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西塔 祐稀*; 石渡 翔丸*; 堀内 美里*; 西木 悠人*; 菊池 亮佑*; 大竹 翼*; 川喜田 竜平; 高山 裕介; 三ツ井 誠一郎; 佐藤 努*
資源・素材講演集(インターネット), 11(1), 7 Pages, 2024/03
地下を利用した様々な工学技術(地層処分、地下貯留、石油増進回収等)において、人工バリアや岩盤のセメンテーションが注目されている。しかし、どのような鉱物でどのようにセメンテーションが進行して、どのような物性に変化するのかについての理解は不十分である。それらの理解のためには、実験室でセメンテーションを再現すること、セメンテーション後の構造の変化や物性の変化を詳細に調べることが重要となる。そこで本研究では、難透水性のベントナイト(乾燥密度0.6Mg/m)と、NaSiO溶液を用いて70Cで浸漬および通水実験を行い、その後の内部構造、鉱物組成、透水係数の変化等を調べた。走査電子顕微鏡での観察結果から、浸漬および通水実験ともに、ベントナイトの空隙を埋めるようにナトリウムシリケート水和物(NSHあるいはNASH)が確認された。また、通水実験では、通水時間が長くなるにつれて透水係数の低下が認められた。本研究で示されたセメンテーション法やセメンテーション後の物性変化の詳細な検討法は、セメントとともに地下に設置されるベントナイトの物性変化や、貯留岩へのアルカリ攻法による帽岩への影響を調べる上で有用なものになると考えられる。
永井 崇之; 岡本 芳浩; 山岸 弘奈*; 柴田 大輔*; 小島 一男*; 長谷川 毅彦*; 佐藤 誠一*; 深谷 茜音*; 畠山 清司*
JAEA-Research 2023-004, 45 Pages, 2023/09
ホウケイ酸ガラス中のガラス成分や廃棄物成分の局所構造は、その化学組成によって変化する。本研究は、ガラス固化体を模擬したガラス(以下、模擬廃棄物ガラス)を対象に軟X線領域のXAFS測定を実施し、原料ガラス成分のホウ素(B)やケイ素(Si)、廃棄物成分の鉄(Fe)やセシウム(Cs)の化学的状態等を評価した。模擬廃棄物ガラスの化学的安定性を把握するため、浸出試験に供したガラス表面を対象に、BのK吸収端、FeのL、L吸収端及びCsのM、M吸収端のXANESスペクトル測定を行った。その結果、浸出液に曝露されたガラス表面は変化し、明瞭なXANESスペクトルが得にくくなることが分かった。BのK吸収端XANESスペクトルから、浸出試験後の試料表面は未浸漬の試料表面と比較してB-Oの3配位構造(BO)が増加し、4配位構造(BO)が減少する傾向を確認した。FeのL、L吸収端及びCsのM、M吸収端のXANESスペクトルから、浸漬時間が長くなるに従って、ガラス表面に存在するCsが浸出液中へ溶出することを確認した。未浸漬の模擬廃棄物ガラスを対象に、SiのK吸収端XANESスペクトルを測定した結果、NaO濃度によるXANESスペクトルの変化が廃棄物成分濃度による変化より大きいことを確認した。
岡本 芳浩; 塩飽 秀啓; 嶋村 圭介*; 小林 秀和; 永井 崇之; 猪瀬 毅彦*; 佐藤 誠一*; 畠山 清司*
Journal of Nuclear Materials, 570, p.153962_1 - 153962_13, 2022/11
