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宮原 信哉*; 大平 直也*; 有田 裕二*; 前川 藤夫; 松田 洋樹; 佐々 敏信; 明午 伸一郎
Nuclear Engineering and Design, 352, p.110192_1 - 110192_8, 2019/10
被引用回数:5 パーセンタイル:48.18(Nuclear Science & Technology)鉛ビスマス共晶(LBE)合金は加速器駆動システム(ADS)の核破砕中性子ターゲットや冷却材として用いられ、核破砕生成物として多くの元素が生成するため、その放出および輸送挙動を評価することが重要である。そこで、J-PARCのADSターゲット試験施設(TEF-T)のLBEループについて、LBE中に生成する核破砕生成物のインベントリおよび物理化学的組成について検討した。LBE内の核破砕生成物インベントリは、PHITSコードを使用して評価した。LBE中の核破砕生成物の物理化学的組成は、350C500CのLBE運転温度及びLBE中の酸素濃度10ppb1ppmの条件下、Thermo-Calcコードを用いて計算した。計算の結果、Rb, Tl, Tc, Os, Ir, Pt, Au, Hgの8元素がすべての条件下でLBEに可溶であり、化合物は形成されなかった。Ce, Sr, Zr及びYの酸化物はLBE中でCeO, SrO, ZrOおよびYOとして安定であることが示唆された。
上殿 明良*; 谷川 庄一郎*; 大島 武; 伊藤 久義; 吉川 正人; 梨山 勇; Frank, T.*; Pensl, G.*; 鈴木 良一*; 大平 俊行*; et al.
Journal of Applied Physics, 87(9), p.4119 - 4125, 2000/05
被引用回数:12 パーセンタイル:49.24(Physics, Applied)陽電子(単色)消滅法を用いて110/cmの200keV-リン(P)注入した6H-SiCの注入層を調べた。注入は室温、800または1200で行った。室温注入では表層の注入層はアモルファス化、注入層の深部は複空孔がおもに残留していることがわかった。注入後、1700までの熱処理を行ったところ、空孔型の欠陥のアニール挙動が熱処理の温度領域によって五つに分けられた。また、800、1200注入では注入層はアモルファス化はしないが、表層に大きな空孔クラスター残留層、深部には表層に比べサイズの小さな空孔クラスターが残留することがわかった。これらの試料を1700まで熱処理すると、800注入試料の残留欠陥サイズが最も小さく、続いて1200注入試料、最も残留欠陥サイズが大きかったのが室温注入試料となり、注入後同じ温度での熱処理を行っても注入温度によって残留欠陥サイズが異なることがわかった。
大島 武; 伊藤 久義; 上殿 明良*; 鈴木 良一*; 石田 夕起*; 高橋 徹夫*; 吉川 正人; 児島 一聡; 大平 俊行*; 梨山 勇; et al.
電子技術総合研究所彙報, 62(10-11), p.469 - 476, 1999/00
イオン注入により立方晶炭化ケイ素(3C-SiC)中に発生する欠陥と熱処理による欠陥の回復を電子スピン共鳴(ESR)、陽電子消滅測定(PAS)及びフォトルミネッセンス測定(PL)により調べた。3C-SiCへ200keV-Al及びNを110 110/cmのドーズ量で室温から1200までの温度で注入した。注入後の熱処理はAr中で1400まで行った。ESR及びPL測定の結果、800以上の高温注入を行うことで照射欠陥を著しく低減できることがわかった。また、室温注入試料中の空孔型欠陥の熱処理による振る舞いをPAS測定により調べた。その結果、1400までの熱処理温度領域が空孔型欠陥の複合化、クラスタ化といった5つの領域に分けられることがわかった。
鈴木 良一*; 大平 俊平*; 上殿 明良*; Y.K.Cho*; 吉田 貞史*; 石田 夕起*; 大島 武; 伊藤 久義; 千脇 光国*; 三角 智久*; et al.
