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西村 昭彦; 竹仲 佑介*; 古澤 彰憲; 鳥本 和弘; 上田 雅司; 福田 直晃*; 平尾 一之*
E-Journal of Advanced Maintenance (Internet), 9(2), p.52 - 59, 2017/08
超短パルスレーザーによる点描加工を用いて耐熱FBGセンサを製作した。このFBGセンサは高温の産業プラントの熱管理に最適のセンサである。ここでは金属モールドの内部に耐熱FBGセンサを埋め込み、ナトリウム循環配管に設置した。配管にはナノサイズ銀粒子による接着を行った。ナトリウム循環配管はナトリウム取扱い技術高度化のための実証施設である。この施設では500度を超える高温ナトリウムを毎秒5メートルの流速で循環させることが可能である。耐熱FBGセンサは配管エルボに設置され、熱膨張を明確に検出できた。さらに、急激な冷却過程では配管の収縮過程を解明することができた。我々は、耐熱FBGセンサを用いることで高温産業プラントに対して先進的な遠隔からの熱管理が可能であることを提案する。
牧野 高紘; 小野田 忍; 平尾 敏雄; 大島 武; 小林 大輔*; 池田 博一*; 廣瀬 和之*
Proceedings of 9th International Workshop on Radiation Effects on Semiconductor Devices for Space Applications (RASEDA-9), p.169 - 172, 2010/10
これまで、われわれは、ソフトエラーの一因となるLSI内で発生する放射線誘起ノイズパルスの時間幅の測定を行ってきた。この測定には、LSI内にノイズパルス時間幅測定用の特殊な回路を組み込む必要があった。今回われわれは、LSIを構成する最小単位であるトランジスタ一個に注目し、その単体トランジスタのイオン入射過渡応答を測定した。そして、その過渡応答とLSIを構成する他のトランジスタとの相互作用を考慮することでLSIで発生するパルス幅の導出に成功した。今回の実証によって、ノイズパルスの幅を測定する特殊な回路をLSIへ組み込むことなく、従来の手法に比べて高速かつ簡単にノイズパルス幅を推定することが可能となった。また、従来の組み込み回路での測定は、測定の時間分解能が回路の時定数(70ps)で決まっていたのに対し、本手法では、測定の時間分解能がオシロスコープの時間分解能(20ps)で決まるため、大幅に推定精度が向上した。
牧野 高紘; 小林 大輔*; 廣瀬 和之*; 高橋 大輔*; 石井 茂*; 草野 将樹*; 小野田 忍; 平尾 敏雄; 大島 武
IEEE Transactions on Nuclear Science, 56(6), p.3180 - 3184, 2009/12
被引用回数:13 パーセンタイル:64.65(Engineering, Electrical & Electronic)論理LSIにおける放射線起因のソフトエラー率を、放射線によって論理LSIを構成する論理素子内に誘起されるシングルイベントトランジェント(SET)電圧パルス幅の測定結果より推定した。実験には0.2-m FD-SOI(Fully Depleted Silicon on Insulator)技術を用いたNOT回路又はNOR回路を用い、322MeV Krイオン照射により得られたSETパルス幅の実測を行った。測定結果と回路構成を考慮した理論解析を用い論理LSIにおけるソフトエラー率を推定した。その結果、論理LSIにおける放射線起因のソフトエラー率を直接測定した結果と一致し、本手法の妥当性を検証できた。
牧野 高紘; 小野田 忍; 平尾 敏雄; 大島 武; 小林 大輔*; 廣瀬 和之*
Proceedings of the 28th Symposium on Materials Science and Engineering, Research Center of Ion Beam Technology Hosei University, p.35 - 40, 2009/12
これまで、論理素子で発生するSET(Single Event Transient)パルスの発生率とフリップフロップ(FF)のSetup-hold timeからソフトエラー率を推定式する手法を提案し実証した。だたし、この推定を行うためには、SETパルスの幅を測定する特殊な回路の設計、製作が必要であった。今回、論理素子を構成する複数個のトランジスタのうちの一つに注目し、その単体トランジスタのイオン入射過渡応答を測定した。そして、その過渡応答と論理素子を構成する他のトランジスタとの相互作用を考慮し、論理素子で発生するSETパルスの幅を導出した。今回の実証によって、SETパルスの幅を測定する特殊な回路の設計、製作が必要なく、従来の手法に比べて高速かつ簡単にソフトエラー率を推定することが可能となった。
牧野 高紘*; 小林 大輔*; 廣瀬 和之*; 柳川 善光*; 齋藤 宏文*; 池田 博一*; 高橋 大輔*; 石井 茂*; 草野 将樹*; 小野田 忍; et al.
