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Shaimerdenov, A.*; Gizatulin, S.*; Dyussambayev, D.*; Askerbekov, S.*; 植田 祥平; 相原 純; 柴田 大受; 坂場 成昭
Nuclear Engineering and Technology, 54(8), p.2792 - 2800, 2022/08
被引用回数:8 パーセンタイル:79.63(Nuclear Science & Technology)In the core of the WWR-K reactor, a long-term irradiation of tri-structural isotopic (TRISO)-coated fuel particles (CFPs) with a UO kernel was carried out under normal operating conditions of the high-temperature gas-cooled reactor (HTGR). This TRISO fuel was attained at the temperature of 950 to 1,100
C, and the uranium burnup of 9.9% FIMA (fission per initial metal atom) during the irradiation. The release of the gaseous fission product from the fuel was measured in-pile, and its release-to-birth (R/B) ratio was evaluated using the model developed in the High-Temperature Engineering Test Reactor (HTTR) project. After the irradiation test, fuel compacts were subjected to electric dissociation and nondestructive inspections such as X-ray radiography and gamma spectrometry. Finally, it was concluded that integrity of the TRISO fuel irradiated at approximately 9.9% FIMA was demonstrated, and a low fuel failure fraction and a low R/B measured with krypton-88 indicated good performance and reliability of the high burnup TRISO fuel.
中島 憲宏; 西田 明美; 川上 義明; 鈴木 喜雄; 沢 和弘; 飯垣 和彦
Proceedings of 23rd International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-23) (DVD-ROM), 5 Pages, 2015/05
数値解析結果の妥当性を推定する手段の一つを提案する。有限要素法による構造解析をスーパーコンピュータの並列計算機能を活用して実行し、解析結果の相違を分析するとともに、入力データである有限要素分割の粗密を変更した解析結果を分析し、数値計算的な確かさを推定するシステムを提案する。解析結果を表現する解析結果モデルの形成過程は、データベースで機能IDとその計算手順のリストによって記述する。解析モデルマネージャは、計算手順を記述したリストの順序によって、すなわち複数の数値計算手続きにより、シミュレーションを実行することで、目的とするシミュレーションの数値計算解を出力する。その結果、目的とするシミュレーション結果が複数生成されることから、これらの結果の相違を比較し分析することで、解の正確さを推定する。本論での数値実験は静解析と動解析で実施し、その正確さを判断するための必要な手続きを明らかにした。数値実験は、京を用いて行った。
高松 邦吉; 中川 繁昭; 伊与久 達夫
Proceedings of 11th International Topical Meeting on Nuclear Reactor Thermal Hydraulics (NURETH-11) (CD-ROM), 12 Pages, 2005/10
