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片岡 隆浩*; 首藤 妃奈*; 直江 翔太*; 矢野 準喜*; 神崎 訓枝; 迫田 晃弘; 田中 裕史; 花元 克巳*; 光延 文裕*; 寺東 宏明*; et al.
Journal of Radiation Research (Internet), 62(5), p.861 - 867, 2021/09
被引用回数:5 パーセンタイル:41.10(Biology)Radon inhalation decreases the level of lipid peroxide; this is attributed to the activation of antioxidative functions. This activation contributes to the beneficial effects of radon therapy, but there are no studies on the risks of radon therapy, such as DNA damage. We evaluated the effect of radon inhalation on DNA damage caused by oxidative stress and explored the underlying mechanisms. Mice were exposed to radon inhalation at concentrations of 2 or 20 kBq/m (for 1, 3, or 10 days). For example, the 8-hydroxy-2'-deoxyguanosine levels decreased in the kidneys of mice that inhaled 2 or 20 kBq/m
radon for 1, 3, or 10 days. However, the level of Mn-superoxide dismutase (SOD) increased by 15-45% in kidney following radon inhalation. These results suggest that Mn-SOD probably plays an important role in the inhibition of oxidative DNA damage.
Pinak, M.; O'Neill, P.*; 藤本 浩文; 根本 俊行*
AIP Conference Proceedings 708, p.310 - 313, 2004/05
酸化損傷を受けたDNAの構造とエネルギーの変化そしてDNAと修復酵素の複合体形成の動的過程を明らかにするためにDNA突然変異源となる酸化損傷7,8-dihydro-8-oxoguanine(8-oxoG)とその修復酵素human oxoguanine glycosylase 1(hOGG1)を生理的水溶液環境下に配置しmultiple nanosecond moleculardynamics simulationを行った。その結果、DNA-酵素複合体において、N末端のアルギニン324が8-oxoGヌクレオチドのホスホジエステル結合に接近しアミノ酸と損傷部位が化学反応を行えることがわかった。DNA損傷の認識、すなわち修復酵素による損傷部位の認識とDNA-酵素の安定な複合体の形成は、その後の修復プロセスを正常に進めるために必須の条件である。
横谷 明徳
放射光, 17(3), p.111 - 117, 2004/05
放射線によりDNA分子中に生じる塩基の酸化的損傷の前駆体を明らかにするため、われわれはSPring-8の軟X線ビームライン(BL23SU)に設置された電子常磁性共鳴(EPR)装置を用いて、酸素及び窒素K吸収端領域におけるDNA塩基ラジカルの生成機構について調べている。DNA塩基の一つであるグアニン塩基に対するEPRの「その場」測定から、ビーム照射時にのみ現れる短寿命のラジカルが生成することが見いだされた。このラジカルはグアニン中にただ一つしかない酸素(カルボニル酸素)の1s*共鳴によりその収率が顕著に増えた。一方ビーム照射を停止しても残存する安定なラジカルも生成し、これは
線照射などで既に報告されているグアニンカチオンラジカルと推定された。このカチオンラジカルは短寿命ラジカルとは異なり、酸素の1s
*共鳴により逆に収率が減少した。以上の結果から、オージェ終状態からさらに競争的にこれら二つのラジカル過程を経て化学的に安定なグアニン損傷に至ることが示された。
Pinak, M.
Computational Biology and Chemistry, 27(3), p.431 - 441, 2003/07
被引用回数:9 パーセンタイル:44.66(Biology)30塩基対からなる2種類のDNA(8-オキソグアニン損傷を持つDNA及び持たないDNA)に関して、1ナノ秒の分子動力学シミュレーションを実施した。特に、静電エネルギーに焦点を絞った解析を行った。DNAの静電エネルギー変化は立体構造を崩壊させる重要な要因であると考えられるとともに、損傷の存在を修復酵素に知らせるシグナルとしての役目を果たすことも予想されている。本論文では、これらの機構に関する詳細な解析結果を示す。
Pinak, M.; Laaksonen, A.
Molecular Mechanisms for Radiation-Induced Cellular Response and Cancer Development, p.266 - 273, 2003/00
DNAの構造変化とDNA-酵素の複合体形成の動的過程を調べるために、突然変異性の酸化DNA損傷である8-オキソグアニンとその修復酵素であるhOGG1について、DNAのみの系と、DNA-酵素の系についての分子動力学シミュレーションを行った。この結果、損傷部位での水素結合の解離がみられDNAの構造が局所的に崩壊することがわかった。また、8-オキソグアニンの向かい側の隣に位置する相補鎖上のアデニンがDNA二本鎖から外側に飛び出ることがわかった。さらに、8-オキソグアニンのあるDNAとhOGG1とは、MDシミュレーション開始から500psで安定な複合体を形成することがわかった。
Pinak, M.
