O+Npの多核子移行反応で生成される原子核の核分裂片質量数分布の測定
Measurement of fission-fragment mass distributions of nuclei populated in multinucleon transfer channels of the O+Np reaction
西尾 勝久 ; Vermeulen, M. J.*; 廣瀬 健太郎 ; Kean, K. R.*; 牧井 宏之 ; Orlandi, R. ; 塚田 和明 ; Tsekhanovich, I.*; Andreyev, A. N.; 石崎 翔馬*; 奥林 瑞貴*; 田中 翔也; 有友 嘉浩*
Nishio, Katsuhisa; Vermeulen, M. J.*; Hirose, Kentaro; Kean, K. R.*; Makii, Hiroyuki; Orlandi, R.; Tsukada, Kazuaki; Tsekhanovich, I.*; Andreyev, A. N.; Ishizaki, Shoma*; Okubayashi, Mizuki*; Tanaka, Shoya; Aritomo, Yoshihiro*
O+Nの多核子移行反応により23核種の核分裂片質量数分布を取得し、得られた結果を考察した。実験は、原子力機構タンデム加速器(東海)で得られるOビームをNp薄膜標的に照射して行った。多核子移行反応で生成される散乱粒子をシリコンE-E検出器で検出し、イベントごとに核種を同定し、複合核を識別した。この核分裂によって放出される2つの核分裂片を多芯線比例計数管によって検出し、運動学的に核分裂片の質量数を決定した。実験データをランジュバン模型による計算結果と比較した。計算では、(1)反応後の励起エネルギーがすべて複合核に付与されると近似した。また(2)マルチチャンス核分裂、すなわち中性子を放出した後で核分裂が起こる現象を取り入れた。計算結果は、核種と励起エネルギーに対する質量数分布の系統的な変化をよく再現した。一方、系の角運動量が20を超える条件だと実験データを説明できなかった。移行する陽子の数と中性子の数を変えることで、異なる反応から同じ複合核を生成することができる。一方、系の角運動量が20を超える条件だと実験データを説明できなかった。移行する陽子の数と中性子の数を変えることで、異なる反応から同じ複合核を生成することができる。これまでに行った反応(O+Th, O+U, O+Np)の結果を比べたところ、核分裂片の質量数分布は、多核子移行チャンネルによらずほぼ等しくなることがわかった。
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