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影山 十三男; 出沼 昭生; 小泉 仁*; 小田倉 学*; 萩野谷 雅浩*; 井坂 信一*; 門脇 弘幸*; 小林 真悟*; 森元 大成*; 加藤 芳章*; et al.
JAEA-Technology 2022-033, 130 Pages, 2023/03
燃料製造機器試験室(モックアップ室)は、核燃料製造設備の開発のためのウラン取扱い施設として昭和47年(1972年)に建設されたが、耐震性に脆弱であり、経年劣化が進んでいた。また、本施設では当初の目的を達成し、新規の開発計画が無い。これより、内装設備の解体撤去を平成31年(2019年)3月より開始し、汚染検査を行い、令和4年(2022年)3月29日に管理区域の解除をした。本作業における人工数は、総6,549人工(保安立会者を含まない)であり、解体撤去作業により発生した一般廃棄物量は31,300kg、放射性廃棄物量は可燃性廃棄物3,734kg(ドラム缶103本)、難燃性廃棄物4,393kg(ドラム缶61本)、不燃性廃棄物37,790kg(ドラム缶124本、コンテナ19基)であった。本報告書では、燃料製造機器試験室の内装設備の解体撤去、発生した廃棄物及び管理区域解除の手順について報告する。
川崎 浩平; 品田 健太; 岡本 成利; 影山 十三男; 江田 考志; 岡崎 日路; 鈴木 弘道; 山本 和也; 小田部 隼
JAEA-Technology 2020-025, 80 Pages, 2021/03
プルトニウム燃料第三開発室は、高速実験炉「常陽」及び高速増殖原型炉「もんじゅ」のMOX燃料製造を目的に昭和63年に運転を開始した施設であり、非密封の核燃料物質を大量に取り扱う大型のグローブボックスが設置された。これらのグローブボックス窓板には「使用施設等の位置、構造及び設備の基準に関する規則」の施行(平成25年12月)以降に設置するものを除き、アクリル(可燃性)が用いられている。グローブボックス内の火災に対しては、建設当初からハロゲン化物消火設備による自動消火システムを導入しているが、グローブボックスの外側からの火災に対して、アクリルの直接的な対策が課題であった。そのため、可能な限りグローブボックスの外側からの火災に対するグローブボックス窓板への影響を軽減する火災対策シートを開発、最終的には難燃性のシートを実装した。開発の着眼点は、不燃又は難燃シートに粘着材を塗布した複合材で不燃又は難燃性を有していること。また、使用環境(核燃料物質からのガンマ線、蛍光灯からの紫外線)で劣化が著しくないこと、グローブ作業での作業員の視認性を確保できる透明なシートであること等とした。これらの火災対策シートを貼り付けたアクリル板の火災損傷防止試験及び火災対策シートを用いた使用環境影響試験を行い、良好な結果を得た。一方、火災対策シートの貼り付け作業等における外部被ばくを低減する観点から、プルトニウム燃料技術開発センター内にワーキンググループを立ち上げ、施工試験等で効率的な施工を実現する方法を検討・試行し、作業の標準化を図り、基本手順書にまとめた。本報告書は、グローブボックス窓板用火災対策シートに係る火災損傷防止試験及び使用環境影響試験と、施工性試験等を通じて得られた知見を取りまとめたものである。
岡崎 日路; 芝野 幸也; 阿部 勝男; 角 美香; 茅野 雅志; 影山 十三男; Mason, P.*
Proceedings of INMM 57th Annual Meeting (Internet), 7 Pages, 2016/07
IDMS法による計量分析において使用される、LSDスパイクと呼ばれる標準物質は、試料の取扱いや分析が困難な状況下で、様々な核物燃料質の精確な分析を可能としている。LSDスパイク調製に必要なプルトニウムの主原料であるプルトニウム標準物質の海外からの長期的な安定供給が困難なため、プルトニウム燃料技術開発センター(PFDC)は、LSDスパイクのPu原料として国内で入手可能なMOX粉末の使用の可能性について検討した。その中でPFDCは、米国エネルギー省のニューブルンスウィック研究所(NBL)との共同研究において、MOX粉末中のプルトニウムの分離・精製及び値付けを行い、LSDスパイクの原料として適したPu標準物質(MOX-Pu)を調整した。MOX-Puの詳細な調製手順及び共同研究結果等について報告する。
岡崎 日路; 角 美香; 佐藤 光弘; 茅野 雅志; 影山 十三男; Martinez, P.*; Xu, N.*; Thomas, M.*; Porterfield, D.*; Colletti, L.*; et al.
