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井手 俊介; JT-60チーム
Nuclear Fusion, 45(10), p.S48 - S62, 2005/10
被引用回数:54 パーセンタイル:82.86(Physics, Fluids & Plasmas)本論文はJT-60Uにおける、前回のIAEA会議以降の実験研究成果について、特に先進トカマク開発に着目しつつレビューするものである。主な成果:規格化圧力=2.3の22.3秒間/
=3の6.2秒間維持(どちらも電流拡散時間以上)、定常炉で望まれているような高い自発電流割合(0.75)を電流拡散時間以上の7.4秒間維持、に維持することに成功した。長時間高リサイクリングELMy H-modeプラズマ放電を得、壁飽和に関する新たな知見を得た。ECCDの早期入射が新古典テアリングモード抑制に効率的であることを示し、高
(3)でのモード抑制を実証した。その他、MHD,高エネルギー粒子閉込め,電流ホール,Hモード等に関する研究が進展した。
池田 佳隆; 及川 聡洋; 井手 俊介
プラズマ・核融合学会誌, 81(10), p.773 - 778, 2005/10
トカマク定常核融合炉では、循環エネルギーが低い非誘導運転を行うために、高効率な電流駆動方式と高い自発電流の割合が必要である。NBIは電流駆動と加熱に対し強力かつ有効な手段である。JT-60Uでは350keV以上のエネルギー粒子を入射する負イオンNBIを有し、ITER級の領域でNBIの電流駆動と加熱を研究している。本解説は、ITERやトカマク核融合炉の連続運転に向けた最近の負イオンNBI実験と装置の進展について述べたものである。
及川 聡洋; 鈴木 隆博; 諫山 明彦; 林 伸彦; 藤田 隆明; 内藤 磨; 津田 孝; 栗田 源一; JT-60チーム
Nuclear Fusion, 45(9), p.1101 - 1108, 2005/09
被引用回数:4 パーセンタイル:13.88(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60Uトカマクにおいて、新古典テアリング不安定性発生中の磁気島形成に伴う電流密度の小半径方向分布の時間発展を世界で初めて観測した。磁気島構造の成長に伴い、電流密度分布は磁気島位置において平坦化し凹型の構造が現れた。そして磁気島の縮小に伴い、この平坦部は狭まり、磁気島消滅後には平坦化構造も消滅した。一方、MHD不安定性の無いプラズマではそのような電流密度分布の変形は見られなかった。テアリングモード放電で現れた電流密度分布の発展は、磁気島部での自発電流の減少を仮定した非定常輸送シミュレーションによって再現できた。また、実験結果と定常解の比較からも、電流密度分布と安全係数分布の時間発展を説明できる。これら実験結果とシミュレーション結果から、磁気島O点での自発電流の減少を結論づけた。
岸本 浩; 石田 真一; 菊池 満; 二宮 博正
Nuclear Fusion, 45(8), p.986 - 1023, 2005/08
被引用回数:43 パーセンタイル:27.12(Physics, Fluids & Plasmas)大型トカマク装置JT-60は、高い閉じ込め及び高い温度と密度を持つ高性能プラズマを、可能な限り小さな外部入力による非誘導電流駆動で長時間維持することに焦点を合わせて研究を進めてきた。高ポロイダルベータ放電による自発電流割合80%以上の最初の実証、及びこの結果に基づく定常トカマク炉SSTRの概念構築を契機に、いわゆる先進トカマク研究が開始された。JT-60における内部輸送障壁の最初の観測が内部輸送障壁を持つ負磁気シア放電研究の引き金となった。負磁気シア放電により、世界最高のDT等価エネルギー利得1.25が達成された。また、高ポロイダルベータ放電において世界最高のイオン温度45keVと世界最高の核融合積が達成された。先進トカマク研究は現在のトカマク研究開発の主流である。さらにコンパクトITERの概念がJT-60の研究に基づき検討され提案された。
林 伸彦; 滝塚 知典; 小関 隆久
Nuclear Fusion, 45(8), p.933 - 941, 2005/08
被引用回数:13 パーセンタイル:40.78(Physics, Fluids & Plasmas)電流ホール配位トカマクプラズマの分布形成と維持を、電流ホール内に三磁気島平衡に基づく電流制限モデルを適用した1.5次元輸送コードを用いて調べた。負磁気シア領域で急に減衰する異常輸送モデルが、JT-60Uで観測された分布の時間発展を再現でき、負磁気シア領域で輸送は新古典レベルになり、その結果、大きなブートストラップ電流を介して内部輸送障壁と電流ホールのある分布が自律的に形成されることがわかった。新古典レベルの輸送で決まる内部輸送障壁幅は、JT-60U実験と一致し、内部輸送障壁内に閉じ込められるエネルギーは、JT-60U閉じ込め則と一致する。この閉じ込め則は、内部輸送障壁内のプラズマがMHD平衡限界に支配され、閉じ込めエネルギーが自律的に制限されることを意味する。大きな電流ホールを持つプラズマは、ブートストラップ電流による完全電流駆動により維持される。一方、小さな電流ホールでブートストラップ電流割合が小さいプラズマは、誘導電流の染込みにより収縮してしまう。適切な外部電流駆動により、この収縮を妨げ、さらに電流ホールの大きさを制御することができる。電流ホールプラズマが、外部電流駆動に対して自律的に反応することを明らかにした。核融合炉への電流ホールプラズマの適用性を議論した。
