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中間 茂雄; 吉村 和也; 藤原 健壮; 石川 浩康; 飯島 和毅
Journal of Environmental Radioactivity, 208-209, p.106013_1 - 106013_8, 2019/11
被引用回数:9 パーセンタイル:36.49(Environmental Sciences)除染後の空間線量率の低下傾向とそれに影響を及ぼす要因は、公衆の外部被ばくの予測や被ばく低減対策の実施など、放射線防護のための重要な情報である。本研究では、2012年11月から4年間、除染を実施した福島第一原子力発電所周辺の避難区域における163地点で空間線量率の減少を調査した。アスファルト舗装上の空間線量率は土壌表面よりも急速に減少すること、森林付近の空間線量率は、周囲の開けた場所よりも減少が遅いことが明らかとなった。これらの結果は、都市部における空間線量率は、土地利用によらず、除染後においても減少が早いことを示唆している。また、他の研究との比較から、空間線量率は避難区域内よりも避難区域外の方が早く減少する傾向があること、除染後の空間線量率の低下は除染前よりも遅いことが明らかとなった。物理減衰を除く生態学的減少率のうち、風化と人間活動による減少の寄与は、それぞれ約80%と20%と推定された。
中間 茂雄; 吉村 和也; 藤原 健壮; 石川 浩康; 飯島 和毅
KEK Proceedings 2018-7, p.154 - 158, 2018/11
除染後の空間線量率の変化傾向は、住民の将来の外部被ばくの評価や、住民の帰還、帰還後の被ばく低減を検討する上で重要な情報となるが、その変化傾向を支配する要因は明らかではない。本研究では、地表面に近い位置で測定した表面線量率の変化傾向を解析し、除染後の空間線量率の変化傾向に対する被覆面の違いによる影響について検討した。空間線量率および表面線量率の減少速度ともに、土壌面よりもアスファルト舗装面において大きくなった。また、周辺環境の影響を受けない開けた場所のすべてにおいて減少速度比が0.81.2に分布したことから、空間線量率の変化は表面線量率の変化と一致し、被覆面の違いが空間線量率の減少速度に影響することが明確となった。さらに、地表面における局所的な土壌の流失、堆積は空間線量率の減少速度に寄与しないことも確認された。
木曽原 直之; 石川 浩康; 二神 敏; Xu, Y.*; 下地 邦幸*; 河村 雅也*
Proceedings of 19th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-19) (CD-ROM), 9 Pages, 2011/10
JSFRの冷却系システムは革新技術として、ポンプ組込型IHX,2重壁構造蒸気発生器、及びショートエルボー配管の採用を検討している。これらは国内のFBRでは初めての経験であり、種々の設計検討や研究開発(R&D)が実施されてきている。本論文はこの新技術に対して、熱流動特性や構造健全性の観点で解析や設計評価を行った結果をまとめたものである。これまでの研究成果から、この革新技術の適用性見通しが得られつつあるところである。
宮原 信哉; 石川 浩康; 吉澤 善男*
Nuclear Engineering and Design, 241(5), p.1319 - 1328, 2011/05
被引用回数:13 パーセンタイル:69.64(Nuclear Science & Technology)ナトリウム(Na)と二酸化炭素(CO)との熱交換器における伝熱管破損の結果を理解するため、COとNaプールとの反応挙動を実験的に研究した。実験は基礎実験と伝熱管破損を模擬した実証試験の二種類行った。これらの実験結果から、ある閾温度以上で発熱反応が発生すること、反応に伴う温度や圧力上昇、プール中の固体の反応生成物の挙動等のNaとCOとの熱交換器における伝熱管破損事故の結果を評価するために必要となる有益で不可欠な情報を得た。
宮原 信哉; 石川 浩康; 吉澤 善男*