モリブデンの溶解度を高める効果があるリンを含む模擬核廃棄物ガラス試料を作製し、放射光X線吸収微細構造(XAFS)分析によりいくつかの構成元素を、ラマン分光分析によりその配位構造を分析した。分析では、リンの添加量や廃棄物積載率の違いによる局所構造および化学状態の変化を系統的に調べた。その結果、最大廃棄物量30wt%(MoO 1.87mol%に相当)においても、モリブデン酸塩化合物による結晶相は観察されなかった。廃棄物充填率を上げると酸化が進行し、リンを添加すると還元が進行した。さらに、それらの酸化と還元の効果が相殺されるケースもみられた。特定元素の周辺局所構造は、主に廃棄物充填率の影響を受けるZn、廃棄物充填率とリン添加の両方の影響を受けるCe、どちらの影響も受けないZr元素に分類された。Moと他の元素の分析結果の比較から、添加したリンは遊離されたPO構造単位として存在し、モリブデン酸イオンに配位するアルカリ金属を奪い取っている可能性があると考えられた。
永井 崇之; 岡本 芳浩; 山岸 弘奈*; 小島 一男*; 猪瀬 毅彦*; 佐藤 誠一*; 畠山 清司*
JAEA-Research 2022-008, 37 Pages, 2022/10
ホウケイ酸ガラス中のガラス成分や廃棄物成分の局所構造は、その化学組成によって変化する。本研究は、原料ガラスや模擬廃棄物ガラスを対象に軟X線領域のXAFS測定を実施し、原料ガラス成分のホウ素(B)やケイ素(Si)、廃棄物成分の鉄(Fe)やセシウム(Cs)の化学的状態等を評価した。模擬廃棄物ガラスの化学的安定性を把握するため、浸出試験に供した模擬廃棄物ガラス表面を対象に、FeのL、L吸収端及びCsのM、M吸収端XANESスペクトルを測定した。その結果、浸出時間の経過とともにガラス試料重量の減少や浸出液中の溶出元素濃度の増加が確認された状況と同様、CsのM、M吸収端XANESスペクトルが消失し、FeのL、L吸収端スペクトル形状が変化することを確認した。また、浸出試験後の模擬廃棄物ガラスは、ラマン分光測定でも観察されたように表面に化合物層を形成するため、明瞭なBのK吸収端XANESスペクトルは得られないことが分かった。NaO濃度によるSi局所構造への影響を確認するため、NaO濃度が異なる原料ガラスを対象に、全電子収量法(PEY)でSiのK吸収端XANESスペクトルを測定した。その結果、NaO濃度が高くなるとSiのK吸収端ピークエネルギーは低下し、7wt%NaO前後でピーク強度が高くなることを確認した。
永井 崇之; 岡本 芳浩; 山岸 弘奈*; 太田 俊明*; 小島 一男*; 猪瀬 毅彦*; 佐藤 誠一*; 畠山 清司*
JAEA-Research 2021-010, 62 Pages, 2022/01
ホウケイ酸ガラス中のガラス成分や廃棄物成分の局所構造は、その化学組成によって変化する。本研究は、原料ガラスや模擬廃棄物ガラス試料を対象に軟X線領域のXAFS測定を実施し、ホウ素(B),酸素(O)やケイ素(Si)及び廃棄物成分の鉄(Fe)やセシウム(Cs)の化学的状態及び局所構造を評価した。化学組成や原料ガラス形態が異なるガラス試料をXAFS測定し、B及びOのK吸収端XANESスペクトルを比較すると、NaO濃度がB-Oの配位構造へ与える影響は廃棄物成分濃度による影響よりも大きく、OのK吸収端前に出現するプリエッジの高さはガラス試料に含まれるFe等の第一遷移金属元素の濃度に依存することが分かった。長期化学的耐久性を評価した浸出試験前後のガラス試料表面をXAFS測定し、OのK吸収端XANESスペクトルから、浸出試験後試料表面に新たな化合物相が形成した可能性があり、ラマン分光測定結果からも浸出試験後の試料表面状態に変化が観察された。またCsのM吸収端のXANESスペクトルから、浸出試験後試料表面のCsの消失が確認でき、Csは浸出液へ溶出し易いと考えられる。NaO濃度が異なる原料ガラスと希土類酸化物を添加したガラス試料を対象に、SiのK吸収端XANESスペクトルを測定した結果、NaO濃度が高くなるに従いSiのK吸収端ピークが低エネルギー側にシフトし、また希土類酸化物の種類によってSi周辺構造への影響が異なることを確認した。
永井 崇之; 岡本 芳浩; 山岸 弘奈*; 太田 俊明*; 小島 一男*; 猪瀬 毅彦*; 佐藤 誠一*; 畠山 清司*
JAEA-Research 2020-009, 48 Pages, 2020/09
