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井口 哲夫*; 長谷川 信; 高橋 邦明; 榎戸 裕二*
デコミッショニング技報, (52), p.12 - 19, 2015/09
日本原子力学会「東京電力福島第一原子力発電所事故以降の低レベル放射性廃棄物処理処分の在り方」特別専門委員会において、放射能濃度が低いウランを含む廃棄物の浅地中トレンチ処分場で処分を行う場合の安全確保策についての調査・検討結果を行い、その結果を規制への提言としてとりまとめた。本報告はその検討結果を概説する。
中山 富佐雄*; 榎戸 裕二*; 吉田 英一; 松本 寿之; 長谷部 慎一
JNC TN9420 2005-001, 115 Pages, 2005/03
ナトリウム冷却型高速炉(FBR)プラントの廃止措置などにおいては、放射院ナトリウムが付着・残留する原子炉容器、中間熱交換器及びコールドトラップ等の大型機器類が発生することになる。また、原子炉から抜き取った数百トン以上の放射性ナトリウムについては、貯蔵あるいは処理・廃棄するために安定した物質に転換(不動態化処理)し、取り扱い時における危険性を排除する必要がある。このため、化学的に活性な大量放射性ナトリウム及び大型機器類残留ナトリウムを安全に、かつ経済的に洗浄・処理処分する技術開発が今後必須となる。本報告書は、先行して進められている海外の高速炉、原子力施設等で実施あるいは計画されている放射性ナトリウムの処理技術等に関して調査を行ったものである。調査は、一次及び二次冷却材にナトリウムを使用し、現在廃止措置を進めている海外高速炉を対象に、ナトリウム中に含まれる放射性核種、大量ナトリウムの転換技術や再利用技術、付着・残留ナトリウムの洗浄処理技術、及びこれらの処理廃液を含む処分技術などについて実施した。これらの調査結果は、今後の放射性ナトリウムの洗浄・処理処分技術開発を進める上で有効な知見として活用できるものと考えられる。
清水 彰直*; 大谷 暢彦*; 榎戸 裕二*
JNC TJ3420 99-002, 243 Pages, 1999/03
本報告書は、放射性核種消滅に関して冷中性子を用いた新技術の研究開発を目的とし、冷中性子の利用に係わる技調査の結果をまとめたものである。(1)冷中性子利用の現状 冷中性子に関する研究開発の現状について、国内の大学及び研究所における状況を調査した。現状では基礎的な研究がなされているのみで、工学的な利用の研究開発は無く、これから開拓しなければならない状況である。(2)冷中性子の核反応断面積の調査検討 放射性核分裂生成物等について、冷中性子のエネルギー領域における捕獲反応断面積を核データライブラリーJENDLE-3に基づき調査し、輸送計算コードMCNPで使用できるよう整備した。また、液体水素及び液体重水素(オルソ、パラ及びその混合状態)について温度20゜Kにおける散乱微分断面積を調査し、輸送計算コードMCNPで使用できるよう整備した。(3)冷中性子輸送計算手法の検討 モンテカルロ法による汎用輸送計算コードMCNPを冷中性子の輸送計算に使用できるよう整備した。また、ニッケル等の薄膜による極冷中性子の全反射現象を考慮出来るようMCNPを改良し、その妥当性を確認した。(4)冷中性子を利用した放射能消滅反応の評価 冷中性子のエネルギー分布が冷却材との熱平衡分布になった場合について、放射能消滅反応効率を評価した。その結果、冷中性子の利用により、消滅反応の効率が熱中性子利用の場合に比べて10倍以上に上がる可能性があることが示された。また、前項で整備した輸送計算コードを用いて、冷中性子化挙動解析を行ない、1.円筒形の液体重水素冷却材(20゜K)の中の冷中性子束は周りの重水冷却材(常温)中の熱中性子束よりも増えること、2.Ni等薄膜による冷中性子の全反射の効果により、超冷中性子の中性子束が上昇すること等の解析結果を得た。(5)冷中性子を用いた放射能消滅技術の実用化検討 上記の解析結果に基づいて、原子炉内冷中性子利用による核分裂生成物の放射能低減化効果について評価した。その結果、この技術は放射能低減化の効率を熱中性子利用の場合の10倍以上に高める得る可能性を持つことがわかった。(6)冷中性子利用に係わる調査のまとめ 冷中性子の利用に係わるこれまでの調査結果をまとめた。