及川 聡洋; 諫山 明彦; 藤田 隆明; 鈴木 隆博; 津田 孝; 栗田 源一
Physical Review Letters, 94(12), p.125003_1 - 125003_4, 2005/04
被引用回数:10 パーセンタイル:53.00(Physics, Multidisciplinary)JT-60Uトカマクにおいてテアリング不安定性発生中の磁気島形成に伴う電流密度の小半径方向分布の時間発展を世界で初めて観測した。磁気島構造の成長に伴い、電流密度分布は磁気島位置において平坦化し凹型の構造が現れた。そして磁気島の縮小に伴い、この平坦部は狭まり、磁気島消滅後には平坦化構造も消滅した。さらに、磁気島の回転に同期して局所ポロイダル磁場が変動することを観測した。この観測結果は電流密度分布の平坦化が磁気島構造のO点に局在していることを意味する。以上の結果は、テアリング不安定性理論が予測する電流密度分布の発展を初めて実験的に証明したものである。
林 伸彦; 滝塚 知典; 小関 隆久
Proceedings of 20th IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2004) (CD-ROM), 8 Pages, 2004/11
電流ホール配位トカマクプラズマの分布形成と維持を、1.5次元輸送コードを用いて調べた。輸送コードでは、電流ホール内に三磁気島平衡に基づく電流制限モデルを適用した。異常輸送が負磁気シア領域内で急に減衰する輸送モデルが、JT-60Uで観測された分布の時間発展を再現できることがわかった。つまり、負磁気シア領域内では輸送は新古典レベルになり、その結果、大きなブートストラップ電流を介して内部輸送障壁と電流ホールがある分布が自律的に形成される。新古典レベルの輸送で決まる内部輸送障壁幅は、JT-60U実験とよく一致する。また、内部輸送障壁内に閉じ込められるエネルギーは、JT-60U閉じ込め則と一致する。この閉じ込め則は、電流ホールプラズマでは閉じ込めエネルギーが自律的に制限されることを意味する。大きな電流ホールを持つプラズマは、ブートストラップ電流による完全電流駆動により維持される。一方、小さな電流ホールでブートストラップ電流割合が小さいプラズマは、誘導電流の染込みにより収縮してしまう。適切な外部電流駆動により、この収縮を妨げ、さらに電流ホールの大きさを制御することができる。電流ホールプラズマが、外部電流駆動に対して自律的に反応することを明らかにした。
仙石 盛夫
プラズマ・核融合学会誌, 80(11), p.940 - 943, 2004/11
球状トカマク(ST)の最近の実験では、中心ソレノイドコイル無しの電流立上げ,高い非誘導電流率,内部輸送障壁の生成等が次々と実証されており、従来のトカマク同様に炉設計においてはこれらを想定しうるものと考えられる。これらの結果を低アスペクトトカマク炉の非誘導定常運転シナリオの検討に反映するために、商用炉VECTOR-OPT(原研設計)のブートストラップ電流比と中性粒子駆動電流比を評価した。規格化がST炉で典型的な値である5以上になると完全非誘導の定常運転が期待できることが示された。
玉井 広史; 石田 真一; 栗田 源一; 白井 浩; 土屋 勝彦; 櫻井 真治; 松川 誠; 逆井 章
Fusion Science and Technology, 45(4), p.521 - 528, 2004/06
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)非定常1.5次元プラズマ輸送解析コード(TOPICS)を用いて、JT-60を超伝導化する改修装置(JT-60SC)における中心電流ホールつき非誘導電流駆動プラズマの時間発展を模擬した。JT-60Uの負磁気シア配位における実験結果から導かれた熱・粒子輸送係数を磁気シアの函数として与えて解析し、プラズマ電流1.5MA,トロイダル磁場2T,95%の磁気面における安全係数(q)4.5で閉じ込め改善度(HH
)が約1.4,規格化ベータ値(
)が3.7,自発電流割合が約75%の非誘導完全電流駆動プラズマにおいて電流ホールが小半径の約30%の領域まで達したプラズマを、約60秒と、ほぼ定常に維持できることを示した。また、電流ホールつき定常プラズマを得るには、自発電流及び内部輸送障壁の形成領域と電流ホールの位置関係が重要であることが示唆されている。得られたプラズマ分布をもとにMHD解析コード(ERATO-J)によってプラズマの安定性を評価した結果、導体壁をプラズマ近傍に設置することにより
の限界が4.5まで上昇することが示された。
玉井 広史; 栗田 源一; 松川 誠; 浦田 一宏*; 櫻井 真治; 土屋 勝彦; 森岡 篤彦; 三浦 友史; 木津 要; 鎌田 裕; et al.
