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鶴留 浩二; 鈴木 一; 青木 克憲
JAEA-Review 2021-031, 186 Pages, 2021/12
国立研究開発法人日本原子力研究開発機構東濃地科学センターでは、2010年度から東濃鉱山閉山措置計画書にしたがって東濃鉱山の閉山措置を進めてきた。東濃鉱山の閉山措置は、鉱業法および鉱山保安法並びに労働安全衛生法などの関連法規に則って作業を行うことになるが、東濃鉱山の閉山措置に関連する技術的事項および周辺環境のモニタリング状況について審議検討を行うため、2013年度から東濃鉱山閉山措置技術検討委員会を東濃地科学センターに設置し、年1回の頻度で、前年度実績と当該年度の計画等について報告し、審議を頂いた。その結果、「閉山措置は計画通り進捗している。また、モニタリングの結果から判断して、鉱山周辺の環境は法令上求められる基準を満たしていると確認できる。」との評価を頂いた。本資料は、2013年度から2019年度にかけて開催した8回の委員会の会議資料を取りまとめたものである。
森下 祐樹; 宇佐美 博士; 古田 禄大; 青木 克憲; 鶴留 浩二; 星 勝也; 鳥居 建男
Radiation Protection Dosimetry, 189(2), p.172 - 181, 2020/04
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Environmental Sciences)遠隔ダストモニタリング装置(RCAM)システムを開発した。RCAMシステムは、パーソナルダストモニターとロボットで構成した。パーソナルダストモニター(poCAMon, SARAD、ドイツ)は、400mmのイオン注入シリコン検出器と25mmのメンブレンエアフィルターで構成された。パーソナルダストモニターは、任意の測定時間間隔のアルファエネルギースペクトルを取得することが可能であった。実証測定は、瑞浪超深地層研究所(MIU)および換気の悪いコンクリートの建物で地下で行われた。RCAMシステムは遠隔操作され、相対湿度(RH)がほぼ100%であってもRn子孫を正常に測定した。測定されたアルファスペクトルでは、Po(6.0MeVアルファ線)およびPo(7.7MeVアルファ線)のピークが明確に識別された。我々の開発したモニターは、高ガンマ線環境または作業者が物理的に立ち入ることができない汚染場でのアルファダストモニタリングに有用である。
佐藤 達彦; 渡辺 立子; 加瀬 優紀*; 鶴岡 千鶴*; 鈴木 雅雄*; 古澤 佳也*; 仁井田 浩二*
Radiation Protection Dosimetry, 143(2-4), p.491 - 496, 2011/02
被引用回数:33 パーセンタイル:91.42(Environmental Sciences)粒子線治療計画の立案や宇宙放射線に対する防護の目的から、従来、さまざまな種類の重イオン照射に対する細胞生存率が測定されてきた。それらは、一般に、LETの関数として表現されるが、細胞生存率のLET依存性は、照射する重イオンの種類により異なることが知られていた。そこで、粒子線輸送計算コードPHITSに組み込んだマイクロドジメトリック運動学モデル(MKモデル)を用いて、これまで測定されてきた重イオン照射細胞生存率データを再解析した。その結果、MKモデルを用いれば、ただ1つのパラメータy*によりすべての重イオン照射に対する細胞生存率が再現できることがわかった。これにより、y*を指標とすれば、LETを指標として開発された従来の粒子線治療計画システムや宇宙放射線に対する防護体系を、より洗練されたものに改良できる可能性が示された。
竹内 章*; 松村 敏博*; 佐藤 和彦; 鶴留 浩二; 時澤 孝之
JNC TN6400 2001-003, 67 Pages, 2001/06
