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Ajayi, S.*; Tripathi, V.*; Rubino, E.*; Bhattacharya, S.*; Baby, L. T.*; Lubna, R. S.*; Benetti, C.*; Wibisono, C.*; Wheeler, M. B.*; Tabor, S. L.*; et al.
Physical Review C, 109(1), p.014305_1 - 014305_21, 2024/01
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Physics, Nuclear)フロリダ州立大学のタンデム加速器にてCo, NiとCoの励起状態を生成し、そこからの脱励起ガンマ線からエネルギー準位を得た。Coについてはまでの、Niについてはまでの高スピン状態が得られた。これらの結果を殻から-軌道に1個までの励起を許す大規模殻模型計算と比較した結果、スピンがかなり大きなもの以外のイラスト状態の励起エネルギーをよく再現した。再現できなかった高スピン状態は、多粒子多空孔励起が主であると考えられる。また、殻模型計算からは、これらの高スピン状態のいくつかは遷移強度が強いバンドと考えられる。
Bhattacharya, S.*; Tripathi, V.*; Rubino, E.*; Ajayi, S.*; Baby, L. T.*; Benetti, C.*; Lubna, R. S.*; Tabor, S. L.*; Dring, J.*; 宇都野 穣; et al.
Physical Review C, 107(5), p.054311_1 - 054311_17, 2023/05
被引用回数:2 パーセンタイル:62.66(Physics, Nuclear)フロリダ州立大学の加速器にて、Ti(C, 3)反応を用いてNiの高スピン励起状態を生成し、そこからの脱励起ガンマ線を測定してエネルギー準位を得た。さらに、DCO比と偏極非対称の測定データから、それぞれのエネルギー準位のスピンパリティを決定した。その結果、4つのバンド構造を得た。そのうちの2つは隣り合うエネルギー準位間の角運動量の差が1である、バンドであることがわかった。大規模殻模型計算によってエネルギー準位と電磁遷移強度を計算したところ、2つのバンドは理論計算とよく一致し、1つはで遷移行列要素が強いバンド、もう1つはで遷移行列要素が比較的強いバンドであることがわかった。ニッケル原子核は球形核であるが、高スピンになると空間的対称性が破れた状態が出現するという知見が得られた。
Tripathi, V.*; Bhattacharya, S.*; Rubino, E.*; Benetti, C.*; Perello, J. F.*; Tabor, S. L.*; Liddick, S. N.*; Bender, P. C.*; Carpenter, M. P.*; Carroll, J. J.*; et al.
Physical Review C, 106(6), p.064314_1 - 064314_14, 2022/12
被引用回数:4 パーセンタイル:62.14(Physics, Nuclear)ミシガン州立大学の国立超伝導サイクロトロン研究所にて、中性子過剰なリン、硫黄同位体を生成し、そこからのベータ崩壊半減期および娘核の励起準位を測定した。Pの崩壊によって得られるエネルギー準位から、この原子核の基底状態はあるいはであることが示唆された。中性子数が偶数の硫黄同位体からの崩壊様式を系統的に調べた結果、中性子数が増えるにつれてガモフテラー遷移強度の大きな準位の励起エネルギーが高くなることがわかった。これは、大規模殻模型計算によって予言されている現象に一致する。
Abromeit, B.*; Tripathi, V.*; Crawford, H. L.*; Liddick, S. N.*; 吉田 聡太*; 宇都野 穣; Bender, P. C.*; Crider, B. P.*; Dungan, R.*; Fallon, P.*; et al.
Physical Review C, 100(1), p.014323_1 - 014323_14, 2019/07
被引用回数:2 パーセンタイル:21.69(Physics, Nuclear)中性子過剰核Al, Siとその娘核からのベータ崩壊をミシガン州立大学の国立超伝導サイクロトロン研究所において調べた。ベータ崩壊で得られた準位構造を大規模殻模型計算と比較し、実験と理論の良い一致が得られることがわかった。さらに、脱励起ガンマ線の強度から、それぞれの準位にベータ遷移する強度を表す値を引き出した。これら奇核のベータ崩壊で得られた低励起状態への値は偶偶核からのものよりも強くフラグメントしていることがわかった。これは、大規模殻模型計算で予言されたガモフテラー遷移強度の分布に対する一般的傾向に合致した結果である。
Tripathi, V.*; Lubna, R. S.*; Abromeit, B.*; Crawford, H. L.*; Liddick, S. N.*; 宇都野 穣; Bender, P. C.*; Crider, B. P.*; Dungan, R.*; Fallon, P.*; et al.