Plasma Science and Technology, 6(3), p.2281 - 2285, 2004/06
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60SCの高性能定常運転シナリオをTOPICSを用いて検討・評価し、5で自発電流割合
86%の定常状態をI
=1.5MA, B
=2T, NBパワー11MWで維持できることを示した。またERATO-Jを用いた解析を行い、導体壁半径とプラズマ小半径との平均比約1.2では、トロイダルモード数1、または2の外部キンクモードに対する壁安定効果により、
5.5まで達成可能であることを示した。さらに 、プラズマを壁に近付けることによって発生する抵抗性壁モードは、容器内コイルを用いた能動制御により抑制されると予測している。一方、
のさらなる向上のためにTOSCAによるプラズマ形状の解析を行い、S=(I
/aB
)q
で定義されるプラズマ形状係数(非円形度と三角形度に強く依存)を
4から
6まで変えられることを示した。これは高性能プラズマ運転を実現するうえで重要な電流分布と圧力分布の制御性の拡張を示唆している。
石田 真一; 阿部 勝憲*; 安藤 晃*; Cho, T.*; 藤井 常幸; 藤田 隆明; 後藤 誠一*; 花田 和明*; 畑山 明聖*; 日野 友明*; et al.
Nuclear Fusion, 43(7), p.606 - 613, 2003/07
被引用回数:33 パーセンタイル:68.22(Physics, Fluids & Plasmas)原型炉の実現に向けて経済性と環境適合性の向上を図るため、大学等との連携協力によりJT-60を超伝導トカマクへ改修する計画を推進している。目的は、原型炉で想定されているように、強磁性体である低放射化フェライト鋼をプラズマの近くに設置して、高ベータで自発電流割合が高く、高度なダイバータ熱粒子制御をもち、ディスラプション頻度の少ない定常運転を実現することである。新たに導入する超伝導トロイダル及びポロイダル磁場コイルを用いて、主半径2.8m,プラズマ電流4MA,トロイダル磁場3.8Tの高非円形かつ高三角度配位のシングルヌル・プラズマの100秒運転を行う。既存のJT-60設備を最大限に生かし、原型炉の設計例から設定された高い達成目標の実現に向けて、高ベータプラズマ制御,高性能・高自発電流プラズマ制御,ダイバータ熱粒子制御、及びフェライト鋼のプラズマ適合性の実証という克服すべき課題に取り組むための設計を行った。
牛草 健吉; 井手 俊介; 及川 聡洋; 鈴木 隆博; 鎌田 裕; 藤田 隆明; 池田 佳隆; 内藤 磨; 松岡 守*; 近藤 貴; et al.
Fusion Science and Technology (JT-60 Special Issue), 42(2-3), p.255 - 277, 2002/09
被引用回数:10 パーセンタイル:12.12(Nuclear Science & Technology)JT-60における非誘導電流駆動及び高性能定常運転に関する研究成果をまとめた。低域混成波電流駆動(LHCD)により3.5MAの大電流駆動,3.61019m-2A/Wの高効率電流駆動,自在な電流分布制御性を実証した。近接条件,高速電子挙動等の基礎研究によりLHCD物理の解明に貢献した。負イオン源中性粒子ビーム電流駆動(N-NBCD)実験により、中性粒子ビーム電流駆動に関する研究を著しく進展させた。駆動効率1.5
1019m-2A/Wを達成し、1MAの電流駆動に成功した。弱磁場励起Oモード電子サイクロトロン波による局所電流駆動を実証し、駆動効率0.5
1019m-2A/W,0.2MAの電流駆動を達成するとともに、新古典テアリング不安定性の抑制に成功した。これらの成果に基づき、高
pHモード及び負磁気シアプラズマという2つの高性能定常運転方式を開発した。これらの運転方式は、高い閉じ込め性能を有するほぼ定常状態の電流分布を完全電流駆動の状態で持続できるものである。高い規格化密度や高い核融合積を有する完全電流駆動高性能定常運転方式で達成した。
玉井 広史; 石田 真一; 栗田 源一; 坂本 宜照; 藤田 隆明; 白井 浩; 土屋 勝彦; 松川 誠; 逆井 章; 櫻井 真治; et al.
