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森田 泰治; 久保田 益充*
JAERI-Review 2005-041, 35 Pages, 2005/09
原研における群分離に関する研究開発について、研究開発開始当初より、4群群分離プロセス開発及びその実高レベル廃液試験までの成果を取りまとめ、総括した。1980年(昭和55年)頃に構築した3群群分離プロセスでは高レベル放射性廃液中の元素を超ウラン元素,Sr-Cs及びその他の元素の3群に分離する。その後研究開発された4群群分離プロセスでは上記にTc-白金族元素群を分離対象に加えられている。4群群分離プロセスについては、燃料サイクル安全工学研究施設(NUCEF)内に整備した群分離試験装置を用いて濃縮実高レベル廃液による実証試験が実施された。この間、さまざまな分離手法が研究,試験され、各分離対象元素(群)に最適な分離手法,分離条件等について多くの検討がなされた。高レベル廃液は、希ガスとハロゲンを除く第1族から第16族までの多くの種類の元素を含んでおり、分離対象もさまざまであることから、取り扱った際に起こる事象は非常に複雑である。したがって、過去の経験,知見や成果をきちんと整理して、これを今後の研究に活かすことが非常に重要である。本報告は、今後の研究開発に役立たせるため、これらの研究開発の内容及びその成果をレビューしたものである。
森田 泰治; 館盛 勝一; 駒 義和*; 青嶋 厚*
JAERI-Research 2002-017, 20 Pages, 2002/08
本レポートは、核燃料サイクル開発機構(サイクル機構)と日本原子力研究所(原研)との間で、「高レベル廃液からのアクチニド分離プロセスの研究」のテーマのもと、平成10年9月より平成14年3月末までの3年半の間実施した共同研究の成果をまとめたものである。共同研究の目的は、サイクル機構で開発中のTRUEX/SETFICSプロセス及び原研で開発中のDIDPA抽出プロセスのそれぞれのアクチニド分離プロセスについて総合的な評価を行って、共通的な課題を摘出し、効率的なプロセス開発に資することにある。評価検討の結果、アクチニド分離の主工程は異なっていても、廃溶媒の処理やDTPA廃液の処理等の分離後の処理,溶媒リサイクル等の副次的な工程では多くの共通的な課題が存在することが明らかになった。工学実証規模に移すためには、これらの課題を解決するとともに、副次的な工程を含むプロセス全体について一貫した試験を実施することが必要であると結論した。さらに、プロセス全体について高い視点から評価すると、経済性向上と二次廃棄物発生量低減の2項目が重要であり、これらを念頭に置いたうえで、より合理的で効率的なアクチニド分離プロセス開発のため、今後も継続して研究開発を推進することが必要である。
渡邉 雅之; 龍ヶ江 良三*; 森田 泰治; 久保田 益充*
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 252(1), p.53 - 57, 2002/04
被引用回数:7 パーセンタイル:43.74(Chemistry, Analytical)効率のよい分離プロセスをデザインするにあたって、単純な試薬を用いることは、プロセスを簡略化するうえでも、二次廃棄物を消滅するうえでも非常に有利である。以前、著者らは、炭酸ヒドラジンがDi(2-ethylhexyl)phosphoric acid(HDEHP)に抽出された三価及び四価アクチノイドを効率的に逆抽出できること、また、その逆抽出メカニズムについて明らかにした。本報では、Diisodecylphosphoric acid(DIDPA)から三価及び四価のアクチノイドの逆抽出について明らかにすることを目的とした。Am(III),Eu(III)及びNp(IV)については、HDEHPと同様の逆抽出挙動を示すが、Pu(IV)についてはHDEHPの場合とは大きく異なる挙動を示すことが明らかになった。その結果、Np(IV)とPu(IV)との間の分離係数は、六倍ほど向上し、25程度となり、炭酸ヒドラジンによってNp(IV)の選択的な分離が可能であることが明らかとなった。
渡邉 雅之; 龍ヶ江 良三*; 白橋 浩一; 森田 泰治; 久保田 益充*