高温工学試験研究炉(HTTR)では、安全性実証試験として循環機停止試験を実施しており、冷却材流量低下事象に対して原子炉を緊急に停止させなくても、原子炉出力は安定状態に落ち着き、炉内温度の過渡変化が非常に緩慢であるという高温ガス炉の固有の安全性を実証している。本研究では、循環機停止試験の試験データを用いて、動特性解析SIRIUSコードの検証を行った。SIRIUSコードは、原子炉圧力容器表面からの放熱による原子炉残留熱挙動を解析でき、1点炉近似動特性を考慮した原子炉出力の変化や原子炉圧力容器内の温度分布を求めることができる。検証の結果、解析結果は試験データを再現していることが明らかとなり、SIRIUSコードによる炉心動特性解析は妥当であることを確認できた。
栃尾 大輔; 中川 繁昭
JAERI-Tech 2005-040, 39 Pages, 2005/07
定格熱出力30MWの高温工学試験研究炉(HTTR)では、原子炉で発生した熱を加圧水冷却器,中間熱交換器による熱交換を経て、最終的に加圧水空気冷却器により大気に放散している。HTTRの主冷却系熱交換器は原子炉出口冷却材温度850C/950
Cを達成しつつ原子炉で発生した30MWの除熱を行わなければならず、主冷却系の熱交換器は設計時に定めた伝熱性能を有していなければいけない。本報では、HTTRにおいてこれまで実施してきた出力上昇試験,供用運転のデータから、主冷却系に設置されている熱交換器のうちの中間熱交換器(IHX)について伝熱性能を評価した。また、設計時におけるIHXの熱交換性能との比較を行い、設計時に用いたIHX伝熱性能評価手法の妥当性を検討した。
高松 邦吉; 中川 繁昭
JAERI-Data/Code 2005-003, 31 Pages, 2005/06
高温工学試験研究炉(HTTR)では、安全性実証試験として循環機停止試験を実施しており、冷却材流量低下事象に対して原子炉を緊急に停止させなくても、原子炉出力は安定状態に落ち着き、炉内温度の過渡変化が非常に緩慢であるという高温ガス炉の固有の安全性を実証している。本研究では、循環機停止試験の試験データを用いて、動特性解析コードTAC/BLOOSTコードの検証を行った。TAC/BLOOSTコードは、原子炉圧力容器表面からの放熱による原子炉残留熱挙動を解析でき、1点炉近似動特性を考慮した原子炉出力の変化や原子炉圧力容器内の温度分布を求めることができる。検証の結果、解析結果は試験データを再現していることが明らかとなり、TAC/BLOOSTコードによる炉心動特性解析は妥当であることを確認できた。
栃尾 大輔; 中川 繁昭; 古澤 孝之*
日本原子力学会和文論文誌, 4(2), p.147 - 155, 2005/06
日本原子力研究所の高温ガス炉HTTRでは、2004年3月から7月にかけて高温試験運転を行い、世界初となる原子炉出口冷却材温度950Cを達成した。HTTRの熱交換器は、原子炉で発生した熱の除熱及び原子炉入口冷却材温度を所定の温度に維持するという観点から、伝熱性能が設計時に想定した範囲内でなければならない。本報では、本試験運転で得られた実測データを用いて、主冷却系に設置されている熱交換器の伝熱性能を評価した。さらに、伝熱性能について評価値を設計値と比較し、熱交換器の設計手法が妥当であることを確認した。
伊与久 達夫; 中川 繁昭; 高松 邦吉
UTNL-R-0446, p.14_1 - 14_9, 2005/03
HTTR(高温工学試験研究炉)は、原子炉出力30MW,原子炉出口冷却材温度(定格運転850C/高温試験運転950
C)の黒鉛減速ヘリウム冷却型の高温ガス炉である。HTTRでは、高温試験運転モードでの出力上昇試験を行い、高温試験運転モードで使用前検査に合格するとともに、炉心及びプラントの特性を評価するに必要なデータを取得した。本研究会では、高温試験運転モードで実施した出力上昇試験結果の概要を紹介する。
藤川 正剛; 林 秀行; 中澤 利雄; 川崎 幸三; 伊与久 達夫; 中川 繁昭; 坂場 成昭
Journal of Nuclear Science and Technology, 41(12), p.1245 - 1254, 2004/12
被引用回数:96 パーセンタイル:97.81(Nuclear Science & Technology)日本初の高温ガス炉HTTRは、2004年4月19日に最大熱出力30MWで、原子炉出口冷却材(ヘリウムガス)温度950Cを達成した。出力上昇試験の最終段階として実施された高温試験運転では、原子炉の特性及び性能が確認され、また安全,安定運転のための種々の運転データが蓄積された。原子炉出口冷却材温度950
Cの達成により、高温ガスタービンによる高効率発電が可能になるとともに、水を原料とした水素製造に十分な温度を達成したこととなり、原子力の非電力分野での利用の可能性が広がったことになる。今回の成功により、高温ガス炉を用いた水からの水素製造の実現に向けて大きく前進した。本報は、HTTRの高温試験運転の試験結果について述べたものである。
高松 邦吉; 中川 繁昭; 坂場 成昭; 高田 英治*; 栃尾 大輔; 島川 聡司; 野尻 直喜; 後藤 実; 柴田 大受; 植田 祥平; et al.
