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廃炉環境国際共同研究センター; 東北大学*
JAEA-Review 2026-016, 64 Pages, 2026/06
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和元年度から英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という。)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、さまざまな分野の知見や経験を従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究および人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和4年度に採択された研究課題のうち、「革新的アルファダスト撮像装置と高線量率場モニタの実用化とその応用」の令和4年度から令和6年度分の研究成果について取りまとめたものである。ここでは、二つの検出器の開発を実施している。一つ目は、作業員の安全の確保のための
線核種の炉内の分布を明らかにする技術の実現を目指し、スミヤろ紙上に付着するより細かい
線核種を含む、微細なダストの詳細な分布を可視化することを可能にする技術の開発である。令和6年度末までに、発光波長が500-800nmかつ5.5MeVのアルファ線入射で、発光量が70,000光子相当の材料開発といった目標値を満たす材料の開発などを実施することができた。あわせて、
粒子とそれ以外の粒子との判別方法を確立し現場適用ができた。二つ目の検出器は、光ファイバーを用いた超高線量率場での線量率モニタの開発であり、これまでよりも線量率の測定下限値を低くでき、当初の目標値(下限値)よりも低い線量率である1mSv/h未満から測定が可能になった。また、上限値も1kSv/h以上までの線量率が測定でき、非常に幅広いダイナミックレンジを有した検出器の開発に成功し、現場適用が決定した。加えて、放射線で発電する放射線電池などへの応用も検討した。あわせて、学生を含む若手研究者に対する活躍の場も提供できた。
廃炉環境国際共同研究センター; 東京科学大学*
JAEA-Review 2026-007, 65 Pages, 2026/06
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和元年度から英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という。)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、さまざまな分野の知見や経験を従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究および人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和6年度に採択された研究課題のうち、「高線量かつ不可視環境下での炉内可視化を可能とするレーザ偏向検出型超音波広帯域3Dイメージングシステムの開発」の令和6年度分の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、デブリ切り出し作業の安全性を最大限保証するため、作業中におけるダストおよび濁水環境下での炉内構造物/燃料デブリ形状および飛散物の可視化を数メートルオーダーの距離で可能とし、ロボットや作業アームへの搭載を鑑みて、小型かつ可搬性に優れた超音波装置を用いたレーザ偏向検出型超音波広帯域3Dイメージングシステムの開発を目的としている。令和6年度は、超音波イメージングシステムのイメージング性能評価および高度化/高速化検討、数値シミュレーション、システム試作と実スケール検証、耐放射線性検証、超音波サブミリ測距システムの構築、LIBSへの超音波サブミリ測距システムの適用、計測システムのバッテリ駆動遠隔化などを行い、本報告書に取りまとめた。
廃炉環境国際共同研究センター; 東北大学*
JAEA-Review 2026-003, 173 Pages, 2026/06
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和元年度から英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という。)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所(1F)の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、さまざまな分野の知見や経験を従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究および人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和6年度に採択された研究課題のうち、「燃料デブリ研究とSEEM学構築を基軸とした研究人材育成」の令和6年度分の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、不確実な苛酷環境下でのより合理的な意思決定を可能とする『シビアエンジニアリングマネジメント学(SEEM学)』の構築に資することを主眼とし、あわせて1F廃炉における中心課題である燃料デブリの取り出し・長期保管および処理・処分の学術基盤を支える研究人材の育成を図るため、令和6年度から令和10年度までの予定で異分野の専門家が有機的連携のもとで複数の研究ならびに人材育成タスクを推進するものである。初年度である令和6年度は、最終的な研究成果を得るために設定した【SEEM学分野】【専門分野1