Japanese Journal of Applied Physics, Part 1, 37(8), p.4636 - 4643, 1998/08
被引用回数:28 パーセンタイル:74.39(Physics, Applied)電子リニアックを用いた高強度低速場陽子ビームラインの陽電子減速系の改善のため、種々の減速材料の陽電子再放出特性を調べた。W,SiC,GaN,SrTiO,水素終端Siの陽電子再放出率を調べた結果、一次減速材としてはW,二次減速材としてはn型SiCが最適であることが示唆された。W減速材の照射劣化機構を明らかにするために陽電子消滅測定、オージェ電子分光測定を行った結果、照射により生成される空孔クラスターと表面の炭素不純物が劣化要因であることが判明した。また劣化したW減速材の再生には、酸素中900C熱処理が有効であることが解った。さらに、W表面の酸素はポジトロニウム形成を抑制し、陽電子の再放出率を増加させることを見い出した。
上殿 明良*; 大島 武; 伊藤 久義; 鈴木 良一*; 大平 俊平*; 谷川 庄一郎*; 青木 康; 吉川 正人; 梨山 勇; 三角 智久*
Japanese Journal of Applied Physics, Part 1, 37(5A), p.2422 - 2429, 1998/05
被引用回数:13 パーセンタイル:53.56(Physics, Applied)単エネルギー陽電子を用いて、200keVでリン注入を行った6H-SiC中の空孔型欠陥を調べた。室温注入後に結晶に導入された空孔型欠陥のサイズはおもに二重空孔であった。注入試料を等時アニールすることで、熱処理と欠陥(結晶の回復)の関係を調べた。その結果、200C-700Cでは、単一空孔が移動し、結合することで空孔サイズが大きくなる。700C-1000Cでは、さらに大きな空孔クラスタになることがわかった。1000C-1300Cでは、空孔欠陥のサイズは減少し結晶が回復していくことがわかった。また、110/cm注入した試料は、室温での注入後は、注入層アモルファス化していること、その後1500Cまで熱処理を行っても、空孔型欠陥は消滅せず、結晶が回復しないことがわかった。
大島 武; 上殿 明良*; 伊藤 久義; 阿部 功二*; 鈴木 良一*; 大平 俊平*; 青木 康; 谷川 庄一郎*; 吉川 正人; 三角 智久*; et al.
Mater. Sci. Forum, 264-268, p.745 - 748, 1998/00
イオン注入により発生する照射欠陥とその熱アニールによる回復についての情報を得るために、陽電子消滅測定を行った。試料はCVC法により作成した立方晶シリコンカーバイド(3C-SiC)を用い、イオン注入は室温で、200keV-Nを110/cm行った。注入後の熱アニール処理は~1400Cまで行い、それぞれの温度でアルゴン中で20分間行った。陽電子消滅測定の結果、室温~1000Cまでは空孔型欠陥のサイズが増加し、空孔クラスターを形成するが、1000C以上では空孔型欠陥のサイズは減少し、1200C以上では消滅していくことが分かった。また、照射によりダメージを受けた領域の回復は結晶の奥の方から始まり、アニール温度の上昇に従って表面へ移動してくることも明らかになった。
上殿 明良*; 伊藤 久義; 大島 武; 鈴木 良一*; 大平 俊平*; 谷川 庄一郎*; 青木 康; 吉川 正人; 梨山 勇; 三角 智久*; et al.
Japanese Journal of Applied Physics, Part 1, 36(11), p.6650 - 6660, 1997/11
被引用回数:16 パーセンタイル:63.26(Physics, Applied)立方晶シリコンカーバイド(3C-SiC)へチッ素(200keV)及びアルミニウム(200keV)のイオン注入を行い、発生する欠陥を単エネルギー陽電子を用いて調べた。また、注入された3C-SiCを熱アニールすることで、欠陥がどのように振舞うかも調べた。その結果、室温注入後はおもにシリコン単一空孔と炭素空孔が結合した、ダイバーカンシーが発生することがわかった。また、それらの空孔欠陥はその後の熱処理でサイズが大きくなり、1000C付近のアニールでは空孔クラスターを形成すること、またさらに高温でアニールするとクラスターは分解し始めることがわかった。これらの振舞いは、これまで調べた炭素空孔、シリコン空孔の熱アニールの振舞いで説明できた。また、ダメージ層の回復は結晶の深部より始まり、アニール温度の上昇とともに表面の方へ向かってくることも明らかになった。
大平 博昭; 長沢 一*; 中村 寿; 林道 寛; 中本 香一郎
PNC TN9410 91-109, 83 Pages, 1991/02
