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論文

Boundary condition free homogenization and evaluation of its performance in fast reactor core analysis

丸山 修平

Proceedings of International Conference on Physics of Reactors 2022 (PHYSOR 2022) (Internet), 10 Pages, 2022/05

本論文は新しい均質化法「Boundary Condition Free Homogenization (BCFH)」を提案した。従来の均質化法では、セル計算において特定の境界条件または周辺領域を仮定することにより、炉心計算とセル(集合体)計算を分離している。これらの仮定にはあいまいさや近似があり、評価結果の精度の低下を引き起こす原因にもなる。BCFHはこれらの問題を回避し、均質化等に係るセル計算の精度を向上させることを目的としている。著者は反応率保存に関連するセル内の物理量が流入部分中性子流に対して保存されるという条件を課した。すなわち、セル平均中性子束と流出部分中性子束の応答行列は均質-非均質系で同じになるものとした。これにより得られる断面積,SPH因子,不連続因子等の均質化パラメーターは特定の境界条件に依存しなくなる。このようにして得られた新しい均質化パラメータは、従来のベクトル形式から行列形式に拡張されたものとなる。BCFHの性能を調査するために、我が国のナトリウム冷却高速炉の炉心概念を使用して数値実験を行った。その結果、BCFHは従来の方法と比較して制御棒の反応度価値や反応率分布を評価するのに特に有効であることがわかった。この結果に基づき、BCFHは炉心解析における1つの有望な均質化の概念になりえると結論付けた。

報告書

原子炉建屋の3次元有限要素モデルを用いた地震応答解析手法に関わる標準的解析要領(受託研究)

崔 炳賢; 西田 明美; 川田 学; 塩見 忠彦; Li, Y.

JAEA-Research 2021-017, 174 Pages, 2022/03

JAEA-Research-2021-017.pdf:9.33MB

原子力発電施設における建物・構築物の地震応答解析においては、我が国では、従来より質点系モデルが用いられてきたが、近年の解析技術の発展により、立体的な建物を3次元的にモデル化し、建物の3次元挙動、建物材料の非線形性、建物及び地盤間の非線形性等を考慮した有限要素法による地震応答解析が実施されるようになってきた。3次元モデルによる有限要素解析(3次元FEM解析)は、複雑で高度な技術が用いられる一方、汎用性があるために広く利用され、原子力分野以外では構造物のモデル化、材料物性の非線形特性の信頼性を確保するためのガイドラインの策定や技術認定などがなされるようになってきた。原子力分野においては、IAEAにより平成19年(2007年)新潟県中越沖地震における質点系モデル、3次元FEMモデルによる観測記録の再現解析がKARISMAベンチマークプロジェクトとして実施され、複数の解析者の解析結果が報告された。その報告によると、解析者により解析結果にばらつきが大きいということが判明し、解析手法の標準化による解析結果の信頼性の確保が急務となっている。また、原子力発電施設の強非線形領域の現実的な挙動の評価が必要となる建物・構築物・機器のフラジリティ評価においても詳細な3次元挙動把握の必要性が指摘されている。こうした背景を踏まえ、原子炉建屋を対象とした地震応答解析に用いられる3次元FEMモデルの作成及び解析にあたって必要となる一般的・基本的な手法や考え方を取りまとめて標準的解析要領を整備した。これにより原子炉建屋の3次元FEMモデルによる地震応答解析手法の信頼性向上につながることが期待される。本標準的解析要領は、本文、解説、及び解析事例で構成されており、原子炉建屋の3次元FEMモデルを用いた地震応答解析の実施手順、推奨事項、留意事項、技術的根拠等が含まれている。また、本標準的解析要領は、最新知見を反映し、適宜改訂する。