2】および【共通工学分野1
3】において、具体的な研究方法を明確にして研究の方向付けを行うとともに、必要な試験・解析等を実施するための諸準備を行い、本格的な研究を行うための諸条件を整える必要があった。また、人材育成面においては、原子炉廃止措置に関する教育プログラムの運営およびSEEM学関連科目の企画検討を進める必要があった。このため、具体的な研究方法の検討や必要な試験などを実施するための諸準備を行い、本格的な研究を行えるよう諸条件を整えるとともに、一部の計測システム構築および解析、人材育成面の検討等を実施し、所定の成果を挙げることを目的とした。この目的のもとに、令和6年度の成果目標および実施方法を業務計画として定め、計画通り実施し、各技術分野および教育・人材育成活動においてそれぞれ目標とした成果を挙げることができた。
廃炉環境国際共同研究センター; 東京大学*
JAEA-Review 2026-001, 140 Pages, 2026/06
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和元年度から英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という。)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所(1F)の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、さまざまな分野の知見や経験を従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和6年度に採択された研究課題のうち、「燃料デブリ取り出しに向けた遠隔ロボット-計測技術の統合のための研究教育人材育成」の令和6年度分の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、1Fにおける燃料デブリ取り出しに関して、性状把握・キャラクタリゼーションを遠隔で実現するためのロボット技術やセンサ及び放射線計測技術の開発、そして、それらの技術をシステムとして統合できる人材の育成を目指す。また、関連する研究実績や講義等のリソースを再整理することでSEEM学の構築を目指すとともに、実際の教育現場へ展開する。令和6年度の実績としては、過酷環境での放射線計測・センサ技術において、高い放射線耐性が見込める中性子検出器の最適化や放射線の入射イベントを適切に生成できるシミュレータの構築、3次元体積モデル生成のためのローバーの設計・開発を行った。また、取り出し工法に調和した遠隔ロボット技術では、遠隔操作支援のためのシミュレーション及び実機環境の構築と放射線分布推定を実現するためのセンサ構成の検討を行うとともに、運搬機能を備えたモジュール分割型軌道構造体として吊下式多腕型軌道構造体の提案、デブリサンプリングのための軽量化アームの検討、多視点遠隔操縦システム及び軌道計画器に入力するインタフェースを検討した。計測-遠隔ロボット統合技術と実証では、実スケール環境構造モデリングのための画像処理手法の開発や画像データ伝送法の検討、統合DXプラットフォームの開発、センサ・ロボットのモジュール化の基礎検討を行った。そして、廃炉工程を俯瞰した性状把握、キャラクタリゼーションでは、燃料デブリ分布推定に向けた剛体・弾性体解析手法の開発に着手するとともに、気中工法における性状把握・廃棄物管理方針を検討し、ジオポリマーの充填材として適用性を検討した。また、SEEM学の構築では、未知の課題の抽出並びに課題解決方法や高等専門学校におけるSEEM学教育を検討した。
普天間 章; 越智 康太郎; 佐々木 美雪; 中間 茂雄; 川崎 義晴*; 岩井 毅行*; 平賀 祥吾*; 萩野谷 仁*; 松永 祐樹*; 山田 勉*; et al.
JAEA-Technology 2025-016, 253 Pages, 2026/03
2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震による津波に起因する東京電力福島第一原子力発電所事故直後から、放射線の分布を迅速かつ広範囲に測定する航空機を用いた空からの測定方法が採用されている。日本原子力研究開発機構は原子力規制庁からの受託事業として、令和6年度に東京電力福島第一原子力発電所周辺の航空機モニタリングを実施した。実施内容は、以下の通りである。過去のモニタリング結果との比較から空間線量率等の変化量を評価し、その変化要因について考察した。航空機モニタリングによる空間線量率の換算精度向上のために、地形の起伏を考慮に入れた解析を行った。地形の起伏を考慮する前後の解析結果を比較し、本手法による換算精度向上の効果を評価した。有人ヘリコプターについては、空気中のラドン子孫核種の弁別手法を測定結果に適用し、ラドン子孫核種が航空機モニタリングに与える影響を評価した。より効率的に広範囲な航空機モニタリングを展開するため、無人航空機によるモニタリングの技術開発を進めた。
普天間 章; 越智 康太郎; 佐々木 美雪; 中間 茂雄; 川崎 義晴*; 岩井 毅行*; 平賀 祥吾*; 萩野谷 仁*; 松永 祐樹*; 眞田 幸尚; et al.