人形峠環境技術センター内の夜次露天採掘場では、採掘場周辺における環境の安全性を確認することを目的とした地下水の水質モニタリングを行なっている。2000年度においては、採水方法の改善および解析に用いるデータセット整備を目的として、物理化学パラメータの深度分布の把握および水質モリタリングを行なった。主な結果は、以下の通り。1)地下水のウラン、ラジウム濃度については、大きな変化はみられなかった。2)地下水の水温、PH,および溶存酸素(DO)の深度の依存傾向は少ない。
竹内 章*; 松村 敏博*; 佐藤 和彦; 鶴留 浩二; 時澤 孝之
JNC TN6400 2001-002, 38 Pages, 2001/06
人形峠環境技術センター内の夜次鉱さいたい積場では、たい積場周辺における環境の安全性を確認することを目的とした地下水の水質モニタリングを行なっている。2000年度においては、採水方法の改善および解析に用いるデータセット整備を目的として、物理化学パラメータの深度分布の把握および水質モリタリングを行なった。主な結果は、以下の通り。1)地下水中のU,Ra濃度については、大きな変化はみられなかった。2)場内水の地下への浸透はあるとおもわれるが、現状では、濃度基準を超えている値は、観測されていない。たい積場の場内水は、かん止提より下流域のモニタリング孔(A-3孔、B-3孔およびC-4孔)と類似した水質を示す。
鶴留 浩二; 時澤 孝之; 山田 哲治*; 長柄 収一*
JNC TY6400 2000-014, 39 Pages, 2000/05
本研究では、放射性物質及びその放射線による植物への影響調査を目的として、植物の遺伝的影響調査及び植物体中の放射線強度分布の測定手法の検討を行った。本研究では遺伝子研究のモデル植物であるシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)を用いて室内実験を行った。尚、本研究は先行基礎工学研究分野に関する研究テーマとして、平成9年度から平成11年度の3年間、岡山大学農学部応用遺伝子工学研究室の山田哲治教授と共同研究で実施したものである(平成9年度は客員研究員)。(1)A.thalianaの遺伝子影響は、鉱さい土壌で生成させたA.thalianaからDNAを抽出しカルコン合成遺伝子及びトランス桂皮酸酵素遺伝子についてシークエンス解析した結果、解析範囲内での遺伝子変異は認められなかった。(2)放射線強度分布の測定手法の検討は、鉱さい土壌で生育させたA.thalianaについてX線フイルムとイメージングプレート(IP)を用いて解析した結果、2手法ともに植物中の放射性物質濃集部位を確認できなかった。本研究により、今後の植物影響評価の基礎となる遺伝子解析操作に関わる一連の手法を習得することができた。
鶴留 浩二; 澁江 靖弘*; 時澤 孝之; 山本 正博*
JNC TY6400 2000-013, 102 Pages, 2000/02
本研究は、地熱地帯に適用されている緑泥石地質温度計について、その妥当性を実験的研究を通して検証することを目的としたものである。実験によって玄武岩と熱水との反応で生じる緑泥石化あるいは粘土鉱物化について検証するとともに、これらの化学組成と熱水の温度との関係を検証するための室内実験を平成9年度から平成10年度にかけて行った(尚、本研究は平成10年度で完了した)。熱水の温度を摂氏200度、摂氏250度、摂氏300度、摂氏350度、摂氏400度、さらに地層科学への応用の可能性も考慮にいれて摂氏100度、摂氏150度に設定して実験を行った。これらの実験で得られた結果は次のようにまとめられる。(1)固相粉末のX線回折分析では、いずれの実験においてもエチレングリコール処理後のピークの移動からスメクタイトが生成していることが確認できた。しかし、緑泥石あるいは緑泥石/スメクタイト混合層の生成は確認できなかった。(2)角柱の薄片の顕微鏡写真から見ると、熱水変質が進行したために、玄武岩の組織の乱れや微細な粘土化が確認された。(3)反応させた海水の組成と実験後の水溶液の組成を比較すると、陽イオンの重量比に変化が認められた。これまで玄武岩と海水との反応に関する低温から高温(摂氏500度)での実験では、緑泥石が生成しない。その代わり、緑泥石/スメクタイト混合層鉱物の生成の可能性が考えられた。しかし、今回の実験では当初目的としていた緑泥石あるいは緑泥石/スクメタイト混合層鉱物の生成は確認できなかったが、今後、さらに高温・高圧条件下での研究や検証が望まれる。