廃棄物ガラス中のガラス成分や廃棄物成分の局所構造は、その廃棄物ガラスの化学組成によって変化する。本研究では原料ガラスや模擬廃棄物ガラス試料を作製し、軟X線領域のXAFS測定によりホウ素(B),酸素(O)及び廃棄物成分のセリウム(Ce)やセシウム(Cs)等の化学的状態及び局所構造を評価した。化学組成や原料ガラス形態等が異なるガラス試料を対象に、BのK吸収端XANESスペクトルを測定した結果、NaO濃度が高くなるとB-Oの4配位sp構造(BO)の存在比が高まる傾向を確認した。また、OのK吸収端XANESスペクトルを測定した結果、OのK吸収端スペクトルで観察されるプリエッジの高さは、試料中のFe濃度に依存することを確認した。長期化学的耐久性を評価した浸出試験前後のガラス試料表面を対象に、BのK吸収端XANESスペクトルを測定した結果、浸出試験後に試料表面のB-Oの4配位sp構造(BO)の存在比が高まる傾向を確認した。また、CeやCsのM吸収端等のXANESスペクトルを測定した結果、表層に存在するCeは浸出試験により酸化され、表層のCsの多くが浸出試験後に失われていることを確認した。また、XAFS測定に供したガラス試料の状態をラマン分光測定で確認した結果、原料ガラス形態や作製方法によって同様な化学組成であってもラマンスペクトルが異なることを確認した。
永井 崇之; 捧 賢一; 岡本 芳浩; 塩飽 秀啓; 山岸 弘奈*; 太田 俊明*; 猪瀬 毅彦*; 佐藤 誠一*; 畠山 清司*; 高橋 友恵*; et al.
JAEA-Research 2019-003, 94 Pages, 2019/09
廃棄物ガラス中のガラス成分や廃棄物成分の局所構造は、固化体の化学組成によって変化する。本研究は、リン又はバナジウムを添加したホウケイ酸ガラスと模擬廃液から模擬廃棄物ガラス試料を作製し、廃棄物濃度によるガラス成分の軽元素や廃棄物成分の希土類元素等の化学状態及び局所構造をXAFS測定により評価した。
永井 崇之; 岡本 芳浩; 塩飽 秀啓; 猪瀬 毅彦*; 佐藤 誠一*; 畠山 清司*; 廣野 和也*; 本間 将啓*; 小林 博美*; 高橋 友恵*; et al.
JAEA-Research 2018-007, 87 Pages, 2018/11
本研究は、資源エネルギー庁の「放射性廃棄物の減容化に向けたガラス固化技術の基盤研究事業」における、高レベル放射性廃液の充填率を高められる原料ガラス組成の開発として実施した。候補組成であるバナジウム(V)添加ガラス原料カレットへ模擬高レベル放射性廃液を混合溶融して作製した模擬廃棄物ガラス試料を対象に、レーザアブレーション(LA)法ICP-AES分析, ラマン分光測定及び放射光XAFS測定により評価を実施した。
岡本 芳浩; 永井 崇之; 塩飽 秀啓; 猪瀬 毅彦*; 佐藤 誠一*
日本原子力学会和文論文誌, 16(4), p.180 - 190, 2017/12
模擬ガラス中のロジウムの化学状態を調べるために、X線吸収微細構造(XAFS)およびイメージングXAFS分析を実施した。ガラス中のロジウムの化学形は、EXAFSデータの線形結合解析の結果から、84%がRhO、残り16%がRh金属と見積もられた。イメージングXAFS分析によると、ルテニウムと共存しているロジウムの化学形は、RhOであった。これは、模擬ガラス中に、安定な(Ru,Rh)O固溶体が存在することを示唆している。一方、ルテニウムと分布が一致しないロジウムの化学形は金属であった。ガラス中の金属ロジウムは、凝集体になる傾向があった。これらの結果から、ロジウムの化学状態は、ルテニウム元素の存在とその分布に強く影響を受けると結論付けられた。
八島 浩*; 関本 俊*; 二宮 和彦*; 笠松 良崇*; 嶋 達志*; 高橋 成人*; 篠原 厚*; 松村 宏*; 佐藤 大樹; 岩元 洋介; et al.