核物質管理学会(INMM)日本支部第35回年次大会論文集(インターネット), 9 Pages, 2015/01
日本原子力研究開発機構プルトニウム燃料技術開発センター(以下、プルセンター)技術部品質管理課では、MOX燃料製造における計量管理及び工程管理を目的として、核燃料物質中のプルトニウム・ウランの同位体組成及び含有率分析、並びに不純物分析・物性測定等を行っている。これらの分析技術は、核燃料物質の組成及び物理・化学形態等を分析し、その出所、履歴、輸出経路等を特定する核鑑識に対しても有効であることから、プルセンターでは、核鑑識に関して豊富な経験を持ち、確立された分析手法を有しているロスアラモス国立研究所と共同研究を実施し、分析方法及び手順、データ等の比較を行い、核燃料物質の特性解析について研究開発を進めている。本論文では、核燃料物質の特性解析技術開発に向けてプルセンターが取組んだ内容について紹介する。
岡崎 日路; 角 美香; 阿部 勝男; 佐藤 光弘; 影山 十三男
核物質管理学会(INMM)日本支部第34回年次大会論文集(インターネット), 9 Pages, 2013/10
日本原子力研究開発機構プルトニウム燃料技術開発センター(以下、「プルセンター」)品質管理課では、核燃料物質に含まれるPu及びUの計量分析として、質量分析法による同位体組成分析及び同位体希釈質量分析法(IDMS法)による含有率分析を行っている。これらの分析業務にかかわる品質保証体制を確立、維持管理するとともに分析結果の信頼性を保証することは重要である。プルセンターでは、これまでISO 9001に基づく品質管理を実施してきた。今回、さらなる計量分析結果の信頼性向上のため、技術的改善に取組み、2010年3月、ISO/IEC 17025の認定を取得した。ISO 9001は、組織の品質システムに関する管理上の要求事項からなり、一方ISO/IEC 17025は、管理上の要求事項に加え試験所・校正機関の能力に関する技術的要求事項で構成されている。今回、核燃料物質中のPu及びUの同位体組成分析及び含有率分析におけるISO/IEC 17025認定を取得した取組み、その後の品質保証活動について報告する。
岡崎 日路; 角 美香; 阿部 勝男; 影山 十三男; 中沢 博明
Proceedings of INMM 53rd Annual Meeting (CD-ROM), 9 Pages, 2012/07
核燃料物質を取り扱う施設においてPu及びUを精確に測定することは核不拡散上重要であり、分析精度を十分に有していることが国及びIAEAが行う査察検認の前提となっている。原子力機構プルトニウム燃料技術開発センター品質管理課(PFDC-lab)ではMOX燃料にかかわる原料粉末,製品ペレット等に含まれるPu及びUの計量分析を行うため、質量分析法による同位体組成分析及び同位体希釈質量分析法による含有率分析等を実施してきた。分析精度の維持,向上を目指し、また国際的な信頼を得るため、ISO/IEC 17025(試験所及び校正機関の能力に関する一般的要求事項)に基づく試験所としての認定を目指した。PFDC-labでは、技術的要求事項を満たすため分析品質管理システム構築、米国DOE-NBLとの共同研究に基づく不確かさ評価技能の確立、共同分析結果を利用した分析のトレーサビリティの担保等に取り組んだ。これにより、2010年3月、ISO/IEC 17025:2005に基づく試験所として認定された。
角 美香; 岡崎 日路; 阿部 勝男; 影山 十三男; 中沢 博明
Proceedings of INMM 53rd Annual Meeting (CD-ROM), 9 Pages, 2012/07
PFDCでは、MOX燃料製造に関するさまざまな技術開発を行っており、それらの試料のPu, U濃度及び同位体組成分析は、PFDC-技術部品質管理課が依頼を受けて実施してきた。PFDC技術部品質管理課が、センター内の他部門から依頼を受けて実施する、MOX燃料中のPu及びUの、質量分析法による同位体組成分析及び、同位体希釈質量分析法による濃度測定について、手法の妥当性確認、不確かさ推定技能の構築等、ISO/IEC 17025の要求事項を満たす取り組みを進め、2010年3月、ISO/IEC 17025に基づく試験所として認定された。認定のための要求事項を満たす過程で、ISO-GUMに基づく測定の不確かさ推定技能を確立させ、GUM-Workbenchとエクセルを組合せた計算プログラムを作成した。これにより、定常的に行われるPu, Uの同位体組成及び濃度測定の不確かさを容易に計算することが可能になった。品質管理システム及び測定の不確かさ評価システムの詳細について報告する。
角 美香; 阿部 勝男; 影山 十三男; 中沢 博明; 黒沢 明; 山本 昌彦; Mason, P.*; Neuhoff, J.*; Doubek, N.*; Balsley, S.*; et al.
