NMRで見たURhSnの二つの相転移

Sn-NMR study of successive phase transition in URhSn

徳永 陽  ; 清水 悠晴*; Maurya, A.*; 本多 史憲*; 仲村 愛*; 佐藤 芳樹*; Li, D.*; 本間 佳哉*; 青木 大*; 比嘉 野乃花; 服部 泰佑; 酒井 宏典   ; 神戸 振作  

Tokunaga, Yo; Shimizu, Yusei*; Maurya, A.*; Honda, Fuminori*; Nakamura, Ai*; Sato, Yoshiki*; Li, D.*; Homma, Yoshiya*; Aoki, Dai*; Higa, Nonoka; Hattori, Taisuke; Sakai, Hironori; Kambe, Shinsaku

ウラン化合物URhSnは、UCoAlやURhAlと同じ六方晶ZrNiAl型の結晶構造を持つ。54Kと18Kで2つの相転移を示し、このうち18Kの相転移は強磁性転移である。強磁性相は強いIsing型の異方性を持ち、Uの磁気双極子モーメントは[0001]方向に向いている。一方、54Kの相転移については未だ起源が明らかになっていない。比熱では明確なピークが観測されるにも関わらず、中性子散乱やメスバウアー分光といった微視的実験では、Uモーメントの磁気的秩序は観測されていない。このため高次の多極子秩序の可能性も議論されている。最近では良質な単結晶の育成も可能となり、さらに高圧下の実験も進められている。本講演では我々が単結晶を用いて行なったSn-NMRの結果について報告する。

Uranium-based compound URhS exhibits two successive phase transitions at 54 K and 18 K. The origin of the phase transition at 18 K has been known to be ferromagnetic ordering, while the origin of the transition at 54 K is still unknown. In this study, we have investigated the mechanism of the successive phase transitions in URhSn by using Sn-NMR.