平成2年度からプラント工学室で開始された60万KWeクラスの大型炉設計研究に関連して当室においてもプラント熱過渡評価等の設計研究を開始した。熱過渡評価に関する研究の中で、レファレンスとして設計されたプラントに対する熱過渡特異点の摘出や、「もんじゅ」プラントの比較等を行ない、さらにプラント全体の大まかな構成を設計するために、熱過渡に対する数多くのパラメータサーベイが迅速に行なえるコードの開発を進めている。本簡易コードはSuper-COPDをベースとすることとし、まず最初の段階として、簡易化したSuper-COPDのモデルを作成し、入力条件として、「もんじゅ」の運転条件を用いて開発を行なった。これらの検討から以下の成果がえられ、簡易コードへの反映事項が抽出できた。1)1次側及び2次側のポンプ、及びACS系及びSG前後のバルブを排除してポンプ位置及びACS系の流量変化を入力することにより、簡単にプラントの特性が解析できる。2)入力条件で大きく影響が生じるAC出口温度変化を除いては「もんじゅ」プラントと同様な応答が得られ、本簡易モデルが妥当であることがわかった。3)「もんじゅ」詳細解析結果と比較したところ、大型炉プラントは「もんじゅ」プラントに比べて、比較的速く温度変化が伝播することがわかった。今後、さらに各種パラメータを変更した解析、及び「もんじゅ」詳細解析モデルを本モデルにあてはめた解析を通じて、本簡易モデルの妥当性の確認、及び必要箇所のモデルを変更する予定である。
大平 一郎*; 堀 剛治郎; 小林 弘雄
JAERI 1150, 7 Pages, 1967/11
原研東海研究所では、定期的に一般健康診断のほかに血液検査,眼科,皮膚科の健康診断,尿検査を実施している。著者らはこれら諸検査の中で、放射線障害と特に関係の深い血液検査の成績を中心に、昭和36年度から41年度について検討を加えた。その結果、白血球数,リンパ球数に年々減少の傾向を認めた。その原因は不明であるが、この現象は、おそらく一般的傾向ではないかと考えられる。また、尿検査が糖尿病その他の疾患の早期発見に、きわめて価値あることを認めた。
大平 一郎*; 小林 佑吉; 小林 弘雄
JAERI 4040, 12 Pages, 1967/03
放射線被曝時の生物的測定法には、被爆者がフィルムバッジなどの物理学的線量測定器具を装着していない場合でも、被曝線量を推定し得る特徴がある。その生物学的線量定法に関する報告は、きわめて多く、実際にあたっては、適切な選択が必要である。そこで筆者らは、それらのうち、臨床症状、各種血球数、血液酸素、染色体などの変化に関する主な文献について、その方法、結果を検討し、評価をおこなった。その結果リンパ球数、栓球数などの各種血球数、白血球アルカリ性フォスファターゼ、尿中、BAIBAなどの測定が、特に重要であり、さらに骨髄像、染色体などの変化検討、また血中Naの測定が重要であることを示した。
古本 秀行*; 臼田 実男*; 前原 幸夫*; 今井 健太郎*; 石角 太一郎*; 本多 英俊*; 岡 潔; 梶原 直央*; 大平 達夫*; 池田 徳彦*
no journal, ,
原子力機構において技術開発を進めてきた複合型光ファイバは、高エネルギーと映像情報の両方を扱うことができる特殊なファイバである。この複合型光ファイバは、核融合炉及び大型原子力施設における保守保全技術開発に役立つ特殊ツールとして誕生した。原子炉内部の燃料集合体や熱交換器の伝熱配管など、本ファイバが役立つ狭隘箇所は数多くある。本技術は汎用性が高いため、現在では、種々の計測機器と統合された診断治療機器として医療分野への応用を積極的に推進中である。本研究では、腫瘍切除のために胸部外科手術を実施する患者に対し、複合型光ファイバスコープを予め経気管支的にアクセスさせ、肺を切除した後に肺の外部から腫瘍位置を確認することが可能かどうかについて検討を行った。この目的のため、実際に切除した人の肺の中に、複合型光ファイバスコープを挿入してアクセスした結果、腫瘍の位置が肺の外部から確認可能であることが明らかとなった。これによって、胸部外科手術の腫瘍位置確認に対する新たな手法として、複合型光ファイバスコープによるアシストが有用であることを示した。
前川 藤夫; 松田 洋樹; 明午 伸一郎; 佐々 敏信; 宮原 信哉*; 有田 裕二*; 大平 直也*
no journal, ,
加速器駆動核変換システム(ADS)の標的兼冷却材である鉛ビスマス共晶合金(LBE)中の核破砕生成物の物理化学形態評価のため、J-PARCのADSターゲット試験施設(TEF-T)のLBEループについて、PHITSコードにより核破砕生成物量を評価した。
宮原 信哉*; 大平 直也*; 有田 裕二*; 佐々 敏信; 前川 藤夫; 松田 洋樹; 明午 伸一郎
no journal, ,
ADSターゲット試験施設(TEF-T)の鉛ビスマス(LBE)中における代表的な核破砕生成元素を選定し、統合型熱力学計算システムThermo-Calcを用いてLBE中で生成され得るSP元素の化合物とそれらの濃度を1点平衡計算で求めた。