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広橋 雅元*; 村上 陽之*; 石山 敦士*; 植田 浩史*; 小泉 徳潔; 奥野 清
IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 16(2), p.1721 - 1724, 2006/06
被引用回数:9 パーセンタイル:46.22(Engineering, Electrical & Electronic)NbSn CIC導体のITERへの適用性を実証するために試験したモデル・コイルで、臨界電流値とn値の劣化が観測された。この原因として、導体内の素線の局所的で連続的な曲げが考えられている。そこで、臨界電流値、及びn値に対するこのような連続曲げの影響を、より一般的に評価するために、新たなモデルを構築し、解析コードを開発した。本モデルでは、フィラメントのツイスト効果や、隣接するフィラメントだけでなく他の離れたフィラメントとの電気的接触も考慮した。解析手法として、分布定数回路方程式を差分法により離散化し、ニュートン・ラプソン法で非線形方程式を解いて、フィラメント間の転流を計算した。解析結果は、これまでの実験結果を比較的よく模擬したが、より精度の高い解析のためには、フィラメント間の抵抗のモデル化を改良する必要があることがわかった。
濱田 一弥; 中嶋 秀夫; 河野 勝己; 高野 克敏*; 堤 史明*; 関 秀一*; 奥野 清; 藤綱 宣之*; 溝口 満*
IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 16(2), p.787 - 790, 2006/06
被引用回数:6 パーセンタイル:36.93(Engineering, Electrical & Electronic)原研では、国際熱核融合実験炉(ITER)の活動の一環として、中心ソレノイド(CS)のジャケットの試作作業を進めている。ITER CSの導体は、外形51.4mm角,内径35.1mmの穴を持つ矩形ジャケットを使用する。ジャケットは、4Kで耐力1000MPa以上,破壊靭性値KIC(J)130MPa以上が要求される。ジャケット材料には、原研が開発したJK2LB鋼(0.03C-22Mn-13Cr-9Ni-1Mo-0.2N-B)を使用する。素材の製作として、3ton溶解炉及びElectroslag Remelting(ESR)工程を経て、直径170mmのJK2LB鍛造ビレットを1.6ton製作し、良好な熱間加工特性及び量産が可能であることを確認した。ジャケットは外形及び内径精度が+/-0.2mm、穴の偏芯率10%以下、ジャケット単長は最低5mを達成する必要がある。試作した鍛造ビレットから、熱間押し出し及び冷間引抜によりジャケットを試作し、寸法精度を確認した。その結果、外形及び内径の変動は0.2mm以下、偏芯率は5%以下、ジャケットの単長は7mであることを確認した。以上の結果より、ITER CSジャケットの製作に必要な技術を確立できた。
安藤 俊就*; 木津 要; 三浦 友史*; 土屋 勝彦; 松川 誠; 玉井 広史; 石田 真一; 小泉 徳潔; 奥野 清
Fusion Engineering and Design, 75-79, p.99 - 103, 2005/11
被引用回数:1 パーセンタイル:10.25(Nuclear Science & Technology)トカマク国内重点化装置のTFコイルはNbAl導体を用い、リアクト・アンド・ワインド法で製作することが検討されている。その製作方法の妥当性を実証するために、実機サイズの導体に0.4%の曲げ歪みを加えて巻き線したコイルサンプルを試作し、試験した結果、その臨界電流値は曲げ歪みを加えていない導体サンプルの臨界電流値とほとんど同じであった。このことは、コイル製作時の曲げ歪みによって臨界電流値が約10%低下するとの予想に反し、実機コイルの製作には朗報である。この現象について解析を行った結果、導体のケーブル部を構成するNb