松村 敏博*; 竹内 章*; 佐藤 和彦; 鶴留 浩二; 時澤 孝之
JNC TN6400 99-006, 55 Pages, 1999/08
人形峠環境技術センター内の夜次鉱滓堆積場では、堆積場周辺における環境の安全性を確認することを目的とした地下水の水質モニタリングを行っている。本報告書では露天採掘場周辺の現状を把握するため、1998年までに取得した水質データをまとめた。特に、地下水の物理化学パラメータ、ウラン及びラジウム濃度は、経時変化及び地域的な広がりについて整理した。また、より詳細な地下水の特性を把握するために、採水器の改良及び分析方法の変更を行なった。データ整理の結果、次の傾向が示された。電気伝導度、ウラン及びラジウムの濃度の分布は、堆積上中央に比べて、周辺部の値が低い傾向が認められる。ただし、No.13孔(露天採掘場跡地の東側約50m付近)のウラン、ラジウム濃度は、先に示した傾向と異なり、若干高い値を示す傾向が見られる。
松村 敏博*; 竹内 章*; 佐藤 和彦; 鶴留 浩二; 時澤 孝之
JNC TN6400 99-005, 30 Pages, 1999/08
人形峠環境技術センター内の夜次鉱滓堆積場では、堆積場周辺における環境の安全性を確認することを目的とした地下水の水質モニタリングを行っている。報告書では、夜次鉱滓堆積場周辺の現状を把握するため、1998年までに取得した水質データをまとめた。特に、地下水の物理化学パラメータ、ウラン及びラジウム濃度は、経時変化及び地域的な広がりについて整理した。また、より詳細な地下水の特性を把握するために、採水器の改良及び分析方法の変更を行なった。データ整理の結果、次の傾向が示された。ウラン及びラジウムの濃度は、一時的な変動があるものの、低い値で推移している。一方、水位及び水温については、ダムのかん止堤左岸側において変動が大きい。また、地域てきな広がりについては、電気伝導度及び各種溶存成分の濃度がかん止堤より上流側では低く、下流側では高くなる。
竹内 章*; 松村 敏博*; 佐藤 和彦; 鶴留 浩二; 時澤 孝之
JNC TN6400 99-004, 51 Pages, 1999/08
人形峠環境技術センター内の試錐孔に設置したモニタリング装置(MPシステム)により、調査技術の開発を目的として、間隙水圧の測定、地下水の溶存ガス分析や水質分析を行っている。平成10年度までに取得した水理・水質データを整理し、地下水の特徴について取りまとめた。以下に主な結果を示す。1.ピエゾ水頭値及びその変動は、大きく4つに区分される。2.地下水の水質型は、弱アルカリ性のCa(HCO3)2型及びNAHCO3型のものが混在する。3.地下水の水質形成には、方解石、斜長石、粘土鉱物及び沸石が関与していると考えられる。4.地下水の参加還元電位は、ORP電極から求められたものは-186355mV,溶存ガス濃度比より求められたものは-350-200mVであり、異なる結果となった。
鶴留 浩二; 時澤 孝之
JNC TY6400 99-005, 16 Pages, 1999/05
本研究では、放射性物質や放射線による植物遺伝子への影響の評価を目的として、U,Raといった放射性核種を含有する夜次鉱さいダム土壌を用いて室内試験を行った。ここでは特にモデル植物として遺伝子配列が明らかなシルイヌナズナを用いて、遺伝子の変異について調査した。また放射性核種の移行及び吸収量を測定する手法を開発する目的で、イメージングプレート(IP)の適用を試みた。平成9年度にシロイヌスズナからDNAを用いて、PCR(Polymcrase Chain Reaclion)法によるDNA増幅の結果から、放射線や放射性核種影響に関与するカルコン合成遺伝子が増幅できていることを確認できた。また、鉱さいダム土壌で生育させたシロイヌスズナのIP分析結果から、植物体の放射線分布を測定することが確認でき、微量な放射線の測定方法に道が開けた。なお、本研究は岡山大学との共同で実験をすすめておりDNA増幅操作までをサイクル機構が担当し、サブクローニングからシーケンスまでのDNA組換え実験を含む操作については、岡山大学が担当して実験を行った。
