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Yang, Q.*; Yang, X.*; Wang, Y.*; Fei, Y.*; Li, F.*; Zheng, H.*; Li, K.*; Han, Y.*; 服部 高典; Zhu, P.*; et al.
Nature Communications (Internet), 15, p.7778_1 - 7778_9, 2024/09
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Multidisciplinary Sciences)明るい一重項励起子と三重項励起子を同時に発現する発光材料は、オプトエレクトロニクス、サイネージ、情報暗号化において大きな可能性を秘めている。しかしながら、高性能の白色発光を実現するためには、蛍光と燐光の寄与が不均衡であることが大きな障害となっている。ここでは、水素結合の協同効果による圧力処理エンジニアリングによって、n--遷移の混合を実現し、イソフタル酸(IPA)中で三重項状態の発光を7%から40%に高めることで、この課題に対処した。加圧処理したIPAでは、蛍光と燐光のハイブリッドに基づく優れた白色発光が得られ、フォトルミネッセンス量子収率は当初の19%(青色発光)から75%に増加した。その場での高圧IRスペクトル、X線回折、中性子回折から、圧力の上昇に伴い水素結合が連続的に強化されることが明らかになった。さらに、この強化された水素結合は、圧力処理後も常圧条件下まで保持され、バランスの取れた一重項/三重項励起子集団のための効率的な系間交差を目的としたIPAに与え、効率的な白色発光をもたらした。この研究は、有機低分子の三重項状態を明るくするルートを提案するだけでなく、一重項励起子と三重項励起子の比率を調節して、高性能の白色発光を構築するものである。
Baccou, J.*; Glantz, T.*; Ghione, A.*; Sargentini, L.*; Fillion, P.*; Damblin, G.*; Sueur, R.*; Iooss, B.*; Fang, J.*; Liu, J.*; et al.
Nuclear Engineering and Design, 421, p.113035_1 - 113035_16, 2024/05
被引用回数:3 パーセンタイル:94.57(Nuclear Science & Technology)In the Best-Estimate Plus Uncertainty (BEPU) framework, the use of best-estimate code requires to go through a Verification, Validation and Uncertainty Quantification process (VVUQ). The relevance of the experimental data in relation to the physical phenomena of interest in the VVUQ process is crucial. Adequacy analysis of selected experimental databases addresses this problem. The outcomes of the analysis can be used to select a subset of relevant experimental data, to encourage designing new experiments or to drop some experiments from a database because of their substantial lack of adequacy. The development of a specific transparent and reproducible approach to analyze the relevance of experimental data for VVUQ still remains open and is the topic of this contribution. In this paper, the concept of adequacy initially introduced in the OECD/NEA SAPIUM (Systematic APproach for model Input Uncertainty quantification Methodology) activity is formalized. It is defined through two key properties, called representativeness and completeness, that allows considering the multifactorial dimension of the adequacy problem. A new systematic approach is then proposed to analyze the adequacy of a set of experimental databases. It relies on the introduction of two sets of criteria to characterize representativeness and completeness and on the use of multi-criteria decision analysis method to perform the analysis. Finally, the approach is applied in the framework of the new OECD/NEA ATRIUM activity which includes a set of practical IUQ exercises in thermal-hydraulics to test the SAPIUM guideline in determining input uncertainties and forward propagating them on an application case. It allows evaluating the adequacy of eight experimental databases coming from the Super Moby-dick, Sozzi-Sutherland and Marviken experiments and identifying the most adequate ones.