Al線が曲げ加工中に互いに滑ったことが予想された。その考察、解析について議論する。
小泉 徳潔; 松井 邦浩; 久米 悦雄; 奥野 清
IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 15(2), p.1363 - 1366, 2005/06
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Engineering, Electrical & Electronic)原研では、NbAl導体核融合炉への応用を目指して、Nb
Alインサート・コイルを開発した。本コイルのクエンチ試験は、13Tにて、温度マージン(分流開始温度と運転温度の差)を変化させて行った。また、初期の常伝導転移は、誘導加熱コイルを使用し、常伝導転移後も、数秒以上電流を保持した。温度マージンが0.5Kのとき、加熱後3s後に、常伝導伝播速度が急激に加速される超高速クエンチ伝播を観測した。1次元安定性・クエンチ解析コードを用いた計算も行い、常伝導転移時のジュール発熱により、冷媒供給システムのループ内に閉じ込められている冷媒全体の圧力が上昇し、常伝導部が到達していないところでも、冷媒温度が分流開始温度を超えて常伝導転移が起こることを見いだした。
高橋 良和; 吉田 清; Mitchell, N.*; Bessette, D.*; 布谷 嘉彦; 松井 邦浩; 小泉 徳潔; 礒野 高明; 奥野 清
IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 14(2), p.1410 - 1413, 2004/06
被引用回数:10 パーセンタイル:47.76(Engineering, Electrical & Electronic)ITERトロイダル磁場(TF)及び中心ソレノイド(CS)コイル用導体は、外径約0.8mmのNbSn超電導素線を約1000本撚線したものを金属製コンジットの中に挿入したCIC型である。その定格電流値は、40-68kAである。CSモデル・コイル計画において開発した2種類のジョイント(ラップ型とバット型)は、その目標性能が通電実験により達成された。TFコイルの場合、D型の巻線部から離れた位置にジョイント部を置くことにより、その最高磁場は2.1Tとなり、巻線部の最高磁場11.8Tに比べて、かなり低減できる。CSコイルのジョイント部は、スペ-スが限られているため巻線部の外周に埋め込み、ジョイント部の最高磁場を3.5Tに抑える。これらのジョイントは、導体巻線部の出口に直列に繋げられ、冷却される。ジョイントの電気抵抗による冷媒の温度上昇を、冷凍機への熱負荷の制限により0.15K以下に設計した。ITER実機コイルの運転条件において実験デ-タをもとに性能を評価し、これらのジョイントがITER実機コイルに適用可能であることを明らかにした。
布谷 嘉彦; 礒野 高明; 奥野 清
IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 14(2), p.1468 - 1472, 2004/06
被引用回数:45 パーセンタイル:83.04(Engineering, Electrical & Electronic)ITER CS インサートに用いられているNbSn製のCIC導体で得られた電圧温度曲線(V-T曲線)には、別途行われた導体を構成する超伝導線の測定結果より予想されるV-T曲線に比較し、より緩慢な立ち上がりが認められた。この緩慢な立ち上がりはn値の低下に対応し、n値として超伝導線で約30、CSインサートでは7の測定値が得られている。導体は通電中のフープ力により長手方向に均一の引っ張りひずみを受けるが、n値の低下はこのひずみの影響では説明できない。そこで特に通電中に受ける導体垂直方向からの電磁力による影響を明確にする必要がある。CIC導体内での各超伝導線は撚りピッチで定められる間隔で隣接の超伝導線と点接触で機械的に支持されるため、5mm程度の周期の連続的な変形を受ける。この変形により、超伝導線には長手方向に不均一な曲げひずみの発生が予想される。このような変形の影響を定量的に評価するために、われわれはこの連続変形を超伝導線に模擬する試験装置を考案し、電圧特性を測定した。その結果、CSインサートの通電時の超伝導線1本当たりの電磁力と同程度である520N/mの垂直方向力が負荷されるとn値が約8に低下し、CSインサートと同程度となることを見いだした。これは、超伝導線に作用する垂直方向力がCIC導体のn値の低下を説明できることを示している。
