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小野 正人; 藤原 佑輔; 松本 哲郎*; 飯垣 和彦
日本原子力学会和文論文誌, 19(2), p.110 - 120, 2020/06
これまでの竜巻起因の飛来物に対する原子炉建家の健全性評価は、単純な形状の飛来物に対する経験式を用いて、飛来物の貫入、裏面剥離、貫通といった局所的な破壊モードを予測している。しかしながら、現実的には原子炉建家の周辺には排気筒等の複雑な形状の建物・構築物があり、それらが原子炉建家に衝突するおそれがあるものの、従来の評価式では複雑な形状の飛来物に対する評価は困難である。そこで本研究では、複雑な形状の飛来物の衝突を想定し、原子炉建家の健全性を評価する手法を検討した。
須藤 俊幸
JNC TN8200 2000-006, 443 Pages, 2000/07
2000年3月末に米国ニューメキシコ州アルバカーキ市で開かれた米国エネルギー省(DOE)の臨界安全技術プロジェクトワークショップ(NCTSP)に参加したので報告する。NCTSPは、DOE関係者の臨界安全に関わる者が、DOEの臨界安全プログラム(NCSP)の一環として情報交換や業務逐行上の改善点について議論の場をもつもので、毎年1回開催しているものである。参加人数は約100名強である。NCTSPの後には臨界安全に関するANS-8基準の更新、改訂、新規策定のための委員会会合が行われた。これらの会合への自由なコメントを歓迎するという立場から、外部の者も自由な参加ができる。NCSPは7つのタスク(臨界実験、ベンチマーキング、核データ、解析手法、データの適用範囲及び限界、情報保存と普及、トレーニングと資格制度)があり、それぞれの活動状況について報告された。また、東海村のJCO臨界事故に対するDOE、NRC及びその所管施設の対応、DOEのガイド(G)/オーダー(O)の改訂内容についての説明と議論などがなされた。会場の雰囲気はDOE臨界関係者の内輪の会議といったものであり、発表内容や議論については、組織、規制等の体系、プログラム・プロジェクトの名称やその計画等の背景情報が分からないと把握するのがむずかしい面があった。しかし、DOEといういくつもの核物質取扱施設を有する巨大な組織が、総体として臨界安全確保の維持と向上に努力を示す態度、継続的かつ体系的、実用的なプログラム活動には敬服させられるものがある。本ワークショップに関する背景情報やレポート類のほとんどがウェブサイトを通して公開されており、情報の共有化が図られている。本報告では、これらの関連内容も盛り込むとともに、参考として関連ウェブサイトのアドレスをできる限り記載した。
岩村 公道; 大久保 努; 碓井 修二*; 嶋田 昭一郎*; 鍋島 邦彦; 白川 利久*; 角田 恒巳; 石川 信行; 鈴土 知明; 中塚 亨; et al.
JAERI-Review 99-017, 60 Pages, 1999/08
NERI(Nuclear Energy Research Initiative)とは、米国エネルギー省(DOE)が1999会計年度から19M$の予算で開始した公募型研究プログラムである。NERI計画の目的は、米国における原子力科学技術のインフラストラクチャーを維持・発展させ、原子力分野での国際競争力を確保することにある。DOEは1999年5月にNERI計画初年度分の研究課題として45件を採択した。採択課題は以下の5項目の研究分野に分類できる。(1)核不拡散型原子炉・燃料サイクル関連、(2)新型炉関連、(3)先進燃料関連、(4)核廃棄物管理の新技術関連、(5)原子力基礎科学研究関連。NERIは米国政府が出資する戦略的な原子力研究開発計画であり、その動向は日本国内の原子力産業界はもとより原研等の原子力研究機関における研究開発の将来計画にも影響を及ぼすと考えられる。本報は、NERI採択課題の要旨を分析しまとめたものである。
遠藤 章; 山口 恭弘
Radiation Protection Dosimetry, 82(1), p.59 - 64, 1999/00
