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報告書

レーザー蛍光法を用いた燃料デブリ変質相の同定(委託研究); 令和2年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業

廃炉環境国際共同研究センター; 東京大学*

JAEA-Review 2022-007, 59 Pages, 2022/06

JAEA-Review-2022-007.pdf:2.09MB

日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和2年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、平成30年度に採択された「レーザー蛍光法を用いた燃料デブリ変質相の同定」の平成30年度から令和3年度の研究成果について取りまとめたものである(令和3年度まで契約延長)。本課題は令和3年度が最終年度となるため4年度分の成果を取りまとめた。本研究は、デブリの主要構成元素であるウランに着目し、酸化的環境で安定な6価ウラン(U(VI))に選択的な時間分解型レーザー蛍光分光(TRLFS)法を用い、様々な条件下でデブリ表面に生成する変質相の同定を行うことを目的とする。特に、極低温での測定を行うことで、さらなる高感度・高分解能測定を実現すると共に、量子化学計算や多変量解析、機械学習を援用することで、多成分、不均質なデブリ変質相の同定に繋げる。令和2年度は、極低温TRLFS測定システムの構築として、令和元年度から継続して、極低温TRLFS測定システムの改良を実施した。また、模擬デブリ試料の変質試験により得られた試料を用いて、極低温TRLFS測定を実施した。模擬燃料デブリ変質試験と変質相の同定においては、令和元年度から継続して、模擬デブリ試料の変質試験を行い、得られた試料を極低温TRLFS測定に供した。測定結果と参照試料ライブラリを比較して、異なる条件で模擬デブリ表面に生成する変質相を多変量解析や機械学習を用いて同定した。

報告書

燃料デブリ分析のための超微量分析技術の開発(委託研究); 令和2年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業

廃炉環境国際共同研究センター; 東北大学*

JAEA-Review 2021-056, 98 Pages, 2022/02

JAEA-Review-2021-056.pdf:9.08MB

日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和2年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所(以下、「1F」という)の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、令和元年度に採択された「燃料デブリ分析のための超微量分析技術の開発」の令和2年度の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、燃料デブリの取り扱い、臨界管理、保管管理等に必要な性状把握において、キーとなるアクチノイド核種の化学分析を中心に、最適な試料前処理・分離・分析プロセスを開発し、将来計画されている燃料デブリ分析の効率化・合理化を図るとともに、一連の研究業務における人材育成を通し、1F廃炉推進に資することを目的とする。特に、近年分析化学分野、放射化学分野で成果を上げつつある極微量分析(ICP-MS/MS)を原子力分野に応用することにより測定核種を単離するための前処理をせずに高精度で分析できる手法を開発し、分離前処理を省力化し、迅速な分析工程を確立する。

報告書

微生物生態系による原子炉内物体の腐食・変質に関する評価研究(委託研究); 令和2年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業

廃炉環境国際共同研究センター; 慶應義塾*

JAEA-Review 2021-048, 181 Pages, 2022/01

JAEA-Review-2021-048.pdf:14.5MB

日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和2年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所(1F)の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、令和元年度に採択された「微生物生態系による原子炉内物体の腐食・変質に関する評価研究」の令和元年度と令和2年度の研究成果について取りまとめたものである。本課題は令和2年度が最終年度となるため2年度分の成果を取りまとめた。本研究の目的は、福島第一原子力発電所の廃炉プロセスに有用となる微生物に関係した知見を得ることにある。このため、同発電所やその敷地内外に生息する微生物群集の実態を明らかにする。1Fの敷地境界南(処理水タンク群の南)の表層土、発電所近くの海底土とその直上水、3km沖合の表層水等からサンプルを採取し、メタゲノム解析(微生物の培養を介せず、そのDNAを直接解読することで、生息する微生物の情報を得ること)を実施した。その結果、現状で、1F敷地周辺で検出される放射線量であれば、その高低にかかわらず、同じような環境を比較した場合、細菌叢の構造に大きな変化がないことが示唆された。また、1F2号機のトーラス室に由来する環境DNAの解析を行い、トーラス室では、チオ硫酸塩酸化細菌が主たる構成細菌として同定されると共に、幾つかの細菌種がバイオフィルム(微生物の集合体)を作っている可能性を示唆した。共同研究を行ったロシアのカザン大学の研究者は、日本で得られた配列データを情報学的に解析すると共に、ロシアの放射線による環境汚染に関してまとめた。これらの知見を総括し、1Fの廃炉プロセスに有用となる提言をまとめた。