Li, C.*; Fang, W.*; Yu, H. Y.*; Peng, T.*; Yao, Z. T.*; Liu, W. G.*; Zhang, X.*; 徐 平光; Yin, F.*
Materials Science & Engineering A, 892, p.146096_1 - 146096_11, 2024/02
被引用回数:1 パーセンタイル:71.29(Nanoscience & Nanotechnology)The quasi-static superelastic responses and hierarchical martensite transformation from body-centered cubic (BCC) to face-centered cubic (FCC) under dynamic impact in FeMnAlNiTi alloys were investigated. Polycrystalline and oligocrystalline alloys were produced through solution heat treatment and cyclic heat treatment processes, respectively. The results show the volume fraction of residual martensite for oligocrystalline alloys is lower, which exhibits better superelastic responses compared with polycrystalline alloys. Dynamic impact tests indicate that, despite the weakening of the grain boundary strengthening effect, the ultimate strength of the oligocrystalline alloys closely matches that of the polycrystalline alloys under dynamic impact. The martensite transformation of the FeMnAlNiTi alloy is characterized as hierarchical under dynamic impact, and increasing strain rates and grain sizes can enhance the BCC FCC martensite transformation, resulting in higher martensite phase fractions for oligocrystalline alloys. The increase in ultimate strength is attributed to the dynamic Hall-Petch effect introduced by more martensite phase interfaces under dynamic impact.
Fang, Y.*; Kong, L.*; Wang, R.*; Zhang, Z.*; Li, Z.*; Wu, Y.*; Bu, K.*; Liu, X.*; Yan, S.*; 服部 高典; et al.
Materials Today Physics (Internet), 34, p.101083_1 - 101083_7, 2023/05
被引用回数:4 パーセンタイル:68.65(Materials Science, Multidisciplinary)層状ファンデルワールスハライドは、外部圧力に対して特に敏感であるため、目的とする性質を持つ構造にチューンすることが可能となる。一方で、圧力に非常に敏感であるという特性は、同時に目的とする機能の実現に有害な相転移や格子歪みを引き起こす可能性があるためその操作は依然として困難である。この研究では、層状RhI結晶が持つ極めて弱い層間結合と高い機能可変性を観察した。5GPaという適度な圧力をかけると圧力誘起相転移が起こり、積層構造に変化が現れた。驚くべきことに、この相転移は、圧力に対してほぼ直線的なバンドギャップ減少という傾向に影響を与えなかった。また、より高い圧力では、1.3eVの赤方偏移というかなり大きな調整幅を伴う金属相が観測された。さらに、RhIのキャリア濃度は30GPaで4桁増加し、光電流は7.8GPaで5桁増加することが確認された。これらの結果は、ファンデルワールスハライドの層状構造という特異な特徴を生かした探索、調整、理解のための新たな機会を創出し、原子レベルの薄さを持つマテリアルバイデザインに基づく将来のデバイスとして有望である。
不破 康裕; 小野 礼人; 高柳 智弘; 篠崎 信一; 溝端 仁志*; Fang, Z.*
Proceedings of 17th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.780 - 782, 2020/09
J-PARCリニアックではクライストロンを駆動する電源として直流高圧電源を使用している。これらの高圧電源は定格電圧110kVのアノード変調型電源で、1台の直流高圧電源に対して最大で4本のクライストロンを接続して運用している。このように複数のクライストロンを1台の直流高圧電源で駆動しているため、ビームパルス後半において高圧電源のコンデンサバンクの電圧ドループが生じる。この影響でクライストロンの出力低下が起こり、安定なビーム加速を維持する上での課題となっている。また、現有の直流高圧電源の半数はJ-PARC建設当初に導入され、残りの半数はリニアック400MeVアップグレード時に導入されたものであり経年劣化が現れ始めている。今後、経年劣化が生じたコンデンサを部分的あるいは全面的に交換するなどの対策が必要になり、安定運転を維持するためにはコンデンサバンクの構成を変更した際の直流高圧電源の運転挙動を改めて評価する必要がある。本発表では、現状の構成での電圧ドループやそれによる電圧低下がクライストロンに与える影響、及びコンデンサバンクの構成を変更した際の影響を数値計算や実測結果を用いて評価し、今後の安定なビーム運転に必要な対策を議論した。
近藤 恭弘; 平野 耕一郎; 伊藤 崇; 菊澤 信宏; 北村 遼; 森下 卓俊; 小栗 英知; 大越 清紀; 篠崎 信一; 神藤 勝啓; et al.