Proceedings of 17th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-17) (CD-ROM), 8 Pages, 2009/06
ナトリウム/炭酸ガス(CO)熱交換器における伝熱管破損事象を調べるため、COと液体ナトリウムプールとの反応挙動を実験的に研究した。実験は2種類実施し、1つは約15gの液体ナトリウムプールを流動するCOに晒しておもに反応が開始する熱化学条件と反応生成物の化学組成に関する情報を得た。実験では、ビデオカメラを用いて目視観察を行い、ナトリウムプールとその表面近傍の温度変化を熱電対で測定した。もう一つの実験では、熱交換器内のバウンダリー破損を模擬して約200gの液体ナトリウムプール中にCOを注入した。実験中のナトリウム温度とカバーガス温度は熱電対で測定した。これらの実験から、反応はある閾値温度を超えると起こることを明らかにし、温度上昇や圧力上昇、プール中の固体反応生成物の挙動等のナトリウム/ CO熱交換器における伝熱管破損事故の影響評価に有益で不可欠な情報を得た。
石川 浩康; 宮原 信哉; 吉澤 善男*
日本原子力学会和文論文誌, 7(4), p.452 - 461, 2008/12
ナトリウム(Na)冷却高速炉システムの新概念として「超臨界COガスタービン発電高速炉」が検討されている。この概念においてはNa/水反応を排除できるものの、プラント概念の成立性を検討するためにはNaと二酸化炭素(CO)が接触した場合の事象、すなわち熱交換器伝熱管が破損しCOがNa側に漏えいした場合のプラントへの影響を把握する必要がある。本研究においてはNa/CO反応を基礎的に把握するために15g程度のNaを取り扱え、熱電対による温度変化が測定できる装置を用いた。個体の反応生成物はX線回折及び化学分析により定性・定量分析し、気体の反応生成物はガスクロマトグラフにより定性・定量分析した。実験の結果、Na温度が570Cより低い場合には反応がNaプール表面だけで停止し、580Cより高い場合にはCO供給直後から火炎を伴い継続的に反応することが観察された。
石川 浩康; 宮原 信哉; 吉澤 善男*
Proceedings of 2005 International Congress on Advances in Nuclear Power Plants (ICAPP '05) (CD-ROM), P. 5688, 2005/05
1次冷却材にナトリウム(Na)、2次冷却材に超臨界炭酸ガス(CO2)を用いたガスタービン発電高速炉を検討している。この場合、従来のNa冷却型高速炉におけるNa -水反応は排除できるものの、1次系-2次系間の熱交換器伝熱管破損時のNa-CO2反応による影響を把握する必要がある。Na-CO2反応に関しては、一般にほとんど調査されていないことから、反応挙動に関する実験研究を開始した。Na温度を主なパラメータとした実験を11回実施した。これらの実験結果からCO2と液体Naとの反応が生じることが判明した。ただし、Naの初期温度が600より低い場合には、少量の発煙が発生し、プール表面が反応するだけに止まり、Na温度の上昇は見られなかった。Naの初期温度が615より高い場合には連続的に反応が生じ、橙色火炎とエアロゾルが発生した。火炎付近の熱電対の最高温度は、約850であった。
堂田 哲広; 石川 浩康; 大野 修司; 宮原 信哉
JNC TN9400 2005-048, 52 Pages, 2005/04
ナトリウム漏えい燃焼形態の一つであるスプレイ燃焼の燃焼挙動に対する理解の向上、現象のメカニズムに基づく評価手法の確立を目的として、単一ナトリウム液滴の落下燃焼挙動を研究している。本研究では、同実験シリーズのFD-2実験とは異なる初期径(3.34mm、5.85mm)のナトリウム液滴を用いた落下燃焼実験、不活性雰囲気下でのナトリウム液滴の落下実験、ナトリウムと近い密度のポリプロピレン球の落下実験を行い、初期液滴径変化が燃焼に与える影響、燃焼が液滴の落下運動に与える影響を調べた。得られた結果を、以下に示す。(1)燃焼ナトリウム液滴の抵抗係数は、同直径剛体球の1.42.2倍に相当する。(2)ナトリウム液滴の空気抵抗が剛体球よりも大きい主な要因は、燃焼発熱に伴う液滴周囲ガスの粘性増加である。ナトリウム液滴は約8m落下時で縦横比0.89の楕円体に変形するが、その影響はほとんどない。また、液滴の蒸発および浮力の影響についても同様に無視できる。(3)ナトリウム液滴の燃焼は初期液滴径が変化した場合でもD則に従うことが確認された。ナトリウム燃焼量を測定値に一致させる条件でD則燃焼モデルを用いた計算を行った場合、反応生成物中のNaO割合は0.510.75となる。
