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光安 優典*; 岡 壽崇; 高橋 温*; 小荒井 一真; 木野 康志*; 奥津 賢一*; 関根 勉*; 山下 琢磨*; 清水 良央*; 千葉 美麗*; et al.
KEK Proceedings 2021-2, p.91 - 96, 2021/12
歯のエナメル質中に放射線によって生成した炭酸ラジカルを指標にして、原爆の被ばく者やチェルノブイリ原子力発電所事故の被ばく者の線量推定に使用されてきたESR線量推定法を、野生ニホンザルに適用することを試みている。ニホンザルのエナメル質のESRを可能にするための分析前処理法を検討し、福島県で捕獲した野生ニホンザルの線量推定を行うとともに、ESR信号の解析方法などについて議論した。
小荒井 一真; 松枝 誠; 青木 譲; 柳澤 華代*; 寺島 元基; 藤原 健壮; 木野 康志*; 岡 壽崇; 高橋 温*; 鈴木 敏彦*; et al.
Journal of Analytical Atomic Spectrometry, 36(8), p.1678 - 1682, 2021/08
被引用回数:5 パーセンタイル:55.72(Chemistry, Analytical)ウシの硬組織用のSr分析法をICP-MS用いて開発した。0.1gの硬組織に対して、従来の放射能測定法より低い検出下限値で、11時間での分析を可能とした。そのため、ICP-MS法は微小な骨や歯試料を対象とした迅速かつ有効な分析手法となり得る。
北里 宏平*; Milliken, R. E.*; 岩田 隆浩*; 安部 正真*; 大竹 真紀子*; 松浦 周二*; 高木 靖彦*; 中村 智樹*; 廣井 孝弘*; 松岡 萌*; et al.
Nature Astronomy (Internet), 5(3), p.246 - 250, 2021/03
被引用回数:43 パーセンタイル:96.93(Astronomy & Astrophysics)2019年4月「はやぶさ2」ミッションは、地球に近い炭素質の小惑星(162173)リュウグウの人工衝撃実験を成功させた。これは露出した地下物質を調査し、放射加熱の潜在的な影響をテストする機会を提供した。はやぶさ2の近赤外線分光器(NIRS3)によるリュウグウの地下物質の観測結果を報告する。発掘された材料の反射スペクトルは、表面で観測されたものと比較して、わずかに強くピークがシフトした水酸基(OH)の吸収を示す。これは、宇宙風化や放射加熱が最上部の表面で微妙なスペクトル変化を引き起こしたことを示している。ただし、このOH吸収の強度と形状は、表面と同様に、地下物質が300Cを超える加熱を経験したことを示している。一方、熱物理モデリングでは、軌道長半径が0.344AUに減少しても、推定される掘削深度1mでは放射加熱によって温度が200Cを超えて上昇しないことが示されている。これは、リュウグウ母天体が放射加熱と衝撃加熱のいずれか、もしくは両方により熱変化が発生したという仮説を裏付けている。
岡 壽崇; 高橋 温*; 小荒井 一真; 光安 優典*; 木野 康志*; 関根 勉*; 清水 良央*; 千葉 美麗*; 鈴木 敏彦*; 小坂 健*; et al.
Radiation Measurements, 134, p.106315_1 - 106315_4, 2020/06
被引用回数:5 パーセンタイル:53.85(Nuclear Science & Technology)ニホンザルのエナメル質中に誘起された炭酸ラジカルと吸収線量の関係(検量線)を電子スピン共鳴(ESR)法で調べた。ニホンザルのエナメル質のESR測定で検出できる線量の下限(検出限界)は33.5mGyであり、ヒトのエナメル質の検出限界と同等であった。作成した検量線を用いて、福島県で捕獲した7頭の野生ニホンザルの線量を評価したところ、45mGyから300mGyの被ばくをしていることがわかった。
北里 宏平*; Milliken, R. E.*; 岩田 隆浩*; 安部 正真*; 大竹 真紀子*; 松浦 周二*; 荒井 武彦*; 仲内 悠祐*; 中村 智樹*; 松岡 萌*; et al.