報告書

化学計測技術とインフォマティックスを融合したデブリ性状把握手法の開発とタイアップ型人材育成(委託研究); 令和2年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業

廃炉環境国際共同研究センター; 福島大学*

JAEA-Review 2021-035, 89 Pages, 2021/12

JAEA-Review-2021-035.pdf:6.37MB

日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和2年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、令和元年度に採択された「化学計測技術とインフォマティックスを融合したデブリ性状把握手法の開発とタイアップ型人材育成」の令和2年度の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、新しい化学分析法の構築によるインフォマティックスとの融合技術の実現を目指し、少ない情報量で全体像を推定するシステムの開発を実施することを目的とする。JAEA研究者とのタイアップ方式による研究を実施することで、博士前期課程$$sim$$ポスドクまでの研究者の地域実践型の深化する横断的な人材育成を行うとともに、国際感覚豊かな人材の育成を目指し、実施している。

論文

Revaporization behavior of cesium and iodine compounds from their deposits in the steam-boron atmosphere

Rizaal, M.; 三輪 周平; 鈴木 恵理子; 井元 純平; 逢坂 正彦; Gou$"e$llo, M.*

ACS Omega (Internet), 6(48), p.32695 - 32708, 2021/12

 被引用回数:0 パーセンタイル:0(Chemistry, Multidisciplinary)

This paper presents our investigation on cesium and iodine compounds revaporization from cesium iodide (CsI) deposits on the surface of stainless steel type 304L, which were initiated by boron and/or steam flow. A dedicated basic experimental facility with a thermal gradient tube (TGT) was used for simulating the phenomena. The number of deposits, the formed chemical compounds, and elemental distribution were analyzed from samples located at temperature range 1000-400 K. In the absence of boron in the gas flow, it was found that the initial deposited CsI at 850 K could be directly re-vaporized as CsI vapor/aerosol or reacted with the carrier gas and stainless steel (Cr$$_{2}$$O$$_{2}$$ layer) to form Cs$$_{2}$$CrO$$_{4}$$ on the former deposited surface. The latter mechanism consequently gave a release of gaseous iodine that was accumulated downstream. After introducing boron to the steam flow, a severe revaporization of iodine deposit at 850 K occurred (more than 70% initial deposit). This was found as a result of the formation of two kinds of cesium borates (Cs$$_{2}$$B$$_{4}$$O$$_{7}$$$$cdot$$5H$$_{2}$$O and CsB$$_{5}$$O$$_{8}$$$$cdot$$4H$$_{2}$$O) which contributed to a large release of gaseous iodine that was capable of reaching outlet of TGT ($$<$$ 400 K). In the case of nuclear severe accident, our study have demonstrated that gaseous iodine could be expected to increase in the colder region of a reactor after late release of boron or a subsequent steam flow after refloods of the reactor, thus posing its near-term risk once leaked to the environment.