石川 浩康; 堂田 哲広; 宮原 信哉
火災, 55(1), p.50 - 60, 2005/00
旧動燃時代を含め、これまでにサイクル機構で行ってきたナトリウム火災研究に関して解説記事としてまとめた後半分の内容。
石川 浩康; 大野 修司; 宮原 信哉
JNC TN9400 2004-038, 84 Pages, 2004/04
液体金属ナトリウムを冷却材として用いる原子炉において、ナトリウムが空気雰囲気中に漏えいし、燃焼するような事故の場合に、その燃焼を抑制あるいは停止させるための一つの手段として窒素ガス雰囲気とすることが考えられる。しかし、ナトリウムの燃焼を窒素ガスにより途中で停止させた場合、未燃焼ナトリウムを含む燃焼残渣が室温まで冷却するのを待って再び空気雰囲気とすると瞬時に再着火することがある。そこで、本試験研究においては、再着火防止のために湿り炭酸ガスで安定化する方法に関して確証試験を実施した。 実験は、FRAT-1試験装置を用い、ナトリウム漏えい燃焼時の空気中湿分濃度および安定化確認のための湿分濃度条件だけを変更して2回実施した。まず、約2.5kgのナトリウムを空気中に漏えいさせ、そのナトリウム燃焼を途中で窒素ガスにより停止させた。次に、燃焼残渣を窒素ガス雰囲気のまま冷却し、炭酸ガス濃度が4%、湿分濃度が6000vppm、酸素が3%の窒素ガスベースの混合ガスを用いて燃焼残渣を安定化(炭酸化)処理した。最後に燃焼残渣を再び空気雰囲気にさらしても再着火しないことを確認した。これらにより、本試験研究で確立した湿り炭酸ガスによる安定化の方法が有効であることを確認できた。
石川 浩康; 大野 修司; 宮原 信哉
火災, 54(6), 43-49 Pages, 2004/00
旧動燃時代を含め、これまでにサイクル機構で行ってきたナトリウム火災研究に関して解説記事としてまとめた前半分の内容。
石川 浩康; 大野 修司; 宮原 信哉
JNC TN9400 2002-081, 46 Pages, 2003/01
液体金属ナトリウムを冷却材として用いる原子炉において、ナトリウムが空気雰囲気中に漏えいし、燃焼するような事故の場合に、その燃焼を抑制あるいは停止させるための一つの手段として窒素ガス雰囲気とすることが考えられる。しかし、ナトリウムの燃焼を窒素ガスにより途中で停止させた場合、未燃焼ナトリウムを含む燃焼残渣が室温まで冷却するのを待って再び空気雰囲気とすると瞬時に再着火することがある。そこで、燃焼残渣の再着火の原因を考察しつつ、再着火防止の観点から湿り炭酸ガスで安定化する基礎試験を実施した。 実験は、1gオーダのナトリウムの燃焼・燃焼停止が操作できる装置を用い、ナトリウム燃焼残渣の作製、再着火および安定化の観察を行った。また、回収したサンプルは化学分析およびX線回折(XRD)を用いて成分を定性・定量した。 定量分析の結果再着火する燃焼残渣には、未燃焼ナトリウムが40wt-%(61mol-%)60-wt%(76mol-%)と酸化ナトリウム(Na2O)が存在し、過酸化ナトリウム(Na2O2)は微量で1wt-%未満であることが分かった。 金属ナトリウムだけ、もしくは酸化ナトリウムだけの場合は、空気雰囲気としても室温付近で着火することはない。このことから、酸化ナトリウムが保温材の役割を果たしてナトリウムの酸化熱を蓄熱させ、燃焼残渣の局所で温度上昇が起こり、未燃焼ナトリウムの着火に至ると推定される。 再着火防止のためには、燃焼残渣表面付近の未燃焼ナトリウムを酸素に対して不活性化させることが重要であると考え、湿り炭酸ガスによって燃焼残渣中の未燃焼ナトリウムを炭酸化することにより安定化処理を実施した。安定化処理に湿分濃度が600030000vppm、炭酸ガス濃度が28vol%の窒素ベースの混合ガスを用いたところ、安定化が成功した。安定化した燃焼残渣は加熱しても427K(200度C)まで再着火することはなかった。
