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中川 洋; 片岡 幹雄*
Biochimica et Biophysica Acta; General Subjects, 1864(4), p.129536_1 - 129536_6, 2020/04
被引用回数:7 パーセンタイル:34.99(Biochemistry & Molecular Biology)蛋白質の硬さと柔らかさは、構造ダイナミクスに反映される。蛋白質ダイナミクスの研究は柔らかさに焦点を絞った研究が多い。この総説では、蛋白質の硬さに焦点をあてる。硬さの程度は実験的には非干渉性中性子散乱で評価できる。この方法は、分子シミュレーションと相補的である。この実験手法では、ピコ秒からナノ秒の時間スケール, ナノメーターの空間スケールの蛋白質ダイナミクスの情報が得られる。これらのダイナミクスは、力の定数, ボソンピーク, 動力学転移, 動的不均一性といった指標によって蛋白質の硬さを定量化できる。これらの指標は蛋白質の2次構造や3次構造の硬さを反映する。さらに、これらの指標を用いることで、水和, 温度, 圧力, 蛋白質間相互作用などの影響によってどの程度硬くなるかが分かる。水和は他の環境要素と比べて硬さや柔らかさに対する影響が大きい。興味深いことに、水和は調和的運動と非調和的運動に対して逆の効果を示す。この水和効果の違いは、水素結合を介した蛋白質と水分子の動的なカップリングが原因かもしれない。
瀬戸 秀紀; 伊藤 晋一; 横尾 哲也*; 遠藤 仁*; 中島 健次; 柴田 薫; 梶本 亮一; 河村 聖子; 中村 充孝; 川北 至信; et al.
Biochimica et Biophysica Acta; General Subjects, 1861(1), p.3651 - 3660, 2017/01
被引用回数:39 パーセンタイル:81.08(Biochemistry & Molecular Biology)1MWクラスのパルス中性子源であるJ-PARCの物質・生命科学実験施設には、23の中性子ビームラインがあり、21台の装置が稼働、建設中である。このうち6台は中性子非弾性、及び、準弾性実験のための装置であり、生命科学研究に大いに寄与するものである。
福田 庸太*; 小手石 泰康*; 米田 涼平*; 玉田 太郎; 高見 英人*; 井上 豪*; 野尻 正樹
Biochimica et Biophysica Acta; Bioenergetics, 1837(3), p.396 - 405, 2014/03
被引用回数:16 パーセンタイル:49.42(Biochemistry & Molecular Biology)海洋性好熱菌 HTA426由来銅型亜硝酸還元酵素(CuNIR)の全長体およびN末端領域(68アミノ酸)欠損変異体の結晶構造を各々1.3
、および1.8
分解能で決定した。全体構造は既知のCuNIRと同様に2つのグリークキー
バレルドメインから構成されていたが、N末端側に
ストランドと
へリックスからなる本酵素に特異的な領域が存在していた。この領域はタイプ1銅結合部位の方に伸びており、他の脱窒系におけるCuNIRと酸化還元パートナーである電子供与体(チトクロム
)との電子伝達複合体構造との重ね合わせから、この領域が
脱窒系の電子伝達反応における電子供与体との一時的な結合に寄与していることが推察された。さらに、N末端領域欠損変異体と
を由来チトクロム
を用いた電子伝達反応の速度論的解析結果を組み合わせた結果、この領域が電子供与体の認識に直接関与していることが示された。
山田 太郎*; 栗原 和男; 大西 裕季*; 玉田 太郎; 友寄 克亮; 桝見 賢司*; 田中 伊知朗*; 黒木 良太; 新村 信雄*
Biochimica et Biophysica Acta; Proteins and Proteomics, 1834(8), p.1532 - 1538, 2013/08
被引用回数:20 パーセンタイル:50.43(Biochemistry & Molecular Biology)-トロンビン-ビバリルジン複合体のプロトン化状態と水和構造をX線(1.6
)/中性子(2.8
)単結晶回折データによる同時構造精密化により明らかにした。原子間距離については別途、1.25
のX線結晶構造解析により評価した。この複合体は、
-トロンビンの酵素・生成物(EP)複合体のモデルとなる。活性化部位周囲の中性子散乱長図は、H57/Hの側鎖が重水素化されていることを示唆する。この同時精密化により、H57/HのD
1とD
2の占有率がそれぞれ1.0と0.7であると示された。しかしながら、S195/Hのヒドロキシル基のO
周囲には有意な中性子散乱長密度が観察されなかった。また、そのO
は、dFPR-COOHのカルボキシル基炭素に近接していた。これらの観察から、S195/HのO
は脱プロトン化されており、EP複合体において求核性を維持していると示唆された。また、活性化部位に加えて、ビバリルジンの認識に関与するS1サブサイトとエキソサイトIに水和構造が存在することが分かった。
大西 裕季*; 山田 太郎*; 栗原 和男; 田中 伊知朗*; 崎山 文夫*; 正木 武治*; 新村 信雄*
Biochimica et Biophysica Acta; Proteins and Proteomics, 1834(8), p.1642 - 1647, 2013/08
被引用回数:8 パーセンタイル:22.65(Biochemistry & Molecular Biology)セリンプロテアーゼの鍵となる触媒残基のプロトン化状態を調べるため、pD8.0におけるリガンド非結合型クロモバクタープロテアーゼI(API)の構造を単結晶X線と中性子回折データの同時使用によって精密化した。リガンド非結合型APIの活性部位における触媒三残基の占有率精密化により、H57のイミダゾール環の約30%、S197のヒドロキシル基の約70が重水素化されていることが示された。この観察結果は、S197の多くが基質と結合していない状態でもプロトン化されていることを示す。API中の触媒三残基のプロトン化状態をウシ由来
