Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
奥平 琢也*; 谷 結以花*; 遠藤 駿典; Doskow, J.*; 藤岡 宏之*; 広田 克也*; 亀田 健斗*; 木村 敦; 北口 雅暁*; Luxnat, M.*; et al.
Physical Review C, 107(5), p.054602_1 - 054602_7, 2023/05
被引用回数:1 パーセンタイル:68.16(Physics, Nuclear)波共鳴と波共鳴の混合に起因するParity violationの増幅が観測されているXe+nにおける3.2eV共鳴からのガンマ線の中性子エネルギーに依存する角度分布を測定した。波共鳴からのガンマ線の遷移を同定し、1807keVの終状態に遷移する7132keVガンマ線の角度分布を評価した。この角度分布は波共鳴と波共鳴の干渉による結果と考えられており、複合核におけるParity violationの増幅メカニズムの理解に役立つ。
遠藤 駿典; 奥平 琢也*; 安部 亮太*; 藤岡 宏之*; 広田 克也*; 木村 敦; 北口 雅暁*; 奥 隆之; 酒井 健二; 嶋 達志*; et al.
Physical Review C, 106(6), p.064601_1 - 064601_7, 2022/12
被引用回数:2 パーセンタイル:52.69(Physics, Nuclear)熱外中性子入射により形成される複合核において観測された、空間反転対称性の破れの大きな増幅は、今のところ複合核状態の入射チャネルにおけるパリティの異なる部分波の混合の結果として説明されている。さらに時間反転対称性の破れも同様のメカニズムで増幅されることが示唆されている。この入射チャネルにおける混合は、複合核共鳴から放出される個々のガンマ線のエネルギー依存なスピン-角相関を引き起こす。本研究ではJ-PARC・MLF・ANNRIにて偏極熱外中性子ビームを用い、Sn()Sn反応におけるガンマ線強度分布が、中性子の偏極方向に依存することを確認した。
古賀 淳*; 高田 秀佐*; 遠藤 駿典; 藤岡 宏之*; 広田 克也*; 石崎 貢平*; 木村 敦; 北口 雅暁*; 新實 裕大*; 奥平 琢也*; et al.
Physical Review C, 105(5), p.054615_1 - 054615_5, 2022/05
被引用回数:3 パーセンタイル:66.85(Physics, Nuclear)J-PACR MLFのパルス中性子源及びBL04 ANNRIに設置されたゲルマニウム検出器を用いて、Sn(n,)反応により生じるガンマ線の中性子エネルギー依存する角度分布を測定した。Snの複合核状態からSnの基底状態への遷移で発生する9327keVのガンマ線に関して、角度によって1.33eVの波共鳴の形状が変わることが明らかに確認できた。この共鳴の低エネルギー側の積分値と高エネルギー側の積分値をそれぞれで表したとき、非対称性はcosという角度依存をし、それぞれのパラメータ値が、であることがわかった。
奥平 琢也*; 遠藤 駿典; 藤岡 宏之*; 広田 克也*; 石崎 貢平*; 木村 敦; 北口 雅暁*; 古賀 淳*; 新實 裕大*; 酒井 健二; et al.
Physical Review C, 104(1), p.014601_1 - 014601_6, 2021/07
被引用回数:4 パーセンタイル:57.13(Physics, Nuclear)Neutron energy-dependent angular distributions were observed for individual rays from the 0.74 eV -wave resonance of La+ to several lower excited states of La. The -ray signals were analyzed in a two dimensional histogram of the -ray energy, measured with distributed germanium detectors, and neutron energy, determined with the time-of-flight of pulsed neutrons, to identify the neutron energy dependence of the angular distribution for each individual rays. The angular distribution was also found for a photopeak accompanied with a faint -wave resonance component in the neutron energy spectrum. Our results can be interpreted as interference between - and -wave amplitudes which may be used to study discrete symmetries of fundamental interactions.
酒井 健二; 奥 隆之; 奥平 琢也; 甲斐 哲也; 原田 正英; 廣井 孝介; 林田 洋寿*; 加倉井 和久*; 清水 裕彦*; 広田 克也*; et al.