石川 法人; 知見 康弘; 岩瀬 彰宏; 鶴 浩二*; 道上 修*
Journal of Nuclear Materials, 258-263, p.1924 - 1928, 1998/00
被引用回数:9 パーセンタイル:60.39(Materials Science, Multidisciplinary)高温超伝導体において低温(100K)でイオン照射を行い、電気抵抗、臨界温度の照射量依存性及び300Kまで温度上昇したときの欠陥のアニーリング効果について調べた。その結果、イオン種が変わってもエネルギーがMeV領域のときは、電気抵抗は欠陥密度のみに依存することがわかった。それに対して、臨界温度は欠陥密度のみによらず、試料中の欠陥の空間分布による可能性を見出した。300Kまでアニーリングすることによるアニーリング効果は、測定誤差内で、イオン種に依存しないことが分かった。
石川 法人; 知見 康弘; 岩瀬 彰宏; 鶴 浩二*; 道上 修*
Mat. Res. Soc. Symp. Proc., 504, p.171 - 175, 1998/00
高温超伝導体EuBaCuOyに100Kにおいてあらゆるイオン(Cl,Ni,Br,I,90-200MeV)を照射し、電気抵抗率の照射量依存性をその場測定した。その結果、Cl,Niイオン照射した時には、抵抗率は、照射量の増加に伴い飽和傾向を示し、Br,I照射の時には、発散傾向を示した。これらの曲線の違いを、試料に導入された粒状の抵抗率の高い領域を仮定することによって、統一的に説明することができた。
石川 法人; 知見 康弘; 岩瀬 彰宏; 前田 裕司; 鶴 浩二*; 道上 修*; 神原 正*; 三田村 徹*; 粟屋 容子*; 寺澤 倫孝*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 135, p.184 - 189, 1998/00
被引用回数:15 パーセンタイル:73.06(Instruments & Instrumentation)高温超伝導体EuBaCuOy薄膜に、イオン照射したときのC軸の照射量依存性を測定した。イオン種をHeからAuまで変化させ、またイオンのエネルギーを0.85MeVから200MeVまで変化させたときにC軸長の照射量に対する変化率がSe(電子的阻止能)、dJ/dx(primary ionization rate)に対してどういう振舞いを示すか調べた。但し、その際に弾性的はじき出しによる寄与をさし引き、電子励起による欠陥生成の寄与のみに着目した。その結果、電子励起による欠陥生成の効果は、Seのみではスケールされず、dJ/dxを用いるとよくスケールされることを見出した。また、その依存性はdJ/dxの4乗であり、これは、電子励起により形成されたイオンのクーロン反発により欠陥生成がなされた可能性を強く示唆するものである。
岩瀬 彰宏; 石川 法人; 知見 康弘; 若菜 裕紀*; 道上 修*; 神原 正*; 鶴 浩二*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 146(1-4), p.557 - 564, 1998/00
被引用回数:20 パーセンタイル:80.42(Instruments & Instrumentation)原研VdG、タンデム、及び理研リングサイクロトロンの各加速器を用いて得られた、酸化物超伝導体EuBaCuOの高エネルギーイオン照射効果に関する最近の成果をレヴューし、照射効果のメカニズムについて議論する。
石川 法人; 知見 康弘; 岩瀬 彰宏; 鶴 浩二*; 道上 修*; 神原 正*
RIKEN Accelerator Progress Report, 31, P. 97, 1998/00