Proceedings of INMM 51st Annual Meeting (CD-ROM), 9 Pages, 2010/07
現在、同位体希釈質量分析法(IDMS)によってPu, Uの計量分析を行っている国内外の多くの施設において、LSD(Large Size Dried)スパイクが使用されている。日本の核燃料サイクルに関連する施設でも、多くのPu標準物質が必要とされており、一方で長期に渡るPu標準物質の供給や、輸送が困難さを増すことが予想されていることから、原子力機構ではプルセンターに保管されているMOXから、LSDスパイクの原料となるPuの標準試料を調製する可能性について検討してきた。プルセンターでは、MOX中に含まれていたPuをUと分離,精製を行った。調製されたPu硝酸溶液中のPu濃度は、再処理施設においてクーロメトリによって測定され、同位体組成についてはPFDCにおいて質量分析により測定された。原子力機構では、このPu硝酸溶液を用いて2種類のLSDスパイクを調製し、それらを国内外の研究所に配付し、共同分析により値を確認している。Puの値付け分析,LSDスパイク調製及び確認分析結果の詳細について報告する。
角 美香; 阿部 勝男; 影山 十三男; 中沢 博明; 甲地 友和*; 村上 貴樹*; 菱 朋行*; 藍 寛信*
Proceedings of INMM 50th Annual Meeting (CD-ROM), 9 Pages, 2009/07
近年、同位体希釈質量分析法(IDMS)によってPu及びUの濃度を測定する多くの分析所において、個々のバイアル中にPu, U両方を含む、LSDスパイクが標準試料として用いられている。査察分析所で調製されているもの及び市販されているLSDスパイクの多くは、再処理施設におけるインプット溶液を測定することを目的としており、個々のバイアル中に数mgのPuと数十mgのUを含んでいる。一方で、PFDCにおける主な試料であるMOXは、インプット溶液に比べるとわずかなUしか含んでおらず、インプット用のLSDスパイクを用いて、精度よく測定することは難しい。そのため、PFDCではMOX試料測定に適したPu/Uの異なる数種類のLSDスパイクを調製し、使用してきた。また、近年Pu-CRMの入手は困難さが増しており、自国でPuスタンダードを調製する技術を持つ必要が出てきている。PFDCで保管しているMOX粉末からPuを回収し、LSDスパイクを調製するとともに、JNFLとの共同研究に基づき、実用試験を行った。本論文では、PFDCにおけるMOX試料測定のためのLSDスパイクの調製と使用経験,MOX-Puの値付け分析方法の検討等について報告する。
角 美香; 影山 十三男; 鈴木 徹
核物質管理学会(INMM)日本支部第27回年次大会論文集(CD-ROM), 7 Pages, 2006/00
プルトニウム燃料技術開発センターにおいて、核燃料物質の計量分析は、高信頼性の標準物質を必要とする同位体希釈質量分析法(IDMS)によって実施されている。これまで必要なPu標準物質は海外から入手してきたが、Puの輸送は難しさを増していることから、将来はその入手が困難になる可能性が出てきている。そこで、自らPu標準物質を調製する技術を確立することを目的として、長年にわたり核物質の標準物質を供給している実績を有し、高い技術力を有している米国NBLと共同研究を開始した。本共同研究では、JAEAにおいて保管されているMOX粉末を原料として、IDMSのための標準物質(LSDスパイク)を作製することを目標の一つとしており、これまでに、MOX粉末を溶解,精製してPu溶液を調製した。この溶液の一部はNBLに輸送され、今後NBLにて分析が行われる予定である。さらに、このPu溶液を原料としてスパイクを調製し、NBLとJAEAが共同で確認分析を行うとともに、実用性及び長期安定性に関する試験を行う。本報告では、本共同研究の現状と今後の計画について述べる。
