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川村 英之; 小林 卓也; 西川 史朗*; 石川 洋一*; 碓氷 典久*; 蒲地 政文*; 麻生 紀子*; 田中 裕介*; 淡路 敏之*
Global Environmental Research (Internet), 18(1), p.81 - 96, 2014/09
2011年3月11日に発生した東日本大震災の津波により東北地方から北太平洋へ流出した洋上漂流物に関して、北太平洋における分布を再現・予報するため、漂流シミュレーションを実施した。その結果、洋上漂流物は最初は黒潮続流と西風により主に東に流されながら、海洋の渦と大気擾乱により南北方向にも広がったと示唆された。浮遊性の高い洋上漂流物は、海流よりも海上風の影響をより強く受けて北太平洋上に広がり、2011年の秋頃には北アメリカ大陸西岸に到着したと考えられる。北アメリカ大陸周辺の洋上漂流物は大気圧の季節変動の影響を受けて広がったことが示唆された。また、予報シミュレーションにより、北アメリカ大陸からフィリピン諸島にかけて、洋上漂流物が帯状に広がることが予報された。
川村 英之; 小林 卓也; 古野 朗子; 印 貞治*; 石川 洋一*; 中山 智治*; 島 茂樹*; 淡路 敏之*
Reports of Research Institute for Applied Mechanics, Kyushu University, (143), p.111 - 117, 2012/09
2011年3月11日に発生した東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所の事故により、周辺環境へ放射性核種が放出された。日本原子力研究開発機構では、事故当時からこれらの放射性核種が海洋環境へ与える影響を評価するため、海洋中放射性核種移行モデルと海洋大循環モデルを用いて数値シミュレーションを行ってきた。本研究では、事故後の約2か月間における放射性核種の移行を当時の海況場と関連させて解析を行った。その結果、おもに3月中旬に大気中へ放出された放射性核種は日本の東方向の太平洋の海表面に沈着し、それらが黒潮続流や海洋中規模渦等の海流により移行されたことが示唆される。また、福島第一原子力発電所から海洋中へ直接放出された放射性核種は、おもに沿岸に沿って南下し、その後は黒潮続流により拡散されながら東に輸送されたと考えられる。
川村 英之; 小林 卓也; 古野 朗子; 印 貞治*; 石川 洋一*; 中山 智治*; 島 茂樹*; 淡路 敏之*
Journal of Nuclear Science and Technology, 48(11), p.1349 - 1356, 2011/11
被引用回数:187 パーセンタイル:99.77(Nuclear Science & Technology)福島第一原子力発電所の事故により海洋中へ放出されたIとCsの移行を数値シミュレーションにより計算した。計算結果は、海洋モニタリングで得られた観測点における放射性核種の時系列と良い一致を示した。また、4月上旬に北茨城市沖で採取されたコウナゴ内で検出された高濃度のIは大気から海洋表面へ沈着したIが原因であることが示唆された。さらに、太平洋の日本の東海域における放射性核種の濃度分布を計算し、3月中旬に大気中へ放出された放射性核種の海表面への沈着の影響が大きいことを示唆した。
小林 卓也; 印 貞治*; 石川 洋一*; 川村 英之; 中山 智治*; 島 茂樹*; 淡路 敏之*; 外川 織彦
Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 2, p.682 - 687, 2011/10
