低温領域の熱年代学的手法を用いた南部フォッサマグナ地域の隆起・削剥史解明

Uplift and denudation history of the South Fossa Magna region revealed by low-temperature thermochronometric methods

小林 侑生*; 末岡 茂   ; 福田 将眞*   ; 長谷部 徳子*; 田村 明弘*; 荒井 章司*; 田上 高広*

Kobayashi, Yumi*; Sueoka, Shigeru; Fukuda, Shoma*; Hasebe, Noriko*; Tamura, Akihiro*; Arai, Shoji*; Tagami, Takahiro*

南部フォッサマグナ地域は、本州弧と伊豆・小笠原弧の島弧-島弧衝突帯であり、中期中新世以降、最大で4つの地殻ブロックの衝突があったと考えられているが、その時期や影響については諸説ある。本研究では、アパタイトフィッション・トラック法を用いて、南部フォッサマグナ地域の山地の隆起・削剥史の解明を試みた結果、奥秩父地域で14.74.7Ma、関東山地で8.7-1.0Ma、身延地域で3.62.5Maの年代が得られた。地温勾配を約40Cと仮定すると、削剥速度は奥秩父地域で0.230.0.7mm/yr、関東山地で0.36-3.6mm/yr、身延地域で1.61.1mm/yrと計算された。関東山地と身延地域では特に大きな削剥速度が得られ、これらの年代値は地殻ブロックの衝突に伴う山地形成を反映していると考えられる。

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