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渡部 創; 高畠 容子; 小木 浩通*; 大杉 武史; 谷口 拓海; 佐藤 淳也; 新井 剛*; 梶並 昭彦*
Journal of Nuclear Materials, 585, p.154610_1 - 154610_6, 2023/11
被引用回数:0Treatment of spent scintillation cocktail generated by analysis of radioactivity is one of important tasks for management of nuclear laboratories. This study proposed a procedure consists of adsorption of radioactivity and solidification of residual liquid wastes, and fundamental performance of each step was experimentally tested. Batch-wise adsorption showed excellent adsorption performance of Ni onto silica-based adsorbent, and chelate reaction was suggested as the adsorption mechanism by EXAFS analysis. Alkaline activate material successfully solidified the liquid waste, and TG/DTA and XRD analyses revealed that the organic compounds exist inside the matrix. Only 1% of the loaded organic compounds were leaked from the matrix by a leaching test, and most of the organic compounds should be stably kept inside the matrix.
佐藤 久*; 高山 裕介; 鈴木 英明*; 佐藤 大介*
JAEA-Data/Code 2023-010, 47 Pages, 2023/09
高レベル放射性廃棄物の処分場を沿岸部に建設した場合、沿岸部の地下水は海水の影響を受けて塩濃度が高くなるため、海水系の地下水が緩衝材を含む人工バリアに与える影響を十分に考慮して評価する必要がある。本報告では、緩衝材が飽和に至るまでの過渡的な期間において、海水系の地下水が緩衝材中での水分や溶質の移行現象に与える影響を評価することを目的として、異なる乾燥密度の圧縮ベントナイト試料を対象に、浸潤水のNaCl濃度を変えた一次元の塩水浸潤試験を実施し、浸潤水のNaCl濃度と浸潤速度の関係や浸潤試験後の圧縮ベントナイト試料中の含水比分布データを取得した。また、浸潤試験後の試料中の塩化物イオンの濃度分布を分析することにより、不飽和な圧縮ベントナイト中での溶質の移行挙動の理解に資するデータを取得した。その結果、浸潤水のNaCl濃度が高くなるに従い浸潤は速くなり、乾燥密度1.4Mg/mから1.8Mg/m
、浸潤水のNaCl濃度が0(蒸留水)から4.0mol/dm
までの範囲において、浸潤時間と浸潤量の関係は浸潤水の拡散現象とみなして評価できることが確認された。また、浸潤水が蒸留水の場合、含水比は給水側から浸潤距離に応じてなだらかに低下する分布となるが、浸潤水がNaCl水溶液の場合、含水比は給水側から浸潤の先端近くまで比較的高い状態を保ちながら浸潤の先端で低下する分布となり、NaCl濃度が高くなるに従いその傾向が強くなることが確認された。浸潤試験後試料の塩化物イオン濃度の分析結果から、給水側よりも浸潤方向側の領域で給水側より塩化物イオンの濃度が部分的に高くなる現象(塩化物イオンの濃縮)が起きており、この傾向は供試体の乾燥密度が低くなるに従い強くなることや、浸潤水のNaCl濃度が高くなるに従い強くなることが確認された。また、浸潤に伴い塩化物イオンが濃縮する現象は供試体の初期含水比に依存することが確認されており、浸潤に伴う塩化物イオンの濃縮が生じない条件を設定可能な見通しが得られた。
宮川 和也; 早野 明; 佐藤 菜央美; 中田 弘太郎*; 長谷川 琢磨*
JAEA-Data/Code 2023-009, 103 Pages, 2023/09
本ボーリング調査は、経済産業省資源エネルギー庁委託事業「令和3年度および令和4年度高レベル放射性廃棄物等の地層処分に関する技術開発事業(JPJ007597) (岩盤中地下水流動評価技術高度化開発)」の一環として、令和2年度に実施した物理探査などのデータに基づき推定した地下深部の低流動域分布の妥当性を確認することを目的としたものである。ボーリング孔名はHoronobeFossilseawaterBoring-1であり、HFB-1孔と称す。HFB-1孔は幌延深地層研究センターの隣接地に掘削された垂直孔であり、令和3年度に地表から深度200mまで掘削され、令和4年度に深度200mから深度500mまで掘削されたものである。本稿は、令和2年度以降の幌延深地層研究計画に示された研究課題の1つである地下水の流れが非常に遅い領域を調査・評価する技術の高度化に必要な基礎データとして、HFB-1孔の掘削に関わる情報およびボーリング調査から得られた各種データ(岩芯記載、物理検層、化学分析など)を取りまとめたものである。