JAERI-Tech 2004-063, 61 Pages, 2004/10
高温工学試験研究炉(High Temperature engineering Test Reactor: HTTR)は原子炉出力30MW,原子炉出口冷却材温度(定格運転850C/高温試験運転950
C)の黒鉛減速ヘリウムガス冷却型の高温ガス炉である。HTTRでは高温試験運転として単独運転を2004年3月31日に開始し、4月19日に最大熱出力30MWの状態で1次冷却材原子炉出口温度950
Cを達成した後、4月23日に使用前検査として冷却材飽和値確認検査を受検した。その後、徐々に出力を降下し、5月1日に原子炉を停止した。単独運転終了後、2次側の除熱性能の改善等を目的として炉容器冷却系熱交換器の洗浄等の作業を経て、並列運転を6月2日に開始し、6月24日に使用前検査として冷却材飽和値確認検査,放射性物質濃度の測定検査等を受検した。これにより、高温試験運転にかかわる原子炉の性能試験はすべて終了し、使用前検査合格証を受領した。高温ガス炉による原子炉出口冷却材温度950
Cの達成は、今回HTTRが世界で初めて成功したものである。これにより、高温ガスタービンによる高効率発電が可能となるとともに、水を原料とした水素製造に十分な温度を達成したこととなり、原子力の非発電分野での利用の可能性が広がったことになる。本報は、高温試験運転の方法及び結果の概要を示したものである。
中川 繁昭; 橘 幸男; 高松 邦吉; 植田 祥平; 塙 悟史
Nuclear Engineering and Design, 233(1-3), p.291 - 300, 2004/10
被引用回数:8 パーセンタイル:48.16(Nuclear Science & Technology)高温ガス炉は冷却材温度を高温にすることができるとともに、固有の安全性があることで魅力的な原子炉である。日本初の高温ガス炉であるHTTRが日本原子力研究所の大洗研究所に建設された。HTTRは、その出力上昇試験において2001年12月7日に原子炉出力30MW,原子炉出口冷却材温度850Cを達成した。出力上昇試験では、運転合格証取得のための試験と原子炉性能確認のための試験の2種類を実施した。原子炉出力30MWまでの出力上昇試験の結果から、原子炉及び冷却機器の性能を確認し、原子炉施設の運転が安全に実施できることを確認した。本論文は、HTTRに関するシリーズ投稿の一つである。
川崎 幸三; 伊与久 達夫; 中澤 利雄; 林 秀行; 藤川 正剛
日本原子力学会誌, 46(8), P. 510, 2004/08
日本原子力研究所の高温工学試験研究炉(HTTR)は、平成16年6月24日までに原子炉出口温度950C運転(高温試験運転)にかかわる性能試験を計画どおり全て終了した。高温試験運転は、本年、3月31日から開始し、4月19日には1次加圧水冷却器のみを用いた単独運転により、世界で初めて950
Cの高温のヘリウムガスを原子炉から取出すことに成功し、引き続いて、6月2日からは1次加圧水冷却器のほかに中間熱交換器を用いた並列運転での性能を確認してきた。並列運転での性能試験の結果、HTTRの冷却系統の除熱性能、1次遮へい体の遮へい性能及び高温機器の特性等全ての試験項目について設計どおりの性能を有していることを確認、6月24日使用前検査に合格し、HTTRの性能試験を全て終了した。
榎枝 幹男
JAERI-Conf 2004-012, 237 Pages, 2004/07
本報文集は、「IEA核融合炉工学に関する実施取り決め」に基づくセラミック増殖材ワークショップ及び日米核融合共同研究の一環として開催された「第11回セラミック増殖材ブランケット相互作用国際ワークショップ」の報文をまとめたものである。本ワークショップでは、欧州連合,ロシア,日本のセラミック増殖ブランケットの設計,HICU, EXOTIC-8, IVV-2Mによる照射試験の最新の成果,LiTiO
等のトリチウム放出挙動のモデリング,Li
TiO
とLi
SiO
微小球の製造技術開発と物性値研究,Li
TiO
とLi
SiO
微小球充填層の熱機械挙動測定とモデリングに関する研究,境界テーマとして、ブランケット筐体製作技術開発,核融合中性子によるブランケットモックアップの中性子工学実験,トリチウム回収システム開発、などについての研究開発の現状と今後の課題についての情報交換が行われた。
大橋 弘史; 稲葉 良知; 西原 哲夫; 稲垣 嘉之; 武田 哲明; 林 光二; 片西 昌司; 高田 昌二; 小川 益郎; 塩沢 周策
Journal of Nuclear Science and Technology, 41(3), p.385 - 392, 2004/03
被引用回数:19 パーセンタイル:74.72(Nuclear Science & Technology)原研では、高温核熱利用の有用性の実証を目的として、HTTRと水素製造システム(メタンの水蒸気改質:CH+H
O=CO+3H
)との接続技術の開発を進めている。HTTR水素製造システムの製作の前に、システムの特性把握,原子炉に対応した運転・制御技術の確立,HTTR水素製造システムの安全審査・設工認に必要なデータの取得を目的として実規模単一反応管試験を計画し、HTTR水素製造システムの1/30スケールの規模を有する試験装置を完成させた。さらに、今後の試験を行ううえで必要な水素製造能力,制御性等を確認するために、試験装置完成時にHTTR水素製造システムと同条件下で水素製造試験等の機能試験を実施した。この結果、本装置の水素製造能力は設計値110Nm