論文

鉄筋コンクリート耐震壁に対する等価線形解析の適用性検討; 原子炉建屋耐震壁終局応答試験の三次元有限要素法シミュレーション解析

市原 義孝*; 中村 尚弘*; 森谷 寛*; 堀口 朋裕*; 崔 炳賢

日本原子力学会和文論文誌, 21(1), p.1 - 14, 2022/03

本研究は、鉄筋コンクリート構造物の非線形性の影響を近似的に等価線形解析手法による地震応答解析で評価することを目的に、1996年にOECD/NEAによる国際解析コンペで使用された原子炉建屋耐震壁終局応答試験の三次元有限要素法によるシミュレーション解析を実施した。耐震壁の等価剛性及び等価減衰は、日本電気協会が提案するトリリニア型スケルトンカーブ、Cheng et al.が提案する履歴曲線より求め、せん断ひずみ調整ファクターは感度解析より0.70に決定した。その結果、せん断ひずみ$$gamma$$=2.0$$times$$10$$^{-3}$$程度までの試験体上部の卓越振動数,最大応答加速度,最大応答変位,慣性力-変位関係,床応答スペクトルを良く再現できることを明らかにした。本報における等価線形解析は、$$gamma$$=4.0$$times$$10$$^{-3}$$程度の終局破壊時の最大応答変位を過小評価している。このため、破壊直前の急激な変位の増大を含む試験結果の評価に本手法を適用する場合は、その適用性に十分留意する必要がある。

報告書

原子力防災における大気拡散モデルの利用に関する考察

外川 織彦; 大倉 毅史; 木村 仁宣; 永井 晴康

JAEA-Review 2021-021, 61 Pages, 2021/11

JAEA-Review-2021-021.pdf:3.72MB

東京電力(株)福島第一原子力発電所事故を契機として、原子力防災への大気拡散モデルの利用について、様々な状況とレベルで論争は続いた。しかし、計算モデルによる予測は原子力災害対策に使用可能かどうかといった二者択一の極端な議論が多く、緊急時対応の科学的検証に基づいて丁寧に議論されてきたとは言い難かった。一方、日本原子力研究開発機構(原子力機構)内外には、大気拡散モデルやその解析結果の潜在的利用希望者が少なからず存在することが分かったが、複数の種類がある大気拡散モデルについて、その目的と用途に応じた使い分けに関して理解不足と誤解があることが見受けられた。本報告書では、原子力防災に利用される大気拡散モデルについて、原子力機構で開発または使用されているモデルを中心として、モデルの概要や計算手法等を比較するとともに、それらのモデルを利用した解析例を記述した。これにより、原子力機構内外における大気拡散モデルの潜在的利用希望者に対して、今後の検討や活動に参考となることを目的とした。

論文

Outline of guideline for seismic response analysis method using 3D finite element model of reactor building

崔 炳賢; 西田 明美; 塩見 忠彦; 川田 学; Li, Y.

Proceedings of 28th International Conference on Nuclear Engineering; Nuclear Energy the Future Zero Carbon Power (ICONE 28) (Internet), 7 Pages, 2021/08

原子力施設における建物・構築物の耐震安全評価においては、従来より質点系モデルが用いられてきた。しかしながら、従来法では原子力施設内の設備の設置位置における局所的な応答等の精緻な評価を行うことは困難である。この観点から、原子力施設の耐震安全評価における3次元詳細モデルの活用が期待されている。しかしながら、3次元詳細モデルを用いて得られる解析結果は、解析者によりばらつきが大きいことが報告されており、解析手法の標準化による解析結果の品質の確保が急務となっている。そこで、原子力機構では、原子炉建屋の3次元詳細モデルを用いた地震応答解析手法に関わる標準的解析要領案(標準案)の作成に取り組んでいる。標準案は、本文,解説、およびいくつかの附属書で構成されており、建屋3次元詳細モデルを用いた地震応答解析の実施手順,推奨事項,留意事項,技術的根拠等が含まれている。本稿では、標準案の概要と、標準案に基づく適用事例を紹介する。

論文

Early emergency responses of the Japan Atomic Energy Agency against the Fukushima Daiichi Nuclear Power Station Accident in 2011

奥野 浩; 佐藤 宗平; 川上 剛; 山本 一也; 田中 忠夫

Journal of Radiation Protection and Research, 46(2), p.66 - 79, 2021/06

東京電力福島第一原子力発電所の事故は、最大級の地震とそれに伴う津波により、原子力発電所周辺の住民の避難を誘発した被害の典型的なものであった。本論文は、東京電力福島第一原子力発電所の敷地外緊急事態に対する日本原子力研究開発機構(JAEA)の原子力緊急時支援・訓練センター(NEAT)の初期対応についてまとめたものである。本論文では、東京電力福島第一原子力発電所に関連した2011年以前のNEATの緊急時対応活動、2011年3月11日のNEATの状況、東京電力福島第一原子力発電所の事故を含むオフサイト緊急事態への早期対応について論じた。また、複雑な災害の問題点についても論じた。

報告書

原子力緊急時における公衆の被ばく線量評価に関する調査と検討

橋本 周; 木名瀬 栄; 宗像 雅広; 村山 卓; 高橋 聖; 高田 千恵; 岡本 明子; 早川 剛; 助川 正人; 久米 伸英*; et al.