高山 裕介; 山本 陽一*; 後藤 考裕*
地盤工学ジャーナル(インターネット), 18(3), p.317 - 330, 2023/09
Na型ベントナイト・砂混合土に対する約1.8年の長期の圧密試験により、二次圧密過程の変形が加速的に増加する傾向が報告されている。そこで、このような二次圧密の加速挙動が生じた要因の分析を行い、それらの要因に対する対策を試験装置に施し、ベントナイトやカオリナイトを用いた10年以上を想定した長期圧密試験を開始した。本研究では、長期圧密試験開始から約2.74年経過時までの試験データに基づき、ベントナイトの二次圧密特性を調べた。その結果、試験開始から約2.7
4年の計測期間では、時間の対数に対して直線的に二次圧密が進行するという従来の粘土に対する知見と概ね整合的な結果が得られた。今後も試験期間が10年程度以上となるまで試験を継続し、ベントナイトのより長期的な二次圧密特性について調べていく予定である。
Esser, S. P.*; Rahlff, J.*; Zhao, W.*; Predl, M.*; Plewka, J.*; Sures, K.*; Wimmer, F.*; Lee, J.*; Adam, P. S.*; McGonigle, J.*; et al.
Nature Microbiology (Internet), 8(9), p.1619 - 1633, 2023/09
被引用回数:1CRISPR-Cas systems defend prokaryotic cells from viruses, plasmids, and other mobile genetic elements. Capitalizing on multi-omics approaches, we show here that the CRISPR-Cas systems of uncultivated archaea also play an integral role in mitigating potentially detrimental interactions with episymbionts. A comprehensive analysis of CRISPR-Cas-based infection histories revealed that uncultivated deep-subsurface archaeal primary-producers defend themselves from archaeal episymbionts of the DPANN superphylum of archaea, some of which are known to fuse their membranes with their host. We show that host cells counter these attacks by deploying one of two CRISPR-Cas systems (type I-B and type III-A) to target and disrupt essential genes in the episymbiont. However, genome-scale modeling of metabolic interactions between two deep subsurface host-symbiont systems revealed that host cells also benefit from the symbionts via metabolic complementation. We speculate that populations of these uncultivated archaeal episymbionts are currently transitioning from a parasitic lifestyle to one of mutualism, as must have occurred in countless mutualistic systems known today. By expanding our analysis to thousands of archaeal genomes, we conclude that CRISPR-Cas mediated resistance to archaeal episymbiosis evolved independently in various archaeal lineages and may be a wide-spread evolutionary phenomenon.