論文

Analysis of Fukushima-Daiichi Nuclear Power Plant Unit 3 pressure data and obtained insights on accident progression behavior

佐藤 一憲

Nuclear Engineering and Design, 383, p.111426_1 - 111426_19, 2021/11

 被引用回数:1 パーセンタイル:48.83(Nuclear Science & Technology)

The D/W (Drywell) and S/C (Suppression Chamber) pressure data of Fukushima-Daiichi Nuclear Power Plant Unit 3 was analyzed in depth. This analysis provided valuable information related to the accident progression behavior on one hand, and gave a hint for understanding of the debris-to-coolant heat transfer when fuel debris relocated to the pedestal on the other hand. In this unit, the D/W and S/C pressure increased and decreased cyclically with a relationship, which seems to have been dependent on the composition of vapor and non-condensable gases in the S/C cover gas region. Based on this characteristic, the vapor pressure in the S/C cover gas region was evaluated for two pressure decrease cycles during and after the expected debris relocation to the pedestal respectively. This evaluation allowed an understanding that the S/C vapor pressure increased due to the heat transfer from the debris relocated to the pedestal.

論文

Overview and outcomes of the OECD/NEA benchmark study of the accident at the Fukushima Daiichi NPS (BSAF), Phase 2; Results of severe accident analyses for unit 3

Lind, T.*; Pellegrini, M.*; Herranz, L. E.*; Sonnenkalb, M.*; 西 義久*; 玉置 等史; Cousin, F.*; Fernandez Moguel, L.*; Andrews, N.*; Sevon, T.*

Nuclear Engineering and Design, 376, p.111138_1 - 111138_12, 2021/05

 被引用回数:7 パーセンタイル:97.08(Nuclear Science & Technology)

OECD/NEAプロジェクト"福島第一原子力発電所事故に関するベンチマーク研究"のフェーズ2において、5か国8組織が異なるシビアアクシデント解析コードを用いて3号機の事故解析を行った。本報告では、参加機関の3号機の解析結果やプラントデータとの比較から得られた知見、事故進展の評価及び最終的な原子炉内の状態について述べる。特に原子炉圧力容器の状態、溶融炉心の放出及びFP挙動及び放出について焦点を当てる。また、大きく炉心損傷の進展があったであろう時期に繰り返し行われた格納容器ベント操作や冷却水注水の試みという3号機の特徴に焦点を当て、不確かさや必要となるデータも含めコンセンサスを得た点についてまとめる。さらにFP移行挙動解析と格納容器内で測定された線量の比較、またI-131及びCs137の環境への放出量とWPSPEEDIコードによる解析結果との比較を行った。

論文

Radiation dose rate effects on the properties of a laser-induced breakdown spectroscopy system developed using a ceramics micro-laser for fiber-optic remote analysis

田村 浩司; 大場 弘則; 佐伯 盛久; 田口 富嗣*; Lim, H. H.*; 平等 拓範*; 若井田 育夫

Journal of Nuclear Science and Technology, 58(4), p.405 - 415, 2021/04

 被引用回数:3 パーセンタイル:43.05(Nuclear Science & Technology)

モノリシックNd:YAG / Cr:YAG複合セラミックを備えたコンパクトな光ファイバー伝送レーザー誘起ブレークダウン分光法(LIBS)システムを開発し、その特性に対する放射線線量率の影響を、過酷環境下遠隔分析のために調べた。LIBS信号に対する放射線の影響を調べるために、レーザー発振しきい値、出力エネルギー、発振タイミング、時間パルス形状、ビームプロファイルなどのNd:YAGレーザー動作に関連する特性を、0$$sim$$10kGy/hrの放射線量率で変化させて金属ジルコニウムのLIBSスペクトルを照射下で測定した。信号強度は照射により大幅に減少したが、最大放射線量率でも有益なスペクトルが得られた。LIBS関連パラメーターの比較から、信号の減少は主に入射パルスエネルギーの減少に起因した。シンチレーション発光スペクトルも放射線照射中に観測され、その信号強度は線量率とともに直線的に増加した。試験結果は、開発したLIBSシステムが、燃料デブリ探査などの過酷な環境において放射線量率の影響を受けるものの遠隔元素分析およびモニタリングに適用可能であることを示している。

報告書

燃料デブリ分析のための超微量分析技術の開発(委託研究); 令和元年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業