JPS Conference Proceedings (Internet), 33, p.011116_1 - 011116_6, 2021/03
中性子基礎物理学において、パリティ非保存(PNC)項や時間反転非保存項と干渉する中性子スピンと標的核スピンの相関項は重要な研究テーマである。中性子共鳴ピーク付近でPNC項の増大が測定され、スピン交換光ポンピング(SEOP)法によりの偏極が得られるキセノン(Xe)は、本研究にとって興味深い原子核である。我々は小型SEOPシステムを用いた偏極Xe標的を開発し、核破砕中性子源で得られる大強度の熱外中性子ビームを利用した項の研究を計画している。その第一段階として、我々はXeの9.6eV共鳴ピーク付近でのXe偏極時と非偏極時の中性子透過率比の変化を捕らえることで、項に起因する中性子偏極能力の測定をJ-PARC物質・生命科学実験施設(MLF)のBL10で試みた。実験では、本測定系がドップラーブロードニングの影響()を検知できることを実証した上で、初期結果として有意なの値を得ている。現在はをより詳細に評価するために、核磁気・電子スピン共鳴法によるXe偏極度の導出を進めている。
奥平 琢也; 奥 隆之; 猪野 隆*; 林田 洋寿*; 吉良 弘*; 酒井 健二; 廣井 孝介; 高橋 慎吾*; 相澤 一也; 遠藤 仁*; et al.
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 977, p.164301_1 - 164301_8, 2020/10
被引用回数:10 パーセンタイル:79.13(Instruments & Instrumentation)We are developing a neutron polarizer with polarized He gas, referred to as a He spin filter, based on the Spin Exchange Optical Pumping (SEOP) for polarized neutron scattering experiments at Materials and Life Science Experimental Facility (MLF) of Japan Proton Accelerator Research Complex (J-PARC). A He gas-filling station was constructed at J-PARC, and several He cells with long spin relaxation times have been fabricated using the gas-filling station. A laboratory has been prepared in the MLF beam hall for polarizing He cells, and compact pumping systems with laser powers of 30 W and 110 W, which can be installed onto a neutron beamline, have been developed. A He polarization of 85% was achieved at a neutron beamline by using the pumping system with the 110 W laser. Recently, the first user experiment utilizing the He spin filter was conducted, and there have been several more since then. The development and utilization of He spin filters at MLF of J-PARC are reported.
山本 知樹*; 奥平 琢也; 遠藤 駿典; 藤岡 宏之*; 広田 克也*; 猪野 隆*; 石崎 貢平*; 木村 敦; 北口 雅暁*; 古賀 淳*; et al.
Physical Review C, 101(6), p.064624_1 - 064624_8, 2020/06
被引用回数:9 パーセンタイル:73.66(Physics, Nuclear)An sp-mixing model, which describes a compound nuclear reaction by mixing partial waves, predicts a correlation term in this reaction. The correlation term ( ) in the La(n,) reaction has been studied by measuring -ray and neutron energies utilizing epithermal polarized neutrons and germanium detectors. The transverse asymmetry for single -ray transition was measured to be 0.60 0.19 in the p-wave resonance.
奥平 琢也; 清水 裕彦*; 北口 雅暁*; 広田 克也*; Haddock, C. C.*; 伊藤 維久也*; 山本 知樹*; 遠藤 駿典*; 石崎 貢平*; 佐藤 匠*; et al.
EPJ Web of Conferences, 219, p.09001_1 - 09001_6, 2019/12
原子核が熱外中性子を共鳴吸収する反応において、弱い相互作用起因のパリティ対称性の破れが核子間相互作用の最大10倍増幅される現象が観測されている。この反応では時間反転対称性の破れにも同様の増幅効果があることが理論的に予言されており、全く新しい手法で未知の時間反転対称性の破れを世界最高感度で探索できる可能性がある。しかし、その増幅率は全ての核種で未知であり、この手法がもつ可能性を具体的に議論できていなかった。本研究ではJ-PARC, MLF, BL04のGe検出器群を用いて、La(n,)反応の角度分布測定を行い、世界で初めてLaで時間反転対称性の破れの増幅率を求めることに成功した。この結果を用いて、実験に必要な測定時間を見積もると、偏極率40%のLa核偏極技術、偏極率70%, 79atm・cmのHe Spin Filterを用意すれば、1.4日の測定で世界最高感度で時間反転対称性の破れ探索実験が可能であることが判明した。現在原子力機構では高性能なHe Spin Filterの開発を行なっており、本発表では線の角度分布測定の結果、及び共用ビームラインに適用するためのHe Spin Filterの開発の現状について発表する。
奥平 琢也; 奥 隆之; 酒井 健二; 猪野 隆*; 林田 洋寿*; 廣井 孝介; 篠原 武尚; 加倉井 和久*; 相澤 一也; 清水 裕彦*; et al.