/hを満足する120Nm
/hであった。また、起動時におけるヘリウムガスの熱外乱を蒸気発生器で緩和することにより、原子炉戻りヘリウムガス温度に相当する蒸気発生器出口へリウムガス温度を設計値である
10
C以内に制御できた。本報では、機能試験の結果について述べる。
竹内 末広; 仲野谷 孝充; 株本 裕史; 吉田 忠
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 513(3), p.429 - 438, 2003/11
被引用回数:3 パーセンタイル:27.41(Instruments & Instrumentation)原研(東海)タンデム加速器では加速電圧を18-20MVに改善するため加速管をコンプレスドジオメトリー型の新加速管に更新する計画をすすめている。新加速管に交換することで加速ギャッブ数が増え加速電圧を改善できる可能性がある。しかし、大型加速器では一般に交換後のコンディショニングには1-2か月の長い期間を要する。そこで、加速管内面をあらかじめ高圧純水洗浄により洗浄し、放電の源となる、あるいは放電を助長する絶縁体表面の汚れや微粒子を除去することにより、放電活動を抑制し短期間で期待する電圧にすることを考えた。高圧純粋洗浄した従来の加速管1MV分6本をタンデム加速器で高電圧試験を行い、また新加速管3MV分6本を高圧純粋洗浄し加速管メーカーのNEC社の3MV試験装置で高電圧試験を行った。結果は、どちらも定格電圧を短時間で越え、かつ放電は従来の加速管と比べ極めて少なかった。新加速管3MVの試験ではコンディショニングは加速管が安定に近い状態で進み24時間内に高度に安定な状態に達した。これで加速電圧の改善計画に明るい展望が開けた。本文では洗浄効果,セラミックスの表面などについての研究成果を述べており、放電活動は絶縁体表面の汚れや微粒子が主な原因であったことを明らかにしている。
稲垣 嘉之; 林 光二; 加藤 道雄; 藤崎 勝夫; 会田 秀樹; 武田 哲明; 西原 哲夫; 稲葉 良知; 大橋 弘史; 片西 昌司; et al.
JAERI-Tech 2003-034, 129 Pages, 2003/05
HTTR水素製造システムの中間熱交換器から下流の水素製造設備を模擬した実規模単一反応管試験装置の機能試験の結果について報告する。本試験装置は、HTTR水素製造システムの水蒸気改質器反応管1本を実寸大で模擬した装置で、熱源には原子炉の代わりに電気ヒータを用いて、HTTR水素製造システムと同じ温度・圧力の条件で試験を行うことができる。試験装置は、平成9年より設計,製作を開始し、平成13年9月に据付を完了した。平成13年10月から平成14年2月まで実施した機能試験において、各設備の性能確認を行うとともに、高温ヘリウムガスを熱源として120mN/hの水素製造を達成して、試験装置を完成させた。また、本報告では、機能試験時に発生した不具合事項とその対策についても合わせて述べる。
坂場 成昭; 中川 繁昭; 高田 英治*; 野尻 直喜; 島川 聡司; 植田 祥平; 沢 和弘; 藤本 望; 中澤 利雄; 足利谷 好信; et al.
JAERI-Tech 2003-043, 59 Pages, 2003/03
HTTRは、原子炉出口冷却材温度950の達成を目指した高温試験運転による出力上昇試験を平成15年度に計画している。高温試験運転の実施にあたっては、被覆粒子燃料を使用し、ヘリウムガス冷却を行う我が国初の高温ガス炉であることを念頭に、これまで実施してきた出力上昇試験(定格運転30MW及び原子炉出口冷却材温度850
までの試験)での知見をもとに計画する。高温試験運転においては、温度の上昇に従ってより厳しくなる、原子炉の核熱設計,放射線遮へい設計及びプラント設計が適切であることを確認しながら実施する。本報では、HTTRの安全性確保に重要な燃料,制御棒及び中間熱交換器について、定格運転モードでの運転データに基づき、高温試験運転時の安全性の再確認を行った結果を示すとともに、これまでに摘出された課題とその対策を示した。加えて、高温試験運転における試験項目摘出の考え方を示し、実施する試験項目を具体化した。その結果、原子炉施設の安全を確保しつつ、原子炉熱出力30MW,原子炉出口冷却材温度950
の達成の見通しを得た。
竹内 末広; 仲野谷 孝充; 株本 裕史; 石崎 暢洋; 松田 誠; 月橋 芳廣; 神田 将; 田山 豪一; 阿部 信市; 吉田 忠
第14回加速器科学研究発表会報告集, p.308 - 310, 2003/00
原研タンデム加速器は端子電圧を改善するためコンプレスドジオメトリの加速管に更新した。更新にあたって加速管内を高圧純水洗浄するアイデアを検証するための種種の簡単な試験と1MV及び3MVの高電圧試験を行った。その結果加速管セラミック表面は剥がれやすい微粒子がかなり付着していて、高圧純水洗浄等で清浄化することで高電圧性能が飛躍的に改善されることがわかった。加速管更新については経過を述べる。
中川 繁昭; 藤本 望; 島川 聡司; 野尻 直喜; 竹田 武司; 七種 明雄; 植田 祥平; 小嶋 崇夫; 高田 英治*; 齋藤 賢司; et al.