Radiation Protection Dosimetry, 161(1-4), p.139 - 143, 2014/10
被引用回数:2 パーセンタイル:16.44(Environmental Sciences)GeV領域までの中性子に対する放射化断面積は、加速器施設で生成される高エネルギー中性子の線量評価のために必要なデータである。しかし実験値の不足から、約20MeV以上のエネルギー領域において十分な精度を持つ放射化断面積データが整備されていない。本研究では、大阪大学核物理研究センター(RCNP)において開発した準単色中性子場を用いて、BiとCoの放射化断面積を測定した。使用した準単色中性子場は、386MeVのピーク成分と、より低エネルギーの成分を持つ。実験では、ビーム軸に対して0度と25度の2角度で照射を行い、25度のデータを差し引くことにより、低エネルギー成分を除去した。照射試料の放射能は、高純度ゲルマニウム検出器にて測定した。発表では、取得した実験値と同エネルギー領域における中性子及び陽子に対する他の実験値と比較する。また、汎用モンテカルロコードPHITSの計算値との比較結果も報告する。
関本 俊*; 宇都宮 敬*; 八島 浩*; 二宮 和彦*; 尾本 隆志*; 中垣 麗子*; 嶋 達志*; 高橋 成人*; 篠原 厚*; 木下 哲一*; et al.
Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 1, p.89 - 93, 2011/02
中性子入射反応断面積は、加速器施設の遮蔽設計や宇宙化学における元素合成過程の解明のために必要なデータである。しかし、約100MeV以上のエネルギー領域における実験データは乏しい。本研究では放射化法を用いて、イットリウムとテルビウムに対する287MeV中性子の反応断面積を測定した。実験は大阪大学核物理研究センター(RCNP)において、Li(p, n)反応により生成した準単色中性子ビームを用い行った。ビーム軸上に設置したイットリウムとテルビウムのサンプルに準単色中性子ビームを照射し、各サンプルの放射能を測定することにより反応断面積を導出した。また、陽子入射反応断面積を得るために、300MeV陽子ビームをサンプルに照射した実験も行った。発表では、得られた中性子入射反応断面積を示すとともに、陽子入射反応との相違点について考察する。
盛谷 浩右; 岡田 美智雄*; 佐藤 誠一*; 後藤 征士郎*; 笠井 俊夫*; 吉越 章隆; 寺岡 有殿
Journal of Vacuum Science and Technology A, 22(4), p.1625 - 1630, 2004/08
被引用回数:25 パーセンタイル:66.06(Materials Science, Coatings & Films)超熱酸素分子線によるCu{111}表面の酸化過程を放射光を光源とするX線光電子分光により調べた。酸化の効率は被服率0.5ML以下では0.6eV酸素分子線のほうが2.3eV酸素分子線よりも高い。反対に、被服率0.5ML以上では酸化はゆっくり進み2.3eV酸素分子線の方が酸化の効率が高くなる。われわれはこの遅い酸化の反応過程について運動エネルギーの直接的な移行により酸化が進行するモデルを提案した。この結果は酸素分子線のエネルギーを変えることでCu表面における酸化過程を制御できることを示している。
玉井 広史; 松川 誠; 栗田 源一; 林 伸彦; 浦田 一宏*; 三浦 友史; 木津 要; 土屋 勝彦; 森岡 篤彦; 工藤 祐介; et al.
Plasma Science and Technology, 6(1), p.2141 - 2150, 2004/02
被引用回数:2 パーセンタイル:6.49(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60定常高ベータ化計画(JT-60改修計画)の最重要課題は高ベータ,臨界クラスのパラメータを持つ高性能プラズマの100秒程度以上の維持を実証することである。このため、高ベータプラズマを達成するためのプラズマパラメータや運転シナリオ,制御手法の検討を行うとともに、超伝導磁場コイルの要素技術の開発を始め、放射線遮蔽や真空容器等の設計検討及び試験開発を行い、その成立性を確認した。本発表は、以上の物理・工学設計と試験開発の進捗状況を詳述する。
石田 真一; 阿部 勝憲*; 安藤 晃*; Chujo, T.*; 藤井 常幸; 藤田 隆明; 後藤 誠一*; 花田 和明*; 畑山 明聖*; 日野 友明*; et al.