JAEA-Technology 2025-015, 171 Pages, 2026/03
2011年(平成23年)3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う津波により、東京電力福島第一原子力発電所事故が発生し、大量の放射性物質が周辺環境に飛散した。事故直後から、放射線の分布を迅速かつ広範囲に測定する手段として、有人ヘリコプター等による航空機モニタリングが活用されてきた。日本原子力研究開発機構は原子力規制庁からの受託事業として、緊急時モニタリングの迅速化に向け、発電所周辺のバックグラウンド線量率や地形、管制空域等の情報整備を進めている。令和6年度は、島根原子力発電所周辺で航空機モニタリングを実施し、線量率マップ等を作成し、地上測定値や他機関データと比較して妥当性を確認した。原子力総合防災訓練では、有人ヘリコプターに加え無人航空機を用いた訓練フライトを実施し、搭載方法やリアルタイム通信、迅速なマッピングの有効性を確認した。さらに、無人機データ収集システムの整備を進め、リアルタイム解析やマルチプラットフォームでの運用を検証し、改良課題を抽出した。マルチコプターの操作講習も実施し、運用技術の向上を図った。加えて、米国、フランス、韓国、カナダと合同環境放射線モニタリングを行い、各国の測定技術や運用体制に関する知見を得るとともに、国際的な情報共有の重要性を確認した。本報告書は、これら令和6年度の受託研究で得られた成果と技術的課題を取りまとめ、今後の緊急時モニタリング技術の高度化に資する知見を提供するものである。
福島マップ事業対応部門横断グループ
JAEA-Technology 2025-013, 206 Pages, 2026/03
東京電力株式会社福島第一原子力発電所(福島第一原発)事故による放射性物質の分布状況を平成23年6月より調査してきた。本報告書は、令和6年度の調査において得られた結果をまとめたものである。空間線量率については、走行サーベイ、平坦地上でのサーベイメータによる定点サーベイ、歩行サーベイ及び無人ヘリコプターサーベイを実施し、測定結果から空間線量率分布マップを作成するとともにその経時変化を分析した。山間部モニタリングへの無人航空機の適用可能性を確認するため、山間部における無人航空機の基礎性能試験を実施した。放射性セシウムの土壌沈着量に関しては、in-situ測定及び土壌中深度分布調査をそれぞれ実施した。さらに、これまで蓄積した測定結果を基に空間線量率及び沈着量の実効半減期を評価した。令和6年度調査での走行サーベイや歩行サーベイ等により取得した空間線量率分布データを階層ベイズ統計手法を用いて統合し、福島第一原発から80km圏内及び福島県内の空間線量率統合マップを作成した。令和6年度測定結果のWEBサイトでの公開、総合モニタリング計画に基づく放射線モニタリング及び環境試料分析を実施した。避難指示解除区域への帰還後に想定される複数の代表的な生活行動パターンを設定し、積算の被ばく線量を算出するとともに当該地方自治体・住民に向けた説明資料を作成した。令和6年度調査や原子力規制庁等で実施した環境モニタリングの測定データの一部をCSV等の形式で保存した。モニタリング地点の重要度を相対的に評価するスコアマップを作成するとともに、過去からのスコアの変化要因について考察しモニタリング地点の重点化及び最適化のための基礎評価を実施した。海水中のトリチウム濃度の評価結果を原子力規制庁へ報告する体制を構築・運用し、ALPS処理水の海洋への放出前後のトリチウム濃度の変動に着目して解析評価した。総合モニタリング計画に基づき実施された海域モニタリングの測定結果を集約するとともに、過去からの変動などに関して解析評価を行った。
永岡 美佳; 前原 勇志; 大野 雅子*; 二瓶 英和*; 平尾 萌; 藤田 博喜
JAEA-Research 2026-001, 115 Pages, 2026/03
国立研究開発法人日本原子力研究開発機構核燃料サイクル工学研究所放射線管理部では、2021年度に東京電力ホールディングス株式会社とバイオアッセイ分析法の開発に係る共同研究を行った。本報告書では、尿試料を対象とした
線核種及び純
線核種の系統分析法に関する検討結果を取りまとめた。具体的には、固相抽出樹脂を複数利用した系統分析法の核種分離性能及び放射能測定用試料作製方法についてトレーサー試験による検証を行い、さらに、
線核種分析における不確かさ及び検出限界放射能の算出方法について整理を行った。
御園生 敏治; 尻引 武彦*; 卜部 嘉*; 眞田 幸尚
JAEA-Research 2025-014, 88 Pages, 2026/03