廃炉環境国際共同研究センター; 東北大学*

JAEA-Review 2020-064, 95 Pages, 2021/02

JAEA-Review-2020-064.pdf:9.48MB

日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和元年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち「燃料デブリ分析のための超微量分析技術の開発」の令和元年度の研究成果について取りまとめたものである。本研究では、燃料デブリの取り扱い、臨界管理、保管管理等に必要な性状把握において、キーとなるアクチノイド核種の化学分析を中心に、最適な試料前処理・分離・分析プロセスを開発し、将来計画されている燃料デブリ分析の効率化・合理化を図るとともに、一連の研究業務における人材育成を通し、1F廃炉推進に資することを目的とする。特に、近年分析化学分野,放射化学分野で成果を上げつつある極微量分析(ICP-MS/MS)を原子力分野に応用することにより測定核種を単離するための前処理をせずに高精度で分析できる手法を開発し、分離前処理の省力化し、迅速な分析工程を確立する。

報告書

化学計測技術とインフォマティックスを融合したデブリ性状把握手法の開発とタイアップ型人材育成(委託研究); 令和元年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業

廃炉環境国際共同研究センター; 福島大学*

JAEA-Review 2020-065, 30 Pages, 2021/01

JAEA-Review-2020-065.pdf:1.87MB

日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和元年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、「化学計測技術とインフォマティックスを融合したデブリ性状把握手法の開発とタイアップ型人材育成」の令和元年度の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、新しい化学分析法の構築によるインフォマティクスとの融合技術の実現を目指し、少ない情報量で全体像を推定するシステムの開発を実施することを目的とする。JAEA研究者とのタイアップ方式による研究を実施することで、博士前期課程$$sim$$ポスドクまでの研究者の地域実践型の深化する横断的な人材育成を行うとともに、国際感覚豊かな人材の育成を目指し、実施している。

報告書

レーザー蛍光法を用いた燃料デブリ変質相の同定(委託研究); 令和元年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業

廃炉環境国際共同研究センター; 東京大学*

JAEA-Review 2020-053, 64 Pages, 2021/01

JAEA-Review-2020-053.pdf:3.58MB

日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和元年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、平成30年度に採択された「レーザー蛍光法に用いた燃料デブリ変質相の同定」の令和元年度の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、デブリの主要構成元素であるウランに着目し、酸化的環境で安定な6価ウラン(U(VI))に選択的な時間分解型レーザー蛍光分光(TRLFS)法を用い、様々な条件下でデブリ表面に生成する変質相の同定を行う。特に、極低温での測定を行うことで、さらなる高感度・高分解能測定を実現すると共に、量子化学計算や多変量解析、機械学習を援用することで、多成分、不均質なデブリ変質相の同定に繋げる。令和元年度は、前年度に構築した室温TRLFSシステムを元に極低温TRLFSシステムを構築し、システムの検証を行った。また、3種類の参照試料を合成し、極低温TRLFSシステムを用いた測定へ試料を提供し、得られたデータを参照試料のTRLFSライブラリとして準備した。そして、模擬デブリ試料としてU(IV)O$$_{2}$$を作製し、5種類の試験条件で変質試験を開始すると共に、Parallel Factor Analysis (PARAFAC)によるスペクトル分離手法、および、機械学習によるスペクトルマッチング手法を構築した。

報告書

微生物生態系による原子炉内物体の腐食・変質に関する評価研究(委託研究); 令和元年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業