被引用回数:2 パーセンタイル:20.91(Environmental Sciences)ICRPが内部被ばく線量評価のために与えている線量係数は、ICRP Publ.38の崩壊データを用いて算出されている。Publ.38は1970年代の評価済核構造データファイル(ENSDF)の崩壊データをもとに編集されたが、その後のENSDFの再評価により、Publ.38に収録されている核種の中には、崩壊データが変更されているものが多数存在している。本研究では、最新版のENSDFから編集した崩壊データと、Publ.38のデータとの比較を行い、これらの違いに基づく線量係数値への影響について検討を行った。その結果、いくつかの核種については、用いる崩壊データにより線量係数が大きく異なるため、Publ.38のデータを再編集する必要があることが明らかとなった。
稲辺 輝雄
プラズマ・核融合学会誌, 73(8), p.812 - 819, 1997/08
従来の核融合実験施設やトリチウム取扱施設よりも大規模な核融合施設は、現行の放射線障害防止法による規制では求められていない深層防護とALARAの原則に基づく安全設計が必要と考えられる。ここでは、この二つの原則の考え方を解説するとともに、これらの原則を踏まえた国際熱核融合実験炉ITERの安全設計方針及び米国エネルギー省の磁気核融合施設に対する安全要求の主要な内容を解説する。また、今後国内で核融合施設の安全設計要求を検討する際に留意すべきと考えられる安全評価と安全設計との関連等を解説する。
竹村 守雄*
PNC TJ9055 97-001, 112 Pages, 1997/03
動燃と米国DOEとの共同研究として実施されてきた日米共同大型遮蔽実験(JASPER)は、実験を成功裡に完了し、遮蔽物理研究の観点からの解析評価もほぼ収束しつつある。このJASPER実験及び解析から得られた成果は、実証炉および大型炉の遮蔽設計の精度を確保するための基本データベースとして、今後最大限有効に活用していくことが望まれている。JASPER実験で得られた豊富な遮蔽研究上の知見を大型炉の遮蔽設計へ有効に反映するためには、遮蔽用群定数ライブラリや解析手法などを最新のもので統一し、また必要に応じて容易に再解析できる解析データシステムを構築するなど、一貫した遮蔽設計基本データベースとして整備する必要がある。本作業の目的は、遮蔽設計基本データベースの整備の一環として、最新の遮蔽用群定数ライブラリ及び最新解析手法によるJASPER遮蔽実験解析を行うとともに、これまでの研究で蓄積してきたJASPERの実験データ及び解析入力データを系統立てて整理することにある。今年度はその2年目として、最新の核データライブラリJENDL-3.2に基づく遮蔽解析用標準群定数ライブラリJSSTDLを用いて、JASPER実験のうちの軸方向遮蔽実験の解析を実施した。従来のJASPER実験解析に適用されてきたJENDL-2に基づく群定数ライブラリJSDJ2による解析結果と比較した結果、全般的にJSSTDLによる解析結果の方がJSDJ2による結果よりも高めとなる傾向がみられた。さらにこの軸方向遮蔽実験解析及び前年度の径方向遮蔽実験でのナトリウム透過解析でのライブラリによる差の原因について、分析を行った。また、前年度選定したJASPER実験体系について、その実験解析を再現するのに必要な解析入力等のデータを、今年度も引き続き計算機上に集約・整備を行った。
今野 力; 大山 幸夫; 前川 藤夫; 池田 裕二郎; 小迫 和明*; 前川 洋; M.A.Abdou*; Bennett, E. F.*; A.Kumar*; M.Z.Youssef*
Fusion Technology, 28(2), p.347 - 365, 1995/09
核融合炉ブランケット中性子工学に関する原研/米国DOE共同研究の第3段階として、疑似線状線源を用いた円環ブランケットに関する中性子工学実験を行った。酸化リチウムと炭酸リチウムから成る長さ2mの円環ブランケットの中心にD-T中性子源を設置し、円環ブランケットを2mの範囲で動かすことにより線状線源を模擬した。円環ブランケットの特性、グラファイトアーマー及び大口径ダクトの影響を調べるため、3つの実験体系で実験を行った。今回の実験のために開発された測定時間を短縮する方法(多検出器法、荷重関数法、連続高圧変化法)を用いて、トリチウム生成率、中性子スペクトル、放射化反応率を測定し、それぞれの体系の特性を明らかにした。また、JENDL-3を用いたGMVPによる解析から、点状線源の場合と同様に、10%以内で実験を再現できることがわかった。
今野 力; 大山 幸夫; 池田 裕二郎; 山口 誠哉; 津田 孝一; 小迫 和明*; 前川 洋; 中川 正幸; 森 貴正; 中村 知夫; et al.