東京電力ホールディングス(株)福島第一原子力発電所(1F)の事故が発生し、多量の放射性物質が1F 周辺に沈着した。日本原子力研究開発機構では、事故後、放射性物質の動態研究を継続して実施している。本報告書は、令和4 年度における、近沿岸海域等における放射性物質の状況調査を実施した成果をまとめたものである。具体的には、福島沿岸域58 地点において柱状試料を採取し、海底土への放射性セシウムの蓄積状況を示した。また、河川前面における海底土表層の放射性セシウム濃度の水平分布を計測した。放射性物質の水産物への影響の基礎情報として、魚類の分布状況を調査した。得られた結果より1F 前面海域における海底土に含まれる放射性物質の分布と動態について推定を行った。
宇佐美 博士; 伊藤 倫太郎; 眞田 幸尚
JAEA-Review 2025-050, 57 Pages, 2026/02
東京電力ホールディングス(株)福島第一原子力発電所の廃止措置は、長期にわたるプロジェクトであり、このようなプロジェクトを遂行していくには、今後の廃止措置を担う若い技術者や研究者の育成が必要かつ喫緊の課題となっている。この課題に対し、福島廃炉安全工学研究所廃炉環境国際共同研究センターでは、廃炉研究に取り組んでいる学生のための「次世代イニシアティブ廃炉技術カンファレンス(Conference for R&D Initiative on Nuclear Decommissioning Technology by the Next Generation: NDEC)」を2016年から継続的に開催してきている。NDECは、人材育成と若手研究者ネットワーク形成を目的とした学生の研究成果発表の場であり、廃止措置に関係する若者が互いに成果を発表し、切磋琢磨することで研究活動に対するモチベーションを高めることを目的として実施している。第10回目となるNDEC-10を、2025年2月26日(水)-27日(木)の2日間にわたり、福井県敦賀市の文化交流センター「プラザ萬象」で開催した。本報告集は、これらの発表内容をまとめ、NDECの活動を広く周知するために公開するものである。
廃炉環境国際共同研究センター; 東北大学*
JAEA-Review 2025-048, 56 Pages, 2026/02
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和5年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という。)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和4年度に採択された研究課題のうち、「革新的アルファダスト撮像装置と高線量率場モニタの実用化とその応用」の令和5年度分の研究成果について取りまとめたものである。本研究では、二つの検出器の開発を実施している。一つ目は、作業員の安全の確保のための
線核種の炉内の分布を明らかにする技術の実現を目指し、スミヤろ紙上に付着するより細かい
線核種を含む微細なダストの詳細な分布の可視化を可能にする技術の開発である。令和4年度の研究開始時は資材等の準備からはじまり、優れた位置分解能と高感度化を目指した検出素子などの材料開発や光検出器などのハード及びソフトウェアの準備を順調に行うことができた。また、令和5年度末までに発光波長が500-800nmかつ5.5MeVの
線入射で、発光量が70,000光子相当の目標値の中に入る材料開発などを実施することができた。さらに、画像から
、
線等との分別ができるようなアルゴリズムの開発を進めることができた。二つ目は、光ファイバーを用いた超高線量率場での線量率モニタの開発である。こちらについても、高感度化を目指した検出素子などの材料開発及びシミュレーション体系の構築とその解析ができた。モニタとしての実証試験も実施して、20mSv/h未満から1kSv/h以上までの線量のダイナミックレンジを有することがわかり、現場適用に対応可能な検出器の開発が進められた。
シンチレーション検出システムの開発(委託研究); 令和5年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業廃炉環境国際共同研究センター; 東北大学*
JAEA-Review 2025-046, 70 Pages, 2026/01
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和5年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という。)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所(1F)の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和5年度に採択された研究課題のうち、「簡易非破壊測定に向けた革新的なn・