廃炉環境国際共同研究センター; 慶應義塾大学*

JAEA-Review 2020-047, 63 Pages, 2021/01

JAEA-Review-2020-047.pdf:3.85MB

日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和元年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、「微生物生態系による原子炉内物体の腐食・変質に関する評価研究」の令和元年度の研究成果について取りまとめたものである。本研究の目的は、福島第一原子力発電所の廃炉プロセスに有用となる微生物に関係した知見を得ることにある。このため、同発電所やその敷地内外に生息する微生物群集の実態を明らかにする。令和元年度は、敷地境界南(処理水タンク群の南)の表層土、発電所近くの海底土とその直上水、3km沖合の表層水等からサンプルを採取し、各環境DNAの取得に成功した。環境DNAの塩基配列を決定することで、主にバクテリアと微細藻類における生物群集を明らかにした。また、ロシアのカザン大学との共同研究を開始した。

論文

Criticality configuration design methodology applied to the design of fuel debris experiment in the new STACY

郡司 智; 外池 幸太郎; Clavel, J.-B.*; Duhamel, I.*

Journal of Nuclear Science and Technology, 58(1), p.51 - 61, 2021/01

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)

新しい臨界実験装置STACY更新炉は、燃料デブリに関連する臨界計算の検証に貢献することができ、原子力機構(JAEA)と仏IRSNの共同研究として実験炉心設計が進行中である。この論文では、燃料デブリの溶融炉心コンクリート相互作用(MCCI)を模擬した模擬燃料デブリの臨界特性を測定するための新しいSTACYの炉心設計を最適化するために適用される方法を示す。炉心設計がコード検証に関連していることを確認するには、関心のある主要な同位体が持つ反応度価値と、断面積に対する実効増倍率k$$_{eff}$$の感度を評価することが重要である。この研究で説明されている燃料デブリの場合、特にそのコンクリート組成では、ケイ素が断面に対するk$$_{rm eff}$$感度が最も高くなる核種である。最適なアルゴリズムを使用して評価に最適な炉心設計を効率的に見つけ、ケイ素の捕獲断面積の高い感度を得るために、格子ピッチや炉心の寸法などのいくつかのパラメーターを調整した。これらの最適化手法の適用結果に基づいて、MCCIの興味深い感度フィードバックを得るための新しいSTACYでの燃料デブリの現実的な一連の実験を定義できた。この方法論は、新しいSTACYの他の実験条件を設計するのに役立てることができる。

報告書

Analysis of debris samples of Tokyo Electric Power Company Holdings Fukushima Daiichi Nuclear Power Station (Translated document)

燃料デブリ等研究戦略検討作業部会

JAEA-Review 2020-055, 171 Pages, 2020/12

JAEA-Review-2020-055.pdf:5.66MB

東京電力ホールディングス福島第一原子力発電所の廃炉作業を進めるにあたっては、燃料デブリの取出し及び取出した燃料デブリの保管管理及び処理処分に係る工程設計及び工程管理を行う必要がある。このためには、格納容器・圧力容器内の内部調査や、今後取得される燃料デブリ等サンプルの分析を行うことにより、燃料デブリの特性や堆積状態、核分裂生成物・線量の分布、構造材の破損や腐食状態等の現場の状況を明らかにすることが不可欠である。さらには、これら現場の状況に関して得られた知見や情報を用いて事故時に生じた現象を理解し、事故原因の究明を進めていくことにより得られる知見や情報を適時適切に廃炉の工程設計及び工程管理に反映するとともに、それらを継続的に改良していくことが重要である。廃炉に向けた中長期ロードマップでは、2021年内には初号機の燃料デブリの試験的取出しが目標とされている等、今後、燃料デブリを含むサンプル分析及び内部調査が本格化する。このことから、廃炉作業を安全かつ着実に進めるニーズの観点で、燃料デブリの取出し、保管管理、処理処分及び事故原因の究明においてどのような課題があるのか、その課題を解決するためには燃料デブリについて何をどのように分析すればよいのかについて検討し、推奨としてまとめた。実際に、どこの施設でどの分析をどのような順番で行うかの分析実施計画は、それぞれの目的に応じ優先順位を付けて、本報告書の内容を参考に策定されることが望まれる。

論文

Impact of soil erosion potential uncertainties on numerical simulations of the environmental fate of radiocesium in the Abukuma River basin