青森県六ヶ所村に立地する使用済燃料再処理施設は、近い将来に稼動する。再処理施設の通常運転時には、放射性廃液が海洋放出口から計画的に沿岸域に放出される。放出された放射性核種は、海洋中を物理・化学・生物過程を経て移行する。そのため再処理施設から沿岸海洋へ通常放出される放射性核種の移行挙動を理解することは、環境安全の観点からも重要である。そこで、海洋大循環モデルと海洋中放射性物質移行モデルから構成される六ヶ所海域における放射性核種の移行挙動を予測する計算システムを開発した。海洋大循環モデルは、4次元データ同化手法と3段のネスティング手法を用いるために高速の計算機環境が必要である。海洋中放射性物質移行モデルには、溶存態と懸濁態との吸脱着過程を取り扱う吸脱着モデルと、鉛直重力噴流モデルをコード化した。適用計算として2007年の海況場を再現し、仮想的な放射性物質の拡散実験を実施した。
小林 卓也; 印 貞治*; 石川 洋一*; 松浦 康孝*; 島 茂樹*; 中山 智治*; 淡路 敏之*; 川村 英之; 外川 織彦
日本原子力学会和文論文誌, 7(2), p.112 - 126, 2008/06
下北沖海域における使用済燃料再処理施設の平常時及び異常時に海洋へ放出される放射性核種の移行を予測する海況予測システムを開発した。開発されたシステムのケーススタディを実施した結果、下記の結論が得られた。(1)沿岸域の海況予報は、海洋大循環モデルにデータ同化手法とネスティング手法を用いることにより、十分実用に耐えられるレベルに到達した。(2)Hの仮想放出計算から海産物摂取による最大個人線量を推定したところ、0.45Sv/yであった。この値は一般公衆の線量限度よりも十分低い値である。(3)吸脱着モデルを用いたCsの仮想放出計算の結果、60日間の計算期間では海底に堆積するCsは全体の約4%であった。今回の仮想放出計算によるCs濃度は、当該海域で測定されたグローバルフォールアウトと同程度以下であった。
印 貞治*; 中山 智治*; 松浦 康孝*; 島 茂樹*; 石川 洋一*; 淡路 敏之*; 小林 卓也; 川村 英之; 外川 織彦; 豊田 隆寛*
Proceedings of International Symposium on Environmental Modeling and Radioecology, p.58 - 64, 2007/03
下北半島沖の太平洋北西部は複雑な水塊構造を成している。海況予報システムを構築するためには、海水循環モデルを使用してこの海域の循環や水塊構造を正確に再現する必要がある。そのため、ネスティング手法を適用してきた。また、海況場の計算結果を初期化するために四次元変分法を使用してデータ同化を適用している。データ同化用のデータは、GTSPPと呼ばれるプロジェクトで得られた現場観測データと人工衛星による海面水温・海面高度データである。2003年に行われた観測データと同時期の計算結果を比較したところ、海況予報システムが高い性能を持つことが確認された。特に、下北半島沖の沿岸モード・渦モードと呼ばれる流れや両モード間の移行過程がよく再現されることがわかった。
馬場 治; 國富 一彦; 川路 さとし; 田中 利幸; 塩沢 周策; 大久保 実
Proc. of ASMEJSME 4th Int. Conf. on Nuclear Engineering 1996 (ICONE-4), 2, p.281 - 287, 1996/00
大洗研究所では、1997年の初臨界を目指してHTTRの建設が進められている。HTTRの原子炉圧力容器、中間熱交換器等の主要機器は、既に現地に搬入され、1996年には単体機器試験、1997年前半には機能試験が予定されている。HTTRは、原子炉出口冷却材温度が、850Cと950Cの2種類と中間熱交換器の運転・休止の組み合わせによる計4種類の出力運転モードと高温ガス炉特有の固有の安全性を実証するための試験運転モードを有している。計測制御系及び安全保護系は、これらのすべての運転モードにおいて安全で安定な運転が可能で、万一の異常時には安全に炉停止が可能なよう設計されている。HTTRの冷却系、計測制御系、安全保護系の設計と、建設の現状について述べる。
石川 洋一*; 淡路 敏之*; 印 貞治*; 中山 智治*; 松浦 康孝*; 島 茂樹*; 豊田 隆寛*; 小林 卓也; 外川 織彦; 川村 英之
no journal, ,