IEEE Transactions on Nuclear Science, 56(1), p.202 - 207, 2009/02
被引用回数:36 パーセンタイル:90.61(Engineering, Electrical & Electronic)SET(Single Event Transient)パルス幅と線エネルギー付与(LET)との関係を求めるために、高い放射線耐性を持つSOI(Silicon on Insulator)基板上に試作したテストチップを用いてSETパルス幅のLET依存性を評価した。Kr322MeVとXe454MeVのイオンをテストチップに垂直又は45度で照射した。その結果、垂直入射の場合、LETの増加に対してSETパルス幅が直線的に増加し、45度の場合、LETの増加に対してSETパルス幅が飽和傾向を示すことがわかった。この飽和傾向を示す主な要因を調べるために3次元デバイスシミュレーター(TCAD)による解析を行った。その結果、重イオンによって誘起する過剰キャリアの再結合が飽和傾向を説明する一つの要因であることがわかった。
牧野 高紘*; 柳川 善光*; 小林 大輔*; 福田 盛介*; 廣瀬 和之*; 池田 博一*; 齋藤 宏文*; 小野田 忍; 平尾 敏雄; 大島 武; et al.
信学技報, 108(100), p.67 - 72, 2008/06
放射線によって生じる論理LSI(Large Scale Integrated Circuit)でのソフトエラーは、FF(Flip Flop)やラッチ回路に粒子が当たって発生するだけでなく、組合せ論理回路に当たって発生するスパイクノイズによっても発生する。この放射線誘起スパイクノイズを測定するために、インバータ24段の論理セルチェインと拡張バッファー及び自己トリガFFチェインから構成されるスナップショット回路を作製した。実験はKr 322MeVとXe 454MeVのイオンをテストチップに対して垂直と45度で入射させ、線エネルギー付与LET4092(MeV/cm/mg)の範囲でSET(Single Event Transient)パルス幅を測定した。その結果、インバータ24段を接続したチェインについて、0度(垂直)照射では取得SETパルスの総数が、LETの増加に対して増加を示し、45度照射では、取得SETパルスの総数はLETの増加にかかわらず一定であった。また取得したSETパルス幅分布の最頻値と半値幅をLETの関数で示した結果、SETパルス幅はLETの増加に対して飽和傾向を示すことが見いだされた。さらにSETパルス幅の上限が約1nsであることから、SETパルスを除去するために必要なフィルタ回路の時定数は最大1nsとすれば良いということもわかった。
牧野 高紘*; 小林 大輔*; 廣瀬 和之*; 柳川 善光*; 齋藤 宏文*; 池田 博一*; 高橋 大輔*; 石井 茂*; 草野 将樹*; 小野田 忍; et al.