北村 哲浩; 平野 宏志*; 吉田 将冬
Nuclear Engineering and Design, 411, p.112435_1 - 112435_14, 2023/09
被引用回数:0本研究では解体設備の開発経緯、設備の特徴、実積について解説した後、グリーンハウス方式と比較した場合の利点について評価した。また、解体設備における直接解体と遠隔解体の比較を行いそれぞれの特徴を議論した。さらに作業被ばくについて定量的な評価を行った。最後に現在行っている廃止措置技術開発へのフィードバックについて述べた。
荒井 陽一; 渡部 創; 長谷川 健太; 岡村 信生; 渡部 雅之; 武田 啓佑*; 福元 博基*; 吾郷 友宏*; 羽倉 尚人*; 塚原 剛彦*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 542, p.206 - 213, 2023/09
Spent PUREX solvent, which mainly consists of tributyl phosphate (TBP) and normal dodecane, is generated by solvent extraction of Plutonium and Uranium in the spent nuclear fuel reprocessing. One of the treatment options for storage of the spent solvent is adsorption of the liquid into vermiculite. The organic liquid is considered to be trapped between layers of the vermiculite. Our previous experiments on the adsorption of spent solvent into the vermiculite have shown that some parts of loaded solvent gradually leaked out from the vermiculite. In order to investigate the adsorption mechanism and capacity, elution behavior of the loaded solvent into organic diluents were evaluated. A part of the loaded solvent was easily leaked into the diluent, while some solvent remained inside the particle even after the leaching test. In this study, the adsorption capacity of the vermiculite was evaluated through amount of remaining solvent after washing with diluents. The amount of the remaining solvent was analyzed by Particle Induced X-ray Emission (PIXE) on P contained in TBP. Peak intensity of P-K line depended on the washing condition, and the behavior of the amount of change in adsorbed P atom qualitatively agreed with the results of the leaching test.
分析課 ビニールバッグ作業用局所排気装置開発チーム
JAEA-Technology 2023-015, 19 Pages, 2023/08
東海再処理施設の分析所では、施設の運転及び維持管理のために再処理施設内の各所から依頼される試料の分析作業をグローブボックスで行っており、分析作業で使用する試薬や分析備品の搬入、分析作業に伴い発生した放射性廃棄物等の搬出は、グローブボックスに取り付けられたビニールバッグを用いたバッグイン・バッグアウトと呼ばれる方法で対応している。当該作業で、万一ビニールバッグを損傷させた場合、グローブボックス内部の放射性物質が漏えいし、ビニールバッグの表面や作業場所の汚染、及び発生した汚染物質が浮遊すると作業エリアの空気汚染にまで進展する可能性があり、これらを防止するためのハード的対策を講じることが望まれていた。そこで、本件では、東海再処理施設の分析所におけるビニールバッグを用いたバッグイン・バッグアウトの作業状況、ビニールバッグと類似の取り付け構造を有するグローブに係る既存の局所排気装置であるグローブ交換作業用排気カートの仕様と特徴を精査し、ビニールバッグ作業のための実用的な局所排気装置を開発した。開発した局所排気装置は、従来からビニールバッグ作業で使用してきた作業台であるシーラー台と同じ寸法・形状とし、その内部にグローブ交換作業用排気カートの構成部品であるフード部、HEPAフィルタ、排気ブロワ等を設置した。その結果、開発した局所排気装置を用いることで、従来と同等の作業手順、作業量でビニールバッグ作業における空気汚染の拡大防止措置が図れ、当該装置が汚染拡大防止のための有効な装置であることを確認した。