本研究は、六ヶ所沖現況解析・海況予報システムを開発し、下北半島沖における放射性核種の移行を数週間程度の時間スケールで予報することを目的としている。本発表では、このシステムを構成する要素の一つである北西太平洋域の循環場を現況解析・海況予報するためのデータ同化システムについて紹介する。本研究で用いたデータ同化手法は、4D-VAR(adjoint法)である。海水循環モデルの水平分解能は東西方向・南北方向に各々1/61/8であり、鉛直分解能は最深部で78層とした。数値モデルに同化する観測データは、海面水温データ(東北大学 NGSST)・海面高度データ(AVISO NRT-MADT)・現場観測データ(NOAA GTSPP)を用いた。数値計算は、2003年2月7日から観測データを同化して解析場を求めた。2003年4月の計算結果と観測結果を比較すると、データ同化により親潮の南下等の海況場が現実的に再現されることが確認された。下北半島沖の循環場は津軽暖流によっても大きな影響を受けることから、太平洋の循環場だけでなく、日本海の循環場を現実的に再現することが重要である。また、データ同化により観測で見られるような中規模渦が確認されたが、その発生場所は観測結果とは多少異なるという問題点も見られた。このことは、最適化がまだ十分に行われていないことが原因の一つであると考えられる。今後、同化実験を進めていけば、より精度の高い計算が可能であると期待される。
印 貞治*; 中山 智治*; 松浦 康孝*; 島 茂樹*; 石川 洋一*; 淡路 敏之*; 小林 卓也; 川村 英之; 外川 織彦; 豊田 隆寛*
no journal, ,
下北半島沖の太平洋における放射性核種の移行を短期(12週間)程度の時間スケールで予測することを目的とした六ケ所沖現況解析・海況予報システムの開発を進めている。本システムで用いる沿岸域を対象とした六ケ所沖海域モデルの検証を行った。対象期間は2003年とし、計算値と観測値を比較したところ、本システムが目的に対して十分な計算精度を持つことを確認した。
印 貞治*; 中山 智治*; 松浦 康孝*; 島 茂樹*; 石川 洋一*; 淡路 敏之*; 小林 卓也; 川村 英之; 外川 織彦
no journal, ,
本研究では、六ヶ所村沖合海況予測システムを構成する京都大学で開発された海洋大循環モデルの検証を行う。本システムでは、第一段階として太平洋北西部に対して四次元変分法を用いて初期条件を推定し、海況予測を行う。水平解像度は東西1/6度,南北1/8度である。これに二段階のネスティング手法を用いて高解像度化し、最終的には東北沖と北海道南岸を含む海域を東西1/54度,南北1/72度のモデルで計算を行う。この海域は、津軽海峡から流出した津軽暖水が夏季から秋季にかけて渦を形成し、一方冬季から春季には岸沿いに南下することが知られている。モデルの計算結果で水深200mの水温8C以上の水温域を津軽暖水の指標とし、その面積の季節変化を解析したところ、渦モードから沿岸モードへの移行過程と沿岸モードから渦モードへの移行過程がよく再現されていることが確認された。また、夏季には親潮水がこの海域に流入して強い南下流を形成することがわかった。
小林 卓也; 川村 英之; 古野 朗子; 石川 洋一*; 淡路 敏之*; 印 貞治*; 中山 智治*; 島 茂樹*
no journal, ,
福島第一原子力発電所から海洋へ放出された放射性核種(I-131, Cs-137)について、放出量を推定するとともに福島沖海域近傍から日本近海域における拡散挙動を予測した。流動場は、京都大学が開発した観測データの同化計算機能を持つ海洋大循環モデルによる再解析値を用いた。この再解析値を初期値及び境界値として1, 2段のネスティング計算を経てそれぞれ日本近海域及び福島沖海域の流動場とし、SEA-GEARNの計算に使用した。放出情報に関しては、推定した海洋への直接放出量に加えWSPEEDI-IIによる大気拡散シミュレーションによる海面沈着量も入力した。農林水産省によって公表されたイカナゴ(コウナゴ)に比較的高濃度の放射性物質が検出された事象について検証したところ、2011年4月9日以前に公表されたイカナゴ中の濃度は大気経由で海面に沈着した海水中の核種濃度の上昇に起因し、それ以後のイカナゴの濃度の上昇は海洋への直接放出に起因する濃度上昇によることが示唆された。