角 美香; 影山 十三男; 鈴木 徹; Manson, P.*; Neuhoff, J.*
Proceedings of INMM 47th Annual Meeting (CD-ROM), 7 Pages, 2006/00
JAEAのプルトニウム燃料技術開発センターにおける計量分析は、Pu及びUの標準物質から調製する高信頼性の標準物質を用いた、同位体希釈質量分析(IDMS)によりすべて行われている。現在日本国内にPu標準物質の調製及び供給機関がないため、Pu標準物質は海外からしか入手できず、さらに、これらのPu標準物質の輸入は困難になりつつある。このため、原子力機構(JAEA)はNBLとPu標準物質及びその一種であるLSDスパイクの調製に関する共同研究を開始した。Pu標準物質の原料としては、JAEAで保管されている適切な同位体組成を有するMOX粉末を使用し、それをJAEAにおいて溶解,イオン交換することで、Pu精製溶液を調製した。NBLにて、その溶液に認証値を付与するための分析を行うために、この精製溶液から分取した複数の溶液を乾固し、NBLに輸送した。NBLでの分析後、LSDスパイク調製のために、Pu精製溶液はU標準物質から調製したU溶液と混合する。Pu精製溶液と調製したLSDスパイクの不確かさは、GUMによって評価する。本論文では、共同研究の現状及び今後の計画について報告する。
影山 十三男; 菅谷 伸一; 河野 秀作; 樋口 英俊; not registered; 木幡 正人*; 野田 吉範*
JNC TN8400 2001-026, 29 Pages, 2001/12
Np含有MOX燃料中のNp含有量を測定するために、吸光光度法による測定条件について検討した。試料溶液中のNpの原子価をIV価に調整した後、727nmの吸収ピークの吸光度を測定することにより、Np濃度を求めた。本法の検量線は、Np濃度0.8mg/mlまで直線性を示した。また、Np溶液にPu,U量を各々Npの30倍量、60倍量まで添加したが、この範囲ではNp分析値への影響はなかった。本分析法により、2%Np含有MOX燃料を想定した試料中のNp含有量を分析したときの相対標準偏差(RSD)は約4%であった。さらに、物性測定試験に用いるNp含有MOX燃料の原料粉中のNp含有量を測定した。その結果、本法はNpをPuとUから分離することなくNp含有量を測定できることを確認した。本分析法は、物性測定試験用のNp含有MOX燃料中のNp含有量を分析するための迅速簡便法として十分適用できる。
檜山 敏明; 影山 十三男
分析化学, 49(7), p.537 - 541, 2000/07
被引用回数:2 パーセンタイル:8.74(Chemistry, Analytical)鉄が共存するプルトニウムの定電位電量分析法を開発した。硫酸溶液中で鉄が共存する場合、Fe2+-Fe3+とPu3+-Pu4+の式電位が近接しているため、定電位電量分析法によるPuの分析の妨害となる。また、プルトニウムと鉄の当量比は4:1であり、ほんのわずかな鉄の存在が、プルトニウム分析の誤差要因となる。鉄の影響を除くため、1,10-フェナントロリンを鉄の錯形成試薬として用いた。実験の結果、1,10-フェナントロリンは鉄と錯形成し、酸化の開始電位は、鉄のみの場合に比べて正電位側に約100mVシフトした。良好な結果を得るために、添加した1,10-フェナントロリンの量は、モル比で鉄の20倍量以上である。本法の相対標準偏差は0.3%以下であった。
影山 十三男; 檜山 敏明; 山本 純太; 上村 勝一郎
動燃技報, (97), p.126 - 131, 1996/03