Nuclear Fusion, 43(7), p.606 - 613, 2003/07
原型炉の経済性と環境適合性のさらなる向上を図るため、大学等との連携協力によりJT-60を超伝導トカマクへ改修する計画を推進している。目的は、原型炉と同様に強磁性体である低放射化フェライト鋼をプラズマの近くに設置して、高ベータで自発電流割合が高く、高度なダイバータ熱粒子制御を持ち、ディスラプション頻度の少ない定常運転を実現することである。JT-60の既存設備を最大限活用し、新たに導入する超伝導トロイダル及びポロイダル磁場コイルを用いて、主半径2.8m,プラズマ電流4MA,トロイダル磁場3.8Tの高非円形かつ高三角度配位のシングルヌル・プラズマの100秒運転を行う。原型炉の設計例から設定された高い達成目標の実現を目指し、高ベータプラズマ制御,高性能・高自発電流プラズマ制御,ダイバータ熱粒子制御、及びフェライト鋼のプラズマ適合性の実証という重要課題に取り組むことができるよう設計を行った。
石田 真一; 阿部 勝憲*; 安藤 晃*; Cho, T.*; 藤井 常幸; 藤田 隆明; 後藤 誠一*; 花田 和明*; 畑山 明聖*; 日野 友明*; et al.
Nuclear Fusion, 43(7), p.606 - 613, 2003/07
被引用回数:33 パーセンタイル:69.14(Physics, Fluids & Plasmas)原型炉の実現に向けて経済性と環境適合性の向上を図るため、大学等との連携協力によりJT-60を超伝導トカマクへ改修する計画を推進している。目的は、原型炉で想定されているように、強磁性体である低放射化フェライト鋼をプラズマの近くに設置して、高ベータで自発電流割合が高く、高度なダイバータ熱粒子制御をもち、ディスラプション頻度の少ない定常運転を実現することである。新たに導入する超伝導トロイダル及びポロイダル磁場コイルを用いて、主半径2.8m,プラズマ電流4MA,トロイダル磁場3.8Tの高非円形かつ高三角度配位のシングルヌル・プラズマの100秒運転を行う。既存のJT-60設備を最大限に生かし、原型炉の設計例から設定された高い達成目標の実現に向けて、高ベータプラズマ制御,高性能・高自発電流プラズマ制御,ダイバータ熱粒子制御、及びフェライト鋼のプラズマ適合性の実証という克服すべき課題に取り組むための設計を行った。
西村 一久; 庄司 修一*; 羽成 章*; 佐藤 誠一*; 木原 義之; 遠藤 秀男
JNC TN8430 2001-005, 64 Pages, 2001/09
先進的リサイクルシステムのMOX燃料製造法の有力な候補として外部ゲル化法がある。MOX試験の実施に先立ちウランを用いて基本的な機器の把握・製造条件の確認を行った。製造試験では基本的な条件の調査を行い、1)原料となる硝酸ウラニルの調製とPVA水溶液の調製試験を行い、適切な調製条件を調査した。2)液滴を生成するための滴下原液の調製、振動滴下装置による液滴生成に関する試験を行い、適切な振動数、送液速度を調査した。3)ゲル化反応の際の、原液組成、アンモニア濃度の影響を調査した。4)ゲル球の熟成・洗浄・乾燥条件について試験を行い、不純物の除去効果などを調査した。5)乾燥ゲル球の示差熱分析及び焙焼試験を行い、酸化物粒子を得た。このことで最終的な焼結粒子が得られる見通しがついた。また、特性評価などを行い、粒子直径の高い制御性や物質収支に関して技術的な問題がないことを確認した。本試験の結果、振動滴下装置を用いたゲル化法についてのMOX粒子製造試験を行う準備がほぼ整った。しかし、ゲル球の表面ひび割れなどの未解決課題については引き続きウラン試験を行い解決する必要がある。
石山 新太郎; 馬場 信一; 深谷 清; 衛藤 基邦; 秋場 真人; 佐藤 真人*; 荒木 俊光*; 山口 正治*; 山崎 誠一郎*
日本原子力学会誌, 42(7), p.669 - 677, 2000/07