原 光男; 秋山 隆; 堂野前 寧; 谷本 健一; 榎戸 裕二
PNC TN9410 93-053, 99 Pages, 1993/03
核燃料使用施設から発生する高レベル廃棄物は,廃棄物の保管リスクを軽減する必要性から,除染による低レベル化(500Sv/h以下)を目的に,二次廃棄物の抑制を考慮した上で除染処理を行う。このため,高圧ドライアイスブラストを用いて,除染剥離物の飛散防止を図る除染フードを試作し,照射材料施設の供試体12本を対象に,除染試験を実施した。本成果を要約すると以下のとおりである。(1)除染試験に際し,除染フードは,剥離物飛散防止効果,セル内での遠隔操作性とも十分な仕様を満足した。(2)除染は,圧力9kgf/cmの2乗,流量6mの3乗/min圧縮空気を使用し,ドライアイス粒2kg/minを噴射して行った。結果は,12体の供試体の内,10数mSv/hの汚染物を含む7体を低レベル化し,内部や錆部分に汚染が残ったもの3体と100数mSv/hの高汚染物は,低レベル化できなかった。最大DFは,10の2乗であった。(3)除染フードによる剥離物飛散防止効果は,十分にあり,フード内除染も,4kgf/cmの2乗,2mの3乗/minの圧縮空気で,1kg/minのドライアイス粒を噴射し除染したが,最大87mSv/hの汚染が3mSv/h(1/30)に低減できた。
飛田 祐夫; 榎戸 裕二; 谷本 健一
Proceedings of 2nd ASME-JSME International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-2), p.813 - 819, 1993/00
核燃料施設のデコミッショニングを効率的に実施するためには,核燃料施設の特徴である1.TRU,FP及びCP核種による汚染 2.付着物質の物理化学形態が多種多様 3.機器設備等の構造,形状,材質が多種多様,等を踏まえて,測定,除染,解体,遠隔操作等の要素技術の開発を積極的に進める必要がある。本報では,動燃が進めている各要素技術についての現状を報告する。各要素技術の主な内容は以下の通りである。1.測定技術として放射線映像化装置(RID)の開発現状 2.除染技術として,アイスグラスト除染及び電解研磨除染の現状 3.解体技術としてプラズマによる遠隔切断技術の開発及びCOレ-ザ切断技術の開発
谷本 健一; 菅谷 敏克; 原 光男; 菊地 豊; 飛田 祐夫; 榎戸 裕二
動燃技報, (84), p.21 - 34, 1992/12
核燃料サイクル施設等のデコミッショニングの基盤となる測定・除染・解体・遠隔操作等に関する技術開発とデコミッショニング技術に関するデータベース化を大洗工学センタ-の固体廃棄物前処理施設を中心に体系的に進めている。本報では、上記に基づく研究開発のうち、いままでに以下で実施してきたデコミッショニング技術に関する研究開発の成果と、それを踏まえて各研究施設設備の更新に伴う解体・再生や将来のデコミッショニングに向けて実施している要素研究及びシステム化研究の現状について報告する。
飛田 祐夫; 岡崎 充宏*; 榊原 守夫*; 谷本 健一; 榎戸 裕二
PNC TN9410 92-208, 68 Pages, 1992/07