定電位電量分析法によるFeを含むPu-U混合酸化物(MOX)燃料中のPuの分析法を開発した。溶解したMOX試料中に共存するFeは、FeとPuの酸化還元電位が近接していることから、定電位電量分析法によるPuの分析の妨害となる。本法は、試料溶液中に共存するFeが、o-フェナントロリンと錯形成することにより、Feの酸化還元電位がアノード側に約100mV(vs SCE)シフトすることを利用し、Feの妨害を除去した。添加したo-フェナントロリンはFeの20倍量以上である。Uは重量比でPuの10倍まで影響を及ぼさなかった。本法の相対標準偏差は0.3%以下(n=7)であった。
檜山 敏明; 菅谷 伸一; 影山 十三男; 上村 勝一郎
Analytical Sciences, 12(3), p.427 - 430, 1996/00
被引用回数:4 パーセンタイル:20.05(Chemistry, Analytical)二次微分スペクトル法によるプルトニウム及びウラン共存下における硝酸溶液中のマイクログラム量のAm(III)分析法を開発した。定量には5035nmにおけるアメリシウムの二次微分吸光度を用いた。プルトニウム及びウランは、Pu/Amで90倍、U/Amで620倍まで影響を与えない。1-11g/mlの範囲におけるAm(III)の測定において良好な分析精度を示した。MOX中のアメリシウムの測定における相対標準偏差は2.2%以下であった。本法はプルトニウム及びウランの分離を必要としない。
上村 勝一郎; 菅谷 伸一; 檜山 敏明; 影山 十三男; 小嶋 素志; 藤田 伸一*; 早乙女 晴朗*
PNC TN8450 95-008, 44 Pages, 1995/09
プルトニウム燃料第一開発室特殊測定室(R-135室)では、従来から塩化ビニル製のグローブボックスを使用してきたが、長年の使用により腐食老朽化が進み、使用できなくなった。そこで、平成7年1月から3月にかけて、これらのグローブボックスの解体撤去工事を実施した。撤去工事は、請負業者によりグリーンハウス方式で行い、工事期間中の放射線管理も問題なく行うことができ、予定期間内に無事故で完了することができた。本報告書は、工事に関する記録をまとめたものである。
上村 勝一郎; 菅谷 伸一; 早乙女 晴朗*; 影山 十三男; 檜山 敏明
PNC TN8410 95-223, 37 Pages, 1995/08
硝酸溶液中においてAm(III)が単独で存在する場合、503nmにおける鋭敏な吸収ピークを用いた吸光光度法によるAm(III)定量が可能である。しかし硝酸溶液中にPu,U等が共存する場合、これらの元素の吸収が妨害となるため、Am(III)の直接定量には、イオン交換あるいは溶媒抽出等の試料の前処理操作等が必要である。微分スペクトル法は、従来の吸光光度法により得られた吸収スペクトルのデータに対してコンピュータによる微分処理を行なうもので、分析操作自体、ノイズ成分の発生に注意を要する以外は、従来の吸光光度法と何ら変わることなく、高い情報選択性と多元素による吸収の除去が可能であることがその大きな特徴と言える。そこで著者らは微分スペクトル法がPu,U等が共存するAm(III)の直接定量法として有効な手段と考え検討を実施した。その結果、検量線(Am(III)濃度-微分振幅関係曲線)は良好な直線性を示した。また共存元素の影響を調べるため、一定量のAm(III)に対しPu及びU量を変化させて添加し、Am(III)の定量を行なったところ、それぞれPu/Am比で690及びU/Am比で730倍までの範囲で定量値に大きな影響は認められなかった。さらにPu、U共存系においてはPu/U/Am=360/140/1の範囲で大きな影響は認められなかった。本法の相対標準偏差は3.768%、検出限界(3)及び定量下限(10)はそれぞれ0.33mg/L及び1.1mg/Lである。
上村 勝一郎; 影山 十三男; 檜山 敏明; 山本 純太
PNC TN8430 95-005, 29 Pages, 1995/04