宮原 信哉; 大野 修司; 石川 浩康; 堂田 哲広
日本燃焼学会誌, 45(133), 0 Pages, 2003/00
「ナトリウムの燃焼と消火」をテーマにしTと特集記事の一つとして、高速増殖炉の開発を目的としたナトリウムの漏えい燃料とその対策に係わるこれまでの研究開発について解説した。内容は、導入としてまず研究開発の歴史を概説し、次に高速増殖炉におけるナトリウム燃料の特徴とその熱影響および評価手法、ナトリウム火災の消火方法、実プラントの消火方法、実プラントにおける漏えい対策設備の順に解説した。
石川 浩康; 大野 修司; 宮原 信哉
日本燃焼学会誌, 45(134), 248 Pages, 2003/00
空気雰囲気におけるナトリウム燃焼を窒素ガスによって強制的に停止させた場合、その燃焼残渣を50程度の低温まで冷却しても空気雰囲気とすることによって、再び着火する場合がある。燃焼残渣がどのような場合に再着火するかを映像記録と化学分析から調査し、また、燃料残渣を湿り炭酸ガスで安定化させることにより低温での再着火を防止できることを実験的に確認した。
二神 敏; 石川 浩康; 大野 修司; 宮原 信哉
JNC TN9400 2000-092, 247 Pages, 2000/08
高湿分条件下における小規模ナトリウム漏えい時の受け皿減肉の腐食形態を明らかにすることを主目的として、「ナトリウムプール燃焼実験Run-F7-3」および「ナトリウム漏えい燃焼環境における床ライナの腐食発生条件確認実験Run-F8-1」を実施した。両実験では、大規模ナトリウム漏洩燃焼試験施設SAPFIREの小型密閉容器FRAT-1(内容積3mの3乗)を用い、炭素鋼製の受け皿上に約507のナトリウムを2426kg/hの流量で2325分間漏えいさせた。雰囲気条件は湿分濃度2500028000vol-ppmで5mの3乗minの換気を行い、燃焼の終了時刻(容器内のアルゴン置換の実施時刻)をパラメータとした。両ケースの受け皿の減肉量、材料分析結果、堆積物化学組成を分析・比較した結果から、2回の実験ではNaFe複合酸化型腐食が支配的であったと推定した。また、堆積物中にNaOHが形成されるのは主に漏えい終了後でありナトリウム漏えい期間中は溶融塩型腐食の発生しにくい環境であったことを確認した。
三原 隆嗣; 早船 浩樹; 江沼 康弘; 梅津 陽一郎; 石川 浩康; 川崎 信史; 小林 順
JNC TY9400 2000-024, 706 Pages, 2000/06
1999年度より2年間予定で実用化戦略調査研究フェーズ1を実施している。本報告書は実用化戦略調査研究の中で対象としたFBRプラントシステムについて、技術的成立性、経済性等の観点から検討を加えた結果をフェーズ1の中間段階、すなわち1999年度の成果としてまとめたものである。1999年度では、FBRプラントを構成する冷却材及び燃料の組合わせとして現状考えられるものは全て対象にし、同時点での技術情報に基づき、冷却材ごとにプラントシステムの技術的成立性及び経済的成立性について中間評価した。その結果、冷却材ごとにプラントとして有望なシステムの骨格が明確になりつつある。2000年度はさらに検討を進め、フェーズ2で取り上げるべき対象を絞り込んでいく予定である。
早船 浩樹; 島川 佳郎; 石川 浩康; 小林 順; 久保田 健一; 笠井 重夫
JNC TN9400 2000-107, 156 Pages, 2000/06
本検討では、経済性向上と安全性向上が同時に実現可能なアイデアを創出し、実用化戦略調査研究フェーズIの「有望な候補概念の抽出」に供するために、種々の2次系簡素化概念を幅広く検討し、それらの概念について技術的成立性、経済性、安全性を評価した。概念検討では、以下の方針に基づいて2次系簡素化概念を検討した。(1)Na-水反応の反応影響を大幅に緩和することにより2次系を簡素化する。(2)新型SGの採用によってNa-水反応を排除する。(3)水以外の作動流体を用いる発電システムによりNa-水反応を排除する。検討の結果、12種類の2次系簡素化実用化候補概念と、3種類の革新的発電システムを摘出した。これらの候補概念について、評価を行った結果、以下の見通しを得た。(1)Pb-Bi熱媒体ヘリカルコイル分離配置自然循環型SG又は固体銅熱媒体型SG概念を採用することにより、Na-水反応を排除することが可能である。(2)新型SGによる建設コスト低減効果は05%程度と予測される実用化のためにはさらなるコスト低減のアイデアが必要である。(3)新型SGは機器の単体重量が大きくなり、輸送及び現地での設置工事の重量制限が機器容量の制限となる可能性がある。これらの評価結果は、H12年度に実施される2次系簡素化概念の検討成果と併せて比較検討され、有望な候補概念が抽出される予定である。