池之上 翼; 嶋寺 光*; 近藤 明*

Journal of Environmental Radioactivity, 225, p.106452_1 - 106452_12, 2020/12

 被引用回数:1 パーセンタイル:10.32(Environmental Sciences)

土壌侵食モデルUniversal Soil Loss Equation (USLE)におけるパラメータの不確実性が、放射性セシウム輸送モデルによる阿武隈川流域における$$^{137}$$Csの動態予測結果に及ぼす影響を評価した。USLEは、降雨量(R)や地質特性(K), 地形的特徴(LS), 土地被覆や土壌侵食防止策(CとP)の5つの物理的に意味のある係数を持つ。土壌, $$^{137}$$Cs総流出量に対し、USLEの係数の中で最も高い感度を持っていたのはCとPであった。そのため、土地被覆や土壌侵食防止策が土壌,$$^{137}$$Csの流出に大きな影響を与えることが分かった。土地利用に着目すると、森林,耕作地,未攪乱の水田からの$$^{137}$$Cs流出率が大きかった。この研究は、土地利用、特に森林,耕作地,未攪乱の水田が$$^{137}$$Csの環境動態に大きな影響を与えることを示した。

論文

Investigation of high-temperature chemical interaction of calcium silicate insulation and cesium hydroxide

Rizaal, M.; 中島 邦久; 斉藤 拓巳*; 逢坂 正彦; 岡本 孝司*

Journal of Nuclear Science and Technology, 57(9), p.1062 - 1073, 2020/09

 被引用回数:4 パーセンタイル:57.22(Nuclear Science & Technology)

福島第一原子力発電所2号機においてペデスタル内よりもペデスタル外で線量が高くなっている現象が見つかっている。この線量の上昇については、原子炉格納容器内の配管に使用されている保温材(ケイ酸カルシウム)がガス状あるいは粒子状となって沈着したセシウム(Cs)と化学反応を起こして固着するとともに破損してペデスタル外に堆積することで線量が上昇した可能性があると考えている。そこで、本研究では、化学反応の有無を調べるため、反応温度等を調べることのできる熱重量示差熱分析装置(TG-DTA)を用いて、水素-水蒸気含有雰囲気下、最高1100$$^{circ}$$Cまで温度を上昇させて、主なセシウム化合物の一つである水酸化セシウムと保温材との混合物に対して分析を行った。その結果、575-730$$^{circ}$$Cの範囲で反応が起こり、試験後試料のX線回折パターンや元素分析機能付き走査型電子顕微鏡(SEM/EDS)による試料表面の元素分布の結果から、保温材の構成物質であるケイ素(Si)に加え、不純物として含まれるアルミニウム(Al)と安定な化合物(CsAlSiO$$_{4}$$)を形成することが分かった。したがって、ペデスタル外で見つかった高線量の原因として、保温材が関係する可能性があることが分かった。

報告書

幅広い原子力発電利用シナリオの諸量評価

西原 健司

JAEA-Data/Code 2020-005, 48 Pages, 2020/07

JAEA-Data-Code-2020-005.pdf:2.95MB
JAEA-Data-Code-2020-005-appendix(CD-ROM).zip:3.62MB

将来の核燃料サイクルのために必要となる技術開発等を検討するために、原子力利用の将来シナリオを幅広く想定した諸量解析を行った。諸量解析では、軽水炉・高速炉の将来発電量, 使用済み燃料再処理量等を設定し、ウラン需要, 使用済み燃料蓄積量, プルトニウム蓄積量, ガラス固化体発生量等を見積もった。

論文

Chemical forms of uranium evaluated by thermodynamic calculation associated with distribution of core materials in the damaged reactor pressure vessel

池内 宏知; 矢野 公彦; 鷲谷 忠博

Journal of Nuclear Science and Technology, 57(6), p.704 - 718, 2020/06

 被引用回数:4 パーセンタイル:43.05(Nuclear Science & Technology)