Proceedings of Science (Internet), 356, p.029_1 - 029_5, 2019/12
共通技術開発セクションでは、J-PARC物質・生命科学実験施設の大強度中性子を活用するために、偏極中性子デバイスの一つであるHeスピンフィルターの開発を行なっている。Heスピンフィルターの性能評価の一つの手段に、基礎物理分野での応用・評価があり、基礎物理実験も活用している。現在の物質優勢宇宙を説明するためには時間反転対称性の破れが不可欠であり、世界中で時間反転対称性の破れの探索実験が行われている。その一つに偏極中性子と原子核を使用して対称性の破れを測定する方法があり、J-PARCの大強度中性子を用いた時間反転対称性の破れ探索が計画されている。本計画では1eV程度のエネルギーの高い中性子を偏極するための従来にない巨大なHeスピンフィルターを開発する必要があり、原子力機構にて開発が行われているHeスピンフィルターの性能評価の良い検証となる。現在、偏極率の精度の良い評価システムやHeスピンフィルター製作のための真空システムの構築を行い、熱外中性子偏極のための大型スピンフィルターの開発を継続している。本発表ではHeスピンフィルターの開発の現状について発表する。
奥平 琢也*; 高田 秀佐*; 広田 克也*; 木村 敦; 北口 雅暁*; 古賀 淳*; 長元 孝介*; 中尾 太郎*; 岡田 晏珠*; 酒井 健二; et al.
Physical Review C, 97(3), p.034622_1 - 034622_15, 2018/03
被引用回数:12 パーセンタイル:71.12(Physics, Nuclear)The angular distribution of individual rays, emitted from a neutron-induced compound-nuclear state via radiative capture reaction of La has been studied as a function of incident neutron energy in the epithermal region by using germanium detectors. An asymmetry was defined as , where and are integrals of low- and high-energy region of a neutron resonance respectively, and we found that has the angular dependence of , where is the emitted angle of rays, with and in 0.74-eV p-wave resonance. This angular distribution was analyzed within the framework of interference between s- and p-wave amplitudes in the entrance channel to the compound-nuclear state, and it is interpreted as the value of the partial p-wave neutron width corresponding to the total angular momentum of the incident neutron combined with the weak matrix element, in the context of the mechanism of enhanced parity-violating effects. Additionally, we use the result to quantify the possible enhancement of the breaking of time-reversal invariance in the vicinity of the p-wave resonance.
高田 秀佐*; 奥平 琢也*; 後藤 文也*; 広田 克也*; 木村 敦; 北口 雅暁*; 古賀 淳*; 中尾 太郎*; 酒井 健二; 清水 裕彦*; et al.
Journal of Instrumentation (Internet), 13(2), p.P02018_1 - P02018_21, 2018/02
被引用回数:6 パーセンタイル:31.02(Instruments & Instrumentation)In this study, the germanium detector assembly, installed at the Accurate Neutron Nuclear Reaction measurement Instruments (ANNRI) in the Material and Life Science Facility (MLF) operated by the Japan Proton Accelerator Research Complex (J-PARC), has been characterized for extension to the measurement of the angular distribution of individual -ray transitions from neutron-induced compound states. We have developed a Monte Carlo simulation code using the GEANT4 toolkit, which can reproduce the pulse-height spectra of -rays from radioactive sources and (n,) reactions. The simulation is applicable to the measurement of -rays in the energy region of 0.5-11.0 MeV.