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 250(2), p.377 - 379, 2001/11
被引用回数:7 パーセンタイル:48.43(Chemistry, Analytical)以前、著者らは、炭酸ヒドラジンがDi(2-ethylhexyl)phosphoric acid(HDEHP)に抽出された三価及び四価アクチノイドを効率的に逆抽出できること、また、その逆抽出メカニズムについて明らかにした。本報では、HDEFP及びDiisodecylphosphoric acid(DIDPA)から六価のウランの逆抽出について明らかにすることを目的とした。その結果、HDEHPからの逆抽出とDIDPAからの逆抽出とでは、挙動が、異なることが明らかとなった。
森田 泰治; 山口 五十夫; 藤原 武; 溝口 研一*; 久保田 益充*
JAERI-Research 2000-024, 55 Pages, 2000/06
現在開発中の4群群分離プロセスについて、NUCEFのプロセスセル内に設置した群分離試験装置により、模擬高レベル廃液を用いたコールド試験、及び少量の実高レベル廃液とTcを添加した模擬廃液を用いたセミホット試験を実施した。前処理工程、抽出工程、硝酸沈殿工程、活性炭吸着工程及び無機イオン交換体吸着工程の各工程を一連の操作で試験し、Am,Tcを含め各元素はほぼ想定どおり分離されることを確認した。例えば、抽出工程においてAmは、99.99%以上が抽出され、99.92%が抽出溶媒より逆抽出された。脱硝沈殿工程では、Tc沈殿率として96.6%が得られた。以上の試験により、群分離試験装置の元素分離性能を確認することができた。また、実高レベル廃液による群分離試験の結果と比較するためのデータを取得することができる。
渡邉 雅之; 龍ヶ江 良三*; 高田 清史*; 森田 泰治; 久保田 益充
JAERI-Research 99-034, 55 Pages, 1999/05
本報告では、ソルトフリー試薬である炭酸ヒドラジンによりDIDPA[Diisodecylphosphoric Acid]又は、HDEHP[Di-(2-ethylhexyl)phosphoric Acid]からの金属の逆抽出挙動を系統的に調べた。その結果、HDEHPからは、アクチノイド、ランタノイド、Zr、Moの逆抽出が可能で、DIDPAからは、アクチノイド、ランタノイド、Moの逆抽出が可能であることがわかった。
渡邉 雅之; 森田 泰治; 久保田 益充
JAERI-Research 99-001, 18 Pages, 1999/01
現在開発中の4群群分離プロセスでは、高レベル廃液からジイソデシルリン酸(DIDPA)を用いて、超ウラン元素を溶媒抽出により分離することに成功している。本研究では、分解生成物であるモノイソデシルリン酸(MIDPA)、相分離を改善するために添加されるTBPが、鉄、ランタノイドの抽出挙動、第三相生成に与える影響について検討した。その結果、精製したDIDPAを用いた場合、現在プロセスで用いられている未精製のDIDPAにTBPを添加した場合よりも、分相が非常に早いばかりか、鉄の第三相生成の限界濃度が2倍程度向上することがわかった。
渡邉 雅之; 森田 泰治; 久保田 益充
JAERI-Research 98-025, 14 Pages, 1998/04
現在開発中の4群群分離プロセスでは、高レベル廃液からジイソデシルリン酸(DIDPA)を用いて、超ウラン元素を溶媒抽出により分離することに成功している。溶媒抽出の際、DIDPAは、放射線分解や酸による加水分解などにより劣化する。主たる劣化生成物であるモノイソデシルリン酸(MIDPA)は、超ウラン元素の分離効率を低下させるため、除去する必要がある。従来、MIDPAの除去には、エチレングリコールを用いる溶媒抽出により行われてきたが、分相が良くないという問題があった。本研究では、分相が促進される方法として、アセトンまたはメタノールを添加する方法を検討した。さらに、新しい精製法としてメタノール、アセトン水溶液を用いる方法を考察し、エチレングリコールを用いる方法に匹敵する優れた方法であることを見い出した。
森田 泰治; J.-P.Glatz*; 久保田 益充; L.Koch*; G.Pagliosa*; K.Roemer*; A.Nicholl*