-trypsin-BPTI複合体と比較することにより、基質のS197への近接はS197のヒドロキシル基の酸性を低下し得て、それによってH57はS194のヒドロキシル基から水素を引き抜くことができるという仮説が導かれた。また、APIに特異な残基であるH210は、触媒三残基D113と水素結合を形成していないが、代わりに、H210はS176、H177、一個の水和水と水素結合ネットワークを形成する。大きく疎水性な残基W169が近接することによりこの水素結合ネットワークを保護し、広範囲のpHに渡るAPIの機能を安定化しているかも知れない
Fu, H. Y.*; Lin, M.; 勝村 庸介*; 横谷 明徳; 端 邦樹; 室屋 裕佐*; 藤井 健太郎; 鹿園 直哉
Acta Biochimica et Biophysica Sinica, 42(7), p.489 - 495, 2010/07
被引用回数:12 パーセンタイル:30.14(Biochemistry & Molecular Biology)Silybin(SLB)及びその類似体であるhesperetin(HESP), naringenin(NAN), naringin(NAR)は化学抗ガン剤として報告されている天然フラボノイドの有効成分であると考えられている。また、これらの物質がDNA塩基の酸化損傷を化学的に修復することをパルスラジオリシス法によって明らかにしてきた。そこで本研究では、in vitroにおいてプラスミドDNAの軟X線誘起損傷に対するSLBとその類似体による保護効果を調べた。X線照射の結果、保護効果を調べた物質の中ではHESPとSLBがX線によって誘起されるDNA一本鎖切断(SSB)を最も効果的に抑制することがわかった。さらに他の実験結果と比較すると、SLBやその類似体がin vitroでDNA損傷を抑制する能力はそれらのフリーラジカル捕捉能と関連があることがわかった。以上により、天然フラボノイド,SLB及びその類似体が放射線損傷に対する保護剤として有効に働くことを明らかにした。
中川 洋; 上久保 裕生*; 片岡 幹雄
Biochimica et Biophysica Acta; Proteins and Proteomics, 1804(1), p.27 - 33, 2010/01
被引用回数:19 パーセンタイル:45.47(Biochemistry & Molecular Biology)折れ畳まったタンパク質の特性を調べるため、野生型と欠損変異体のスタフィロコッカルヌクレアーゼを用いて非干渉性中性子弾性散乱によりタンパク質の動力学転移に対する構造状態の効果を調べた。変異体はC末端の13残基を欠損させたもので、コンパクトな変性構造を取り、天然変性タンパク質のモデルとされている。非干渉性中性子弾性散乱実験はILLのIN10とIN13で行われた。弾性散乱強度のQ依存性をさまざまな温度で測定し、平均二乗変位を求めた。乾燥タンパク質と水和タンパク質で測定を行った。水和タンパク質では野生型と変異体では差がなかったが、乾燥状態では差が見られた。140Kの転移は乾燥状態と水和状態の両方で見られるが、転移温度前後での平均二乗変位の温度依存性は両者で異なり、折り畳みによる構造のハードニングが見られた。水和によってさらに240Kの転移が生じるが、構造状態には依存しない。これにより水和水のダイナミクスがタンパク質動力学を支配していると言える。
村上 正弘*; 鳴海 一成; 佐藤 勝也*; 古川 章*; 早田 勇*
Biochimica et Biophysica Acta; Proteins and Proteomics, 1764(1), p.20 - 23, 2006/01
被引用回数:11 パーセンタイル:23.72(Biochemistry & Molecular Biology)放射線抵抗性細菌デイノコッカス・ラジオデュランスからDNA修復促進タンパク質PprAが単離されたが、その分子機構については未だ詳細に解析されていない。われわれは、DNA修復経路におけるPprAタンパク質の役割を解明するために、直鎖状DNAとPprAタンパク質の相互作用を、固定や染色の操作をせずに原子間力顕微鏡を用いて直接可視化することで解析した。その結果、直鎖状DNAの分子内部と分子末端部へ結合したPprAタンパク質が観察されたが、結合特性の割合を考慮すると、PprAタンパク質は直鎖状DNA分子末端部への結合親和性が高いことがわかった。また、ある条件下において、DNAとPprAタンパク質の環状構造複合体も観察された。さらに、ゲルろ過クロマトグラフィー解析によって、DNAと結合していないPprAタンパク質は、水溶液中で多量体を形成していることが示唆された。
久米 民和; 石垣 功
Biochimica et Biophysica Acta, 914, p.101 - 103, 1987/00
トリプシンインヒビターの生物活性を示す分子の大きさについて、放射線失活法により検討した。種々の酵素やレセプターの分子量がターゲット説に基いた放射線失活法により測定できるが、オボムコイド(鶏卵中のトリプシンインヒビター)の場合分子量28,000よりはるかに小さい10,200という値が得られた。オボムコイドは3つのドメインから成り、その1つが活性を有していることが知られている。そこで活性を有しているドメインの分子サイズは、9,300であり、放射線失活法で求めた値とほぼ一致することを見出した。他のトリプシンインヒビター:オボインヒビター(MW49,000)でも活性を有するドメインサイズ14,000に近い17,800が得られた。これらの結果から、放射線失活法によって得られるトリプシンインヒビターの分子サイズはドメインの大きさであり、またin situでも同様の結果が得られると結論した。
田ノ岡 宏
Biochimica et Biophysica Acta, 95, p.690 - 692, 1965/00
抄録なし
田ノ岡 宏; Franklin Hutchinson*
Biochimica et Biophysica Acta, 95, p.690 - 692, 1965/00
抄録なし