JAERI-Tech 2002-069, 87 Pages, 2002/08
高温工学試験研究炉(High Temperature engineering Test Reactor : HTTR)の出力上昇試験は、30MW運転時に原子炉出口冷却材温度が850となる「定格運転」モードでの試験として、平成12年4月23日から原子炉出力10MWまでの出力上昇試験(1)を行い、その後、原子炉出力20MWまでの出力上昇試験(2),30MW運転時に原子炉出口冷却材温度が950
となる「高温試験運転」モードにおいて原子炉出力20MWまでの出力上昇試験(3)を行った。定格出力30MW運転達成のための試験として平成13年10月23日から出力上昇試験(4)を開始し、平成13年12月7日に定格出力30MWの到達及び原子炉出口冷却材温度850
の達成を確認した。出力上昇試験(4)については、平成14年3月6日まで実施し、定格出力30MWからの商用電源喪失試験をもって全ての試験検査を終了して使用前検査合格証を取得した。「定格運転」モードにおける原子炉出力30MWまでの試験結果から、原子炉、冷却系統施設等の性能を確認することができ、原子炉を安定に運転できることを確認した。また、試験で明らかとなった課題を適切に処置することで、原子炉出力30MW,原子炉出口冷却材温度950
の達成の見通しを得た。
飯垣 和彦; 坂場 成昭; 川路 さとし; 伊与久 達夫
Transactions of 16th International Conference on Structural Mechanics in Reactor Technology (SMiRT-16) (CD-ROM), 7 Pages, 2001/08
原研は、高温ガス炉技術基盤の確立と高度化,高温工学に関する先端的基礎研究の実施を主目的として、HTTRを建設し、1998年11月10日に初臨界を達成した。HTTRの原子炉格納施設は、原子炉格納容器(CV),サービスエリア(SA)及び非常用空気浄化設備から構成し、減圧事故時等に外部へ放出する放射性物質の量を低減する役目を担う。このため、CVには漏洩率、SAには機密性、非常用空気浄化設備にはSAの負圧維持,ヨウ素及び微粒子の除去効率並びに起動時間を規定している。CV漏洩率試験では、1次冷却材Heに適応するため、原子炉冷却材圧力バウンダリを閉鎖したまま試験を実施する従来の軽水炉等とは異なる新しい試験方法を確立し、規定値を満たすことを確認した。試験の結果、減圧事故時に外部へ放出する放射性物質の量は所定値内に低減することができるといえる。
沢 和弘; 角田 淳弥; 植田 祥平; 鈴木 修一*; 飛田 勉*; 斎藤 隆; 湊 和生; 高野 利夫; 関野 甫
Journal of Nuclear Science and Technology, 38(6), p.403 - 410, 2001/06
被引用回数:7 パーセンタイル:48.26(Nuclear Science & Technology)HTTRの初装荷燃料は日本初の大量生産による高温ガス炉燃料であるため、その品質を慎重に調べる必要がある。そこで、製造時関連の品質管理の他に、運転中の燃料の健全性を確認するための試験を原研において行った。試験は(1)SiC層破損率確認試験,(2)照射後燃料加熱試験及び(3)加速照射試験より成る。製造時のSiC層破損率確認測定では、製造過程のSiC層破損率測定に加え、原研がSiC層破損率を測定し、測定値が95%信頼限度内で一致することを確認した。燃料コンパクトの照射後加熱試験を行い、加熱した燃料コンパクト内に破損粒子がないことを確認した。Csの拡散係数の測定値は、従来の試験燃料と同等以上の保持能力であることを示した。さらに、製造した燃料の加速照射試験を行い、HTTRにおける最大燃焼度33GWd/tの約2倍まで破損が生じていないことがわかった。今後実施する予定の照射後試験計画についても述べた。