Science, 364(6437), p.272 - 275, 2019/04
被引用回数:259 パーセンタイル:99.73(Multidisciplinary Sciences)小惑星探査機はやぶさ2のターゲット天体であるリュウグウは、始原的な炭素質物質で構成されていると考えられている。はやぶさ2に搭載された近赤外分光計(NIRS3)によって、天体の表面組成を得た。天体全体の観測で、弱く細い吸収が2.72ミクロンに確認され、OHを含む鉱物の存在を示している。弱いOH吸収と低いアルベドは熱やショックによって変質を受けた炭素質コンドライトに似ている。OHバンドの位置はほとんど一定であり、衝撃片の集合によって形成されたリュウグウは組成的に均質であることを示している。
酒井 健二; 奥 隆之; 林田 洋寿*; 吉良 弘*; 廣井 孝介; 猪野 隆*; 大山 研司*; 大河原 学*; 加倉井 和久; 篠原 武尚; et al.
JPS Conference Proceedings (Internet), 8, p.036015_1 - 036015_6, 2015/09
Heの中性子吸収断面積が強いスピン選択性を有することを利用した偏極Heフィルターは、ビーム調整が不要なため、ビームラインに設置すれば直ぐに使える簡便な中性子スピンフィルター(NSF)として利用できる。そのようなNSF実現のためには、NSFのHe偏極度を定常的にモニタするための核磁気共鳴(NMR)システムの開発が不可欠である。我々は断熱高速通過型(AFP)とパルス型NMRの特徴が相補的であることに着目して2つのシステムを併用した汎用性の高いNMRシステムを開発した。更に、J-PARCの中性子実験装置(BL10)での中性子透過率測定から得られたで校正しながら、温度、パルスNMRの振動磁場の大きさや印可時間などの測定条件を変えて、AFPとパルスNMRの信号間の相関を測定した。例えば、パルスNMR測定に起因する減偏極率を0.1%以下になるまでパルスNMRの検出感度を小さくしても、2つのNMR信号間の線形性は確認できた。これらの結果から、我々は開発したNMRシステムがHe偏極度モニタとして十分機能することを確認した。
大島 武; 小野田 忍; 岩本 直也; 牧野 高紘; 新井 学*; 田中 保宣*
Physics and Technology of Silicon Carbide Devices, p.379 - 402, 2012/10
炭化ケイ素(SiC)半導体ダイオード及びトランジスタの放射線照射効果に関する研究について述べる。具体的には、SiC金属-酸化膜-半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)の線照射について、しきい値電圧及びSubthreshold領域の電流-電圧特性の変化から、デバイス特性を劣化させる要因である酸化膜の固定電荷と界面準位に関する情報を得る。また、SiCトランジスタ(MOSFET, 金属-半導体(MES)FET, 静電誘導トランジスタ(SIT))の線照射効果を従来のシリコン(Si)トランジスタと比較することでSiCデバイスの高い耐放射線性を示す。加えて、SiCダイオードへのイオン照射により発生する誘起電荷を単一イオン入射イオンビーム誘起過渡電流(TIBIC)測定の結果より明らかにし、重イオン入射の場合に見られるイオン誘起電荷の再結合といったキャリアダイナミクスについて言及する。
小野田 忍; 牧野 高紘; 小野 修一*; 片上 崇治*; 新井 学*; 大島 武
IEEE Transactions on Nuclear Science, 59(4), p.742 - 748, 2012/08