JAEA-Review 2020-071, 53 Pages, 2021/03

JAEA-Review-2020-071.pdf:2.72MB

原子力機構は、災害対策基本法及び武力攻撃事態対処法に基づく指定公共機関として、原子力災害や放射線緊急事態が発生した場合には、災害対応に当たる国や地方公共団体の要請に応じて人的・技術的支援を行う。防災基本計画及び原子力災害対策マニュアルでは、原子力機構は原子力緊急時において公衆の被ばく線量の推計・把握を支援することが要求されている。しかし、その支援について、基本方策,調査対象,調査方法,実施体制等について具体的かつ詳細には検討されていない。本報告では、公衆の緊急時被ばく線量の推計・把握に関する技術的支援について、原子力緊急時支援・研修センター内に設置された「緊急時の線量評価検討WG」において調査・考察した結果を報告することにより、国や地方公共団体、及び原子力機構内における今後の具体的かつ詳細な検討及び活動に貢献することを目的とする。

報告書

令和元年度緊急時対応技術適用のためのバックグラウンド航空機モニタリング(受託研究)

普天間 章; 眞田 幸尚; 川崎 義晴*; 岩井 毅行*; 平賀 祥吾*; 佐藤 一彦*; 萩野谷 仁*; 松永 祐樹*; 菊池 陽*; 石崎 梓; et al.

JAEA-Technology 2020-019, 128 Pages, 2021/02

JAEA-Technology-2020-019.pdf:15.75MB

2011年3月11日に発生した東日本大震災による津波に起因した東京電力福島第一原子力発電所事故によって、大量の放射性物質が周辺環境に飛散した。事故直後より放射性核種の分布を迅速かつ広範囲に測定する手法として、有人ヘリコプター等を用いた航空機モニタリングが活用されている。本モニタリング技術を原子力施設等の事故時における緊急時モニタリングに活用し、モニタリング結果を迅速に提供するために、全国の発電所周辺におけるバックグラウンド放射線量や地形的特徴、管制区域等の情報を事前に整備している。また、緊急時モニタリングの実効性向上に資するために原子力総合防災訓練に参画し、緊急時航空機モニタリングを実施している。令和元年度は東通原子力発電所並びに六ヶ所再処理工場および志賀原子力発電所周辺について航空機モニタリングを実施し、バックグランド放射線量及びを管制区域等の情報を整備した。また、原子力総合防災訓練の一環として、中国電力島根原子力発電所周辺において緊急時航空機モニタリングを実施した。さらに、本モニタリングの代替技術として期待されている無人飛行機による、原子力災害を想定した運用技術開発に着手した。本報告書は、それらの結果および実施によって抽出された技術的課題についてまとめたものである。

報告書

アジア原子力安全ネットワーク緊急時対応関連グループ提案に基づく2006年-2017年国際原子力機関アジア地域ワークショップの概要

奥野 浩; 山本 一也

JAEA-Review 2020-066, 32 Pages, 2021/02

JAEA-Review-2020-066.pdf:3.01MB

国際原子力機関(International Atomic Energy Agency、略称: IAEA)は、アジア原子力安全ネットワーク(Asian Nuclear Safety Network、略称: ANSN)の活動を2002年から実施している。その一環としてANSNの下に原子力あるいは放射線災害を対象とする平時の備えと緊急時への対応に関するグループ(Topical Group on Emergency Preparedness and Response、略称: EPRTG)を2006年に設立した。EPRTGの提案に基づきIAEAは2006年から2017年までの12年間に23件のアジア地域ワークショップを実施した。緊急時対応に関するテーマ分野には、原子力防災訓練,緊急時医療,原子力・放射線緊急事態後の長期的対応,国際協力,国の原子力防災体制整備などがあった。日本原子力研究開発機構は、RPRTG設立当初からコーディネータを輩出し、その活動を主導してきた。本報告書は、EPRTGの提案に基づきIAEAが2017年までに実施したアジア地域ワークショップの概要をまとめたものである。