Proceedings of 29th European Physical Society Conference on Plasma Physics and Controlled Fusion, 4 Pages, 2002/00
JT-60を超伝導化する改修装置 (JT-60SC) における中心電流ホールつき定常運転の可能性について、核融合炉への適用性の観点から解析・検討を行った。電流ホールの核融合工学に与えるインパクトは、プラズマ中心部で電流を駆動する必要がなくなるため、中性粒子ビームエネルギーの大幅な低減をもたらすことであると考えられる。そこで、JT-60Uの実験結果から導かれた熱・粒子輸送係数を磁気シアの函数として与え、非定常の1.5次元プラズマ輸送解析コードを用いてJT-60SC における中心電流ホールつき非誘導電流駆動プラズマの時間発展を模擬した。その結果、プラズマ電流(Ip)1.5MA,トロイダル磁場(BT)2T,95%の磁気面における安全係数(q95)4.5で11.2MWのoff-axisビームにより、閉じ込め改善度(HHy2)が約1.6,規格化値(beta_N)が約4,自発電流割合が約75%,電流ホールが小半径の約30%の領域まで達したプラズマを約70秒と、ほぼ定常に維持できることが示された。この結果は、電流ホールつき定常プラズマを得るには、自発電流及び内部輸送障壁の形成領域と電流ホールの位置関係が重要であることを示唆している。
小関 隆久; 諫山 明彦
プラズマ・核融合学会誌, 77(5), p.409 - 419, 2001/05
トロイダル・プラズマにおいて磁気島内でのブートストラップ電流の減少による新古典テアリングモード(NTM)の発生について、修正ラザフォード方程式に基づいて解説している。ここでは、NTMの基礎理論、実験観測について述べ、NTM発生の値スケーリングと成長機構について議論している。また、NTMのエネルギー閉じ込めへの影響及び電子サイクロトロン電流駆動(ECCD)による安定化について紹介している。
小関 隆久; 濱松 清隆; 諫山 明彦; 栗田 源一
Fusion Engineering and Design, 53(1-4), p.65 - 69, 2001/01
被引用回数:7 パーセンタイル:48.18(Nuclear Science & Technology)衝突周波数が小さい高プラズマにおいて、磁気島に沿って流れるブートストラップ電流が磁気島を成長させることが考えられる。これは、新古典テアリングモードと呼ばれ、定常プラズマにおける新たな
限界になるものとして、最近、重要課題となっている。ここでは、新古典MHDモデルに基づく磁気島の発展方程式をもとに、飽和時の磁気島幅を評価し、電流分布や圧力分布に対する影響を調べた。その結果、テアリングモードの有理面が低シア領域にあると不安定効果が大きいこと、低
プラズマでは高nモードがより安定であることなどが明らかとなった。また、磁気島への局所電流駆動による安定化効果を調べ、小半径の10%程度の幅の電流を磁気島へ駆動することにより、プラズマ電流の1
2%の駆動電流で、大きな安定化効果が期待できることを示した。
小関 隆久; 安積 正史; 石井 康友; 岸本 泰明; G.Y.Fu*; 藤田 隆明; G.Rewoldt*; 菊池 満; 鎌田 裕; 井手 俊介; et al.