高レベル廃棄物の地層処分の計画において、廃棄物近傍のニアフィールドにおける放射線の影響を評価する必要がある。地層処分時における地下水の照射下における性状の基礎データを取得するために、地下水の性状を模擬した人工海水を使用して、「常陽」使用済燃料プールを照射場として利用し、線照射によって地下水の性状がどのように変化するのかを確認した。同等のサンプルを「常陽」使用済燃料プールの放射線の影響が無い場所にも設置し、照射以外の変化についても確認しリファレンスとした。また、照射後の経時変化の有無を確認するため、一定時間毎の性状の変化を調べた。照射条件は、24時間(1日)1.01031.3103Gy1440時間(60日)4.41046.8104Gyで行った。試験結果は以下の通りである。(1) 照射前後のpH、導電率、人工海水中の全てのイオン濃度の変化は見られなかった。(2) 照射前のEhは241mVであったが、1440時間(60日)の照射後では、156mVと減り、吸収線量が増えるとEhは低下する傾向がある。(3) 照射前のDoは、20.76g/lであったが、1440時間(60日)の照射後では、5930g/lと増え吸収線量が増えるとDoは上昇する傾向がある。(4) 480時間(20日)の照射前に2.9ppmの硝酸イオンが検出され、照射後にも105ppmの硝酸イオンが検出された。また、480時間(20日)の未照射前にも硝酸イオンが4.0ppm、未照射後に5.9ppm検出された。1440時間(60日)の照射後に15ppmと未照射後に11ppmの硝酸イオンが検出された。(5) 照射後一定時間内(約4時間後測定)のpH、Eh、Do、導電率、人工海水中の全てのイオン濃度の変化は見られなかった。これらの結果から線により水の放射線分解から生じる酸素がDoを上昇させ、また、水素、水酸基がEhを低下させたと思われる。硝酸イオンが検出されたことは、保管中の人工海水に空気中の窒素が溶け込み水の分解生成物と反応したことによると思われる。
小川 柳一郎; 大和田 忍*; 池田 武司*; 一関 強; 大森 宏之; 榎戸 裕二
PNC TN9080 92-004, 55 Pages, 1992/03
大洗地区の動燃・原研双方から発生する高線量固体廃棄物は、中央廃棄物処理場の「高レベル固体貯蔵施設」に貯蔵される。この施設は、昭和51年から使用を開始しその後、昭和59年に増設したが現在の予測では平成8年度末頃には貯蔵能力は限界に達する。 施設計画検討に当たっては、高速実験炉「常陽」及び原型炉「もんじゅ」燃料の照射後試験計画等を考慮し、動燃の技術開発の成果を反映した合理的かつ経済的な処理貯蔵施設とした。 本施設計画は、平成4年度から具体的設計検討を開始しても、その運開は平成10年度中頃となるため、既貯蔵施設の満杯対策を別途講じ、2年程度の延命を前もって図っておく必要がある。 また、大洗工学センターの各ホット施設には中央廃棄物処理場及び固体廃棄物前処理施設で受入処理の困難な放射性廃棄物が発生し、各ホット施設内に保管され増大するが、具体的設計に当たってはこれらの放射性廃棄物についての処理(前処理)を考慮する。
榎戸 裕二
PNC TN9080 92-002, 31 Pages, 1992/02
大洗工学センターの今後の業務展開において発生する放射性廃棄物の中には、従来の大洗工学センターの廃棄物の概念に無かったデコミなどによって生ずる、高レベル、大型かつ多量の廃棄物が発生する。一方、従来からセンターでは処理できない廃棄物が現在多量に各施設に蓄積、保管され未処理の状態であり、今後増加の一途をたどる。これらの廃棄物は、形状、放射性、発生量共にセンターの現行の管理機能では対処できないものであると同時に、現行でも貯蔵満杯が近い将来予想される中廃の処理・貯蔵計画にも大きなインパクトを与える。更にその時期が平成810年であり、速やかに以下の対応を図る必要がある。
飛田 祐夫; 中野 朋之; 勾坂 徳二郎*; 大木 雅也*; 浅見 誠*; 谷本 健一; 榎戸 裕二
PNC TN9080 92-001, 107 Pages, 1992/01