高温超伝導体EuBaCuOyにイオンを照射し、C軸長を測定した結果、その伸び率が、イオンの軌跡に沿って誘起されるターゲット中のイオンの密度に依存することが分かった。
鶴留 浩二; 野崎 茂*
JNC TN7400 2005-014, 128 Pages, 1996/07
地層化学研究を推進するためには、この研究の掘削目的と地質特性に適合した試錐掘削技術の導入・開発を図らなければならない。その手始めとして、今年度は、国内・国外の各掘削分野でどのような掘削技術が利用されているのか、その現状を把握するために、文献調査を行なった。文献調査の対象は、地層処分、学術、石油、地熱の分野とした。文献調査の結果、地層処分の分野では、スウェーデンのSKBがコア掘削において、掘削流体に水だけを使用し、深度1,700m程度の試錐孔を掘削した実績がある。また学術の分野では、KTB(ドイツ)が地層へのコンタミネーションを考慮した掘削流体(泥水)の開発や垂直掘りに関して画期的な技術開発を行なった。
石川 法人; 岩瀬 彰宏; 知見 康弘; 前田 裕司; 鶴 浩二*; 道上 修*
Physica C, 259, p.54 - 60, 1996/00
被引用回数:12 パーセンタイル:55.67(Physics, Applied)高温超伝導体EuBaCuO c軸配向膜についてイオン照射を行い、照射後のc軸長変化を測定し、照射時の欠陥生成過程についての考察を行った。0.85~2.0MeVのHe、C、Ne、Arのような低エネルギーイオンの照射を行った場合、照射量に対するc軸長の伸び率は核的阻止能に比例して増加することが判った。それに対して、120MeV~200MeVのNi、I、Auのような高エネルギーイオンの照射を行った場合、低エネルギーイオンの照射で見られた振舞いからのずれが観測され、そのずれが電子的阻止能でスケールされることが判った。
鶴留 浩二; 野崎 茂*; 小沢 英司
PNC TN7440 95-003, 43 Pages, 1995/05
本試験は、(1)保孔材の選定および(2)選定したウレタンの保孔材としての適応性の検討を目的としたものである。地層中への浸透性に優れ、地下水の地球化学的な性質などに影響の少ない材料として、ウレタンを選定し、室内および野外において、その適応性を確認するための試験を実施した。室内試験では、ウレタン固詰物に対して、深度1000mでの地温50}Cを想定した浸漬試験および深度1000mを模擬した100kg/cm水圧下でのウレタン固結試験、さらに数十kg/cm水圧下での岩石とウレタンとの固結試験を実施した。野外試験では、地上および試錐孔でのウレタンの注入試験を実施した。その結果、次のことがわかった。(1)浸漬試験の結果、ウレタンの固詰物は、水質への影響が少ないことがわかった。(2)ウレタン固結試験の結果、100kg/cm水圧下でウレタンは固結することを確認した。(3)ウレタンと岩石との固結試験の結果、固結状態は良好であることを確認した。(4)地上の風化花崗岩の岸壁に対して水平方向のウレタン注入試験の結果、ウレタンは、岩盤へ良く浸透し、固結状態も良好であることを確認した。(5)試錐孔でのウレタン注入試験の結果、孔内状況に応じた注入方式を検討することが、課題として残った。
石川 法人; 岩瀬 彰宏; 岩田 忠夫; 前田 裕司; 鶴 浩二*; 道上 修*
J. Supercond., 7(1), p.241 - 242, 1994/00
C軸配向したEuBaCuO超伝導薄膜について、ピニング機構のHeイオン照射効果を調べた。ピニングの強さを表わす磁束の活性化エネルギーを磁場中抵抗の温度依存性から見積った。flux creep modelが成り立つと考えられる低抵抗領域における活性化エネルギーは、Heイオンの照射量の増加にしたがって減少し、ピニング特性が劣化することが分かった。さらに我々は、臨界電流密度の照射量依存性を測定し、それがTの殆ど変化しない低照射量領域(~10cm)ですでに減少し、Heイオン照射による点状欠陥がピニングセンターとして機能しない、という結論を得た。