Journal of Physics; Conference Series, 1350, p.012077_1 - 012077_7, 2019/12
被引用回数:1 パーセンタイル:49.48(Physics, Particles & Fields)J-PARC加速器の要素技術試験に必要な3MeV Hリニアックを高度化した。イオン源にはJ-PARCリニアックと同じものを用い、RFQは、J-PARCリニアックで2014年まで使用した30mA RFQに代わり新たに製作した50mA RFQを設置した。したがって、このシステムはエネルギー3MeV、ビーム電流50mAとなる。このリニアックの本来の目的は、このRFQの試験であるが、J-PARC加速器の運転維持に必要な様々な機器の試験を行うことができる。加速器は既に試運転が終了しており、測定プログラムが開始されつつある。この論文では、この3MeV加速器の現状について報告する。
不破 康裕; 篠崎 信一; 千代 悦司; 平根 達也; Fang, Z.*; 福井 佑治*; 二ツ川 健太*; 溝端 仁志*; 岩間 悠平*; 佐藤 福克*; et al.
Proceedings of 16th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.611 - 613, 2019/10
J-PARCリニアックでは、324MHzと972MHzのクライストロン計45台を用いて加速器の運転が行われている。J-PARCの今後の安定化及び高度化に際しては、最大出力付近でのクライストロン出力特性の正確な把握が重要となる。この特性の把握には使用前のクライストロンはもちろんのこと、放電など何らかの理由で交換されたクライストロンの特性測定が不可欠である。しかしながら、放電による周辺機器を含めた損傷などのリスクや加速器の運転との時間的な干渉が理由で、このような測定はこれまで実施されてこなかった。そこで、リニアック棟内にクライストロンテストスタンドを設置し、様々な運転パラメータにおけるクライストロンの高圧特性や入出力特性を測定した。この測定結果を用いることでインストール前にクライストロンの特性が把握でき、最適な運転パラメータの決定や効果的なクライストロン交換の計画が可能となった。また、使用前と使用済みのクライストロンの特性を比較することでクライストロンの劣化傾向を定量的に把握するための基礎データを取得した。
二ツ川 健太*; Fang, Z.*; 福井 佑治*; 篠崎 信一; 溝端 仁志; 佐藤 福克*
Proceedings of 14th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.486 - 489, 2017/12
J-PARCリニアックのLLRFは、周波数324MHzのシステムと972MHzのシステムに大別される。周波数324MHzのシステムは、J-PARCリニアックの建設当初から使用されており、その開発から10年以上が経過している。そのため、経年劣化での故障頻度が増加してくることが予想され、実際に予備交換などの対策を検討し始めている。また、フィードバック(FB)やフィードフォワード(FF)を担っているcPCIのボードの一部が製造中止になり、更に開発環境をインストールできるOSを維持することが厳しくなってきている。そこで、次世代のFB&FFシステムへの移行の検討している。現在のシステムは50式近くあり全式を一遍に交換することは厳しいため、新システムと現在のシステムとの両立できる必要がある。開発のための制約が厳しい中でも、現在のシステムの改善点を洗い出して検討を進めている。本件では、現在検討を進めているシステムと現状のシステムを比較するかたちで紹介する予定である。
近藤 恭弘; 浅野 博之*; 千代 悦司; 平野 耕一郎; 石山 達也; 伊藤 崇; 川根 祐輔; 菊澤 信宏; 明午 伸一郎; 三浦 昭彦; et al.
