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田崎 真樹子; 木村 隆志; 清水 亮; 玉井 広史; 中谷 隆良; 須田 一則
JAEA-Review 2022-020, 82 Pages, 2022/09
2018年度から開始した「非核化達成のための要因分析と技術的プロセスに関する研究」の一環として、イラクの原子力・核開発及び非核化の事例を調査し、併せて非核化の特徴を分析すると共に、イラクの非核化からから導き出し得る教訓について考察した。イラクは、1974年のインド核実験を契機として秘密裏の核開発に乗り出し、当初は自国でのプルトニウム生産、後に高濃縮ウラン生産に焦点を当てTuwaitha原子力研究所を中心に、ウラン濃縮施設(電磁同位体分離法及び遠心分離法施設)や核兵器研究開発施設等を建設した。イラクの非核化は、1991年の湾岸戦争での敗北により、同年の国際連合安全保障理事会決議第687号(1991)を受入れざるを得なかったことから始まる。同決議は、イラクの非核化を含む大量破壊兵器(WMD)廃棄の枠組みを規定しており、うち非核化に係り、国際原子力機関(IAEA)は、国際連合大量破壊兵器廃棄特別委員会(UNSCOM)の支援と協力を得て、イラクの過去の核活動の検証及びイラクによる核物質や核関連施設及び設備・機器等の廃棄、撤去、無害化等の監視・検証を行い、1997年後半までにイラクの核開発の全体像を明らかにした。イラクの非核化の特徴としては、イラクが非核化を受入れざるを得なかったこと、検証を行うIAEAに対して、後にIAEA保障措置協定追加議定書(AP)として結実した未申告の核活動を探知することが可能な査察手段や方法を実施する権限が付与されたこと、イラクのWMD廃棄を促進させるための経済制裁がそれほど功を奏しなかったこと、さらにイラクの非核化とその後のイラク戦争によるフセイン体制の崩壊が、リビア、北朝鮮及びイランの非核化に影響を与えたこと等が挙げられる。またイラクの非核化の教訓としては、APの普遍化や、不正利用されることがなく本来目的に適う経済制裁の必要性、外交交渉等の努力による非核化対象国にも非核化のインセンティブを段階的に与えられるような、かつ明確なロードマップを伴った非核化の枠組みや措置の必要性等が挙げられる。
玉井 広史
日本原子力学会誌ATOMO, 64(8), p.465 - 467, 2022/08
原子力安全と核セキュリティは、電離放射線の有害な影響から公衆と環境を防護するとの同一目標を共有しているが、それぞれの対処行動には相違するものもあり、とりわけ防護が脆弱となり易い輸送時における両者の間のインターフェースが大きな課題である。このため、IAEAは、放射性物質等の輸送における原子力安全と核セキュリティを相補的に強化することを目的として、2021年12月、関連する技術レポートを発行するとともに国際会議を開催した。技術レポートと国際会議の概要を紹介する。
玉井 広史; 田崎 真樹子; 清水 亮; 木村 隆志; 中谷 隆良; 須田 一則
JAEA-Review 2021-073, 19 Pages, 2022/03
2018年度から開始した「非核化達成のための要因分析と技術的プロセスに関する研究」の一環で、リビアの核開発及び非核化の事例を調査し、その非核化の特徴を分析した。リビアについては、独裁者カダフィ氏が革命による政権奪取後の1970年台初頭から国内支持基盤の確立とアラブ社会における地位の確保を目指して大量破壊兵器(WMD)の開発・取得に関心を寄せているとの疑惑があり、米英の諜報機関も注視していたとされるが、その実態については長らく国際社会に明らかにされていなかった。1980年代に入り、同国のテロ支援及び航空機テロの実行に対する国際社会の制裁強化により、経済が疲弊し社会混乱に陥っていたことは、2000年代初頭にWMD開発を断念し非核化を決断した一因と考えられる。この決断を促した要因には、経済制裁に加え、ほぼ同時進行していたイラク戦争により、同様にWMDを志向していたイラクのフセイン体制の崩壊を目の当たりにしたことや、ドイツ船籍の船舶が米国の臨検を受けた際、リビアによる遠心分離機資機材の秘密裏の調達が暴かれ動かぬ証拠を握られたことが挙げられる。リビアの非核化プロセスの進行は早かったが、これは、リビアが非核化の決断を反故にして核開発に逆戻りすることを阻止するという米英をはじめ国際社会の意思に加え、米英等の非核化プロセスのメイン・プレイヤーの役割分担が明確化されていたこと、リビアサイドは独裁者の一存で物事が決められたこと、更には、イラクの事例が見せしめ的な効果をもたらしたことが奏功したと考えられる。非核化の検証には国際原子力機関(IAEA)が中心的な役割を果たした。当時、包括的保障措置協定を締結していたリビア国内における全ての関連施設・活動を検認するため、追加議定書の署名を同国に促すとともに、批准前の段階から、リビアの積極的な協力を得て、補完的なアクセスに加えて、追加議定書で認められている以上の活動も行って、リビアの核開発計画の全容を解明することに成功した。核物質及び関連資機材等のリビア国内からの撤去とその検証により、リビアの非核化は成功裏に終了したが、その成功の要因には、上述したほかにリビアの科学技術力が未発達で、自前の開発及び秘密裏に調達した資機材を活用する能力がなかったことも検証の結果、判明している。こうした国際社会の成功体験から、リビアの事例は非核化の良好事例とされており