Solvent Extr. Ion Exch., 14(3), p.385 - 400, 1996/00
被引用回数:89 パーセンタイル:93.00(Chemistry, Multidisciplinary)ホットセル内に設置した12基一連の遠心抽出器を用いて、ジイソデシルリン酸(DIDPA)抽出法連続プロセスによる実高レベル廃液からのアクチノイド分離の試験を行った。その結果、アクチノイドを、Npを除き、非常に高い回収率で抽出できた。Npの抽出率は、84%であったが、温度、段数及び添加するHO濃度を増加することによって、容易に高めることができる。長寿命のTcや放射能の高いCs、Srは抽出されず、アクチノイドより高い除染係数で分離できた。4M硝酸によるAm、Cmの逆抽出及び0.8Mシュウ酸によるNp、Puの逆抽出の試験も行い、有益なデータが得られた。本研究の結果、DIDPA抽出プロセスに対しても遠心抽出器を適用できることがわかった。さらに、本プロセスにより適した遠心抽出器の開発が望まれる。
白橋 浩一; 森田 泰治; 久保田 益充
JAERI-Research 95-012, 34 Pages, 1995/03
0.5M DIDPA溶媒に抽出されたZrとMoのシュウ酸溶液による逆抽出挙動を調べた。Zrはシュウ酸濃度0.8Mでは逆抽出が可能な分配比0.697を示した。Zrの分配比は、シュウ酸濃度0.1Mから0.8Mの範囲では、シュウ酸イオン(CO)濃度の3乗に、水素イオン濃度の4乗にそれぞれ反比例した。このことから、Zrは、シュウ酸溶液中でZr(OH)(CO)の化学形で存在していると推定される。Moはシュウ酸濃度0.5Mで逆抽出可能な分配比0.05を示した。Moの分配比は、CO濃度の1乗から2乗に、水素イオン濃度の1乗あるいは2乗にそれぞれ反比例した。Moは、H(MoO)あるいはH(MoO)(m=1あるいは2)にCOが1あるいは2分子配位した化学形でシュウ酸溶液中に存在しているものと考えられる。
龍ヶ江 良三*; 白橋 浩一; 久保田 益充
JAERI-Research 95-011, 72 Pages, 1995/03
DIDPAによるアクチノイド抽出分離の研究の一環として、DIDPA中に含まれるUの逆抽出挙動を中心として実験検討を行った。実験は主として、Uを0.5M硝酸溶液からDIDPA中に抽出した上で、逆抽出することにより逆抽出剤を選定した。その結果、DIDPA中に抽出されたUは炭酸ヒドラジンまたは炭酸ナトリウム溶液により、その分配比が0.1以下で水相に移行することが明らかになった。本研究の結果およびこれまでの成果から、高レベル廃液中の主要なアクチノイドをDIDPAにより抽出し、各抽出剤により回収できる可能性、すなわち、DIDPAによるアクチノイドの一括分離の可能性が示された。
森田 泰治; 藤原 武; 白橋 浩一; 渡邉 雅之; 龍ヶ江 良三*; 久保田 益充
Global 1995,Int. Conf. on Evaluation of Emerging Nuclear Fuel Cycle Systems, 2, p.1163 - 1170, 1995/00
高レベル廃液からの超ウラン元素分離のための抽出剤としてジイソデシルリン酸(DIDPA)の研究を行っている。このDIDPAの基本的性質と群分離プロセスへの適用性について総合的に発表する。DIDPA抽出法により、すべての超ウラン元素を、硝酸濃度を0.5Mに調整した高レベル廃液より高い回収率で分離できる。抽出された超ウラン元素は、次の逆抽出工程においてDIDPA溶媒より効率的に回収できる。また、ジエチレントリアミン五錯酸による選択的逆抽出により、Am、Cmと希土類元素との分離も可能であるとの見通しが得られている。核分裂生成物等の挙動についてもほぼ解明できた。以上のような成果をもとに、高レベル廃液群分離のためのDIDPA抽出プロセスのフローシートを構築した。
佐藤 忠
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 158(2), p.391 - 399, 1992/00