報告書

ロボット訓練用ステージの製作

椿 裕彦; 小泉 聡*

JAEA-Technology 2020-016, 16 Pages, 2020/11

JAEA-Technology-2020-016.pdf:2.96MB

楢葉遠隔技術開発センター遠隔機材整備運用課は、原子力災害対策特別措置法及び平成二十三年文部科学省・経済産業省令第四号「原子力災害特別措置法に基づき原子力事業者が作成すべき原子力事業者防災業務計画等に関する命令」(以下「計画等命令」という。)に対応するための日本原子力研究開発機構内の原子力緊急事態支援組織の中核を担っている。同課の重要な任務に遠隔機材(偵察用ロボット及び作業用ロボット等)の日本原子力研究開発機構内原子力施設各拠点の操作員に対する操作訓練がある。偵察用ロボット及び作業用ロボットの基本的な操作訓練の一つに、往復型通路(上から見てU字型通路)の走行訓練がある。従来同課は、当該訓練においては、その都度他課室所有の通路部材を借用し往復型通路を組上げ、対応していた。同課は、令和元年度に往復型通路の走行訓練のためのロボット訓練用ステージ(階段部を含む)を設計製作し、運用を開始した。本ステージにより当該訓練の準備の省力化がなされ、訓練日の任意設定が可能となり、また通路部材の組み替えが容易な設計から多様な通路設定が可能となった。本書は、遠隔機材整備運用課が行った、ロボット訓練用ステージの設計及び製作に関し報告するものである。

報告書

国際原子力機関の緊急時対応援助ネットワークへの原子力機構の登録と関連活動

外川 織彦; 早川 剛; 田中 忠夫; 山本 一也; 奥野 浩

JAEA-Review 2020-017, 36 Pages, 2020/09

JAEA-Review-2020-017.pdf:2.24MB

我が国は、原子力事故または放射線緊急事態に際して、国際的支援の提供に貢献するため、2010年に国際原子力機関(IAEA)の緊急時対応援助ネットワーク(RANET)に参加した。その際に、日本原子力研究開発機構(JAEA: 原子力機構)は現地外での技術援助が可能な機関としてRANETに登録した。原子力機構の登録分野は以下の7分野であった。すなわち、(1)航空機による汚染調査、(2)放射線レベル・汚染調査、(3)環境試料の濃度測定、(4)事故評価と助言、(5)体内被ばく線量評価、(6)バイオアッセイ、(7)線量再構築であった。登録後に原子力機構は援助可能性の問合せを3回受けたが、実際に援助を行うには至らなかった。一方、RANET登録に関連してIAEAが実施する国際緊急時対応演習(ConvEx)にほぼ毎年参加してきた。本報告書では、RANETの概要、原子力機構の登録及びConvEx参加活動の概要を述べる。

報告書

作業用ロボット及び偵察用ロボットの搭載無線機の機能高度化設計及び実装

西山 裕; 岩井 正樹; 椿 裕彦; 千葉 悠介; 早坂 寿郎*; 大野 隼人*; 羽生 敏紀*

JAEA-Technology 2020-006, 26 Pages, 2020/08

JAEA-Technology-2020-006.pdf:2.43MB

楢葉遠隔技術開発センター遠隔機材整備運用課は、原子力災害特別措置法及び平成二十四年文部科学省・経済産業省令第四号「原子力災害特別措置法に基づき原子力事業者が作成すべき原子力事業者防災業務計画等に関する命令」(以下「計画等命令」という。)に対応するための日本原子力研究開発機構内の原子力緊急事態支援組織の中核を担っている。同課の重要な任務に遠隔機材(作業用ロボット及び偵察用ロボット等)の整備がある。作業用ロボットに関し、既存の作業用ロボット(台車)に積載された原子力災害対応用マニュプレータに付置するマニュプレータ操作指令用無線機について、作業用ロボット(台車)の操作指令機能を付加する改良を設計し実装した。これにより作業用ロボット(台車)の操作指令の冗長化(当該無線機異常時に既設無線機への切替えによる台車操作指令)及び遠距離又は障害物等回避時使用無線中継ロボットの一元化(1台の中継ロボットで台車及びマニュプレータの両操作指令中継)が図られた。(冗長性確保及び高機能付加)また偵察用ロボットに関し、無線通信距離の確認を行った上で、無線強度を測定し、複数のアクセスポイントから最良のアクセスポイントを自動選択する能力を有する運用にとって最善の無線機を選定した。その後当該無線機を偵察用ロボット既存無線機と同時搭載する設計を行い、実装した。(冗長性確保及び高機能付加)本報告書は、令和元年度に実施した、作業用ロボット及び偵察用ロボットの搭載無線機の機能高度化設計及び実装に関するものである。