Proceedings of 28th International Linear Accelerator Conference (LINAC 2016) (Internet), p.298 - 300, 2017/05
J-PARC加速器の要素技術開発に必要な3MeV Hリニアックを構築した。イオン源にはJ-PARCリニアックと同じものを用い、RFQは、J-PARCリニアックで2014年まで使用したものを再利用している。設置作業の後、2016年6月からRFQのコンディショニングを開始した。このRFQは様々な問題を克服し、なんとか安定運転に達していたが、2年間運転できなかったので再度コンディショニングが必要であった。現状定格のデューティーファクタでは運転できてはいないが、短パルスならばビーム運転可能となっている。この論文では、この3MeV加速器のコミッショニングと最初の応用例であるレーザー荷電変換試験の現状について述べる。
Morales, A. I.*; Benzoni, G.*; Watanabe, H.*; 角田 佑介*; Otsuka, T.*; 西村 俊二*; Browne, F.*; Daido, R.*; Doornenbal, P.*; Fang, Y.*; et al.
Physics Letters B, 765, p.328 - 333, 2017/02
被引用回数:38 パーセンタイル:93.37(Astronomy & Astrophysics)The level schemes of neutron-rich isotopes Co and Ni were populated in the decay of Fe and studied using -delayed -ray spectroscopy of the decay, at the RIBF in RIKEN, Japan. The experimental results were compared to state-of-the-art shell-model calculations, and indicate a dominance of prolate deformation in the low-lying states, coexisting with spherical states. The decay of the isobars is shown to progress in accordance to a new type of shell evolution, the so-called Type II, which involves many particle-hole excitations across energy gaps.
平野 耕一郎; 浅野 博之; 石山 達也; 伊藤 崇; 大越 清紀; 小栗 英知; 近藤 恭弘; 川根 祐輔; 菊澤 信宏; 佐藤 福克; et al.
Proceedings of 13th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.310 - 313, 2016/11
単位面積当たりの熱負荷を減らすため、67のビーム入射角を有するビームスクレーパをJ-PARCリニアックのRFQとDTLの間のMEBTで使用している。67ビームスクレーパは粒子数1.47E22個のHビームによって照射された。レーザ顕微鏡を用いてスクレーパのビーム照射による損傷部を観察すると、高さ数百mの突起物が無数にあった。ビームスクレーパの耐電力を調べるため、3MeVリニアックを新たに構築した。2016年末にスクレーパ照射試験を実施する予定である。今回は、J-PARCリニアックのビームスクレーパの現状、及び、ビームスクレーパの照射試験に用いる3MeVリニアックについて報告する。
内藤 富士雄*; 穴見 昌三*; 池上 清*; 魚田 雅彦*; 大内 利勝*; 大西 貴博*; 大場 俊幸*; 帯名 崇*; 川村 真人*; 熊田 博明*; et al.
Proceedings of 13th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.1244 - 1246, 2016/11
いばらき中性子医療研究センターのホウ素中性子捕獲療法(iBNCT)システムは線形加速器で加速された8MeVの陽子をBe標的に照射し、中性子を発生させる。この線形加速器システムはイオン源, RFQ, DTL, ビーム輸送系と標的で構成されている。このシステムによる中性子の発生は2015年末に確認されているが、その後システムの安定性とビーム強度を共に高めるため多くの改修を施した。そして本格的なビームコミッショニングを2016年5月中旬から開始する。その作業の進展状況と結果を報告する。
二ツ川 健太*; 小林 鉄也*; 佐藤 福克; 篠崎 信一; Fang, Z.*; 福井 佑治*; 溝端 仁志; 道園 真一郎*
Proceedings of 13th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.327 - 331, 2016/11
J-PARCリニアックは、RFQ下流のビーム輸送路(MEBT1)に設置されているRFチョッパ空洞で不必要なビームを蹴ることにより、中間パルスと呼ばれる櫛形構造のビームを生成している。RFQ下流の空洞では中間パルス形状を持つビームが通過すると、必然的にこのビーム形状の負荷がある。現在までは、ビーム電流を設計値で運転していないこともあり、中間パルス形状に対応した負荷補償ではなく、平均的なビーム電流を仮定した矩形の負荷補償を行ってきた。しかし、ビーム電流の増加でビーム負荷が大きくなるに伴い、RFの要求精度を満たすことが難しくなってきた。そこで、中間パルス形状に対応したビーム負荷補償の試験を実施した。Q値が高いSDTL及びDTLに対する中間パルス形状に対応したビーム負荷補償システムは、良好な結果を得られた。一方で、972MHzのACSに対するビーム負荷補償システムは隣接するモードを励振してしまうということが明らかになり、システムの改良が求められる。
Morales, A. I.*; Benzoni, G.*; Watanabe, H.*; 西村 俊二*; Browne, F.*; Daido, R.*; Doornenbal, P.*; Fang, Y.*; Lorusso, G.*; Patel, Z.*; et al.