Fusion Technology, 28(2), p.273 - 295, 1995/09
核融合炉ブランケット中性子工学に関する原研/米国DOE共同研究の第2段階として、閉鎖ブランケット体系を用いた中性子工学実験を行った。基本となる実験体系は、ブランケット試験領域へ入射する中性子スペクトルを実際の核融合炉のものに近づけるため、D-T中性子源とブランケット試験領域である酸化リチウム層を炭酸リチウム層で囲んだもので、試験領域内のトリチウム生成率、放射化反応率、中性子スペクトルを測定した。更に、基本体系の試験領域及びその対向側へベリリウムの中性子増倍層を設置した5体系についても実験を行い、基本体系の実験データとの比較から、ベリリウムでの中性子増倍、反射の効果を明らかにした。JENDL-3/PR1,PR2を用いたDOT3.5によって実験の解析を行い、ベリリウム層の近傍を除いて、10%以内で実験を再現できることがわかった。
前川 洋; M.A.Abdou*; 大山 幸夫; 今野 力; 前川 藤夫; 池田 裕二郎; 小迫 和明*; 中村 知夫; M.Z.Youssef*; A.Kumar*; et al.
Fusion Technology, 28(2), p.296 - 304, 1995/09
原研のFNSを用いて、原研/米国エネルギー省との協力研究プログラムが実施された。本計画のPhase-IIIでは、Phase-Iと-IIの場合と異なり、広がりのある中性子源の効果を調べることを目的としている。本論文では、疑似線状線源やPhase-IIIA,-IIIB,-IIIC体系の概要、測定項目、実験結果、解析結果及び成果について述べる。
大山 幸夫; 今野 力; 池田 裕二郎; 山口 誠哉; 津田 孝一; 小迫 和明*; 前川 洋; 中川 正幸; 森 貴正; 中村 知夫; et al.
Fusion Technology, 28(1), p.216 - 235, 1995/08
核融合炉ブランケット中性子工学に関する原研/米国DOEとの協力計画のフェーズIICとして2種類の非均質ブランケットについて中性子工学実験を行った。実験体系は炭酸リチウムで中性子源を取囲んだ先のフェーズIIA実験と同じ形状である。典型的な非均質体系としてベリリウム多層体系と水冷却体系を選んだ。これらは物質境界で大きな中性子束勾配やスペクトル変化を与え、そこでの計算精度や測定法を調べることが目的である。測定ではボイド効果は低エネルギーに感度のある検出器に対し非均質な領域では無視できないことがわかった。また、ベリリウムや水の近傍で大きなトリチウム生成の増加が見られ、モンテカルロ計算はそのような境界でも良い一致を示した。
大山 幸夫; 今野 力; 池田 裕二郎; 前川 藤夫; 前川 洋; 山口 誠哉; 津田 孝一; 中村 知夫; M.A.Abdou*; Bennett, E. F.*; et al.
Fusion Technology, 28(1), p.56 - 73, 1995/08
加速器型14MeV中性子源を用いた工学指向の中性子工学実験体系の考え方を述べる。原研と米国エネルギー省との協力計画で行ったこの実験は幾何学的及び物質的な配置についての考察に基づいて計画した。これらの実験体系の核特性を核融合炉モデルのものと比較し、これらの実験体系とその材料の製作法について述べた。また、これらの実験のためにトリチウム生成率などの核パラメータを測定する種々の技術が開発または導入されたが、これらについて実験誤差などの特徴をお互いに比較検討した。
前川 洋; M.A.Abdou*
Fusion Engineering and Design, 28, p.479 - 491, 1995/00
原研/米国エネルギー省の協力研究「核融合炉ブランケット中性子工学」は1993年10月に終了した。約10年間続いた研究は3つに分かれており、Phase-Iでは工学指向のベンチマーク実験と測定技術の開発を行った。Phase-IIでは、反射成分を模擬するため、中性子源を取り囲んだ閉鎖形状で実験を行い、酸化リチウムブランケットのトリチウム増殖性能やBeの中性子増倍効果等のデータを得た。Phase-IIIでは、トーラス形状の実際の炉をできるだけ模擬するため、模擬線状線源を開発するとともに、円環状の模擬ブランケットを用いて実験した。1988年からは本計画に、誘導放射能及び核発熱に関するベンチマーク実験が追加された。設計者に安全係数等の設計指針を与えるため、実験及び解析結果を総合的に評価する方法を開発し、安全係数と信頼度の関係を示した。