シンチレーション検出システムの開発」の令和5年度の研究成果について取りまとめたものである。令和5年度に1Fでは、原子炉格納容器(PCV)からの燃料デブリの取り出しが予定され、さらに、将来的には段階的な取り出し規模の拡大が検討されている。本研究では、標的試料取り出し時のスクリーニングならびに連続監視に資する、革新的なシンチレーション放射線検出システムを開発する。また、1Fをはじめとした原子力施設廃止措置の炉内調査に資する遠隔測定システムを実用化する。より具体的には、(1)革新的な中性子・
線核種弁別シンチレータの研究(東北大学)、(2)センサーならびに信号処理システムの小型化(東京大学)、(3)多様な放射線場構築と特性評価(産業技術総合研究所)、(4)簡易非破壊測定システムの開発とホットセル内実証試験(原子力機構)の各要素技術に対し、垂直統合的に研究を展開することでPCV内や各受け入れセル内において、10Gy/hを超える環境下で
線、中性子線を弁別し、それぞれの線量率と核種同定を同時に行う検出器の開発に向け、令和5年度に計画した各研究項目に関する研究開発を実施した。
米山 海; 二田 郁子; 田中 康之; 小高 典康; 菊池 里玖; 坂野 琢真; 古瀬 貴広; 佐藤 宗一; 三本木 満; 田中 康介
JAEA-Technology 2025-008, 44 Pages, 2025/12
東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所(1F)の廃炉に向け、原子炉建屋格納容器内部の調査が行われている。燃料デブリの取出しや建屋解体の作業を安全に進めるためには、汚染状況を把握し、作業の計画や作業者の被ばくを管理する必要がある。本件は、2号機原子炉格納容器貫通部X-6(X-6ペネ)内の堆積物について、含まれる元素、放射性核種濃度、核種組成を把握することを目的に分析を実施した。本分析の対象試料は、スミヤろ紙に付着したX-6ペネ内部の堆積物である。堆積物に含まれる
核種の把握、また、元素や元素の共存の様子を把握するため、非破壊分析として
線スペクトル分析、蛍光X線(XRF)分析、走査型電子顕微鏡-エネルギー分散型X線(SEM-EDX)分析を実施した。さらに、堆積物に含まれる放射性核種やその組成を詳細に明らかにするために、堆積物を硝酸及びフッ化水素酸で溶解し、溶解液中の
核種、Sr-90及び
核種の放射能分析を実施した。得られた結果を、2020年にX-6ペネ内の異なる場所で採取された堆積物の分析結果と比較した。非破壊での
線スペクトル分析では、Co-60、Sb-125、Cs-134、Cs-137、Eu-154、Eu-155及びAm-241が検出された。XRF分析では、格納容器内の構造物由来と考えられるFeが主要な元素として検出され、そのほか燃料や燃料被覆管に由来すると考えられる微量のU及びZrが検出された。SEMEDX分析の結果では、堆積物の主要な元素としてOとFeが検出されたことに加え、Uを含む粒子が観察され、UとともにFe、Si、Cr、Ni、Zrが検出された。これらの結果は2020年採取試料と同様の傾向であった。放射能分析では、非破壊測定で検出された
核種(Co-60、Sb-125、Cs-134、Cs-137、Eu-154、Eu-155)に加えて、Sr-90、Pu-238、Pu-239+240、Am-241、Cm-244、U-235、U-238の定量値を得た。これらの結果をもとに、1F事故に由来する汚染の主要な
線放出核種であるCs-137を基準とした放射能比を算出した。さらに、U-238に対する放射能比についても算出し、ORIGENによる2号機の燃料組成の計算値と比較した。
廃炉環境国際共同研究センター; 北海道大学*
JAEA-Review 2025-041, 79 Pages, 2025/12