定電位電量分析法により試料溶液中のプルトニウムを分析すると、試料溶液中の鉄の酸化・還元電位がプルトニウムの酸化・還元電位と近接していることから、鉄の影響を受けてしまう。本試験では、鉄の影響を受けないプルトニウムの定電位電量分析法の開発を目的とし、試験を実施する。試料溶液中の鉄のみをフェナントロリンと錯形成させることにより鉄の酸化・還元電位のみを変化させ、プルトニウムの分析値に及ぼす鉄の影響を除去した。検討を行った結果、以下のことが分かった。1)PuのIII価からIV価への酸化は約500mV(vs SCE)から開始し、FeのII価からIII価への酸化は約550mV(vs SCE)から開始した。2)Fe溶液にフェナントロリンを添加した場合、酸化開始電位は約650mV(vs SCE)にシフトした。3)試料溶液中にFeが共存した場合でも、フェナントロリンをFeの絶対量の20倍以上添加することにより、Feの影響を完全に除去することができた。4)このときの相対標準偏差は0.27%(n=7)であり、Feが共存しない場合と同様な分析精度が得られた。5)Pu量に対してU10倍量までは、Pu分析値に影響を与えなかった。これ以上のUを添加した場合は低値を示した。
影山 十三男; 早乙女 晴朗*; 檜山 敏明; 上村 勝一郎
PNC TN8430 94-002, 45 Pages, 1994/07
1.目的核燃料施設から排出される低濃度のMinorActinide(MA)核種を含む廃液等から、MA核種を効率よく分離することを目的とし、CMP含浸抽出剤(ジエチル-N、N-カーバモイルメチレンホスホナート(CMP)をスチレンジビニルベンゼン(SDB)に含浸させたもの)によるPuおよびAmの抽出試験を行う。2.方法Pu又はAmを含む硝酸溶液にCMP含浸抽出剤を添加し、溶液中の硝酸濃度、抽出温度、及びPu、Am濃度を変化させたときの各元素の分配比を求めた。3.結果(1)Pu(IV)溶液を対象として、分配比に及ぼす抽出時間の影響を検討したところ、30分以上で分配比は一定となった。(2)Pu(III)イオンは硝酸と1:3の錯体を形成し、CMPと三元錯体を形成する。さらに、室温、硝酸濃度約6MにおけるPu(III)の分配比は1.68104であり、抽出温度の上昇に伴い分配比は増加した。この時のエンタルピー変化は、約16.9kcal/mol・Kであった。(3)Pu(IV)イオンは硝酸と1:4の錯体を形成し、CMPと三元錯体を形成する。さらに、室温、硝酸濃度約6MにおけるPu(IV)の分配比は1.17104であり、抽出温度の上昇に伴い分配比は減少した。この時のエンタルピー変化は、約-2.40kcal/mol・Kであった。(4)Am(III)イオンは硝酸と1:3の錯体を形成し、CMPと三元錯体を形成する。さらに、室温、硝酸濃度約6MにおけるAm(III)の分配比は1.05104であり、抽出温度の上昇に伴い分配比は減少した。この時のエンタルピー変化は、約-8.18kcal/mol・Kであった。
角 美香; 影山 十三男; 鈴木 徹
no journal, ,
JAEAのプルトニウム燃料技術開発センターにおいて、保障措置を目的とした計量分析はすべて高信頼性の標準物質を必要とする同位体希釈質量分析法(IDMS)によって実施されている。現在日本国内においてプルトニウム(Pu)の標準物質を提供できる機関はなく、これまで必要な標準物質は海外の研究機関等から入手してきた。しかし近年Puの輸送は困難さを増しており、将来はその入手がさらに困難になる可能性がある。そこで自らPu標準物質を調製する技術を確立することを目的とし、認証分析に関して高い技術力を有し、長年に渡り国際的に核物質の認証標準物質を供給している米国ニューブルンスウィック研究所(NBL)と共同研究を開始した。本共同研究ではJAEAにおいて保管されているPu及びUの混合酸化物(MOX)粉末を原料とした、IDMSのための標準物質(LSD(Large Size Dried)スパイク)の作製を目標の一つとしている。MOX粉末の溶解後Puを分離精製し、NBLと共同で認証する。これまでにPu精製溶液からサンプリングを行い、認証分析を行うためA型輸送容器を用いてNBLへ輸送した。