Plasma Physics and Controlled Fusion, 39(5A), p.A371 - A380, 1997/05
ブートストラップ電流の有効利用は、トカマク核融合炉の定常化・高効率化への重要課題である。近年、高ブートストラップ電流による中空状電流分布(プラズマ中心付近で負磁気シア)を用いた高効率プラズマが提案され、世界の多くの装置で実験が行われている。ここでは、負磁気シアを持ったプラズマの、エネルギ閉じ込め、TAEモードを含めたMHD安定性について、JT60の実験結果をもとに物理課題を議論している。負磁気シア領域で形成される内部輸送障壁の機構解明、ベータ限界をもたらすMHD不安定性、中空状電流分布でのTAEモードの安定化機構について述べている。また、定常プラズマを形成する上での問題点、定常プラズマを維持する上での問題点について議論している。
近藤 貴; JT-60チーム
Physics of Plasmas, 1(5), p.1489 - 1496, 1994/05
被引用回数:19 パーセンタイル:56.82(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60Uにおいて得られた高核融合積、ならびに電流駆動実験について発表する。(1)運転条件の最適化、中性粒子ビームのパワーアップ、第一壁のボロン化等により、閉じ込め改善モードが見いだされ、核融合積1.110
m
・s・keVが達成された。この改善モードは、高
pHモードと呼ばれ、プラズマ中心部と端部の両方で閉じ込めを改善した事により得られた,(2)トカマクプラズマの定常化と電流分布制御の目的で、低域混成波電流駆動(LHCD)、中性粒子ビーム電流駆動(NBCD)、ならびにブートストラップ(BS)電流の実験も進展した。LHCDでは48
4導波管の大面積ランチャーが取付けられ、最大10MWの入射が可能となった。これにより3.6MAの非誘導電流駆動を達成した。また、NBCDおよびBS電流の組み合わせで、0.4MAの非誘導電流駆動を実証した。
西谷 健夫; 石田 真一; 菊池 満; 安積 正史; 山極 満; 藤田 隆明; 鎌田 裕; 河野 康則; 小出 芳彦; 波多江 仰紀; et al.
Nuclear Fusion, 34(8), p.1069 - 1079, 1994/00
被引用回数:29 パーセンタイル:68.55(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60Uの高ポロイダルベータ実験で得た、世界最高の核融合三重積およびDD中性子発生率を、定常および非定常解析コードによって解析した。その結果、等価核融合増倍率Qは0.61で、発生中性子の約半分は熱核融合反応によることがわかった。また、Q
/Q
比は133~155で、TFTRのスーパーショットにより小さな値となった。これは主に高いイオン温度(~38keV)のためである。さらに、この放電において、プラズマ電流の50%(1MA)がブートストラップ電流に困っており、高いブートストラップ電流比と高い核融合反応率が両立することを示した。
石田 真一; 松岡 守; 菊池 満; 辻 俊二; 西谷 健夫; 小出 芳彦; 小関 隆久; 藤田 隆明; 中村 博雄; 細金 延幸; et al.
Plasma Physics and Controlled Nuclear Fusion Research 1992, Vol.1, p.219 - 233, 1993/00
JT-60Uにおいて、高アスペクト比の高磁場非円形ダイバータ配位を用いて、高実験を行った。その結果、Lモードスケーリングの3倍の閉じ込め改善度をもつ良好な閉じ込め改善領域を見い出した。炉心級の高温プラズマ(Ti~32keV)、高い核融合積(n
(0)
Ti(0)~4
10
m
・s・keV)が得られ、中性子発生率2
10
n/sに対するDT換算の等価核融合増倍率は、Q
~0.3に達した。閉じ込め改善特性には、パワー依存性があり、電流分布のピーキングは、得られる
値を向上させる効果がある。また、
collapse現象は、閉じ込め改善モードの保持を妨げ、高
領域の
限界を低下させることがわかった。1.5次元輸送解析の結果は、
~2.1の高
放電において、約0.7MAのブートストラップ電流が流されていることを示している。
石田 真一; 小出 芳彦; 小関 隆久; 菊池 満; 辻 俊二; 白井 浩; 内藤 磨; 安積 正史
Physical Review Letters, 68(10), p.1531 - 1534, 1992/03
被引用回数:54 パーセンタイル:87.08(Physics, Multidisciplinary)大型トカマクにおいて、プラズマ電流の~80%に達するブートストラップ電流を含む放電で発生するベータ限界現象について述べられている。ここで、ベータは、プラズマ圧力の磁場圧力に対する比で定義される。その現象は、JT-60トカマクでの長パルス中性粒子入射加熱時において、トロヨン限界よりも十分に低いある規格化ベータを越えた高ポロイダルベータ放電(~3)で発生した。そのMHD特性は、ごく短い時間スケールの間に起こる大振幅の部分的MHD緩和現象によって特徴付けられる。高ポロイダルベータ放電での凹状電流分布の形成が、そのMHD不安定性を引き起こすために本質的な役割を果たしており、解析結果によれば、ベータ限界現象の発生直前には、理想的n=1キンク・バルーニングモードが不安定になることが明らかになった。