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和5年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という。)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、令和5年度に採択された「燃料デブリ除去に向けた様々な特性をもつメタカオリンベースのジオポリマーの設計と特性評価」の令和5年度の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、燃料デブリや汚染水処理に伴う放射性廃棄物を安定化・固化するために、高い流動性と閉じ込め性能を持ち、かつホウ素の添加による中性子吸収能を兼ね備えたメタカオリンベースのジオポリマーのポテンシャルを実証し、仕様とレシピを確立する。令和5年度は、ホウ素の有無を伴う特性の異なるメタカオリンジオポリマーの設計および評価、メタカオリンベースのジオポリマーと水酸化鉄(III)コロイドの相互作用、ジオポリマーのキャラクタリゼーションと模擬廃棄物固化体の特性評価を中心に研究を進め、各目標を達成した。ソブエクレー社の異なる種類のメタカオリン原料を用いて調査を実施し、反応性に関連する粒度および焼成温度の異なる試料がメタカオリンの溶解度に与える影響を明らかにした。これらの試料が、作製したジオポリマーの流動性および硬化性にも顕著な影響を及ぼすことを確認し、さらにホウ素添加によるアルカリ溶液の特性変化や硬化時間の延長効果を確認した。また、コロイドとの相互作用においては、ジオポリマー固化体中でのコロイドの閉じ込めと寸法変化を評価し、体積変化を自動記録できる装置を設計・適用することで膨張が抑制される条件を明らかにして、模擬廃棄物の固化体を作製し、硬化過程での粘度変化、硬化時間および硬化中の温度変化を測定した。また、圧縮強度測定および照射施設を用いた
線照射試験を行い、水素発生量の測定を通じて、固化体の物性に関する重要な基礎データを取得した。研究推進においては、北海道大学、JAEA、ソブエクレー社、シェフィールド大学との連携を強化し、定期的な会議やデータ共有を行い、令和6年度以降の計画を具体化するとともに人材育成プログラムも開始した。
廃炉環境国際共同研究センター; 大阪大学*
JAEA-Review 2025-040, 111 Pages, 2025/12
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和5年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という。)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和5年度に採択された研究課題のうち、「革新的分光画像解析による燃料デブリの可視化への挑戦とLIBSによる検証」の令和5年度分の研究成果について取りまとめたものである。本研究の目的は、ハイパースペクトルイメージング(HSI)とレーザー誘起ブレークダウン分光(LIBS)を組み合わせ、炉内物質を俯瞰的に認識・特定する技術を開発することである。HSIは100色以上のスペクトル情報を解析し、様々な物質の分類に既に応用されているものの、材料組成を直接評価できない。そこでHSIとLIBSを組み合わせることにより、正確かつ広範囲の炉内物質可視化技術となりうると考えた。本技術の実証のためには、適切な模擬炉内物質を準備し、そのトレーニングデータを取得・蓄積する必要がある。本研究では、標準物質の作製とHSIデータ解析を国立大学法人大阪大学、ウラン含有物質の作製とHSI/LIBS測定を日本核燃料開発株式会社(NFD)、LIBS開発をJAEAが担当する。英国側からは、ストラスクライド大学、英国国立原子力研究所(NNL)、ランカスター大学が本プロジェクトに参画している。標準試料の組成を過去の実験と熱力学計算結果から決定し、UO
複合試料やコンクリートなどいくつかの試料を作製した。HSIデータをNFDに設置されたハイパースペクトルカメラを用いて取得し、スペクトル角マッパー(SAM)、線形判別分析(LDA)等によりある程度物質を分類できることを確かめた。LIBSについては、遠隔操作技術開発の一環として焦点距離の自動最適化技術の開発等に取り組んだ。
廃炉環境国際共同研究センター; 千葉大学*
JAEA-Review 2025-038, 84 Pages, 2025/12
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和5年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という。)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和5年度に採択された研究課題のうち、「PCV気相漏洩位置及び漏洩量推定のための遠隔光計測技術の研究開発」の令和5年度分の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、ライダーをはじめとする遠隔光計測システムにより漏洩箇所の位置を特定するとともに、その位置における漏洩の可視化手法を開発することを目的としている。ライダーは視線方向に距離分解することができ、建屋内での壁面・配管とその周囲の気相分子(窒素N