大山 幸夫; 小迫 和明*; 今野 力; 池田 裕二郎; 前川 藤夫; 前川 洋
Fusion Engineering and Design, 28, p.636 - 641, 1995/00
核融合ブランケットに関する日米協力計画の基で1984年以来、模擬ブランケットを用いた種々の積分中性子工学実験を行ってきた。この中のフェーズII実験では、炭酸リチウム包囲層を用いた第2段階の核融合炉模擬を行いターゲット室壁からの反射中性子の抑制と入射スペクトル模擬を行った。この計画では、離散座標コードDOT3.5とモンテカルロコードMORSE-DDを用いて解析を行ったが、本論文ではDOT3.5の計算パラメータの選択が計算結果に及ぼす影響を比較計算によって調べた。計算比較はフェーズIIの4つの体系について行い、計算パラメータとして群構造、ルジャンドル展開次数、角度分点、空間メッシュのサイズを取り上げた。結果は、粗い群では、体系深さとともに高エネルギー中性子を過小、低エネルギー中性子を過大評価し、粗い空間メッシュでは低エネルギー中性子に対して最大20%の影響を与えた。その他のパラメータの効果は1-2%であった。
今野 力; 大山 幸夫; 前川 藤夫; 池田 裕二郎; 小迫 和明*; 前川 洋; M.A.Abdou*; A.Kumar*; M.Z.Youssef*
Fusion Engineering and Design, 28, p.708 - 715, 1995/00
核融合ブランケット中性子工学に関する原研/米国DOE共同研究の中で、トカマク型核融合炉のトーラス構造を模擬した円環ブランケットと疑似線状線源を用いて、中性ビーム入射ポートのような大開口部が、核パラメーターに与える影響を調べる実験を行った。実験体系は、酸化リチウム層と炭酸リチウム層から成る円環ブランケットの中心に大開口部をあけたものである。酸化リチウムブランケット内のトリチウム生成率、中性子スペクトル、放射化反応率を測定し、開口部のない体系の実験結果との比較から、開口部が円環ブランケットのキャビティ内の低エネルギー中性子を減少させ、開口部と反対側のブランケット前部でのLiによるトリチウム生成率も減少させることがわかった。また、JENDL-3を用いたGMVPの計算は、3次形状の複雑な体系にもかかわらず、測定値と10%以内で一致した。
前川 洋; 大山 幸夫; M.A.Abdou*
Materials for Advanced Energy Systems & Fission and Fusion Engineering '94, 0, p.235 - 246, 1994/00
原研のFNSを用いて、原研/米国エネルギー省との協力研究プログラムが実施された。本計画のPhase-IIIでは、Phase-I,-IIの場合と異なり、広がりのある中性子源の効果を調べることを目的としている。本講演では、疑似線状線源やPhase-IIIA,-IIIB,-IIIC体系の概要、測定項目、実験結果、解析結果及び成果について述べる。
大山 幸夫
NCCニュース, 0(18), p.17 - 23, 1994/00
ブランケット内での中性子核反応を用いたトリチウム燃料の増殖再生はDT燃料を用いる核融合炉概念においてはその成立性に関わる重要課題である。工学的な設計においては核データ、計算手法、構造のモデル化などの問題が相乗的に関わっており、トリチウム増殖率等の炉パラメータの設計余裕度を設定するために計算精度を実験的に確認する必要がある。このため、日米協力としてFNSを用いて、中性子工学実験を1993年まで約10年間にわたって実施した。この中で核的シミュレーションによる工学実験技術及び測定法に進展をもたらし、設計手法の依存性を含めた核設計計算の安全余裕度の評価へと成果を得ることができた。本稿ではこの協力研究の成果を概説する。
星屋 泰二; 江南 和幸*; 山内 清*
Shape Memory Materials and Hydrides (Trans. of Materials Research Soc. Jpn., Vol. 18B), 0, p.1013 - 1016, 1994/00