大洗工学センターのホット施設は、今後の各施設の新たな業務展開に向けての技術開発や運転計画に基づき、使用済または老朽化した設備機器の解体撤去あるいは施設の更新に伴うデコミッショニングを行う必要がある。この際に発生する放射性廃棄物は、各施設の発生予測データに基づくと、年々増大すると共に固体廃棄物前処理施設(WDF)の受け入れ処理が困難な超大型形状で、汚染形態、線量当量率が極めて高い放射性廃棄物等の発生が予測される。また、更に使用済みとなり施設内に保管されている放射性廃棄物もある。このために、固体廃棄物処前処理施設(WDF)の受け入れ条件を超える超大型機器等を対象に、効果的かつ合理的に処理を行う超大型機器の解体・減容技術および未処理廃棄物の処理技術の先進的な開発等、デコミッショニング技術の研究開発を含めた大型機器解体施設計画の概要について取りまとめた。今後は、本資料を基に施設計画および解体・減容・処理技術等の研究開発計画を具体化していく必要がある。
榎戸 裕二*; 溝尾 宣辰*; 玉井 忠治*; 大西 信秋; 二村 嘉明; 塩沢 周策
日本原子力学会誌, 31(7), p.742 - 772, 1989/07
本稿は、JRR-3改造炉に関して、施設の概要、原子炉の構造、特性および利用設備について紹介すると共に、照射利用の現状と将来の展望について述べたものである。
熊倉 忠夫*; 鵜飼 重治; 吽野 一郎; 櫛田 尚也; 柴原 格*; 榎戸 裕二*
PNC TN9410 88-206, 71 Pages, 1988/12
「常陽」MK―2C型特殊燃料集合体(PFC020)は,「もんじゅ」の炉心燃料要素とほぼ同一仕様の燃料要素を,定格最大線出力と被覆管ホットスポット温度が「もんじゅ」実機条件と同等となる条件下で照射したものである。本試験では,燃料要素の照射挙動を把握するため,光学顕微鏡観察,走査電子顕微鏡観察,X線マイクロアナライザによる元素分析並びにイオンマイクロアナライザによる質量分析を実施した。本試験により得られた結果は以下の通りである。1)燃料組織は,燃料カラム軸方向中心部で中心空孔(約1.25mm径)と柱状晶が観察された。ギャップ巾は,製造時ギャップ巾である80mから8mにまで減少していることから照射中において燃料と被覆管の機械的相互作用(FCMI)が生じていた可能性がある。被覆管内面腐食量は,最大26mであった。2)画像解析により求めた燃料ペレットの体積増加率は,燃料カラム中心部で焼しまり状態から,スエリングに伴う体積増加を示していた。3)ペレット内に保持されているXe濃度と燃料組織との間に明瞭な対応が認められた。Xe濃度は等軸晶領域で急激に低下し,ペレット中心部ではXeはほとんど放出していた。4)燃料カラム軸方向中心部の中心空孔端でPu濃度が製造時の29.86%から31.42%に増加しており,これに伴い中心空孔端で若干の燃焼度の増加が認められた。5)被覆管外表面の性状は,被覆管温度が400以下の低温度部では,製造時状態を保持しているが,約500以上では,温度が高くになるに従い表面荒れが著しくなっている。特に低温部において従来観察されているような付着物が認められなかった。これは本集合体では意図的にNa流速を低くしたことが原因しているものと考えられる。
吽野 一郎; 鵜飼 重治; 熊倉 忠夫*; 櫛田 尚也; 柴原 格*; 榎戸 裕二*
PNC TN9410 88-186, 62 Pages, 1988/02