、水蒸気H
Oなど)及び浮遊粒子(エアロゾル)からの信号を分離して観測することができる。また、レーザー光と高感度画像センサーを組み合わせたフラッシュライダー並びに光波の干渉を利用した高感度のシアログラフィーによって、漏洩箇所の画像化・可視化を図り、漏洩量の推定を目指す。これら複数の手法の比較を通じて、漏洩箇所を特定する際の位置分解能と可視化可能な漏洩量の検出下限を明らかにする。
廃炉環境国際共同研究センター; 北海道大学*
JAEA-Review 2025-037, 103 Pages, 2025/12
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和5年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という。)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究および人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和5年度に採択された研究課題のうち、「放射性コンクリート廃棄物の減容を考慮した合理的処理・処分方法の検討」の令和5年度分の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、解体に伴い大量の発生が見込まれる放射性コンクリート廃棄物に着目し、減容・減量化策の現場適用について、コンクリート廃棄物の特性評価に基づき、典型的な再資源化処理工程を想定したうえでその課題を検討し、再資源化を含む合理的な処理・処分方法を検討・評価する。令和5年度には、放射性核種およびイオンの移行挙動への遷移帯の寄与を解明することを目的とし、セメント系試料中の
Csの拡散試験、遷移帯を有する試料中のイオンの移動、Caの溶脱試験を実施した。また、遷移帯を含む核種移行モデルを構築するため、界面を挟む2つの媒体の拡散特性を考慮した確率分布をモデル化し、このサンプリング手法をランダムウォーク粒子追跡法の濃度計算に実装した。再資源化・再利用に向けた処理方法の検討として、非放射性Cs水溶液に浸漬した模擬汚染コンクリートを調製し、その特性を評価した他、骨材分離試験および熱分析試験の環境整備を行った。再資源化物の性状評価としては、模擬汚染骨材およびそれを利用した模擬再生コンクリートを調製し、模擬汚染骨材からイオン交換水や被覆したセメントペースト、再生コンクリートへのイオンの移行挙動を確認した。さらに、骨材分離の際に発生する模擬セメント微粉を用いて異なる配合の模擬廃棄体を調製し、力学あるいは化学特性を取得するとともに放射性核種の浸出挙動に関する試験を開始した。これらの結果を基に、再利用・再資源化を含む放射性コンクリート廃棄物管理シナリオを評価するため、コンクリート汚染状況に関する知見を収集、整理するとともに再利用・再資源化に伴う物量を推計するためのツールを整備した。
廃炉環境国際共同研究センター; 東海国立大学機構*
JAEA-Review 2025-034, 83 Pages, 2025/12
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和5年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という。)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所(1F)の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和5年度に採択された研究課題のうち、「ペデスタル部鉄筋コンクリート損傷挙動の把握に向けた構成材料の物理・化学的変質に関する研究」の令和5年度分の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、1F1号機原子炉格納容器(PCV)の内部調査で観測されたペデスタル鉄筋コンクリート部材において、鉄筋を残したままコンクリートだけ崩落するという、1号機固有の損傷状態に着目し、発生メカニズムを調査・検証を実施した。コンクリート固有の要因の調査・検証では、(1)高温による短期の溶解メカニズムの調査として、高温時の溶融実験でのデータ取得方法を検討し、溶解現象の有無を判断する解析フレームワークの構築及び剛体バネモデル解析において、加熱による体積変化を組み込む数値解析手法の構築を実施した。