中澤 修; 瀧谷 啓晃; 村上 昌史; 堂野前 寧; 目黒 義弘
JAEA-Review 2023-012, 6 Pages, 2023/08
日本原子力研究開発機構(以下「原子力機構」という。)において優先して取り組むバックエンド技術開発課題の選定とスケジュールを、「バックエンド技術開発戦略ロードマップ」として取りまとめた。選定にあたっては、令和4年度に実施した原子力機構内の開発技術(シーズ)と技術的課題(ニーズ)に関するアンケートの結果を反映した。シーズとニーズが一致したものの中から、現場への早期実装の観点、共通的な課題の観点で課題を抽出し、9件のテーマを選定した。原子力機構内の組織横断的な実施体制を構築し、開発成果の現場への実装を目指すとともに、社会実装を目指していく。
小川 理那; 天澤 弘也; 仲田 久和; 菅谷 敏克; 坂井 章浩
JAEA-Review 2023-011, 116 Pages, 2023/08
研究施設等廃棄物の埋設事業の実施主体である日本原子力研究開発機構は、埋設事業の実施に向けて、平成22年に、当時の「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律」(原子炉等規制法)に適合する埋設施設の概念設計を実施した。一方で、平成25年以降、原子炉等規制法の第二種廃棄物埋設事業に係る規則等が改正されており、埋設施設の基本設計に向けて、新たに制定された規則類に対応する検討が必要な状況となった。研究施設等廃棄物の埋設事業の許可申請の際には、廃棄物埋設施設の立地環境及び施設設計等についての基準が示されている「第二種廃棄物埋設施設の位置、構造及び設備の基準に関する規則」等に計画している埋設施設が適合していることを示す必要がある。そのため、日本原子力研究開発機構は、新規制基準に適合した埋設施設の設計における技術的検討を進めている。本報告書では、現行の「第二種廃棄物埋設施設の位置、構造及び設備の基準に関する規則」等のトレンチ処分を行う廃棄物埋設施設への要求事項を整理し、課題の抽出を行った。
佐藤 有司; 宮本 勇太; 粟谷 悠人; 山本 耕輔; 畠山 巧
JAEA-Review 2023-002, 59 Pages, 2023/08
新型転換炉原型炉ふげん(以下「ふげん」という。)は、廃止措置に係わる技術開発を計画・実施するにあたり、「ふげん」を国内外に開かれた技術開発の場及び福井県における研究開発の拠点として十分に活用するとともに、当該技術開発で得られる成果を有効に活用することを目的として、日本原子力研究開発機構内外の有識者で構成される「ふげん廃止措置技術専門委員会」を設置している。本稿は、令和3年度に開催した第39回ふげん廃止措置技術専門委員会において「ふげん」から報告した「廃止措置の状況」、「原子炉構造材の試料採取及び分析に係わる実績と考察」、「液体シンチレータ廃液の処理について」及び「クリアランスに係る除染合理化の成果と課題及び搬出サーベイに係わる考察」について資料集としてまとめたものである。
Arthur, R.*; 笹本 広; Alt-Epping, P.*; 舘 幸男
Applied Geochemistry, 155, p.105707_1 - 105707_8, 2023/08
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Geochemistry & Geophysics)地質媒体中でのナチュラルトレーサープロファイルを対象に、過去から現在に至るまでの変遷をモデルによる評価することは、放射性廃棄物の地層処分における性能評価手法をサポートする上でも役立つ。本研究では、北海道幌延地域における古水理地質学的な変遷から推察される境界条件に基づき、前進モデリングにより物質移行モデルを開発した。本研究で対象とした2つのボーリング孔(距離にして約1km程度離れた場所に位置)で認められたプロファイルの違いについては、間隙率や透水係数の違いによる影響というより、むしろ、局所的な割れ目の分布密度や連結性の違いによる影響が大きい可能性が示唆された。
望月 陽人; 石井 英一
Applied Geochemistry, 155, p.105737_1 - 105737_15, 2023/08
被引用回数:0氷期と間氷期の地下水流動の違いを理解することは、将来的な気候変動が地下水流動に与える影響を予測するうえで重要である。本研究では、幌延地域の亀裂性泥岩における最終氷期と後氷期の地下水流動の違いを、亀裂水と間隙水の安定同位体比(D、
O)、Cl
濃度と放射性炭素(
C)年代測定を組み合わせることにより評価した。亀裂水と間隙水の安定同位体比から、涵養域に最も近いボーリング孔の28