稲口 隆*; 長谷川 満*; 小泉 徳潔; 礒野 高明; 濱田 一弥; 杉本 誠; 高橋 良和
Cryogenics, 44(2), p.121 - 130, 2004/02
被引用回数:6 パーセンタイル:27.48(Thermodynamics)導体断面中心に副流路を持つケーブル・イン・コンジット導体のクエンチ解析を行うために、軸対称2次元解析モデルを開発した。CSインサートの圧損,クエンチ時の電圧,温度,常電導伝播の実験結果と本解析を比較し、良い一致を見ることを示した。よって、モデルの妥当性を示すことができた。また、解析の結果から、定常状態でも、副流路と主流路の間で対流が発生することが示され、これにより、導体軸方向の圧損が増加することが判明した。さらに、温度が高い冷媒が副流路を流れる場合は、これによって主流路の冷媒とケーブルが加熱されることも明らかになり、副流路の流れが常電導伝播の速度を加速させることがわかった。
濱田 一弥; 高橋 良和; 松井 邦浩; 加藤 崇; 奥野 清
Cryogenics, 44(1), p.45 - 52, 2004/01
被引用回数:21 パーセンタイル:60.45(Thermodynamics)日本原子力研究所は、国際熱核融合実験炉(ITER)の工学設計活動の一環として、中心ソレノイド・モデル・コイルとCSインサート・コイル(CSIC)の通電試験を行った。その結果CSICの圧力損失が通電時に減少することや結合損失が電流値とともに大きくなることを観測した。これらは、電磁力によりジャケット内部で撚線が圧縮変形し、新たに流路ができたこと、また、圧縮により素線間の接触抵抗が低減し、結合時定数が増加したことが原因と考えられる。本論文では、これらの現象を定量的に説明することを試みた。その結果、電磁力によって撚線は最大1.4mm変形することが予想される。この結果から、電磁力による結合時定数の変化を考慮して結合損失を計算すると、通電電流値と共に結合損失は増加する計算結果を得ることができ、実験結果を定量的に説明することができた。
小泉 徳潔; 布谷 嘉彦; 松井 邦浩; 中嶋 秀夫; 安藤 俊就*; 奥野 清
Superconductor Science and Technology, 16(9), p.1092 - 1096, 2003/09
被引用回数:9 パーセンタイル:45.28(Physics, Applied)ITER-EDAの一環として、TFコイルの製作にreact-and-wind法を採用できることを実証するために、13T-46kA NbAlインサート(ALI)を開発した。react-and-wind法を採用した場合、導体は0.4%の曲歪を受けるため、ALI導体には、熱処理後に故意に0.4%の曲歪を印加した。したがって、導体は熱歪と曲歪を受ける。ALIの臨界電流値の測定結果から、素線が受ける熱歪,導体の曲げによる歪みは、それぞれ0.4%, 0%と評価できた。熱歪は予想値とよく一致した。他方、導体の曲げによっては、素線軸方向の歪は印加されなかった。また、歪の評価結果を、Nb
Sn導体のそれとも比較した。Nb
Sn導体の場合は、予想外の歪が生じたが、Nb
Al導体ではそのような歪は発生しなかった。これは、Nb
Al線の剛性が高いことに起因する。本結果は、Nb
Al導体が大型コイルへの適用性に優れていることを示す。
小泉 徳潔; 奥野 清; 中嶋 秀夫; 安藤 俊就*; 辻 博史
低温工学, 38(8), p.391 - 398, 2003/08
原研は、1980年代にNbAl導体の開発を開始し、1990年代終りには約1トンのNb