新部 信昭; 島川 佳郎; 石川 浩康; 早船 浩樹; 久保田 健一; 笠井 重夫; 一宮 正和
JNC TN9400 2000-074, 388 Pages, 2000/06
ナトリウム冷却大型炉については、国内外に多くの研究・運転実績があり、これに基づく豊富な知見がある。本実用化戦略調査研究では、ループ型炉1概念、タンク型炉3概念について経済性向上を主眼にプラント基本概念の検討を実施した。具体的なコストダウン方策としては、ナトリウムの特長を活かした機器の大型化、系統数削減、機器の集合・合体化などを採用している。これらの革新的な設計については、その技術的成立性に関して更なる確認を必要とするが、いずれの炉型においても経済性目標(20万円/kWe)を達成できる見通しが得られた。また、ナトリウム炉の更なる経済性向上策として、以下の項目を抽出しコストダウンの可能性を検討した。・更なる高温・高効率化追求・建設工期短縮・検出系高度化による安全系局限化・SG-ACS
大野 修司; 松木 卓夫*; 石川 浩康; 三宅 収
JNC TN9520 2000-001, 196 Pages, 2000/01
高速増殖炉プラントにおけるナトリウム漏えい燃焼事故の熱的影響を解析するための計算コードとして、ASSCOPS(Analysis of Simultaneous Sodium Combustion in Pool and Spray)が開発された。本報告書は、ASSCOPS version 2.1の使用マニュアルとして、同コードで扱われる計算モデル、インプット、アウトプットについて取りまとめたものである。ASSCOPSコードは、米国Atomics International社で開発されたナトリウムのプール燃焼計算コードSOFIREIIと米国Hanford Engineering Development Laboratoryで開発されたスプレイ燃焼計算コードSPRAYの二つのコードを結合したものである。ナトリウムの漏えい条件(流量、温度)、部屋の形状(容積、構造物の面積・厚さ)、雰囲気初期条件(温度、圧力、ガス成分濃度)などを計算条件として、雰囲気圧力、温度や酸素濃度変化ならびに構造物の温度変化などの時刻歴が計算結果として得られる。
大野 修司; 石川 浩康; 加藤 一憲*; 宮原 信哉; 荒 邦章
JNC TN9400 99-081, 74 Pages, 1999/10
プール状の燃焼ナトリウムを窒素で消火すると、未燃焼ナトリウムを含む燃焼生成物は常温においても空気雰囲気中で再着火する場合がある。本実験研究はこの再着火が生じる原因を解明し再着火防止策を提示することを目的として行ったものである。内径70mm、長さ300mmの耐熱ガラス製容器内で約1gのナトリウムを燃焼させて、燃焼および消火雰囲気中の酸素と湿分および二酸化炭素の濃度をパラメータとした実験を実施した。現象の観察、再着火温度の測定、燃焼生成物の観察と分析を行った結果、以下の知見を得た。(1)純窒素で消火した場合、常温(50)では再着火は生じなかった。しかし、消火用窒素に1%程度以上の酸素が混入した場合に常温で再着火が生じた。(2)酸素が混入した窒素で消火した場合でも、冷却後に湿分と二酸化炭素を用いて燃焼生成物を安定化すると常温での再着火防止効果が認められた。(3)燃焼生成物の化学分析結果はNa2Oが主体であり、他に条件によりNaOH、Na2CO3、Na2O2が認められたが、他の特異な化合物は認められなかった。これから、再着火の原因は消火後の燃焼生成物であるNa2Oを多く含んだ灰白色の樹氷状突起に起因すると思われる。