250mの地下水は現在と類似した気候で涵養した天水から構成されており、亀裂水の同位体組成が周辺のマトリクス中の間隙水と比べてより天水に近い値を示した。この天水は後氷期に涵養したものであることが、
C年代から示唆された。同ボーリング孔のより深い深度や、その他の孔の調査深度では、地下水が氷期の天水と化石海水からなることが同位体組成から示され、亀裂水はマトリクス中の間隙水と同様の組成を示した。
C年代測定から、天水の浸透は最終氷期またはそれ以前に生じたと推測された。以上の結果は、後氷期に涵養した天水が浅部を流動しており、一方、最終氷期に涵養した天水は深部にとどまっていることを示唆する。このことは、調査地域の谷が最終氷期には現在よりも最大で約50 m深かったという地表物理探査および地質調査の結果と整合的であり、谷が深かったために最終氷期には下向きの動水勾配が増加したと考えられる。地下水の安定同位体比と化学組成、および
C年代測定を組み合わせる方法は、亀裂性岩盤における最終氷期と後氷期の地下水流動の違いを評価するうえで有用である。
石橋 篤; 舛井 健司; 後藤 雄一; 山本 昌彦; 田口 茂郎; 石川 知志*; 石川 智哉*
日本保全学会第19回学術講演会要旨集, p.18 - 21, 2023/08
原子力機構東海再処理施設では、高放射性試料の分析のためのインナーボックス型のホットセル(分析セルライン)を1980年に設置以降、約40年の長期にわたり運用してきた。分析セルラインの運用にあたっては、定期的な点検保守により設備を健全な状態に維持するとともに、分析セルライン本体及びその付属設備について、様々な改良、改善を実施することで性能の向上を図ってきた。本稿では、これらの取り組みについて概説する。
海野 良典; 加藤 圭将; 谷川 聖史; 小林 大輔; 大部 智行; 木村 雄一*; 根本 良*; 田尻 一馬*
日本保全学会第19回学術講演会要旨集, p.33 - 36, 2023/08
東海再処理工場のプルトニウム転換開発施設の基礎実験室では、プルトニウムとウランの混合溶液にマイクロ波を照射して、プルトニウムとウランの混合酸化物粉末を製造するため、各種データ取得のための試験を行っていた。現在は、試験を終了しており、グローブボックス設備内の試験機器の解体・撤去を進めている。本稿では、これまでのグローブボックス内の試験機器の更新、設備改良、解体・撤去作業に関する実績を報告する。
西山 成哲; 川村 淳; 梅田 浩司*; 丹羽 正和
応用地質, 64(3), p.98 - 111, 2023/08
火山防災におけるリスク評価や高レベル放射性廃棄物の地層処分に係るサイト選定および安全評価を行う上で、マグマの移動経路であった山体下の岩脈の分布に関する研究事例を蓄積していくことは重要である。火山地形は、火山活動に伴うマグマの貫入位置やその履歴を表していると考えられている。本研究では、GISを用いた地形解析により火山を構成する等高線の分布、重心、面積から、放射状岩脈の卓越方位の把握および火道の安定性評価を試みた。地形解析の結果、火道安定型の火山に対して岩脈の卓越方位を示すことができた。一方で、火道不安定型の火山は、本解析による岩脈の卓越方位の把握には適さず、その適用範囲が火道の安定性に依存すると考えられた。火道の安定性は、等高線ポリゴンの面積データを用いた解析を行うことで評価が可能であり、岩脈の卓越方位の把握手法への適用範囲を示すことができる。このことから、火山の活動履歴が詳らかになっていない火山についても、火道の安定性について評価が可能であり、地形解析はそのツールとして有用である。今後、本研究による地形解析が、火山の活動履歴を明らかにするための新たな手法となることが期待される。
小川 理那; 戸塚 真義*; 坂井 章浩
JAEA-Technology 2023-012, 57 Pages, 2023/07
コンクリートピット埋設施設は、支持能力を有する地盤に設置する必要があると考えられることから、地下水面より下位に設置することが想定される。そのため、施設の設置環境(施設の周辺岩盤)及び施設の構造物(コンクリートピット埋設施設及びこれを取りまくベントナイト混合土)のそれぞれの透水係数をパラメータとしてモデル計算を行い、施設への浸入水量及び施設からの浸出水量を評価した。地下水流動解析は、有限要素法による2次元地下水流動解析コードMIG2DFを用いて行った。設置環境を考慮した評価では、これまでの技術検討で施設底面における地下水浸入水量及び浸出水量が相対的に多量となったことから、その底面と接する新鮮な岩盤の透水係数をパラメータとして、地下水浸入水量及び浸出水量の評価を実施した。また、施設の構造物を考慮した評価では、コンクリートピット埋設施設の経年的な劣化及びベントナイト混合土の化学的な変質による劣化を想定したコンクリート及びベントナイト混合土の透水係数を設定し、地下水の浸入水量及び浸出水量の変化を評価した。その結果、岩盤新鮮部の透水係数は施設における地下水浸入水量及び浸出水量に大きく寄与することが分かった。また、ベントナイト混合土の化学的劣化に伴う透水係数の増加に伴い、その周囲の覆土へ移行する浸出水量が増加する結果となった。以上からこれらの透水係数は、コンクリートピット埋設施設の設置及び安全評価における重要な影響因子であることが分かった。