玉井 広史
日本原子力学会誌ATOMO, 63(9), p.677 - 678, 2021/09
国際原子力機関(IAEA)は、原子力安全と核セキュリティの相互補完を通じた強化の上で必須となる両者のインターフェースに関する各国のアプローチについて技術報告書を発出した。報告書は加盟国への良好事例に関する知見提供を目的として、両者のインターフェースの調整において重要な、法規の枠組み,原子力施設,放射線源,文化醸成,緊急事案への準備と対応のそれぞれについての各国の事例、分野横断的な課題の6項目をテーマとしてまとめている。
福井 康人
Biographical Dictionary of Secretaries-General of International Organizations (Internet), 5 Pages, 2020/09
天野之弥前IAEA局長は2019年7月に逝去したが、国際機関の事務局長等の人名録に登録するため、その生い立ち,大学時代,外務省時代,IAEA事務局長時代について解説を執筆した。
須田 一則; 木村 隆志
日本原子力学会誌ATOMO, 62(6), p.334 - 338, 2020/06
潜在的な核テロへの懸念が増大している中、国際的に核セキュリティ強化に向けて議論が行われている。今回の連載講座では、核セキュリティ強化に向けた国際社会の取組みと、日本の核セキュリティに係る条約及びIAEAによる勧告の国内法への反映について解説する。
玉井 広史; 清水 亮; 田崎 真樹子; 木村 隆志; 中谷 隆良; 須田 一則
日本核物質管理学会第40回年次大会プロシーディングス集, p.89 - 92, 2019/11
リビアの非核化は"リビアモデル"と称され、国際社会の協力と関係国・機関のスピード感を伴った措置による成功例と評価されている。非核化の成功は、核開発計画の露見が遅れる間に核物質等の調達は多岐にわたったが、リビアの技術進捗度は低く、核兵器の取得には至らなかったこと、計画の露見後、関係国等の緊密な協力で速やかに実施されたこと、経済制裁とイラク戦争による体制崩壊に直面してリビアが協力的であったことが主要な要因であったと考えられる。他の国々の核開発の防止及び非核化に向けた有用な知見となろう。
多田 健一
核データニュース(インターネット), (122), p.9 - 21, 2019/02
2018年9月3日から6日まで、ウィーンのIAEA本部で開催された、Technical Meeting「Nuclear Data Processing (核データ処理)」についての会議の様子を国内の核データ関係者に向けて紹介するものである。本会議では各機関で開発中の核データ処理コードの現状報告と、IAEAが実施している核データ処理コード間の処理結果の比較であるACE File Verification Projectについて議論があった。本稿ではこれらについて詳しく報告する。
河野 裕子
日本原子力学会誌ATOMO, 61(2), P. 150, 2019/02
IAEAは、将来原子力を計画・運営・管理するリーダーとなる人材の育成を目的としたマネジメントスクールを2010年より開催している。2014年から運営は日本主催となったことから、Japan-IAEAと冠することになり、平成30年度は7月17日から8月2日までの約3週間、東京(東京大学弥生アネックス、工学部3号館)及び福島県,茨城県において開催した。講義や施設見学を通して原子力を学び、3週間の生活におけるコミュニケーションを通して、参加者同士の国際的な人的ネットワークを構築する機会を得た。
玉井 広史; 田崎 真樹子; 須田 一則
日本原子力学会誌ATOMO, 60(1), p.25 - 29, 2018/01
IAEAが低濃縮ウランの貯蔵・供給を管理する構想が実現の運びとなった。このIAEA低濃縮ウランバンクは、機微技術の拡散に加え今世紀に入ってテロリストによる悪用の懸念の増大を受け、核燃料の供給保証によって濃縮・再処理に係る技術開発のインセンティブを下げることを目指した様々な構想の一つであり、IAEAの場における議論を通じて核燃料供給及びバンクサイトの要件が規定され、2018年には正式に運用を開始する予定である。本構想の経緯、意義、今後の動向を紹介する。