論文

Gamma detector response simulation inside the pedestal of Fukushima Daiichi Nuclear Power Station

Riyana, E. S.; 奥村 啓介; 寺島 顕一; 松村 太伊知; 坂本 雅洋

Mechanical Engineering Journal (Internet), 7(3), p.19-00543_1 - 19-00543_8, 2020/06

Prediction of the fuel debris location and distribution inside the primary containment vessel (PCV) of the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant is important to decide further decommissioning step and strategy. The radiation measurements in the past internal investigations have not yet provided enough information to predict fuel debris location and its distribution inside PCV. To support further measurement efforts, we simulate the detector response inside the PCV. The calculation result could provide a base on deciding suitable detector systems to assist the efforts on searching, localizing and defining distributions of the fuel debris.

論文

Evaluation of the effects of differences in building models on the seismic response of a nuclear power plant structure

崔 炳賢; 西田 明美; 村松 健*; 高田 毅士*

日本地震工学会論文集(インターネット), 20(2), p.2_1 - 2_16, 2020/02

AA2018-0122.pdf:2.15MB

本研究では、原子力施設の確率論的地震リスク評価の信頼性向上に資するため、原子炉建屋の地震応答解析結果におけるモデル化手法の違いによる影響を評価し、フラジリティ評価における認識論的不確実さを定量化することを目的としている。入力地震動として、偶然的不確実さを考慮するため、ハザード適合地震波を用いた。現実的な応答を得るため、原子炉建屋の3次元詳細モデルによる地震応答解析を実施し、建屋の壁および床の最大加速度について、中央値と対数標準偏差により統計的評価を行った。本研究により、建屋の上層部や床の開口部周辺において面外変形などの3次元効果が現れることが分かった。

論文

Intercomparison of numerical atmospheric dispersion prediction models for emergency response to emissions of radionuclides with limited source information in the Fukushima Dai-ichi Nuclear Power Plant accident

岩崎 俊樹*; 関山 剛*; 中島 映至*; 渡邊 明*; 鈴木 靖*; 近藤 裕昭*; 森野 悠*; 寺田 宏明; 永井 晴康; 滝川 雅之*; et al.

Atmospheric Environment, 214, p.116830_1 - 116830_11, 2019/10

 被引用回数:5 パーセンタイル:36.28(Environmental Sciences)

放射性物質の事故放出のための大気拡散予測モデルの利用が日本気象学会の作業部会により勧告された。本論文の目的は、2011年の福島第一原子力発電所からの事故放出に関する予測モデル相互比較によるこの勧告の検証である。放出強度は、放出の時間変化が得られない場合の最悪ケースを想定するため予測期間内で一定と仮定された。放射性物質の吸入を防ぐには地上大気の汚染度、湿性沈着に伴う放射線被ばく軽減には鉛直積算量の利用が想定される。予測結果はアンサンブル幅を有しているが、共通して時間空間的な相対的危険度を示しており、公衆に効果的な警告を不足なく出すのに非常に有用である。信頼性向上にはマルチモデルアンサンブル手法が効果的であろう。

論文

A Noniterative mean-field QM/MM-type approach with a linear response approximation toward an efficient free-energy evaluation

城戸 健太朗

Journal of Computational Chemistry, 40(24), p.2072 - 2085, 2019/09

 被引用回数:1 パーセンタイル:7(Chemistry, Multidisciplinary)

Mean-field treatment of solvent provides an efficient technique to investigate chemical processes in solution in QM/MM framework. In the algorithm, an iterative calculation is required to obtain the self-consistency between QM and MM regions, which is a time-consuming step. In the present study, we have proposed a non-iterative approach by introducing a linear response approximation (LRA) into the solvation term in the one-electron part of Fock matrix in a hybrid approach between MO calculations and a three-dimensional integral equation theory for molecular liquids (MC-MOZ-SCF; Kido $textit{et al.}$, J. Chem. Phys. $textbf{143}$, 014103 (2015)). To save the computational time, we have also developed a fast method to generate electrostatic potential map near solute and the solvation term in Fock matrix, using Fourier transformation (FT) and real spherical harmonics expansion (RSHE). To numerically validate the LRA and FT-RSHE method, we applied the present approach to water, carbonic acid and their ionic species in aqueous solution. Molecular properties of the solutes were evaluated by the present approach with four different types of initial wave function and compared with those by the original (MC-MOZ-SCF). From the averaged speed up ratio, the present approach is 13.5 times faster than MC-MOZ-SCF.