被引用回数:4 パーセンタイル:31.96(Engineering, Electrical & Electronic)耐放射線性に優れている炭化ケイ素(SiC: Silicon Carbide)金属半導体電界効果トランジスタ(MESFET: Metal Semiconductor Field Effect Transistor)に単一の重イオンを照射することで、付与電荷よりも過剰な電荷が収集される現象が報告されている。この電荷増幅機構を明らかにするため、さまざまな線エネルギー付与(LET: Linear Energy Transfer)と飛程を持つイオンをMEFETに照射し、発生する過渡電流を計測した。実験の結果、イオンがゲートとドレインの間に入射したときに最も大きな過渡電流が観測されることがわかった。シミュレーションの結果、イオン入射後にソースからMESFETの基板を通りドレインへ電流が流れることが明らかになった。さらに、イオン入射後にソースからチャネル領域を通りドレインへ電流が流れることもわかった。これらの電荷増幅効果は、ゲートとドレイン間だけでなく、ゲートやドレインにイオンが入射したときも起こることもわかった。実験及びシミュレーションから、イオンのエネルギーが高く飛程が長くなるほど、電荷増幅効果の継続時間が長くなることが明らかとなった。また、LETが高くなるほど電荷増幅効果の影響が大きくなることがわかった。
大島 武; 小野田 忍; 田中 保宣*; 新井 学*
Isotope News, (686), p.8 - 12, 2011/06
耐放射線性炭化ケイ素(SiC)デバイスの開発に関して、原子力機構がこれまで行ってきた研究・開発を中心にレビューする。具体的には、SiC金属-酸化膜-半導体(MOS)電界効果トランジスタ(FET),金属-半導体FET(MESFET)及び静電誘導型トランジスタ(SIT)といった、異なる構造を有するSiCトランジスタの線耐性を検討した結果について紹介する。SiC MOSFETでは、従来のシリコン(Si)MOSFETに比べて二桁高い、数MGyまでの耐放射線性を示すことを紹介する。加えて、MOSFETの耐放射線性は酸化膜の作製方法により異なり、水蒸気による酸化の方が乾燥酸素による酸化に比べて優れた耐性を示すこと、この理由が、線照射により酸化膜/半導体界面に発生する欠陥(界面準位)量が酸化方法により異なるためであることを説明する。さらに、酸化膜を有さないMESFET及びSITでは、MOSFETを超える10MGy耐性を有することを紹介する。
小野田 忍; 岩本 直也; 小野 修一*; 片上 崇治*; 新井 学*; 河野 勝泰*; 大島 武
IEEE Transactions on Nuclear Science, 56(6), p.3218 - 3222, 2009/12
被引用回数:18 パーセンタイル:74.76(Engineering, Electrical & Electronic)4H-SiC Metal Semiconductor Field Effect Transistor(MESFET)に15MeVの酸素イオン1個が入射した際に発生する過渡電流の計測を行った。MESFETのゲート電極にイオンが1個入射したときに、ゲート電極からだけでなく、ドレイン電極及びソース電極からも過渡電流が観測された。ドレイン電極からの過渡電流は、ソース電極からの過渡電流と極性が逆で、大きさが同じであったが、これは電荷中性条件により解釈できる。ところが、過渡電流を積分して求めた収集電荷量は、イオンの直接電離により誘起された電荷量よりも数桁も大きいことがわかった。素子構造を考慮すると、寄生トランジスタのバイポーラ増幅効果により、電荷量が増大した可能性が示唆された。
大山 英典*; 葉山 清輝*; 高倉 健一郎*; 平尾 敏雄; 小野田 忍; 大島 武; 久保山 智司*; 新井 学*
no journal, ,
本研究では、次世代の耐放射線デバイスとして期待されているSiCトランジスタ(MESFET)やGaAlAs系発光ダイオード(LED)に、異なる照射量や照射線量率で電子線を照射し、デバイス特性の劣化を評価した。実験には、4H-SiC半絶縁基板上に成長した不純物濃度310cmの4H-SiCエピタキシャル層上に作製したSiC MES-FETを用いた。ゲート長幅はそれぞれ0.5及び100mである。また、GaAlAs LEDはシャープ製のGaAlAsダブルヘテロ接合LED(GL3UR44)であり、基板のキャリア濃度は1.510cm程度である。これらの試料に、加速電圧が2MeVの電子線を照射温度100300C,照射線量率4.6810又は4.6810e/m/secで、110e/m照射した。電気的・光学的・特性を調べた結果、SiC-MESFETでは電子線照射により、電気的特性(入力・出力特性)が劣化した。特に、入力特性の劣化が顕著で、サブシュレッショルド領域における電流が急激に増加することが判明した。GaAlAs LEDでは、電子線照射により逆方向電圧印加時のリーク電流が増加し、静電容量が減少するという結果が得られた。さらに電流-電圧特性の線量率依存性では、線量率の小さい方が特性劣化が大きく、これは長時間の照射中に熱による劣化が発生したためと解釈される。