no journal, ,
シングルイベントトランジェント(SET: Single Event Transient)は放射線が論理LSIに入射して発生する過渡的な電圧変動に由来した誤動作(ソフトエラー)として知られる。発生したSETパルスが回路中を伝搬し記憶セルにラッチされるとソフトエラーを招くが、その確率はSETパルス幅に比例して増大し、さらにSETパルス幅は入射するイオンの線エネルギー付与(LET: MeV/cm/mg)の増加に伴って大きくなることが明らかとなっている。ここではSETパルス幅の増加傾向を決める要因を調べるために3次元のデバイスシミュレーションを実施した。n型FD-SOI MOSFET(FUlly Depleted Silicon on Insulator)にKr322 MeVとXe454 MeVを照射したときの重イオン誘起SET電流パルスをDESSIS(Device Simulation For Smart Integrated System)デバイスシミュレータで求め、さらにデバイス回路混合シミュレーションによってインバータセルでの電圧パルスを求めた。さらに、過剰キャリアの再結合がSETパルス幅の増加傾向を決める要因と考え、再結合プロセスの有無を考慮してSETパルス幅のLET依存性をシミュレーションした。その結果、重イオンによって誘起する過剰キャリアの再結合がSETパルス幅の増加傾向を支配する大きな要因であることがわかった。
小林 大輔*; 廣瀬 和之*; 牧野 高紘; 小野田 忍; 平尾 敏雄; 大島 武
no journal, ,
宇宙空間は過酷な放射線環境であり、半導体デバイスを利用するにはそれらへの対策が必要となる。本研究では、半導体デバイスの製造方法の一つである先端SOI(Silicon On Insulator)プロセスを利用して、放射線耐性の高い宇宙用半導体デバイス、すなわち「宇宙用SOIデバイス」の実現に取り組んでいる。その実現にはCPU等の論理回路におけるシングルイベント現象の評価が必要である。論理回路におけるシングルイベント現象は幾つかに分類できるが、最近では、SET(Single Event Transient)と言うパルスノイズが懸念となっている。論理回路を構成する論理ゲートに放射線が当たることで発生するパルスノイズにより、回路の動作が乱され誤動作してしまうためである。われわれはSET評価の技術として、スナップショット回路と呼ぶ新しい評価用回路を開発するとともに、それを用いることでSOIデバイスが従来のバルクデバイスよりSET耐性に優れていることを実証した。
牧野 高紘; 小野田 忍; 平尾 敏雄; 大島 武; 小林 大輔*; 池田 博一*; 廣瀬 和之*
no journal, ,
論理LSIのソフトエラーの原因として、論理LSIを構成する論理素子で発生するデジタルシングルイベント過渡パルス(DSETパルス)が懸念されている。論理LSIにDSETパルス対策を施すためには、DSETパルスの時間幅測定が必須である。これまでは、論理素子で発生するDSETパルスを、特殊な回路を用いて測定していた。本研究では、論理素子を構成する数個のトランジスタのうち、nチャネル型のトランジスタ一個に注目し、そのトランジスタで発生する高エネルギー重イオン誘起過渡電流波形より論理素子で発生するDSETパルスの時間幅を推定した。推定結果は、従来の特殊な回路を用いたDSETパルス時間幅測定結果と一致した。これによって、従来の手法に比べて高速,容易にDSETパルスの時間幅を知ることができるようになった。その結果、論理LSIの耐放射線性技術の向上が加速すると期待される。
牧野 高紘; 平尾 敏雄; 小野田 忍; 大島 武; 廣瀬 和之*
no journal, ,
これまで、われわれは、半導体デバイスのソフトエラーの一因となる、デジタルシングルイベントパルス(Digital Single Event Transientパルス: DSETパルス)の時間幅測定を行ってきた。DSETパルスはごく短時間の電圧変動であるため、通常の測定機器による時間幅の測定は困難である。そのため、これまではLSIの内部に時間幅測定用のデジタル回路を組み込み、それによってパルス幅を測定する方法が取られてきた。しかし、この手法は、特殊な回路の設計・製作が必要となり、測定にかかるコストや時間がかかってしまう。この問題を解決するため、LSI内部の論理素子を構成する最小単位である1個のMetal-Oxide Semiconductor Field-Effect Transistor(MOSFET)での放射線誘起過渡電流に注目し、その電流波形と論理素子の構造からDSETパルス波形を解析的に推定する手法を提案し、実証を行った結果について報告する。
牧野 高紘; 小野田 忍; 平尾 敏雄; 大島 武; 小林 大輔*; 池田 博一*; 廣瀬 和之*
no journal, ,
放射線が大規模集積回路(LSI)内の論理素子に入射することで、LSI内に現れる過渡的な電圧パルスをDSETパルスと呼び、宇宙で用いられるLSIにおいて、大きな問題となってきており対策が急がれている。論理素子は複数個のトランジスタで構成されており、論理素子全体におけるパルス発生確率は各トランジスタにおけるそれの和と考えられる。トランジスタごとの寄与がどれくらいかを知ることによってトランジスタレベルでの耐放射線性対策が可能となるが、これまでの測定手法では、取得したDSETパルスがどのトランジスタによるものか区別できないという問題があった。そこで、本研究では、トランジスタごとの効果に関する知見を得るために、NOT素子を構成するトランジスタのコピーを一つ用意し、そこに放射線を照射することで発生するシングルイベント過渡電流からDSETパルスを見積り、それを過去に測定したNOT素子全体でのDSETパルスと比較することで、個々のトランジスタの寄与を明らかにすることに成功した。