炉心燃料集合体(Fab.No.PFD105)は、第1次取替燃料集合体として、「常陽」MK-2炉心「1D1」の位置で、100MW第3サイクルから第8サイクルまで照射されたものである。集合体平均燃焼度は約48,300MWD/MTMである。本試験では、燃料要素の照射挙動を把握するため、燃料ペレットの組織観察と機器分析を実施し、以下の結果が得られた。(1)燃料カラム軸方向中心部では、中心空孔と柱状晶が形成され、残留ギャップ幅は製造時の85mから13mに減少していた。画像解析より、ペレット体積は製造時よりもむしろ減少していることが確認されたことから、このようなギャップ幅の減少はペレットのリロケーションに支配されていることが示唆された。(2)被覆管の内面腐食は、内面温度が600以上の上部インシュレータとの境界部で認められ、最大32mであった。(3)組織変化している領域のペレットからのXe放出率はピーク燃焼度が60,000MWD/MTMで90%に達している。一方、ペレット周辺部の不変領域では、ガス気泡の集積に伴い約50,000MWD/MTMあたりからXeの放出が開始し、60,000MWD/MTMでは27%の放出が認められた。(4)ペレット内に保持されているCs、Iの径方向分布は、Xeの分布と極めて良く類似しており、温度、燃焼度に対する放出しきい値はXeと同様と考えられる。(5)中心空孔を有する燃料ペレットでは、Pu濃度は中心空孔に近づくにしたがい製造時の27wt%から32wt%に増加していた。ペレット径方向の燃焼度分布はPuの再分布の影響をうけている。
野崎 信久*; 細川 隆徳*; 柴 公倫*; 榎戸 裕二*
PNC TN9520 88-001, 211 Pages, 1988/01
高速炉制御棒中性子吸収ピンの設計及び照射挙動解析を目的として、「CORAL」コードの開発に57年度に着目し、その後「常陽」MK-1及びMK-2制御棒の照射後試験結果を基にコードの改良・検証を行ってきた。「COLAL」コードでは、吸収ピンの軸対称半径方向1次元体系で解析を行い、照射履歴を追って被覆管とB4Cペレットの温度、He生成と放出、被覆管とB4Cペレットのスエリング、被覆管のクリープ、被覆管とペレットの接触、被覆管損傷和等を計算する。 これまでの主な改良は、物性データ、解析モデル、出力様式及びプロッター関係の見直しである。今回、これらの改良に伴ない、新たにマニュアルを作成した。本マニュアルは、①.解析モデル、②.物性値、③.入出力と実行方法、④.サンプル入出力、⑤.プログラム構造とフロー、⑥.コモン変数とサブルーチン、⑦.プロッターの各章から構成されている。
榎戸 裕二; 鵜飼 重治; 柴原 格
動燃技報, (62), p.71 - 76, 1987/06
高速炉燃料ペレットのFPガス保持濃度をX線マイクロアナライザを用いて各組織領域において測定することにより、FPガス放出特性を照射条件に対してモデル化する手法を開発した。燃焼度50Gwd/tの「常陽」MK-Iの範囲ではFPガス放出は等軸晶等の組織化した領域のみで起こり、不変領域では起らない、それ以上では不変化領域でも放出を開始する。不変領域のXeの飽和濃度は約45X10(-4)mol/cm3であった。両組織におけFPガス放出率を加算することにより燃料ピンのガス放出率を燃焼度に対してモデル化し、任意照射条件での放出率を高精度で評価することが可能となった。本評価法は高性能化を目指す軽水炉(ATR含む)燃料のFPガス放出率に関しても基本的に適用できるものであり、そのモデル化に役立つものである。
甲野 啓一*; 櫛田 尚也; 鵜飼 重治; 吽野 一郎; 熊倉 忠夫*; 柴原 格*; 榎戸 裕二*
PNC TN9410 87-189VOL2, 103 Pages, 1987/02
Vol.1では,PFD001燃料ピンの照射後試験結果の要約を記した。本報は,下記の詳細データを集録したものである。・光学顕微鏡による燃料組織観察。・EPMAによる燃料及びギャップ部の元素分析。・IMAによる燃料内質量分析。・被覆管外表面の観察及び元素分析。
甲野 啓一*; 櫛田 尚也; 鵜飼 重治; 吽野 一郎; 熊倉 忠夫*; 柴原 格*; 榎戸 裕二*
PNC TN9410 87-189VOL1, 45 Pages, 1987/02