小野田 忍; 岩本 直也; 小野 修一*; 片上 崇治*; 新井 学*; 河野 勝泰*; 大島 武
no journal, ,
耐放射線性SiC(Silicon Carbide)デバイス開発研究の一環として、4H(Hexagonal)SiCエピ基板上に作製したMESFET(Metal Semiconductor Field Effect Transistor)に、Co-60照射施設において、8.7kGy/hの線量率で2.4MGyの線量まで線を室温にて照射した。照射前後の電流電圧特性を室温,暗条件にて測定した。その結果、2MGyを超えても相互コンダクタンスの変化はほとんど見られなかった。さらに、ゲートのリーク電流,理想係数,障壁高さ,しきい値電圧についても、同様に大きな変化は観測されなかった。以上のことから、4H-SiC MESFETは高い耐放射線性を有することが示された。
境 誠司; 谷本 久典*; 松本 吉弘; 圓谷 志郎; 大伴 真名歩; 新井 大二朗
no journal, ,
C分子が共有結合したCポリマーは特異な電子状態を持つことから、Cポリマー膜では通常のC膜とは異なる物性の発現が期待されている。C分子は光照射や高温高圧保持,電子線照射など種々の方法によってポリマー化することが知られており、中でも光照射法は作製コストやポリマー領域の制御といった点で有利である。しかしC膜への光の侵入長は数十nm程度であるため、成膜後に光照射した膜ではポリマー化は表面近傍のみであり、均質な膜とはならない。本研究では成膜中にその場紫外光照射することで膜厚約300nmのポリマー化C厚膜を作製し、XRD解析及びラマン散乱測定を行った。ポリマー化したC膜は最大4%程度格子が収縮しており、一般に光照射で生成するとされるC二量体よりも重合度の高い六量体程度のポリマーが生成していることが示唆された。
境 誠司; 新井 大二朗; 谷本 久典*; 大伴 真名歩; 圓谷 志郎; 松本 吉弘
no journal, ,
C分子が共有結合したCポリマーは特異な電子状態を持つことから、電気伝導性の上昇など通常のC膜とは異なる物性の発現が期待されている。C分子は光照射や高温高圧保持など種々の方法によってポリマー化することが知られており、中でも光照射法は作製コストやポリマー領域の制御といった点で有利である。しかしC膜への光の侵入長は数十nm程度であるため、従来からの成膜後に光照射を行う方法では、得られる膜厚が侵入長以下に制限されることや膜質の深さ方向への不均質が生じてしまう。本研究では成膜中にその場光照射することで厚さが300nmのCポリマー薄膜を作製し、X線回折(XRD), ラマン分光、及び原子間力顕微鏡(AFM)観察結果によりCの重合状態を調べた。さらにCポリマーを半導体層とする電界効果トランジスタ(FET)を作製し、電気伝導特性の評価を行った。
境 誠司; 松本 吉弘; 圓谷 志郎; 大伴 真名歩; 新井 大二朗; 谷本 久典*; 楢本 洋*
no journal, ,
近年、有機分子やナノカーボン物質を用いた分子スピントロニクスが注目されている。発表者らはグラフェンやフラレンなどのナノカーボン物質と磁性金属との界面に着目し、分光手法を用いることにより同界面の電子・スピン状態を明らかにしてきた。これらの成果を基にスピン素子を設計し、スピン輸送特性の探索を行っている。今回、C60-磁性金属グラニュラー薄膜およびグラフェンに関するスピン輸送特性・スピン分光の研究成果を発表する。C60-磁性金属グラニュラー薄膜では、巨大トンネル磁気抵抗効果を示すことを明らかにし、同効果がC60-磁性金属化合物/磁性金属微結晶界面における伝導電子の高スピン偏極率に起因することを明らかにした。また、グラフェン/磁性金属界面では、グラフェンとニッケル界面において数原子層内でニッケルのスピンが面内から面直に遷移することが明らかになった。
奥 隆之; 林田 洋寿; 酒井 健二; 篠原 武尚; 中村 充孝; 相澤 一也; 新井 正敏; 遠藤 康夫; 加倉井 和久; 吉良 弘*; et al.