JAERI-Research 2002-016, 31 Pages, 2002/09
突然変異を誘発するDNA酸化損傷 である8-oxoGについて、損傷DNAの単独存在下、及びヒト修復酵素オキソグアニングリコシレース1 (hOGG1)との共存下で分子動力学的シミュレーションを行い、DNA分子の構造変化とDNA-酵素複合体の形成に関わる動力学的過程の検討を行った。シミュレーションには、中心位に8-oxoG分子を挿入したB型DNAヌクレオチド鎖を用いた。DNAのみのシミュレーションでは、水素結合の切断によって部分的に構造が破壊されたB型DNAが観察され、8-oxoG挿入位から1塩基対分離れた相補鎖側のアデニンがDNA二重鎖からフリップアウトしていた。DNAと修復酵素hOGG1共存下のシミュレーションでは、分子動力学的シミュレーション開始後500psでDNA-酵素複合体が形成され、シミュレーションが終了する1ns後まで安定していた。アルギニン313のN末端は、8-oxoGを持つヌクレオチドのリン酸ジエステル結合に近接し、酵素のアミノ酸とDNA損傷との化学反応を可能にしている。8-oxoGの5'位のリン酸ジエステル結合は、アルギニン313のN末端に近接した位置に移動していた。さらに、DNAと酵素の近接箇所では水分子を介した水素結合が形成され、複合体の安定性を高めていた。
石田 恒
Journal of Biomolecular Structure and Dynamics, 19(5), p.839 - 851, 2002/05
被引用回数:11 パーセンタイル:25.88(Biochemistry & Molecular Biology)DNAのグアニン酸化損傷の影響を調べるために、正常なDNAであるd(CGCGAATTCGCG)とその酸化的損傷DNAであるd(CGCG
AATTCGCG)(CGCGAATTCGCG),(G
:7,8-dihydro-8-oxoguanine(8-oxoG)の分子動力学シミュレーションを1ナノ秒間、実行した。これは静電相互作用を効率的かつ高精度に計算する高速多重極子展開法(FMM)を用いた高精度シミュレーションである。シミュレーションの結果、8-oxoG付近で正常DNAには見られない新しい水素結合が生成されるのが見つかり、そしてこれが損傷DNAの構造を安定化させていることがわかった。また主鎖角
がB
構造,グリコシド結合角
がhigh-
構造,ヘリカルTwistが緩んだ構造をとることもわかった。更に、主成分解析により8-oxoG付近の水和状態の変化が損傷DNAの構造遷移のきっかけとして働いていることが示唆された。以上により、損傷DNA修復酵素は正常DNAと損傷DNAの静的構造及び動的構造の違いを認識していると考えられる。
石田 恒
Proceedings of the International Conference on Bioinformatics 2002 (CD-ROM), 6 Pages, 2002/02
核酸などの強い静電相互作用を持つ生体高分子の分子動力学には、高速かつ高精度なアルゴリズムが不可欠である。今回、静電相互作用を能率的に取り扱いながら時間ステップを増大するため、高速多重極子展開法(FMM)とマルチ時間ステップ法(MTS)を併用するアルゴリズムを構築した。FMMは計算領域をツリー階層的なセルに分割し、静電相互作用を高速かつ高精度に計算する。なお、このFMMは空間分割法で並列化された。MTSではLiouville演算子の高次展開法を用いてFMMにおけるセルの階層に適用できるようにした。この手法を用いて7,8-dihydro-8-oxoguanine(8-oxoG)を含む8-oxoG DNAの分子動力学を実行した。その結果、8-oxoG付近で主鎖角-
がB
構造,グリコシド結合角
がhigh-
構造,
が異常に低い構造をとることがわかった。また、主成分解析により8-oxoG付近の水和構造の変化が8-oxoG DNAの構造遷移のきっかけとして働いていることがわかった。
末武 雅晴
JAERI-M 94-070, 97 Pages, 1994/03
水溶液中の4つの核酸塩基とアスコルビン酸に対するシステアミンとグルタチオンの放射線防護特性を測定した。シトシンとアデニンの系は約3~6倍の濃度のシステアミンによって防護、修復される。シトシンとアデニンのアミノ基がそれぞれの
系の放射線防護に重要な役割を果している。チミンの
系はシステアミン濃度をいくら増加しても飽和する放射線防護特性を示した。アスコルビン酸に対するシステアミンの放射線防護特性はグアニンと同様にシステアミン濃度を増加しても飽和する。その放射線防護効果は小さい。システアミンと比較してグルタチオンの放射線防護効果は少なく、低線量照射ではグルタチオン濃度を増加すると、かえってその効果が少なくなる負の防護特性を示す。種々の抗酸化剤を含む水溶液中のアスコルビン酸の自動酸化特性を測定し、解析を試みてある。