論文

Dispersion modelling of radioactive materials

永井 晴康; 山澤 弘実*

Environmental Contamination from the Fukushima Nuclear Disaster; Dispersion, Monitoring, Mitigation and Lessons Learned, p.230 - 242, 2019/08

福島第一原子力発電所事故により大気に放出された放射性物質への対応として、国の緊急時対応システムであるSPEEDIの適用状況と課題について解説する。SPEEDI開発の経緯や機能、原子力防災体制における役割を概説するとともに、今回の原子力発電所事故対応においてどのように使われたか、また、使われるべきであったかを、開発者の視点で検証する。これにより得られる教訓と課題が、原子力防災体制の再構築も含めた予測システムの改善や活用方法の検証に役立てられるとともに、今後、万一同様な事故が起こってしまった際に公開される予測情報を適切に理解し、有効に活用するための一助となる。

論文

Simulation study on the design of nondestructive measurement system using fast neutron direct interrogation method to nuclear materials in fuel debris

前田 亮; 古高 和禎; 呉田 昌俊; 大図 章; 米田 政夫; 藤 暢輔

Journal of Nuclear Science and Technology, 56(7), p.617 - 628, 2019/07

 被引用回数:1 パーセンタイル:17.7(Nuclear Science & Technology)

In order to measure the amount of nuclear materials in the fuel debris produced in the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant accident, we have designed a measurement system based on a Fast Neutron Direct Interrogation (FNDI) method. In particular, we have developed a fast response detector bank for fast neutron measurements by Monte Carlo simulations. The new bank has more than an order of magnitude faster response compared to the standard ones. We have also simulated the nondestructive measurements of the nuclear materials in homogeneously mixed fuel debris with various matrices which contain Stainless Steel (JIS SUS304), concrete, and various control-rod (CR) contents in the designed system. The results show that at least some types of the fissile materials in the debris can be measured by using the designed system.

論文

Designing test methods for running capabilities of ground robots for nuclear disaster response

川端 邦明; 山田 大地; 白崎 令人; 石山 博紀

Proceedings of IEEE/ASME International Conference on Advanced Intelligent Mechatronics (AIM 2019) (USB Flash Drive), p.559 - 564, 2019/07

This paper describes the development of some test methods for the robots utilized for nuclear disaster response and decommissioning tasks. From the experiences in the disaster response at Fukushima Daiichi Nuclear Power Station (FDNPS), we have learned the importances of the development of the robots and the improvement of the operation capability. In this paper, we describe the test methods for running performances of the robots that are fundamental functions for the tasks in the nuclear disaster response. As the typical examples, we describe the tests for the performance of running through the narrow passage, climbing up and down the stairs and running with dragging the cable.

論文

福島第一原子力発電所における事故対応ワークロード分析に基づく緊急時対応力向上に関する研究

吉澤 厚文*; 大場 恭子; 北村 正晴*

日本原子力学会和文論文誌, 18(2), p.55 - 68, 2019/06

本研究は、東京電力福島第一原子力発電所の緊急時対策本部における事故時のワークロードマネジメントを分析することにより、緊急時対応力向上を目的としたものである。選定した事象は、緊急時対応力が求められた福島第一原子力発電所の3号機におけるHPCIの停止による原子炉注水停止から、原子炉への注水回復を暫定的に回復することに成功した時間帯の緊急時対策本部の対応である。テレビ会議システムの映像を文字起こししたデータを基本データとし、会議録では事実関係の把握が難しい時には、各報告書や調書を参照した。また、ワークロードマネジメントを評価する手法は、Crew Resource Managementの手法を参照した。本研究により、発電所対策本部のワークロードマネジメントの実態が明らかになるとともに、緊急対応力向上のために、発電所対策本部および関係する外部組織に求められる課題が明らかになった。

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