松浦 康孝*; 中山 智治*; 印 貞治*; 賀佐 信一*; 島 茂樹*; 小林 卓也; 外川 織彦; 石川 洋一*; 淡路 敏之*
no journal, ,
海洋での放射性核種の挙動を明らかにすることを目的として、京都大学が開発した海水循環モデル及び日本原子力研究開発機構が開発した核種移行予測モデルSEA-GEARNを使用し、これらのモデルの性能確認を行っている。このシステムの性能を検証するために、北太平洋で行われた大気圏核実験の影響について、Csを対象に海洋での放射性核種の拡散計算を行い、その計算結果と観測値との比較を実施した。
印 貞治*; 中山 智治*; 松浦 康孝*; 島 茂樹*; 石川 洋一*; 淡路 敏之*; 小林 卓也; 川村 英之; 外川 織彦
no journal, ,
発表者らにより、本州北部に位置する六ヶ所村沿岸域を対象とした海況予報・現況解析システムが開発されてきた。地形の影響を受けて、この海域の海洋循環は非常に複雑である。過去の海洋観測により、この付近の海洋循環は二つのモードにより季節変化することが明らかになっている。一つは冬季に日本沿岸に沿って南下する沿岸モードであり、もう一つは夏季に時計周りの循環を形成する渦モードである。このような複雑な海洋循環を示す海域に対して正確な海況予報・現況解析をするうえで、高解像度の四次元変分法の使用を可能にするダウンスケーリングは非常に有効である。数値実験の結果、高解像度の四次元変分法を適用した海況予報・現況解析システムは過去に観測された沿岸・渦モードをよく再現することに成功した。
印 貞治*; 中山 智治*; 松浦 康孝*; 島 茂樹*; 石川 洋一*; 淡路 敏之*; 小林 卓也; 川村 英之; 外川 織彦; 豊田 隆寛*
no journal, ,
本州北端に位置する下北半島周辺海域は高温高塩分の海水が日本海から津軽海峡を通過して低温の親潮と混合し、複雑な海洋構造が観測されている。また本海域では日本海を起源とする津軽暖水の季節変動により、津軽暖水が冬から春の季節は沿岸に沿って南下(沿岸モード)し、夏から秋の季節は半島沖で時計回りの循環流を形成する(渦モード)。下北半島周辺海域の海況予報システムを開発するためには、このような水塊構造を数値モデルで詳細に再現することが必要である。そこで1-2km程度の詳細水平格子及び4次元変分法を用いたデータ同化手法を用いて2003年における対象海域の予報計算を実施した(現況再現実験)ところ、良好な再現結果を得た。
印 貞治*; 石川 洋一*; 島 茂樹*; 中山 智治*; 淡路 敏之*; 小林 卓也; 川村 英之; 外川 織彦
no journal, ,
核燃料再処理施設から海洋へ放出される放射性核種の移行挙動を推定するために、六ヶ所村沖合海域における海況の再現・予報システムを開発してきた。この海域の季節変化は冬季の沿岸モードと夏季の渦モードという二つのモードによって特徴付けられる。正確な海況の再現や予報を行うのに必要な解像度の高い四次元変分法を使用するため、ネスティング手法は有効な手段となる。システムで計算された結果は、沿岸モードと渦モードを現実的に再現できることが確認された。
印 貞治*; 中山 智治*; 島 茂樹*; 石川 洋一*; 淡路 敏之*; 小林 卓也; 川村 英之; 外川 織彦
no journal, ,
津軽暖流は津軽海峡から太平洋に出た後、夏から秋にかけて津軽海峡の東で時計回りの循環(津軽ジャイア)を形成することが知られている。過去の研究から、津軽ジャイアが形成される条件は津軽海峡から流出する低密度水と混合する高密度水とで形成される内部変形半径が海峡幅より大きくなる必要があることが示されている。しかしながら、津軽ジャイアの形成過程についてはほとんど明らかになっていない。本研究では、数値モデルと観測データを使用して、津軽ジャイアの形成過程を解明することを目的としている。使用した数値モデルは京都大学が開発した海洋大循環モデルであり、4次元変分法を用いて北西太平洋の数値計算を行った後に2段階のネスティングを行って、下北半島沖の海域を約1.5kmの解像度で計算した。数値計算結果と観測結果から、親潮が津軽暖流の間に貫入して生じる沿岸の強い南下流と発達した津軽ジャイアの沿岸からの切離に大きな関係があることが示唆された。