Al線を製造し、150m長の大電流Nb
Al導体を開発した。本導体を用いてNb
Alインサート・コイルを開発し、試験した。本コイルの開発では、コイル端子の電気的接続部の開発や、従来の知見では予想されていなかった熱応力への対処法の考案等を行った。さらに、Nb
Alインサート・コイルの製作では、Nb
Al線の歪による臨界電流値の低下が小さいことを利用して、Nb
Al生成熱処理後に巻線加工を行うことで、コイル製作方法を簡易にする手法を採用した。この手法の適用性検証のため、熱処理後の導体に人為的に曲げ歪を印加した。このようにして、2001年1月にNb
Alインサート・コイルの製作を完了し、2002年4月に通電試験を行った。その成果として、46kA-13Tの定格励磁に成功した。また、60kA-12.5Tの拡張試験も行い、大きな電磁力の下でも、コイルを安定に運転できることを実証した。さらに、熱処理後の導体の曲げの臨界電流性能への影響も十分小さく、コイル製作方法の簡易化が可能であることを示した。
小泉 徳潔; 布谷 嘉彦; 高安 真*; 杉本 誠; 名原 啓博; 押切 雅幸*; CSモデル・コイル実験グループ
低温工学, 38(8), p.399 - 409, 2003/08
トロイダル磁場コイルへのNbAl導体とReact-and-wind法の適用性を実証するために、Nb
Alインサート・コイルを開発した。本コイルの導体には、熱処理後0.4%の曲げ歪を印可した。臨界電流値試験の結果、Nb
Alインサート・コイル導体の素線に加わった実効歪は、素線とコンジットの熱歪差に起因する成分が-0.4%、導体の曲げに起因する成分がほぼゼロと評価できた。後者は、予想よりも小さかったが、Nb
Al導体を用いたReact-and-wind法の適用性を実証するとともに、Nb
SnコイルへのReact-and-wind法の適用性も示唆した。さらに、Nb
Alインサート・コイル導体と同規模のNb
Sn導体では、電磁力が増加するに従って臨界電流値が低下する現象が観測されたが、Nb
Alインサート・コイルでは、このような予想外の臨界電流性能の劣化は観測されなかった。これは、Nb
Al線の剛性が高い、及びその臨界電流値の歪に対する低下度が小さいためと考えられた。これは、Nb
Al導体が、高磁場、大電流応用に適していることを示す。また、導体内の電流分布について解析し、その臨界電流値の評価への影響を考察した。その結果、本影響が小さいことを明らかにした。
濱田 一弥; 松井 邦浩; 高橋 良和; 中嶋 秀夫; 加藤 崇; CSモデル・コイル実験グループ
低温工学, 38(8), p.417 - 424, 2003/08
日本原子力研究所は、 ITERの工学設計活動の一環として、NbAlインサート・コイル等を製作し、13Tの磁場下で国際共同実験を行った。これらの実験の結果、通電中の導体の圧力損失の変化を調べることによって、コイル状態では見ることのできない導体内部の撚線の動きを推測できることが明らかとなった。今回、Nb
Sn素線とは機械的性質が異なるNb
Al線材を用いた導体について、電磁力に対する圧力損失の挙動に注目して圧力損失を測定し、過去に行われた導体の測定結果とともに解析してまとめた。その結果、(1)定常状態における圧力損失は、Nb
Snを使用した導体とNb
Al導体は、撚線構造が同じであれば、同様の特性を示すことがわかった。(2)同じ撚線構造でも、圧力損失特性にはばらつきが見られる。これは4次撚線とジャケット,中心チャンネル間に発生する隙間の効果であり、撚線ピッチが長い導体に発生し易いと考えられる。(3)圧力損失に対する電磁力の影響は、同じ撚線構造のNb
Sn導体よりもその影響は小さく、Nb
Al撚線は剛性が高いことがわかった。(4)ボイド率が小さくなるにつれて、圧力損失に対する電磁力の影響は少なくなり、撚線の動きを低減できることが明らかとなった。
木津 要; 三浦 友史; 土屋 勝彦; 小泉 徳潔; 松井 邦浩; 安藤 俊就*; 濱田 一弥; 原 英治*; 今橋 浩一*; 石田 真一; et al.