高温作動型TiPd系形状記憶合金の高温変態特性及び高温変形挙動を明らかにするため、高温電気抵抗測定及び高温引張試験を実施した。その結果、TiPd系合金のマルテンサイト変態開始温度は、第3元素としてCrあるいはFeを添加することによって、800Kから室温まで任意に調整可能であること、また、擬弾性特性を利用すれば、2%までの形状回復歪が利用できることを明らかにした。TiPd系合金は、高い変態温度を有することから、高温用機能材料として有用であるとともに、放射線環境下における耐照射材料として使用できる可能性がある。さらに、原子力分野における同合金の様々の適用例(高温作動型のパイプ継手、フランジ、さらには熱交換器用の止栓プラグ)に関する設計例についても報告する。
星屋 泰二; 後藤 一郎; 近江 正男; 安藤 弘栄; 江南 和幸*; 山内 清*
Shape Memory Materials and Hydrides (Trans. of Materials Research Soc. Jpn., Vol. 18B), 0, p.1025 - 1028, 1994/00
TiPd系形状記憶合金は、Fe,Cr,Vなど第三元素を添加することによって、変態開始温度を800Kから室温まで任意に調整できることから、高温作動型の実用形状記憶合金として期待されている。本報告では、TiPd系形状記憶合金の変形挙動に及ぼす中性子照射効果を解明することを目的とした。JMTRにおいて、TiPd系合金の中性子照射実験後、照射後高温引張試験を実施した。その結果、TiPd-3Cr,TiPd-4Cr合金では、中性子照射によるMs温度及びAs温度変化は小さいこと、さらに、照射したTiNi合金の場合と同様の照射誘起擬弾性を呈することを見出した。また、照射後のヤング率に関する温度依存性から、TiPd系合金のマルテンサイト変態に及ぼす照射の影響は小さく、同合金特有の損傷回復の大きさと関連することを明らかにした。
中川 正幸; 小迫 和明*; 森 貴正; 大山 幸夫; 今野 力; 池田 裕二郎; 山口 誠哉*; 津田 孝一*; 前川 洋; 中村 知夫*; et al.
JAERI-M 92-183, 106 Pages, 1992/12
核融合中性子工学に関する原研/米国エネルギー省協力研究のフェイズIIC実験ではいくつかのブランケット設計にみられる実際的な非均質性をもつブランケットについての積分実験と計算解析が行われた。二つの配置、即ち酸化リチウムとベリリウムの多層系(BEO)および水冷却チャンネル(WCC)体系が採用された。実験の目的は非均質構造周辺てのトリチウム生成率等の予測精度を調べることで、MORSE-DDとMCNPコードが両体系に、DOT3.5/GRTONCLとDOT5.1/RUFFコードがWCC体系に適用された。BEO体系実験では領域別トリチウム生成率の測定値に対して、計算との比(C/E)が原研が0.95-1.05米国が0.98-0.9であり、これまでの実験の傾向と一致した。WCC体系実験ではリチウム6によるトリチウム生成率のC/Eが水冷却チャンネルの周辺で著しく変化した。NE213によって求めたリチウム7によるトリチウム生成率では米国が20-25%大きく、用いた両国の核データの差に原因がある。
大山 幸夫; 今野 力; 池田 裕二郎; 山口 誠哉*; 津田 孝一*; 前川 洋; 中村 知夫*; 小迫 和明*; 中川 正幸; 森 貴正; et al.
JAERI-M 92-182, 151 Pages, 1992/12
原研と米国エネルギー省との間の協定に基づく核融合ブランケット中性子工学に関する協力計画のフェイズIICの実験として2種類の非均質ブランケットについて中性子工学実験を実施した。実験配置はフェイズIIA実験と同様に中性子源を炭酸リチウムの包囲層で囲んだ閉鎖体系を用いた。選択した非均質体系はベリリウム多層体系と水冷却チャネルを含む体系である。前者はベリリウムと酸化リチウム層を交互に重ねた体系で、後者は酸化リチウム内に三つの冷却チャンネルを設けた体系である。これらの体系は中性子束の急激な変化を物質境界で発生し、そこでの計算精度と測定手法がこの実験の主要点である。測定はこれまでの実験と同様トリチウム生成率等の核パラメータに対して行われた。本報告書では核融合炉核設計の計算手法と核データの試験のためのベンチマークデータとして用いるに充分な実験の詳細と結果を述べる。