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変異導入と結晶構造解析によるナガガジ由来不凍タンパク質の抗凍結機構の解析

Study of the mechanism of an antifreeze protein from Notched-fin eelpout by mutation and crystal structure analyses

大原 高志   ; 安達 基泰; 清水 瑠美; 栗原 和男; 玉田 太郎; 黒木 良太; 西宮 佳志*; 近藤 英昌*; 津田 栄*

Ohara, Takashi; Adachi, Motoyasu; Shimizu, Rumi; Kurihara, Kazuo; Tamada, Taro; Kuroki, Ryota; Nishimiya, Yoshiyuki*; Kondo, Hidemasa*; Tsuda, Sakae*

不凍タンパク質(AFP)は生体内で氷の表面に結合することで氷結晶の成長を抑制し、体液の凝固点を下げる働きを持つタンパク質である。北海道沿岸に生息するナガガジの体内では多数の3型AFP(nfeAFP)のアイソフォームが発現しており、これらはSP型及びQAE型に分類される。どちらも氷表面に結合する機能は有するが、氷結晶の成長を抑制する能力はQAE型の方がはるかに高い。そこでわれわれは、SP型であるnfeAFP6とQAE型であるnfeAFP8に注目し、両者の間でアミノ酸配列が異なる部分についてnfeAFP6とnfeAFP8のキメラ体4種類と、nfeAFP6の配列をnfeAFP8のものに置換したnfeAFP6変異体8種類を調製し、nfeAFP6のAla19一箇所のみをValに置換したnfeAFP6 A19V変異体がQAE型と同様の氷結晶成長抑制作用を持つことを見いだした。さらにnfeAFP6 WT及びA19V変異体の両者について単結晶X線構造解析を行い、両者の水和構造の違いを明らかにするとともに、nfeAFP6 WTの中性子構造解析からこの部分の水和水が水分子同士で水素結合ネットワークを形成していることを見いだした。このネットワークがnfeAFP6 WTと氷結晶との相互作用を阻害していると考えられる。

no abstracts in English

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