竹内 竜史; 見掛 信一郎; 池田 幸喜; 西尾 和久*; 國分 陽子; 花室 孝広
JAEA-Review 2023-007, 114 Pages, 2023/07
国立研究開発法人日本原子力研究開発機構東濃地科学センターでは、高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する研究開発のうち、深地層の科学的研究(地層科学研究)の一環として、結晶質岩(花崗岩)を対象とした超深地層研究所計画を平成8年度から進めてきた。令和2年度以降においては、瑞浪超深地層研究所の坑道の埋め戻しや環境モニタリング調査等を含めたその後の進め方について定めた「令和2年度以降の超深地層研究所計画」に基づき瑞浪超深地層研究所の坑道埋め戻し等事業を行っている。本工事記録は、瑞浪超深地層研究所の坑道埋め戻し等事業における坑道埋め戻し及び原状回復業務に関する工事概要、工程、工事実績、安全及び主な出来事に関する記録等を取りまとめたものである。工事実績については、令和2年5月16日着工から令和4年1月16日竣工までの工事完了部分について主に記載した。
出井 俊太郎
JAEA-Data/Code 2023-008, 49 Pages, 2023/07
国立研究開発法人日本原子力研究開発機構は、北海道幌延町の幌延深地層研究センターにおいて、深地層の研究施設を活用した地層科学研究および地層処分研究開発を実施してきた。令和2年度以降の幌延深地層研究計画では、必須の課題への対応に必要なデータを取得するために、地下施設内の調査坑道に設置された地球化学モニタリング装置を用い、岩盤中の地下水の水圧・水質変化の観測を継続している。本報は、140m調査坑道および350m調査坑道に設置された地下水の地球化学モニタリング装置を利用して、2019年度2021年度の3年間に取得した地下水圧の観測結果を取りまとめたものである。
三成 映理子*; 樺沢 さつき; 三原 守弘; 牧野 仁史; 朝野 英一*; 中瀬 正彦*; 竹下 健二*
Journal of Nuclear Science and Technology, 60(7), p.793 - 803, 2023/07
被引用回数:1 パーセンタイル:49.42(Nuclear Science & Technology)As a series of studies to evaluate impact of mixed-oxide (MOX) fuel in light-water reactors (LWRs), post-closure long-term safety for various vitrified high-level radioactive waste (HLW) arising from the different fuel cycle intends to recycle Pu are examined. In this study, four fuel cycle scenarios with different ratio of spent MOX generated and two reprocessing options for each fuel cycle scenario are considered. One reprocessing option considers disposal of vitrified HLW generated separately from the reprocessing of spent UO fuel and MOX fuel (separated HLW), and the other is blended vitrified UO
-MOX HLW (blended HLW) generated during reprocessing whereby MOX spent fuel is diluted by UO
spent fuel. First, the radionuclide inventories of those vitrified HLWs are discussed. Next, radionuclide migration analyses for geological disposal of those vitrified HLWs are evaluated. It has revealed that the disposal of blended HLW will not have an adverse effect on the long-term radiological impact compared to separated HLW. Results of this study can be used as a basis for considering the blending option as a viable alternative approach in the future for managing MOX fuel used in light-water reactors.