Proceedings of 6th European Conference on Applied Superconductivity (EUCAS 2003), p.400 - 407, 2003/00
JT-60SCのトロイダル磁場コイル(TFC)は18個のD型コイルで構成される。運転電流19.4kAでのTFCの最大経験磁場は7.4Tとなる。原研ではTFCのために先進的なNbAl導体を開発した。Nb
Alは歪に強いという性質があるため、熱処理後巻線する方法:リアクト・アンド・ワインド法(R&W法)でTFCを製作することが可能となり、より高いコイル製作精度と低コスト化を実現できる。R&W法によるコイル製作を実証するためにD型の2ターンコイルを開発した。D型コイルを温度範囲4.3-4.4K,磁場範囲7-12Tで試験し、30kA(7.3T,4.4K)の臨界電流(Ic)を達成した。D型コイルと超伝導素線とのIc比較より、導体の歪は-0.6%程度と見積もられた。この歪とNb
Alの臨界電流密度・磁場・温度の関係式を用いて性能を予測したところ、TFCをR&W法で製作した場合でも、設計基準の温度マージンを確保できることが見出された。以上より、R&W法がTFC製作に適用可能であることが実証できた。
小泉 徳潔; 高橋 良和; 布谷 嘉彦; 松井 邦浩; 安藤 俊就; 辻 博史; 奥野 清; 東 克典*; Fuchs, A.*; Bruzzone, P.*; et al.
Cryogenics, 42(11), p.675 - 690, 2002/11
被引用回数:23 パーセンタイル:64.17(Thermodynamics)ITER-EDAの一環として、NbAll導体とReact-and-wind法のITER-TFコイルへの適用性を実証するために、13T-46kA級ステンレス鋼製ジャケットNb
Al導体を開発した。本導体が曲げ歪を加えた場合も含めて、臨界電流値性能を達成できることを確認するために、臨界電流値試験を実施した。試験は、磁場7, 9, 10, 11T, 温度6-9Kの範囲で行った。また、予想臨界電流値を評価するために開発した解析モデルによる計算の結果、実験結果は計算結果とよく一致することがわかった。したがって、本導体の製造過程が妥当であり、かつ、React-and-wind法の適用が可能であることを実証できた。
濱田 一弥; 河野 勝己; 松井 邦浩; 加藤 崇; 杉本 誠; 原 英治*; 奥野 清; Egorov, S. A.*; Rodin, I.*; Sytnikov, V. E.*; et al.
低温工学, 37(10), p.531 - 538, 2002/10
国際熱核融合実験炉(ITER)の工学設計活動において、トロイダル磁場(TF)コイル用超伝導導体の製作性や性能を実証することを目的として、TF実寸導体を使用したTFインサート・コイルを開発し性能試験を行った。流体特性として、圧力損失特性が電磁力や通電履歴に依存する特性を示すか否かを検証した。過去の研究では、撚線は電磁力によって変形し、ジャケットと撚線との隙間に新たな流路が形成され、圧力損失が変化すると考えられる。また電磁力が繰り返し加わることによって撚線断面が塑性変形し、圧力損失の永久的な変化が起きると考えられるが、過去のモデル・コイル実験では、永久的な圧力損失の変化は明確には観測されていない。測定の結果、コイルを通電すると圧力損失は低下し、電磁力の影響を観測した。また、通電を積み重ねることによって、永久的な圧力損失の変化が生じることを観測した。圧力損失の変化を説明する撚線の変形量を計算した結果、13T,46kAで撚線は電磁力により1.4mm変形したと考えられる。
濱田 一弥; 小泉 徳潔
プラズマ・核融合学会誌, 78(7), p.616 - 624, 2002/07