Physical Review C, 95(2), p.024308_1 - 024308_7, 2017/02
被引用回数:7 パーセンタイル:49.56(Physics, Nuclear)ミシガン州立大の超伝導サイクロトロン施設にて中性子過剰核SiからPへのベータ崩壊を測定した。親核の基底状態からガモフテラー遷移で強く遷移するPの状態を下から3本観測することができた。これらの状態はコア励起を伴う異常パリティ状態であるにも関わらず、励起エネルギーが1-2MeV領域と低く出現することがわかった。これらの状態の励起エネルギーおよび値は殻模型計算によってよく再現できた。状態よりも状態でガモフテラー遷移強度が大きくなるという実験結果を、これらの原子核の殻構造の観点から理解できることを示した。
Bender, P. C.*; Tabor, S. L.*; Tripathi, V.*; Hoffman, C. R.*; Hamilton, L.*; Volya, A.*; Clark, R. M.*; Fallon, P.*; Macchiavelli, A. O.*; Paschalis, S.*; et al.
Physical Review C, 85(4), p.044305_1 - 044305_10, 2012/04
被引用回数:12 パーセンタイル:55.45(Physics, Nuclear)24MeVのOビームとOターゲットの反応で生じるプロトンと同時計数をとった崩壊の解析によってPの励起準位は大幅に拡張された。軽い荷電粒子はMicroballによって検出され、同時に放出される多重線はGammasphereで検出された。多くの新しい線遷移が同定され、励起準位が構築された。加えて、線角度分布からスピンが特定され、パリティはドップラー幅拡がりの解析によって決定された寿命から推定された。観測されたほとんどの準位は0か1軌道に粒子を持つWBP-aとSDPF-NR相互作用を使ったシェルモデル計算によって理解された。2つの計算は約200keVの範囲でよく一致した。しかし、高エネルギー準位の2つはstretched 準位であるかもしれないが、計算はそれらのエネルギーを2から3MeVオーバーしている。さらに新しく観測された長寿命7919-keVは今のところ説明ができない。
Daecon, A. N.*; Smith, J. F.*; Freeman, S. J.*; Janssens, R. V. F.*; Carpenter, M. P.*; Hadinia, B.*; Hoffman, C. R.*; Kay, B. P.*; Lauritsen, T.*; Lister, C. J.*; et al.
Physical Review C, 82(3), p.034305_1 - 034305_7, 2010/09
被引用回数:24 パーセンタイル:76.72(Physics, Nuclear)Mgは、中性子数20の魔法数が消滅する「逆転の島」と呼ばれている領域の境界にあたり、その詳しい核構造は興味が持たれている。この研究では、アルゴンヌ国立研究所においてMgの励起状態をC(O,2)反応にて生成し、そこからの脱励起線を観測することによってエネルギー準位を構築した。その結果、励起エネルギー2-4MeV領域に魔法数消滅が起きないことを前提とした理論計算では得られない状態が複数観測された。モンテカルロ殻模型による大規模計算と比較したところ、これらの状態は、2個の中性子が中性子数20の殻ギャップを超えて励起した状態と対応させることができた。すなわち、Mgではかなり低い励起エネルギーに殻ギャップを超えた励起状態が存在することが明らかとなり、「逆転の島」の境界に属することがはっきりした。
Tripathi, V.*; Tabor, S. L.*; Mantica, P. F.*; 宇都野 穣; Bender, P.*; Cook, J.*; Hoffman, C. R.*; Lee, S.*; 大塚 孝治*; Pereira, J.*; et al.
Physical Review Letters, 101(14), p.142504_1 - 142504_4, 2008/10
被引用回数:52 パーセンタイル:86.11(Physics, Multidisciplinary)ミシガン州立大学国立超伝導サイクロトロン研究所で、中性子過剰核Mgからのベータ崩壊から、Alの励起状態を初めて観測した。その結果、1618keVから上に多数の励起状態が存在することがわかった。Alは中性子数20魔法数が消滅する原子核の領域、いわゆる「逆転の島」と呼ばれる領域の端に属し、その核構造は魔法数消滅の理解に対して重要な情報を与える。実験で得られたエネルギー準位を発表者らのモンテカルロ殻模型計算と比較した結果、第一励起状態の位置など全体的に良い一致が見られた。これは、モンテカルロ殻模型で予言する、0粒子0空孔状態と2粒子2空孔状態の共存を示している。また、ベータ崩壊のlog値から、親核Mgの基底状態は正パリティを持つことが示唆されるが、これは磁気モーメントで示唆される負パリティの基底状態と食い違っていることがわかった。この解釈については、今後の実験及び理論研究の課題として残った。
Tripathi, V.*; Tabor, S. L.*; Bender, P.*; Hoffman, C. R.*; Lee, S.*; Pepper, K.*; Perry, M.*; Mantica, P.*; Cook, J. M.*; Pereira, J.*; et al.