被引用回数:5 パーセンタイル:47.91(Chemistry, Analytical)ヂイソデシルリン酸(DIDPA)によるイットリウムの抽出挙動を硝酸濃度、N-ドデカン中のDIDPA濃度を変えて調べた。イットリウムの分配比は硝酸濃度の-3乗、DIDPA濃度の約2乗に比例して増加する。25%DIDPA-N-ドデカンに対するイットリウムの分配比は硝酸濃度全領域について3以上であり、硝酸のみによるイットリウムの逆抽出は困難であることを見出した。有機相中のイットリウム濃度が増加するに従い、有機相中にY(DIDP)の組成を持つ沈殿が生成する。この沈殿のDIDPA-N-ドデカン混合物への溶解はDIDPA濃度に依存し、1分子のY(DIDP)を溶解するために14個のDIDPA分子が必要であった。
森田 泰治; 谷 俊二*; 久保田 益充
Proc. of the 3rd Int. Conf. on Nuclear Fuel Reprocessing and Waste Management,Vol. 2, p.348 - 353, 1991/00
高レベル廃液の群分離法開発のため、ジイソデシルリン酸(DIDPA)抽出による超ウラン元素の分離について研究している。本研究では、ミキサーセトラを用いた向流接触連続抽出実験により、Np分離の最適条件の決定及び核分裂生成物や腐食生成物の抽出挙動の解明を行なった。その結果、Npについては、V価の状態にあっても過酸化水素を添加した14段の抽出により99.95%以上のNpを分離できること、また16段のシュウ酸による逆抽出で抽出されたNpの99.9%以上を回収できることがわかった。これまでの研究で、III、IV、VI価の超ウラン元素についてもDIDPAにより効率よく抽出できることがわかっており、超ウラン元素の一括分離が可能である。本報告では、硝酸濃度0.5Mに脱硝した高レベル廃液からの抽出、4M硝酸によるAm、Cmの逆抽出、及びシュウ酸によるNp、Puの逆抽出の3工程から成る分離プロセスを提案する。
谷 俊二*; 森田 泰治; 久保田 益充
JAERI-M 90-168, 28 Pages, 1990/10
使用済核燃料の再処理によって発生する高レベル廃液からのジイソデシルリン酸(DIDPA)による超ウラン元素(Am,Cm,Np,Pu)抽出プロセスにおける他元素の挙動について、模擬廃液を使用した連続操作実験により検討した。初めの抽出ステップでは、Am、Cmと挙動を共にするNdは99.99%が抽出されることがわかった。また、99.9%のFe及びRu、Rhの一部が抽出されたが、Cs、Sr等、他の元素はほとんど抽出されないことが確認された。Fe、Rhは、4M硝酸による逆抽出に続くシュウ酸による逆抽出ステップで、そのほとんどがDIDPAより逆抽出された。分離プロセスを経たDIDPA溶媒中にはFeとRuがわずかに残存するが、その濃度は溶媒濃度の1/1000以下であり、問題はないと考えられる。以上、DIDPA抽出連続操作実験の結果、目標とする分離が達成されることが確認され、本プロセスが超ウラン元素の分離に有効な方法であることがわかった。
谷 俊二*; 森田 泰治; 久保田 益充
JAERI-M 90-023, 33 Pages, 1990/02
高レベル廃液からのNp(V)の分離を目的として、DIDPA(diisodecyl phosphoric acid)による溶媒抽出とシュウ酸によるNp(IV)の逆抽出実験を行った。本報告では、DIDPAによる溶媒抽出及びシュウ酸による逆抽出プロセスの工業化への検討を行うために、ミニミキサーセトラーでの連続抽出、及び連続逆抽出実験を実施した結果について述べる。連続抽出実験の結果、過酸化水素を供給すればDIDPAで高レベル模擬廃液から、99.96%以上のNp(V)を抽出できることがわかった。過酸化水素は抽出の途中で共存元素の影響で分解してしまうが、再供給することによって、その消費を補い、Np抽出速度を再び速くすることができた。連続逆抽出実験では、0.8Mのシュウ酸で99.94%以上のNp(IV)を逆抽出できることがわかった。Np(IV)の逆抽出挙動はバッチ実験で得られた平衡分配係数により説明できた。
森田 泰治; 久保田 益充; Y.J.Shin*
Solvent Extr. Ion Exch., 8(4-5), p.529 - 555, 1990/00