Physical Review C, 93(3), p.034328_1 - 034328_14, 2016/03
被引用回数:26 パーセンタイル:84.54(Physics, Nuclear)Low-lying excited states in Ni have been investigated at RIKEN by studying the decay of Co to Ni. Co was separated with BigRIPS, implanted into the WaS3ABi Silicon array, and the ray measured using the EURICA spectrometer. From the analysis, 60 new -ray transitions and 21 new levels in Ni were observed. The new experimental information is compared to shell-model calculations which include neutron excitation across the shell. The calculations reproduce rather well the observed states, implying that a clear understanding of these low-lying excitations has been achieved.
Benzoni, G.*; Morales, A. I.*; Watanabe, H.*; 西村 俊二*; Coraggio, L.*; Itaco, N.*; Gargano, A.*; Browne, F.*; Daido, R.*; Doornenbal, P.*; et al.
Physics Letters B, 751, p.107 - 112, 2015/12
被引用回数:20 パーセンタイル:76.63(Astronomy & Astrophysics)The decays of Mn have been measured at the RIBF facility at RIKEN using the EURICA spectrometer combined with an active stopper consisting of a stack of Si detectors. Half-lives and -delayed neutron emission probabilities have been extracted for these decays, together with first experimental information on excited states populated in Fe. The data indicate a continuously increasing deformation for Fe isotopes up to A=70, and interpreted to be due to the interplay between quadrupole correlation of specific neutron orbitals and the monopole component of the proton-neutron interaction.
二ツ川 健太*; 小林 鉄也*; 佐藤 文明; 篠崎 信一; 千代 悦司; 平野 耕一郎; Fang, Z.*; 福井 佑治*; 堀 利彦; 道園 真一郎*
Proceedings of 12th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.1317 - 1320, 2015/09
J-PARCリニアックでは、RFQ下流のビーム輸送路(MEBT1)に設置されているRFチョッパ空洞で不必要なビームを蹴ることにより、中間パルスと呼ばれる櫛形構造のビームを生成している。蹴り出されたビームは、RFチョッパ空洞の約70cm下流に設置されているスクレーパに導かれる。このスクレーパは、ビーム電流を50mAに増強したとき熱負荷が増大して、利用運転に耐えないことが予想された。そこで、スクレーパ2式をビームライン上に鏡対象に用意して、1式あたりの熱負荷の低減することにした。そのためには、チョッパの位相を180度反転させて各スクレーパにビームを正確に導く必要があった。位相反転はLLRFシステムで実施され、25Hzのマクロパルス毎と1.227MHzの中間パルス毎に変更する方法を用意した。本件は、RFチョッパ空洞の位相反転制御システムを紹介するとともに、ビームを用いた試験結果を報告する。
平野 耕一郎; 近藤 恭弘; 川根 祐輔; 篠崎 信一; 三浦 昭彦; 森下 卓俊; 澤邊 祐希; 杉村 高志*; 内藤 富士雄*; Fang, Z.*; et al.