廣瀬 貴規; 安堂 正己; 谷川 博康; 大久保 成彰; McDuffee, J. L.*; Heatherly, D. W.*; Sitterson, R. G.*; Stoller, R. E.*; 山本 琢也*
Fusion Materials Semiannual Progress Report (DOE/ER-0313/46) (Internet), p.72 - 78, 2009/06
熱中性子を遮蔽した計装化キャプセルMFE-RB-15J照射試験の試験片情報を報告する。本J試験は、米国エネルギー省と日本原子力研究開発機構の国際協力による核融合材料の協力照射試験の一環として実施されたもので、ITER-テストブランケットモジュールの設計作業のために300C及び400Cで6dpa間で照射した低放射化マルテンサイト鋼F82H及びその接合部の強度データを取得するとともに、ホウ素同位体を用いて鋼に300ppmのヘリウムを導入し、強度特性に及ぼす核変換ヘリウムの影響を評価することを目的とする。試験用キャプセルは2008年4月に完成し、中性子照射試験は米国オークリッジ国立研究所の試験炉HFIRのRB-1A照射孔において、第415サイクルから照射開始された。
栗下 裕明*; 山本 琢也*; 鳴井 實*; 吉武 庸光; 赤坂 尚昭
JNC TY9400 2004-006, 48 Pages, 2004/04
高速実験炉「常陽」で照射された高強度フェライト/マルテンサイト鋼(PNC-FMS(2WFK、63WFS))および酸化物分散強化型マルテンサイト鋼(H35)のハーフサイズと微小サイズ(1.51.520mm)試験片について計装化シャルピー衝撃試験を行い、照射脆化を評価した。また、照射脆化に及ぼす熱時効と組織の効果を検討した。次に、シャルピー衝撃試験における延性脆性遷移温度(DBTT)に及ぼす試験片サイズ・ノッチ形状の効果を解明するために、塑性拘束係数を次式で定義する。a=s*/sy*ここで、s*はへき開破壊の臨界応力、sy*はDBTTにおけるシャルピー衝撃試験と同一ひずみ速度での単軸降伏応力である。s*とsy*を評価する方法を示し、その方法により2WFKの試験片サイズ・ノッチ形状の異なる計12種類の試験片についてaを評価した。 aは試験片サイズを表す (A*/b2) と次の関係にあることが示される。a=a0.k(A*/b2)0.4但し、A*はs*に対応する臨界面積、bはリガメントサイズである。また、a0とkはa/W(aはノッチ深さ、Wは試験片の幅)に依存する定数であり、a/W が大きいほどaは大きい。
山本 琢也*; 石井 慶信; 茅野 秀夫*
Journal of Alloys and Compounds, 269, p.162 - 165, 1998/00
被引用回数:14 パーセンタイル:65.12(Chemistry, Physical)UTi、UCo等の水素を吸収するウラン金属化合物では水素が溶解するにつれてUHへの相分離が進行し、他方、UNiAlではこのような相分離が起きないと言われている。そこで、UNiAl結晶中での水素の占有位置やその占有度を調べるため中性子回折実験を行った。中性子回折測定が容易に行えるよう、本実験では水素の替わりに重水素を用いた。試料は5MPaの高圧重水素下でUNiAlに重水素を吸収させたものである。測定した中性子回折強度パターンをリートベルト解析した結果、UNiAl中に多量(2.2D/UNiAl)の重水素が溶解していることが判明した。また、重水素が溶解してもUH相が現れずUNiAlの基本結晶構造を保持していることも確認した。さらに、中性子回折強度データを詳細に解析し、重水素が入り込む位置及びその占有度を求めた結果、U-D結合距離はUHのそれに比べ長いことが明らかになった。
富田 純平; 阿部 琢也; 坂口 綾*; 宮田 佳樹*; 長尾 誠也*; 山本 政儀*
no journal, ,
南相馬市内から採取した水試料(井戸水・湧水・水道水)中の人工放射性核種(Cs・Cs・Sr)及び天然放射性核種(U・Ra同位体、K)濃度を測定した。水試料中のSr及びCs濃度は、それぞれ検出限界(約0.08)以下3.4及び検出限界(約0.5)以下4.2 mBq Lであった。水試料中のSr濃度は、概ねグローバルフォールアウト由来のものと同程度である一方、放射性Csについては、低濃度であるが、2011年3月に補正したCs/Cs放射能比から、福島第一原子力発電所事故の影響が示唆された。水中のU、濃度は、0.692455 ng Lであった。検出されたRa及びRa濃度は、それぞれ0.142.7及び0.189.2 mBq Lと低濃度であった。検出された核種濃度を用いて、1年間1日2Lずつ飲料し続けた場合の成人の預託実効線量を計算したところ、最大で8.0Sv yであった。検出された核種濃度から求めた核種毎の平均値を用いて見積もった平均線量は、0.7Sv yであり、この場合の人工放射性核種の寄与は、全体の4%程度であった。
酒井 健二; 奥 隆之; 原田 正英; 甲斐 哲也; 廣井 孝介; 林田 洋寿*; 吉良 弘*; 清水 裕彦*; 広田 克也*; 奥平 琢也*; et al.