no journal, ,
パルス中性子散乱実験への応用を目的として、オンビームSEOP型He中性子偏極フィルターの開発を行っている。He中性子偏極フィルターは、広いエネルギー範囲の中性子に有効である他、発散度の大きなビームの偏極も可能であるなど優れた特徴を持つ。このオンビームSEOP型He中性子偏極フィルターをJ-PARC等の大強度パルス中性子散乱施設の中性子分光器に導入するためには、装置を分厚い放射線シールドの中に設置する必要があるため、放射線遮へいの観点からも装置のサイズをコンパクトにすることが重要である。そこで、我々はVolume Holographic Grating(VHG)素子を用いて、SEOP用の小型レーザー光学系を開発した。この小型レーザーを用いてオンビームSEOP型He中性子偏極フィルターを組み上げて、現在、偏極パルス中性子を用いた小角散乱実験や反射率実験などへの応用研究を進めている。発表では、我々のHe中性子偏極フィルターの開発状況や今後の開発計画について紹介する。
酒井 健二; 奥 隆之; 林田 洋寿; 吉良 弘*; 大河原 学*; 篠原 武尚; 及川 健一; 原田 正英; 加倉井 和久; 相澤 一也; et al.
no journal, ,
中性子吸収断面積の強いスピン選択性を利用するHe-3(He)偏極フィルターは、ビームによる調整が不要なため、簡便な透過型中性子偏極フィルターとして利用できるが、そのためにはHe偏極度を定常的にモニタする装置が不可欠となる。J-PARC/物質・生命科学実験施設(MLF)において、我々は、断熱高速通過核磁気共鳴法(AFP-NMR)に基づくHe-3偏極度モニタを開発してきた。高偏極を維持したままHe偏極を反転できるAFP-NMR型モニタは、中性子偏極スピンフリッパーとして優れた機能を有する。しかしAFP-NMR型モニタは、Heセルの寸法や形状がRFコイルの寸法で制限される、NMR装置構成が複雑になるなどの問題点も有する。そこで我々は、ピックアップコイルのみで動作可能で、NMR装置構成も簡便になるパルスNMR型モニタを開発し、既存のAFP-NMR型モニタと併用することで、汎用性を高めた偏極モニタシステムを構築した。
新井 大二朗; 谷本 久典*; 大伴 真名歩; 圓谷 志郎; 松本 吉弘*; 境 誠司
no journal, ,
C分子が互いに共有結合したポリマー化Cは通常のC分子とは電子構造が異なり、電気伝導性の上昇など通常のC膜とは異なる物性の発現が期待されている。講演者らは、ポリマー化Cの作製法について、均質な結晶質薄膜の成長やポリマー領域の制御性から薄膜デバイスへの応用に適した光照射法に着目し、光照射ポリマー化C薄膜をキャリア輸送層とするボトムコンタクト型電界効果トランジスタ(FET)を作成し、伝導特性を調査した。FETの電極に金を用いたポリマー化CFET素子では、通常のCを用いた先行研究の結果と比較して高い電子移動度(0.02cm/Vs)が得られた一方で、金電極とポリマー化Cの界面で高い接触抵抗が生じることが明らかになった。これに対して、ポリマー化CFET素子の電極を金からグラフェンに変えることで、接触抵抗を著しく減少できることが明らかになった。本研究の結果から、ポリマー化Cの電子材料としての可能性に加えて、グラフェンがCなどナノ炭素材料の電極として優れた特性を示すことが明らかになった。
吉良 弘*; 林田 洋寿*; 奥 隆之; 酒井 健二; 廣井 孝介; 猪野 隆*; 大山 研司*; 大河原 学*; 加倉井 和久; 鈴木 淳市*; et al.
no journal, ,
The magnetic shield design study for the in-situ SEOP polarized He neutron spin filter system for high magnetic field sample environment has been performed by means of finite element calculation. The study showed that the design of magnetic shield can be optimized to accommodate the in-situ SEOP filter system located 1 meter from the sample position achieving depolarization time greater than 100 hours with an applied magnetic field of 7 Tesla of a cryomagnet at the sample position.
林田 洋寿*; 吉良 弘*; 鈴木 淳市*; 奥 隆之; 酒井 健二; 廣井 孝介; 篠原 武尚; 加倉井 和久; 相澤 一也; 新井 正敏; et al.
no journal, ,
He中性子スピンフィルターは、大立体角に対応でき、高エネルギー(数eV以下)中性子の偏極/検極を可能にする中性子偏極/検極デバイスである。この発表ではHe核スピン偏極率を一定に保つことができ、安定した偏極中性子実験を可能とするSpin Exchange Optical Pumping (SEOP)方式のHe中性子スピンフィルター開発及びBL17写楽での偏極反射率測定およびBL10 NOBORUでの偏極イメージング実験について報告する。