Proceedings of 12th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.944 - 947, 2015/09
J-PARC加速器リニアックの運転には、ビーム電流を50mAに増強する必要があるため、2014年にJ-PARCリニアックのイオン源、RFQ、及び、MEBT1の改造を行った。RFチョパ空洞とビームスクレーパがRFQとDTLの間にあるMEBT1の領域に設置されている。50mAビーム運転においてビームロスが増加するため、電極の間隔やビームパイプの内径を拡げた新RFチョッパ空洞を製作して、置き換えを行った。また、RFチョッパによって蹴られた高負荷ビームを受けるため、2台の新しいスクレーパを設置した。本件では、RFチョッパシステムとスクレーパのビーム照射試験結果について報告する。
近藤 恭弘; 森下 卓俊; 山崎 宰春; 堀 利彦; 澤邊 祐希; 千代 悦司; 福田 真平; 長谷川 和男; 平野 耕一郎; 菊澤 信宏; et al.
Physical Review Special Topics; Accelerators and Beams, 17(12), p.120101_1 - 120101_8, 2014/12
被引用回数:6 パーセンタイル:41.95(Physics, Nuclear)J-PARCのビーム電流増強用の新しいRFQ(RFQ III)のビーム試験を行った。まず、RFQ IIIのコンディショニングが行われ、20時間のコンディショニング後に、400kW、デューティーファクター1.5%の非常に安定なRF入力を達成した。次に、加速器トンネルに設置する前にオフラインのビームテストを行った。50mA負水素ビームの透過率、エミッタンス、エネルギー分散を測定し、シミュレーションと比較した。実験結果とシミュレーションは良い一致を示し、RFQ IIIが設計通りの性能を発揮していることが示された。
小栗 英知; 長谷川 和男; 伊藤 崇; 千代 悦司; 平野 耕一郎; 森下 卓俊; 篠崎 信一; 青 寛幸; 大越 清紀; 近藤 恭弘; et al.
Proceedings of 11th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.389 - 393, 2014/10
J-PARCリニアックでは現在、ビームユーザに対する利用運転を行うとともに、リニアック後段の3GeVシンクロトロンにて1MWビームを加速するためのビーム増強計画を進めている。リニアックのビーム増強計画では、加速エネルギー及びビーム電流をそれぞれ増強する。エネルギーについては、181MeVから400MeVに増強するためにACS空洞及びこれを駆動する972MHzクライストロンの開発を行ってきた。これら400MeV機器は平成24年までに量産を終了し、平成25年夏に設置工事を行った。平成26年1月に400MeV加速に成功し、現在、ビーム利用運転に供している。ビーム電流増強では、初段加速部(イオン源及びRFQ)を更新する。イオン源はセシウム添加高周波放電型、RFQは真空特性に優れる真空ロー付け接合タイプ空洞をそれぞれ採用し、平成25年春に製作が完了した。完成後は専用のテストスタンドにて性能確認試験を行っており、平成26年2月にRFQにて目標の50mAビーム加速に成功した。新初段加速部は、平成26年夏にビームラインに設置する予定である。
二ツ川 健太*; 伊藤 雄一; 菊澤 信宏; 小林 鉄也*; 佐藤 文明; 篠崎 信一; 鈴木 隆洋*; Fang, Z.*; 福井 佑治*; 道園 真一郎*
Proceedings of 10th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.1126 - 1129, 2014/06
J-PARC加速器全体のタイミングシステムとして、12MHzクロック, 50Hzトリガ, タイプコードと呼ばれる制御ワード信号の3種類の信号が使用されている。それらの信号は、中央制御室で生成され、光信号で各加速器施設に分配される。リニアックでも、地上部のクライストロンギャラリの上流部で各信号を受け取り、そこで分岐され、各ステーションに分配される。ただし、ここでの分岐・分配システムは、光信号をO/Eモジュールで受信して電気信号に変換し、FANOUTモジュールを使用して電気的に分岐、それの信号をE/Oモジュールで再度光信号に変換して各ステーションに分配するという非効率的な構成となっていた。ここでは、多大なモジュール数を必要としたために度々の故障事例があり、隣には温度に敏感なLLRFのラックが納入されていたこともあり排熱などが問題になった。そこで、2013年の夏季シャットダウン中に光アンプと光カプラを使用したシステムを導入する予定である。この導入によりシンプルなシステム構成となり、トラブル数を低減できると期待できる。