また、(2)温度履歴による長期の溶解メカニズムとして、実際のペデスタル部の温度・注水履歴の整理を実施し、実験時のコンクリートの曝露条件の決定及び材料選定や膨張量の測定手法の確立を行った。さらに、高温加熱後の水分供給による膨張現象の既往知見を整理した。次に、特殊な外部環境要因の調査・検証では、(1)燃料デブリの伝熱解析によるコンクリート熱条件の評価として、事故時の1号機PCVコンクリートの熱条件を評価するための伝熱予備解析を実施した。また、(2)コンクリート破損に関わる特殊な外部環境要因に対する要素挙動試験と総合試験として、コンクリート材の水蒸気雰囲気での高温保持小規模試験の予備試験と金属デブリとコンクリートの反応挙動に関する反応予備試験を実施した。さらに、ウラン酸化物の酸素量に着眼した試験に供するウラン含有亜酸化物を作製した。本研究では、これらの調査・検証により1F1号機固有のコンクリート損傷の発生メカニズムに関わる総合的な知見を蓄積した。
廃炉環境国際共同研究センター; 理化学研究所*
JAEA-Review 2025-031, 124 Pages, 2025/12
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和5年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という。)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所(1F)の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和4年度に採択された研究課題のうち、「高放射線耐性の低照度用太陽電池を利用した放射線場マッピング観測システム開発」の令和5年度分の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、自立・遠隔で駆動するセンサーを応用した放射線場マッピングが可能なシステムを開発することで、原子炉格納容器(PCV)内の放射線情報を網羅的かつリアルタイムで取得し、非常に透過性が高く、事故の要因となりえるガンマ線や中性子などの漏洩監視により、作業員や住民に対する安全性が担保可能なシステムを実環境に実装するため実証研究を行うものである。太陽電池型線量計は、宇宙用太陽電池として開発された高放射線耐性を有する半導体素子を利用し、自立駆動形の省電力・小型センサーとして開発を進め、PCVへの適応可能性について議論してきたが、CIGS太陽電池型線量計をベースとした1F実装には、素子の高機能化及びシステム化が必要となる。高機能化として、さらなる難アクセス箇所への探索を目指したフレキシブルシート化、マッピングモニタリングシステム開発基盤となる多接続化及び再臨界事故評価システム開発に向けたガンマ線・中性子検出構造の最適化を実施している。令和5年度は、CIGS太陽電池素子構造をベースとしたフレキシブル素子作成条件の探査とガラス基板CIGS素子を用いた試作機による初期特性をガンマ線、電子線及び中性子線照射試験により解明する。中性子検出構造においては、変換材料のホウ素を塗布による成膜条件の探査、ミリングによる粉末材料粒径の調整条件の解明や塗布法及び溶剤条件に関する選定を行う。また、マッピング計測では、複数のセンサーの計測及び線量情報を表示可能なシステム開発を行う。
寺田 敦彦; Thwe Thwe, A.; 日野 竜太郎*; 原井 康孝*; 佐々木 岳*; 新家谷 英之*; 山下 俊幸*; 米田 次郎*; 岡林 一木*; 坂本 裕之*; et al.
JAEA-Data/Code 2025-012, 151 Pages, 2025/12
福島第一原子力発電所事故の経験や、事故から得られた教訓を踏まえ、原子炉のみならず廃止措置、廃棄物管理における水素安全評価・対策に適切に対応するための基盤技術の高度化を図ることを目的として、水素の発生から拡散、燃焼・爆発に至る挙動を予測する解析システムの開発を行った。本システムでは、汎用コード(FLUENT、AUTODYN)を活用し、そこに新規にモジュールやプリ/ポストプロセッサを組み込むことで、一般の実用に堪える解析システムを整備するとともに、より高い汎用性と低コストでの導入が可能なオープンソースコード(OpenFOAM)を活用したシステムの開発を並行して進め、原子力施設の水素防災計画に利用できる形での基盤技術の提供を目指している。これまで、PWR 原子力発電施設を対象に、実用的な観点から考慮すべき現象(火炎伝播加速現象の評価技術、格納容器規模の現象への適用性)に対処するためのシステムの拡充を行った。本報告書は、水素挙動統合解析システムの概要、取り扱い方法及び実機解析事例についてまとめたものである。