no journal, ,
中性子基礎物理学において、弱い相互作用の増幅効果が期待できる中性子共鳴ピークでの時間反転非保存項(TRNC)の検証は重要な研究テーマである。パリティ非保存項(PNC)の増大が測定され、スピン交換光ポンピング(SEOP)法による高偏極が期待できるXeは、TRNC項検証の有力な標的候補であるものの、TRNC項と干渉すると予想される中性子-原子核スピン(s・I)相関項に関する測定データはほとんど報告されていない。我々は物質・生命科学実験施設の狭いビームラインに設置可能な小型SEOPシステムによる偏極Xe標的を開発した。さらに核破砕中性子源で得られる高強度の熱外中性子ビームを利用したs・I相関項の測定を検討し、その第一段階としてXeの9.6eV共鳴ピークでの中性子偏極能力の測定を行い、初期結果ではあるが有意な値を得た。
酒井 健二; 奥 隆之; 奥平 琢也; 甲斐 哲也; 原田 正英; 廣井 孝介; 林田 洋寿*; 清水 裕彦*; 山本 知樹*; 猪野 隆*; et al.
no journal, ,
中性子基礎物理学において、パリティ非保存(PNC)項や時間反転非保存(TRNC)項と干渉する中性子スピンとXe核スピンの相関項は重要な研究テーマである。中性子共鳴ピーク付近でPNC項の増大が測定され、スピン交換光ポンピング(SEOP)法によりの偏極が得られるキセノン(Xe)は、本研究にとって興味深い原子核である。我々は小型SEOPシステムを用いた偏極Xe標的を開発し、Xeの9.6eV共鳴ピーク付近でのXe偏極時と非偏極時の中性子透過率比の変化を捕らえることで、項に起因する中性子偏極能力の測定を試みた。今回の実験では、本測定系が系統誤差となるドップラーブロードニング効果を区別できることを実証した上で、初期結果としての有意な値を得た。
奥平 琢也; 奥 隆之; 酒井 健二; 猪野 隆*; 林田 洋寿*; 廣井 孝介; 篠原 武尚; 加倉井 和久*; 相澤 一也; 清水 裕彦*; et al.
no journal, ,
共通技術開発セクションでは、J-PARC物質・生命科学実験施設の大強度中性子ビームを活用するための重点技術として偏極中性子デバイスの一つであるHeスピンフィルターの開発を行なっている。偏極中性子ビームは基礎物理実験での利用が盛んであり、基礎物理分野との連携は今後のHeスピンフィルターの開発に重要である。現在の素粒子・宇宙論は物質優勢宇宙がどのようにして生まれたのかを説明することができていない。これは未だ見つかっていない時間反転対称性の破れが存在することを示唆しており、偏極中性子と原子核の反応における時間反転対称性の破れを探索する実験がJ-PARCにて計画されている。そのためには1eV程度の熱外中性子を偏極するための従来にない巨大なHeスピンフィルターが必要であり、現在原子力機構では開発を進めている。また本計画の予備実験としてHeスピンフィルターを使用したユーザー実験も盛んに行なっている。本発表では原子力機構における開発の現状と今後の計画について発表する。