Physical Review C, 77(3), p.034310_1 - 034310_8, 2008/03
被引用回数:33 パーセンタイル:83.45(Physics, Nuclear)ミシガン州立大学超伝導サイクロトロン研究所にて、Naからのベータ崩壊によってMgの励起状態を観測した。これまで約2.1MeVにあるとされてきた励起状態に対応する線は、より高励起状態のものであることがわかり、新たなエネルギー準位を提案した。この実験結果を機構でなされたモンテカルロ殻模型計算の結果と比較した。親核Naのスピン・パリティは測定されていないが、モンテカルロ殻模型計算の予言と、実験のベータ崩壊パターン(へ直接ベータ崩壊しない)ことから、負パリティ状態であると考えられる。計算で予言されるもしくはの基底状態は実験の崩壊パターンと矛盾しないことがわかった。また、親核の配位は3粒子2空孔状態と考えられるため、強くベータ崩壊する状態は3粒子3状態であることを指摘し、実験で得られた状態の配位を提案した。
Tripathi, V.*; Tabor, S. L.*; Mantica, P. F.*; 宇都野 穣; Bender, P.*; Cook, J. M.*; Hoffman, C. R.*; Lee, S.*; 大塚 孝治*; Pereira, J.*; et al.
Physical Review C, 76(2), p.021301_1 - 021301_5, 2007/08
被引用回数:28 パーセンタイル:82.27(Physics, Nuclear)Na核が中性子20の魔法数が消滅している原子核であるということは、その電気的四重極モーメントと磁気双極子モーメントの実験データを定量的に説明することにより、われわれによって3年前初めて明らかにされた。従来基底状態に来ると思われていた正常状態がどこにあるかというのは、中性子過剰核で殻ギャップがどの程度かを知る大きな手がかりとなる。この論文は、ミシガン州立大学国立超伝導サイクロトロン研究所で行われたNeのベータ崩壊に伴う線分光実験により、Naで初めて正常状態を観測したことを報告したものである。実験の結果、励起エネルギーが924keVの1状態へ崩壊するlog値が第一励起状態への値よりもはるかに小さく、Neの中性子配位と924keVの状態の中性子配位が大きく異なっていることがわかった。われわれは新たにモンテカルロ殻模型計算でベータ崩壊確率を計算するコードを開発し、その結果、予言される正常状態へのlog値と極めて近いことが確かめられた。すなわち、924keVの状態は正常状態であることが強く示唆され、中性子過剰核の殻ギャップの進化に対する大きな証拠となった。
Tripathi, V.*; Tabor, S. L.*; Hoffman, C. R.*; Wiedeking, M.*; Volya, A.*; Mantica, P. F.*; Davies, A. D.*; Liddick, S. N.*; Mueller, W. F.*; Stolz, A.*; et al.
Physical Review C, 73(5), p.054303_1 - 054303_10, 2006/05
被引用回数:39 パーセンタイル:87.42(Physics, Nuclear)アメリカ・ミシガン州立大学にある超伝導サイクロトロンを用いて生成された中性子過剰のネオン同位体のベータ崩壊により、その娘核のナトリウム同位体のエネルギー準位を測定した。その一部のデータは、同じ著者により既にPhysical Review Letters誌に発表されたが、この論文はNaの3種類の核種のデータをまとめたものである。この研究で、Naでは魔法構造を破った状態が非常に低い励起状態で現れることを初めて見いだした。これは、原子力機構で行っているモンテカルロ殻模型を用いた理論計算との対応で初めて明らかになったことである。また、Naでは、正常パリティ状態の範囲内では低励起状態においてそのような状態を発見することはできなかったが、このことはやはり理論計算と一致する。これら一連の研究で、ナトリウムのような陽子数の少ない同位体においては、中性子数20の殻ギャップが小さく、むしろ16の殻ギャップの影響が大きいことという理論が妥当と確かめられた。
Tripathi, V.*; Tabor, S. L.*; Mantica, P. F.*; Hoffman, C. R.*; Wiedeking, M.*; Davies, A. D.*; Liddick, S. N.*; Mueller, W. F.*; 大塚 孝治*; Stolz, A.*; et al.
Physical Review Letters, 94(16), p.162501_1 - 162501_4, 2005/04
被引用回数:68 パーセンタイル:88.33(Physics, Multidisciplinary)中性子数20の魔法数が中性子過剰核で消滅することは知られているが、このことが起きる要因の一つとして、中性子過剰核においては殻ギャップエネルギーそのものが安定核のものよりもかなり狭まるということを、われわれはモンテカルロ殻模型計算に基づいて提唱してきた。これが実際に正しいとすると、中性子数が20よりも少ない原子核の励起エネルギーにその痕跡が見られることが予言されるが、この論文でなされた、Ne核によるベータ崩壊から得られたNaの準位の測定で、予言されたものに対応する準位が初めて測定された。中性子18を持つNaではこれまで励起状態が全く知られていなかったが、この実験によって1.5MeV近傍に2本、log(ft)値から明らかに正パリティでかつ、中性子数20の魔法構造を破った状態があることがわかった。同時にNaの励起状態も測定し、この核の低励起状態にはそのような状態がないこともわかった。これらの実験結果はモンテカルロ殻模型による予言によく対応しており、魔法数の変化のメカニズムに対してさらに深い理解を与えたものである。