ロボットによる新しいその場補修技術の確立を目的に、核融合炉実験の運転中に生じたダイバータ機器のアーマタイル/銅合金接合部の損傷部位を想定したC/Cコンポジット製アーマタイル/銅材料の繰返しろう接合試験並びに再結合材の強度試験を実施した。その結果、繰返しろう接合試験の最適条件並びに再ろう接材の強度材料を把握するとともに、再ろう接強度等の機械的特性やその信頼性が高まることを実証した。また、さらにロボット技術を前提にしたアーマタイル/銅合金接合部の損傷部位の繰返しその場補修技術に関する知見を得た。
河野 秀作; 佐藤 俊一; 後藤 明; 宮内 正美; 川又 盛克; 舘野 久夫; 前田 誠一郎
PNC TN8450 92-008, 639 Pages, 1992/06
新型転換炉「ふげん」に照射用ガドリニア燃料集合体を6体装荷するに当り、燃料の照射段階における比較評価及び照射後試験の結果を評価するために、燃料製造時に詳細なデータを採取する必要がある。本データ採取計画では、照射試験の目的を踏まえ、通常の品質管理で採取するデータに加え、従来の経験に基づき燃料性能評価上有用となるデータを燃料製造時に採取した。本報告書は2分冊から構成され、第1分冊には1.部材データ2.燃料ぺレットデータ3.燃料体(燃料要素を含む)データ第2分冊には1.燃料ペレット寸法検査ヒストグラム(外経・高さ・密度)2.燃料要素プルトニウム富化度識別チャート3.燃料要素外径測定データを収録した。なおMOX燃料ペレットの製造はプルトニウム燃料工場製造課、UO/SUB2-Gd/SUB2/O/SUB3燃料ペレットの製造と燃料棒加工はメーカー、MOX燃料加工は加工課、検査は検査課が担当し、データのとりまとめは、炉心・燃料設計室とプルトニウム燃料開発室とで協力して行った。
玉置 哲男*; 山本 博樹*; 佐藤 増雄*; 吉田 恵*; 金子 知子*; 照沼 誠一; 高津戸 裕司; 森本 誠
日本原子力学会誌, 34(7), p.665 - 677, 1992/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)知的警報処理手法を適用した「常陽」異常時運転支援システム(JOYCAT)は,プラント異常時に運転員の原因判断や状態監視を支援するもので,その診断手法は先ず設計知識を元に一律的な警報処理を行った後,その結果に対して経験的知識による例外的な処理を行う構成を採った点に特徴がある。このため診断処理の高速化と柔軟性を同時に実現できた。設計知識による警報処理は,発生警報間の各種関係を元にそれらの伝播経路を同定し,機器の自動シーケンス動作の監視,運転対応上の「重要警報」と,異常によって直接引き起こされた「原因警報」の判定,及び処置マニュアルを表示出力する。経験知識による処理では,運転経験に基づくヒューリスティクな判断や着眼点による特殊な警報処理等を行う。本システムは,運転訓練シュミレータと結合し各種異常事象のプラント情報を入力し検証試験を行った後,1990年9月に実稼働を開始した。
黒田 敏公*; 吉田 浩; 高津 英幸; 関 泰; 野田 健治; 渡辺 斉; 小泉 興一; 西尾 敏; 真木 紘一*; 佐藤 瓊介*; et al.
JAERI-M 91-133, 191 Pages, 1991/08
国際熱核融合実験炉(ITER)の概念設計は、1990年12月を以て3年間に渡る活動を終了した。この報告書はITERの概念設計の内、トリチウム増殖ブランケットに対する日本の設計検討をまとめたものである。日本は従来よりセラミック増殖材(LiO)をペブル形状で充填するブランケットを提案している。本設計においては、中性子増倍材(ベリリウム)をやはりペブル形状とし、LiOペブルと混合して充填する方式および増殖材と増倍材の共存性が問題となった場合にこれを回避することを考えた分離充填方式(多層型)の2案について検討した。これらの構造概念を示すと共に、核および熱流動、強度特性に対する解析を実施し、トリチウムインベリ評価、製作性の検討を行った。正味トリチウム増殖比はいずれのブランケットも~0.8であり、外部からの供給と合わせ、ITERの運転に対するトリチウム燃料の供給を行える見込みである。