや電子・X線・中性子等の二次粒子放出,RI生成など、多面的な特質を持っている。物質の種類や形状・構造などに合わせてこれらのイオンビームの特徴を上手に活かすことにより、新しいものを創り出したり、物質の中を微細に調べたりすることが可能となる。原研高崎研究所では、材料・宇宙・バイオ科学分野などにおける高度なイオンビーム利用を推進するため、軽イオンから重イオンにわたる多種類のイオンをkeVオーダーから数百MeV級まで加速できるイオン照射施設TIARAを建設し、最先端のイオンビーム利用研究を先導するビーム技術を開発してきた。本稿では、TIARAで得られた材料・宇宙・バイオ科学分野におけるイオンビーム利用の研究成果と今後の展望について解説している。

論文

3-D shielding calculation method for 1-MW JSNS

前川 藤夫; 田村 昌也

Proceedings of ICANS-XVI, Volume 3, p.1051 - 1058, 2003/07

1-MW JSNSの遮蔽設計のために、MCNPX用の3次元遮蔽計算モデルを作成した。このモデルにはターゲット-モデレータ-反射体集合体,ヘリウムベッセル,中性子ビーム引き出しダクト,シャッター,遮蔽ブロック及びこれらの機器間のギャップや隙間等がモデル化されており、ストリーミング効果を詳細に考慮することができる。分散低減法として、セルインポータンスパラメータによる粒子分割/消滅法を用いた。中性子束が12桁以上減衰する直径15m高さ12mに及ぶ大きなターゲットステーションに対するセルインポータンスパラメータは、自動化された繰り返し計算により適切に求めることができた。本計算手法により、短時間(2日)でターゲットステーション全体の詳細な3次元遮蔽設計計算が可能となり、JSNSの遮蔽設計が進展した。

論文

Analysis of dose distribution for heavily exposed workers in the first criticality accident of Japan

遠藤 章; 山口 恭弘

Radiation Research, 159(4), p.535 - 542, 2003/04

 被引用回数:16 パーセンタイル:42.39(Biology)

1999年9月、茨城県東海村において、日本で初めての臨界事故が発生した。この事故により、事故現場で作業をしていた2名の従業員が、核分裂反応により発生する中性子及び$$gamma$$線により、著しく不均等に被ばくした。この被ばく状況は、その後の2名の臨床経過に深く影響を及ぼした。本研究では、医療グループからの依頼により、計算シミュレーション手法を用いて被ばくした従業員の線量分布を詳細に解析した。本論文では、皮膚,胴体内部における中性子,$$gamma$$線の線量分布、さらにこれらを症状と対比し、これまでに知られている高線量被ばくによる症状との違いについて述べる。

論文

Utilization of bio-resources by low energy electron beam

久米 民和

Proceedings of 9th International Conference on Radiation Curing (RadTech Asia '03) (CD-ROM), 4 Pages, 2003/00

放射線処理による生物資源の有効利用について報告する。キトサンなどの多糖類は、放射線分解により種々の生物活性が誘導される。放射線分解キトサンは、植物の組織培養での生育を促進することが明らかとなった。低エネルギー電子線照射システムを用いて、キトサン水溶液の照射を行い効果的に分子量を低下できることがわかった。また、メチルセルロースは、カルボキシメチルセルロースと同様に、特殊な条件下で放射線橋かけをすることが明らかとなり、作成したハイドロゲルは医学や農業分野での利用が期待できる。さらに、低エネルギーの電子線を用いてダイズの照射を行ったところ、根粒菌の着生が増大し生育が良くなることがわかった。これらの結果で明らかなように、低エネルギー電子線は生物資源の有効利用に活用できる。

論文

Determination of $$^{36}$$Cl in biological shield concrete using pyrohydrolysis and liquid scintillation counting

伊藤 光雄; 渡部 和男; 畠山 睦夫; 立花 光夫

Analyst, 127(7), p.964 - 966, 2002/06

 被引用回数:16 パーセンタイル:43.42(Chemistry, Analytical)

原子炉生体遮蔽コンクリート中のCl-36の定量法を開発した。コンクリート中の塩素を熱加水分解法により抽出し、炭酸ナトリウム溶液に捕集した後、Cl-36を液体シンチレーション法により測定した。岩石標準試料を用いてイオンクロマトグラフ法により塩素の抽出条件を検討し、定量的抽出条件を確定した。2gのコンクリート試料を用いた場合のCl-36の検出限界は、0.02Bq/gであった。開発した方法をJPDRの生体遮蔽コンクリート中Cl-36定量に適用した。

報告書

JRR-4熱外中性子ビームの${it in vitro}$生物学的効果; フリービーム条件並びにファントム条件での測定(協力研究)