玉井 広史; 大久保 綾子; 木村 祥紀; 篠原 伸夫; 田崎 真樹子; 清水 亮; 須田 一則; 富川 裕文
Proceedings of INMM 58th Annual Meeting (Internet), 6 Pages, 2017/07
核鑑識は、不法に使用された核物質等の試料を分析・照合し、その起源、経路等を解明して犯罪者等の摘発に資する技術的手段であり、警察・司法組織との緊密な連携が必須である。このための国内体制の整備がIAEAをはじめ国際的な協力のもとで進められており、各国の実情に応じた技術的な対応能力の強化・推進の方策に関する考察及び地域協力の在り方に関する検討結果を報告する。
玉井 広史
ひろしまレポート2017年版; 核軍縮・核不拡散・核セキュリティを巡る2016年の動向, p.163 - 165, 2017/03
米国オバマ大統領の主導で始まった核セキュリティサミットは2年毎に4回開催され、核セキュリティ強化に向けた国際的な取組の推進に大きな役割を果たしてきた。途中、ロシアの離脱等はあったものの、首脳レベルの会合は国際的にも国内的にも注目度が高く、これによって各国の核セキュリティ強化が大きく進んだと言えよう。したがって、このモメンタムをポスト核セキュリティサミットにおいても維持していく施策の確立が早急に望まれる。そうした背景を踏まえ、今後の核セキュリティ強化に向けた課題、核セキュリティサミット後の動向、日本の取組について概括する。
山口 美佳
日本原子力学会誌ATOMO, 58(12), P. 759, 2016/12
原子力人材育成ネットワーク,原子力機構,東京大学,日本原子力産業協会,原子力国際協力センターと若狭湾エネルギー研究センターは、将来原子力エネルギー計画を運営管理するリーダーとなる人材の育成を目的とした「Japan-IAEA Joint原子力エネルギーマネジメントスクール」を、IAEAと協力し、2016年7月11日から27日まで開催した。このスクールの開催を通して、我が国の若手人材の国際化および新規原子力導入国等の人材育成へ貢献することができた。また、我が国とIAEAとの協力関係の促進に資することができた。
齊藤 宏
JAEA-Review 2016-009, 80 Pages, 2016/07
人形峠環境技術センターでは、ウラン鉱山の鉱業活動を終了し、現在は鉱山保安法に基づき施設の維持管理を行うとともに、鉱山跡措置を進めている。これまでに、効率的な鉱山跡措置のため、最適な進め方、施設間の優先順位、具体的な調査項目や方法等について検討してきた。その結果、今後検討し解決する必要のある課題が残されていることが分かってきた。そこで、関連分野の海外の専門家との意見交換等により知見を得るとともに、海外の休止ウラン鉱山において先行して実施された又は実施中の事例に係る情報を取得するため、IAEAが構築した環境修復に係る多国間ネットワーク"ENVIRONET"に平成21年の構築以降継続して関与し、年次総会及び運営委員会に出席するとともに、同様な課題を有する出席者との関係を強化してきた。また、文献及びウェブサイトの調査を並行して行い、必要な情報取得を行ってきた。ENVIRONETへの関与により取得した情報と文献調査より得られた情報とあわせて、追加し調査を行う休止ウラン鉱山とそこで取得すべき具体的な情報を事前に抽出したうえで、該当する鉱山を対象に現地調査及び打合せを行い、必要な情報を取得し、これらの整理を行った。
古田 琢哉; 橋本 慎太郎; 佐藤 達彦
医学物理, 36(1), p.50 - 54, 2016/00
放射線輸送計算コードPHITSを医学物理計算に用いる一例として、放射線治療計画を目的としたシミュレーションがある。通常、治療計画シミュレーションでは、患者CTデータを読み込んでコンピュータ上の仮想空間に患者体系を構築し、外部から照射される治療ビームの輸送計算を実行することで患者体系内での線量分布を計算する。しかし、CTデータから患者位置やCT値の分布などの情報を取得して患者体系を構築すること、非常に複雑で医療用加速器メーカーが公開していない加速器部分をシミュレーションすることは容易ではない。そこで、患者CTデータを用いて患者体系をPHITS形式で構築するためのプログラムDICOM2PHITS、医療用加速器から放出される粒子プロファイルをまとめたIAEA phase-space fileをPHITSで使用可能とするプログラムPSFC4PHITSを開発した。本解説では、これら2つのプログラムについて解説するとともに、プログラムで構築した体系および変換した線源をPHITSコードに組み込み、放射線輸送計算により検証した結果を示す。
川太 徳夫
核物質管理学会(INMM)日本支部第36回年次大会論文集(インターネット), 7 Pages, 2015/12