現在、ITER等のトカマク型核融合炉の設計には、高磁場性能,高耐電圧性能,電磁力に対する高剛性の要求から、強制冷却型超伝導コイルが採用されている。強制冷却型超伝導コイルにおいては、超伝導の電気抵抗ゼロの特性や反磁性という性質に、ケーブル・イン・コンジット導体(CICC)特有の複雑な構造が加わることにより、多様な電磁現象が発生することが知られている。最近特に解明に労力が注がれているのは,導体内部に発生する不均一電流による通電安定性に対する影響や変動磁場で発生する導体の交流損失現象である。CICCの開発においては、超伝導素線のヒステリシス損失及び交流損失及び導体内部での不均一電流による不安定性について研究が進展し、素線のフィラメント配置の最適化や、素線間の接触抵抗の制御を行うことによって、ITERモデル・コイルのような大型超伝導コイルの開発に成功することができたので、その概要を報告する。
濱田 一弥; 高橋 良和; 松井 邦浩; 加藤 崇; 奥野 清
低温工学, 37(6), p.257 - 264, 2002/06
日本原子力研究所は、国際熱核融合実験炉(ITER)の工学設計活動の一環として、中心ソレノイド・モデル・コイル(CSMC)及びCSインサート・コイル(CSIC)の通電実験を行った。その結果、CSICの圧力損失が通電時に減少することや結合損失が電流値に依存することが観測された。これらの原因は、電磁力によってジャケット内部で超伝導撚線が圧縮変形して、新たに流路ができたことや、撚線部の変形により素線間の接触抵抗が変化したことが考えられるので、本論文ではこれらを定量的に説明することを試みた。その結果、電磁力によって撚線が約1.3mm変形すると実験と同様に圧力損失が低下することがわかった。また、圧力損失の検討結果等から導体の結合時定数を電磁力の関数として評価しCSICの結果損失を計算した。その結果、計算値は測定値とほぼ一致し、電磁力の影響を定量的に説明できた。
濱田 一弥; 加藤 崇; 河野 勝己; 原 英治*; 安藤 俊就; 辻 博史; 奥野 清; Zanino, L.*; Savoldi, L.*
AIP Conference Proceedings 613, p.407 - 414, 2002/00
国際熱核融合実験炉(ITER)の工学設計活動の一環として、中心ソレノイド(CS)モデル・コイルが日本,欧州,ロシア及び米国の国際協力により、製作され、性能試験が行われた。CSモデル・コイルは、強制冷却型ケーブル・イン・コンジット導体を採用しており、導体内部に4.5Kの超臨界ヘリウムを流して冷却する。導体の圧力損失を調べることは、コイルの熱的な性能及び冷凍機の負荷の観点から、極めて重要である。今回CSモデル・コイルの実験において、ITER実機規模の超伝導導体として初めて、4.5Kの超臨界圧ヘリウムによって圧力損失特性が測定されたので、その結果について報告する。
濱田 一弥; 河野 勝己; 原 英治*; 加藤 崇; 榛葉 透*; CSモデル・コイル実験グループ
低温工学, 36(6), p.330 - 335, 2001/06
国際熱核融合実験炉(ITER)の工学設計活動の一環として、中心ソレノイド(CS)モデルコイルが開発され、性能試験が行われた。CSモデルコイルは、強制冷却型超伝導コイルであり、36本のケーブルインコンジット導体を使用している。実験では、コイルの流体特性としてITER実寸導体の圧力損失特性及びコイルの流量配分について4.5Kの超臨界圧ヘリウムを使用して初めて測定を行ったので、その結果について発表する。
原 英治*; 濱田 一弥; 河野 勝己; 加藤 崇; 榛葉 透*; CSモデル・コイル実験グループ
低温工学, 36(6), p.324 - 329, 2001/06
国際熱核融合実験炉(ITER)の工学設計活動の一環として、中心ソレノイド(CS)モデル・コイル及びCSインサート・コイルが開発され、このコイルの性能試験が行われた。コイル及びその支持構造物には48の並行冷却流路があり、超臨界圧ヘリウムにより4.5Kに冷却される。本論文では、実験によって得られた初期冷凍及び昇温特性ならびに非通電時における定常熱負荷について報告する。