山本 哲哉*; 山本 和喜; 松村 明*; 熊田 博明; 岸 敏明; 堀 直彦; 鳥居 義也; 堀口 洋二; 能勢 忠男*

JAERI-Research 2002-011, 56 Pages, 2002/05

JAERI-Research-2002-011.pdf:3.17MB

本研究では、JRR-4熱外中性子ビームに対する放射線生物学的評価によりその特性を明らかにし、熱外中性子ビームによる開頭BNCTに向けた課題と方向性について検討する。熱外中性子ビームについて、フリービーム条件と水ファントム条件での物理線量測定並びに${it in vitro}$生存率測定を行い、BNCTにおける各線量成分(速中性子線量,窒素線量,$$gamma$$線量,ホウ素線量)とそれぞれの生物学的効果比(RBE$$_{neutron}$$,RBE$$_{beam}$$,CBE$$_{boron}$$)を算出し、混合中性子ビーム及び従来の熱中性子線主体の熱中性子ビームと比較した。ホウ素線量に対する生物学的効果比CBE$$_{boron}$$では、ホウ素化合物による違いも検討に加えた。フリービーム条件では、$$^{10}$$B存在・非存在下の全ての細胞生存率測定において、同一物理線量に対して熱外中性子ビームで最も高い細胞致死効果を認めた。JRR-4熱外中性子ビーム,熱中性子ビームI、熱中性子ビームIIのそれぞれに対するビーム単独RBE$$_{beam}$$値は1.22$$pm$$0.16,1.23$$pm$$0.16,1.21$$pm$$0.16,RBE$$_{neutron}$$値は2.50$$pm$$0.32,2.34$$pm$$0.30,2.08$$pm$$0.28,CBE$$_{boron}$$値は3.99$$pm$$0.24,3.04$$pm$$0.19,1.43$$pm$$0.08であった。本研究で示したRBEの実験的決定法は異なるBNCT臨床研究間の中性子ビーム比較に応用できる。

報告書

大強度陽子加速器計画における核破砕中性子源のバルク遮蔽に関する検討

前川 藤夫; 勅使河原 誠; 高田 弘; 古坂 道弘*; 渡辺 昇

JAERI-Tech 2002-035, 68 Pages, 2002/03

JAERI-Tech-2002-035.pdf:4.76MB

原研-KEKの大強度陽子加速器計画の物質・生命科学実験施設として、3GeV-1MWの陽子ビーム駆動による核破砕中性子源の建設が計画されている。本レポートは、放射線安全性及び建設コストの観点から重要な、中性子源周りの生体遮蔽体のバルク遮蔽性能について、モンテカルロ計算手法を用いた検討を行った結果についてまとめたものである。予備的検討や他の機器との関連から適当と考えられる遮蔽構造を標準ケースとして設定し、目標線量とした1$$mu$$Sv/hを達成できる遮蔽厚さを計算した。また、材料、寸法等の様々な計算条件を変化させた計算を行い、計算条件が遮蔽性能に与える影響について調べた。これらの計算結果及び設計裕度を考慮し、最も適当であると考えられる遮蔽構造を最終的に以下のように決定した。線源の中心から4.8mまでを鉄遮蔽とし、その周囲は重コンクリート遮蔽で囲む。重コンクリート遮蔽は、陽子ビーム入射軸に対して105度よりも後方は中心から6.4mまで、105度から前方に向けて厚さを徐々に増加させ、最前方では中心から8.0mである。

論文

Determination of $$^{41}$$Ca in biological-shield concrete by low-energy X-ray spectrometry

伊藤 光雄; 渡部 和男; 畠山 睦夫; 立花 光夫

Analytical and Bioanalytical Chemistry, 372(5-6), p.532 - 536, 2002/03

 被引用回数:17 パーセンタイル:45.38(Biochemical Research Methods)

低エネルギーX線スペクトロメトリーによる原子炉生体遮へいコンクリートに含まれる$$^{41}$$Caの定量法を開発した。コンクリート試料を硝酸-フッ化水素酸-過塩素酸の混酸により分解し、溶液とした後、イオン交換分離法により、カルシウムを分離した。カルシウムをシュウ酸カルシウム沈殿として回収し、ペレットを作製した。このペレットを試料として$$^{41}$$Caからの3.3keVのX線を測定した。3.3keVにおけるX線の検出効率は、既知量の標準55Feを添加して作製した同一形状のペレットの5.9keVのX線を測定したのち、シュウ酸カルシウムのそれぞれのエネルギーにおける質量吸収係数を用いて計算で求めた。定量下限は、コンクリート1gを採取した場合、8Bq/gであった。開発した方法をJPDRの生体遮へいコンクリートに適用した。

論文

A High-performance neutron diffractometer for biological crystallography (BIX-3)

田中 伊知朗; 栗原 和男; 茶竹 俊行; 新村 信雄

Journal of Applied Crystallography, 35(Part1), p.34 - 40, 2002/02

生体高分子の水素原子の位置を決定するために、生体高分子結晶構造解析用高性能中性子回折計(BIX-3)が日本原子力研究所(JAERI)JRR-3Mに建設された。これには、中性子イメージングプレートや筆者らが開発した弾性湾曲シリコンモノクロメータなどのいくつかの最新の革新的技術が採用されている。これらのおかげでこの回折計はコンパクトな垂直型配置が可能となった。タンパク質のミオグロビンやルブレドキシンからのデータ収集は約1ヶ月で、高精度に水素原子位置を同定できる1.5${AA}$分解能のデータであった。ブラッグ反射強度を測定するために結晶ステップ走査法を採用することにより、シグナル・ノイズ比はラウエ法と比較して大変良好だった。これはBIX-3が現在、世界のタンパク質用の中性子結晶構造解析装置のなかで最良の装置の一つであることを示している。

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