福島第一原子力発電所から取り出された燃料デブリへの効果的な処置方策を提案する上では、燃料デブリ中でUがとりうる化学形についての詳細な調査が不可欠である。特に、アクセス性に乏しい圧力容器内に残留する燃料デブリに関する情報が重要である。本研究では、圧力容器内燃料デブリ中、特にマイナー相におけるUの化学形を評価することを目的とし、1F-2号機の事故進展での材料のリロケーション及び環境変化を考慮した熱力学計算を実施した。組成,温度,酸素量といった計算条件は、既存の事故進展解析の結果から設定した。計算の結果、Uの化学形はFeとOの量によって変化し、Feの少ない領域で$$alpha$$-(Zr,U)(O)、Feの多い領域でFe$$_{2}$$(Zr,U) (Laves相)の生成が顕著であった。還元性条件で生成するこれらの金属相中には数パーセントのUが移行しており、燃料デブリの処置において核物質の化学分離を考慮する場合はこれらの相の生成に留意すべきと考えられる。

報告書

東京電力ホールディングス(株)福島第一原子力発電所燃料デブリ等分析について

燃料デブリ等研究戦略検討作業部会

JAEA-Review 2020-004, 140 Pages, 2020/05

JAEA-Review-2020-004.pdf:4.22MB

東京電力ホールディングス福島第一原子力発電所の廃炉作業を進めるにあたっては、燃料デブリの取出し及び取出した燃料デブリの保管管理及び処理処分に係る工程設計及び工程管理を行う必要がある。このためには、格納容器・圧力容器内の内部調査や、今後取得される燃料デブリ等サンプルの分析を行うことにより、燃料デブリの特性や堆積状態、核分裂生成物・線量の分布、構造材の破損や腐食状態等の現場の状況を明らかにすることが不可欠である。さらには、これら現場の状況に関して得られた知見や情報を用いて事故時に生じた現象を理解し、事故原因の究明を進めていくことにより得られる知見や情報を適時適切に廃炉の工程設計及び工程管理に反映するとともに、それらを継続的に改良していくことが重要である。廃炉に向けた中長期ロードマップでは、2021年内には初号機の燃料デブリの試験的取出しが目標とされている等、今後、燃料デブリを含むサンプル分析及び内部調査が本格化する。このことから、廃炉作業を安全かつ着実に進めるニーズの観点で、燃料デブリの取出し、保管管理、処理処分及び事故原因の究明においてどのような課題があるのか、その課題を解決するためには燃料デブリについて何をどのように分析すればよいのかについて検討し、推奨としてまとめた。実際に、どこの施設でどの分析をどのような順番で行うかの分析実施計画は、それぞれの目的に応じ優先順位を付けて、本報告書の内容を参考に策定されることが望まれる。

報告書

放射性微粒子の基礎物性解明による廃炉作業リスク低減への貢献(委託研究); 平成30年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業

廃炉国際共同研究センター; 茨城大学*

JAEA-Review 2019-041, 71 Pages, 2020/03

JAEA-Review-2019-041.pdf:3.38MB

日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉国際共同研究センター(CLADS)では、平成30年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、平成30年度「放射性微粒子の基礎物性解明による廃炉作業リスク低減への貢献」について取りまとめたものである。福島第一原発事故にて放出された放射性微粒子が廃炉手順の確立(溶融燃料等の回収、炉内除染、作業員の安全確保等)に関し重要な炉内事故事象解明のための情報源ともなっている。本研究は、これら粒子の基礎的な物性(粒径, 組成, 電気的性質, 光学的性質など)につき詳細な知見を得るとともに、日英のシナジー研究により$$alpha$$放射体の量的評価を含む放射性微粒子の諸特性をさらに解明して、「廃炉」計画のリスク低減にむけた作業全般に寄与する研究・開発を行う。

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