核セキュリティは、9.11(2001)の米国同時多発テロ以降、広く国際社会で取り上げられ、また東日本大震災以来、原子力プラントに対する現実の重大な脅威として議論されるようなった。国際原子力機関(IAEA)は、核セキュリティ・シリーズの中で核セキュリティに係る勧告文書(INFCIRC/225/Rev.5, NSS13)を示し、このなかで核セキュリティ文化醸成の必要性を強調している。核セキュリティ文化については、種々の講演会、イベントで頻繁に議論される。核セキュリティ分野の担当者は、原子力安全分野に関係が深いこともあり、原子力安全文化と核セキュリティ文化との関連性がしばしば議論されることが見られる。本稿では、核セキュリティと原子力安全の関連性を整理し、双方の文化に対する考え方の類似性と相違、原子力事故に対する各の文化への教訓等を考察し、両者のより深い理解に資することを目的とした。
大平 博昭; 堂田 哲広; 上出 英樹; 岩崎 隆*; 南 正樹*
Proceedings of 2015 International Congress on Advances in Nuclear Power Plants (ICAPP 2015) (CD-ROM), p.2585 - 2592, 2015/05
IAEAの主催によりEBR-IIのSHRT-17試験を用いたベンチマーク解析が2012年から行われてきた。本ベンチマーク解析の条件は米国アルゴンヌ国立研究所より提供され、参加機関で熱流動解析コードやプラント動特性解析コードのための解析モデルの開発を行った後に、スクラム後900秒までのブラインド解析を実施した。原子力機構も本ベンチマーク解析に参加しプラント動特性解析コードSuper-COPDを用いてSHRT-17試験の解析を実施した。ブラインド解析の後に試験データがアルゴンヌ国立研究所より提供されたため、Super-COPDの解析結果と比較したところ、高圧プレナム入口温度は全解析時間に渡り試験結果と比較的よく一致することがわかった。一方、Zパイプの入口温度及びIHX2次側出口温度は、主ポンプ流量の差及び提供情報不足による上部プレナム解析モデルの不適切さに起因して、最初の400秒間で試験結果と差が生じるものの、それ以降の自然循環特性が支配的となる時間帯ではよく一致することがわかった。したがって、ブラインド解析に用いたSuper-COPDの解析モデルは、自然循環挙動を比較的精度よく予測できることがわかった。
西山 潤*; 大釜 和也; 坂本 辰次郎*; 渡辺 凜*
日本原子力学会誌ATOMO, 57(2), p.123 - 125, 2015/02
原子力エネルギーマネジメントスクールにおいて、新規原子力導入国を含む海外15ヵ国からの19名の研修生および12名の日本人研修生参加のもと、原子力分野で働く若手の人的ネットワーク構築のための知見共有および意見交換を目的とした特別セッションを開催した。同セッションでは、活動経験共有のための発表とともに、人的ネットワーク構築を行うための方策として、Young Generation Network(YGN)活動を例に、必要性、課題、今後活動を広めていくためにできることについて全体討論を行った。
山本 英明; 吉澤 道夫; 村上 博幸; 百瀬 琢麿*; 辻村 憲雄*; 金井 克太*; Cruz-Suarez, R.*
Radiation Protection Dosimetry, 125(1-4), p.88 - 92, 2007/07
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Environmental Sciences)国際原子力機関(IAEA)の地域協力協定(RCA)に基づき、東アジアの16か国から25の個人線量評価機関が参加して第3期外部被ばく線量計測相互比較が実施された。旧原研及び旧サイクル機構で放射線の基準照射を行った個人線量計を各参加国で計測し、得られた外部被ばく線量評価値を持ち寄り相互比較した。その結果、すべての参加国の評価値は放射線防護の実務上必要とされる充分な正確さを有していることがわかった。これにより参加各国における外部被ばく線量評価技術の妥当性が確認できた。
二宮 博正
Nuclear Fusion, 45(10), p.S13 - S31, 2005/10
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Physics, Fluids & Plasmas)第20回IAEA核融合エネルギー会議で発表された閉じ込め実験,プラズマと材料の相互作用実験、及び革新的閉じ込め概念の三分野に関するサマリーである。発表のハイライトは、高ベータで高自発電流割合での長時間維持が電流拡散時間以上に達したこと,放電シナリオ最適化とそのITERへの外挿が顕著に進展したこと、及び閉じ込めと輸送物理に関する理解が大きく進んだことである。