被引用回数:7 パーセンタイル:50.22(Chemistry, Multidisciplinary)DIDPA(diisodecyl phosphoric acid)によるNpの抽出の実プロセスへの適用性検討の一環として、DIDPAの放射線分解とNp抽出への影響について研究した。0.5M DIDPA及び0.1M TBPを含む溶媒において、溶媒が単独で照射された場合のDIDPA分解及びDBP生成のG値は、それぞれ0.47及び0.14であった。また硝酸共存下で照射された溶媒では、DIDPA分解のG値は0.78であり、単独照射の場合の1.7倍であった。照射溶媒を用いたNp(V)の抽出では、溶媒が単独で照射された場合、Npの抽出速度は生成するMIDPA(monoisodecyl phosphoric acid)の濃度でよく説明できることがわかった。硝酸共存で照射した場合は、他の分解生成物の影響が現れたが、実際のプロセスで溶媒が受ける線量として比べ大きい線量を吸収してもNpの抽出速度は大きく変化せず、この方法の実プロセス適用に問題がないことが確かめられた。
森田 泰治; 久保田 益充
Journal of Nuclear Science and Technology, 24(3), p.227 - 232, 1987/03
被引用回数:33 パーセンタイル:92.54(Nuclear Science & Technology)ネプツニウムは、高レベル廃棄物の処理処分上最も重要な元素と考えられるようになっており、現在その分離法の開発が進められている。これまでに、DIDPAを用いればV価のNpを抽出できることを見い出していたが、その抽出機構は不明であった。本研究では、有機相中でのNpの原子価を調べることにより、Np(V)の不均化反応が関与していることが確認された。Np(V)とDIDPAとのInteraction及び不均化反応の2段階で抽出が進んでいるものと考えられる。さらに本研究では、抽出プロセス開発の基礎となる抽出速度に対する検討を行い、その結果抽出反応の次数が1より大きく、抽出速度がNpの濃度にも依存することがわかった。また抽出速度はDIDPAの濃度に大きく影響されることがわかり、抽出器内の錯体を作っていないDIDPAの濃度分布を知ることが重要であることが指摘された。他に硝酸濃度、温度に対する依存性についても調べられた。
山口 五十夫; 岡田 賢造; 久保田 益充; 中村 治人
JAERI-M 85-161, 16 Pages, 1985/10
高レべル再処理廃液中に含まれる放射性核種を分離し、安全な形で処分するという考え方のもとに群分離の開発を進めている。1983年には動燃再処理実廃液約220Ciを使用した群分離試験を実施した。これらの試験で放射性核種の挙動は明確にされたが、非放射性核種の挙動は詳しく調べられていない。そのため超ウラン元素の抽出に使用するdi-isodecyl phoshoric acid(DIDPA)抽出剤に対する非放射性核種の抽出挙動について調べた。DIDPAに対する金属イオンの分配比はほとんどの場合、0.05以下であるがMo、Zrおよび鉄は高い分配比を示した。Fe(III)は4MHNOで逆抽出できないが、0.5M(COOH)で逆抽出できる。Fe(III)は濃度0.02M以上で第3相を形成するが、0.01M以下に希釈するあるいは2価の鉄イオンにする事により、第3相の形成を防止できる。
森田 泰治; 久保田 益充
Journal of Nuclear Science and Technology, 22(8), p.658 - 664, 1985/00
被引用回数:14 パーセンタイル:82.89(Nuclear Science & Technology)従来より高レベル廃液の群分離法の開発を進めて来ており、すでに実廃液による群分離試験を実施している。開発されたプロセスではネプツニウムの分離については特に考慮していない。本論文は、現在の群分離プロセスにおけるNpの挙動について調べた結果をまとめたものである。Npの分析より、初めのTBP抽出工程では、ほとんどのNpが抽出されていないことがわかった。これはFeed液中のNpがほぼV価の状態にあったことを意味する。続くDIDPA抽出工程では、Npは抽出され、しかも逆抽出されていないことが見い出された。トレーサーを用いた実験から、DIDPAはNp(V)を抽出することができ、抽出されたNpは逆出されにくいことがわかった。この抽出は速度が遅く、大きな分配比を得にくい。しかし逆抽出されないという不可逆過程を条件にしたモデルによりDIDPA抽出工程におけるNpの挙動を説明できる。