炉心燃料集合体(Fab.N-PFD001)は,初装荷燃料集合体として「常陽」MK-2炉心中心に装荷され,100MW第3サイクルまで照射されたものであり,集合体平均燃焼度は,約31,300MWD/MTMである。本試験では,燃料,被覆管の健全性並びに照射挙動を把握するため,光学顕微鏡,走査型電子顕微鏡(SEM)による組織観察,X線マイクロアナライザー(EPMA)による元素分析並びにイオンマイクロアナライザー(IMA)による質量分析を実施した。本試験により得えられた結果は,以下のとおりである。(1)試料カラム軸方向中心部の,およそ86mm長さにわたって直径0.56mmの中心空孔と柱状晶が観察された。燃料一被覆管ギャップ部には,Csが蓄積し被覆管成分の溶出が認められた。被覆管内面最大腐食量は,17mであった。(2)EPMAによるU,Puの径方向濃度分布測定により,中心空孔を有するペレットでは,中心空孔端のPu濃度は製造時の30wt%から34wt%に増加していることが確認された。(3)EPMAによるペレット内に保持されているXe及びCsの径方向分布測定より,FPガスは,製造時領域でほぼ一定に保持されているが,高密度化領域で急激に放出が開始していることが確認された。Csの径方向分布は,Xeとまったく同様であり,その放出機構はFPガスと類似していると考えられる。(4)IMAによるペレット径方向燃焼度分布の測定から,中心空孔を有するペレットでは,中心空孔端で燃焼度が増加していることが確認された。これは,Puの再分布に起因するものと推察された。(5)被履管外表面の性状については,450以下の低温部ではMn,Niの高濃度化した付着物が認められ,一方,500以上の高温部ではMn,Niの溶出が観察された。Siは炉心全域から,Crは570以上で溶出している。各合金元素が溶出している深さは表面から1.5m以内の極く表面層に限られることがわかった。
鵜飼 重治; 細川 隆徳*; 柴原 格*; 榎戸 裕二
Journal of Nuclear Materials, 149(3), p.209 - 218, 1987/00
「常陽」及び仏ラプソディ炉で照射された燃焼度が約100,000MWD/Tまでの混合酸化物燃料につき,X線マイクロアナライザを用いてペレット内保持Xe濃度の径方向分布を測定した。不変領域ではFPガスXeはペレット内に保持されているが,組織変化に伴ってFPガス放出が開始する。このような放出開始温度と燃焼度の関係を求めた。約50,000MWD/T以上の燃焼度では,不変領域からもFPガス放出が開始する。これらの結果に基づき組織変化領域及び不変領域からのFPガス放出率を表す実験式を燃焼度が100,000MWD/Tの範囲で作成した。本実験式を用いることにより,100,000MWD/TまでのFPガス放出率を燃料組織観察から予測することが可能となり,今後軽水炉燃料やATR燃料の高燃焼度化に伴うFPガス放出挙動評価に役立たせることができる。
浅賀 健男*; 榎戸 裕二*; 長谷川 正泰; 西野入 建治*; 小形 佳昭
PNC TN9410 85-143, 91 Pages, 1985/08
「常陽」MK-II炉心第2、第3サイクルまで使用された制御棒(MCR006、MCR002)2体を受け入れ、構造体の健全性確認、照射挙動把握の観点から制御棒試験、吸収ピン試験を実施した。MCR006については中性子束ゆらぎ原因調査のための特別試験を実施した。試験結果の概要は以下の通りである。1)制御棒試験の結果、「常陽」MK-II炉心定格第3サイクルまでの所、新規に採用された流力振動防止機構部を含め制御棒外形形状、内部状況に製造時からの有意な変化は認められず、使用中健全であったことが確認された。2)吸収ピン試験の結果、ペレットスタック下部の被覆管外径及びB、Cペレットスタック長に照射によると思われる変化が認められた以外、大きな変形、破損等はなく定格第3サイクルまでの吸収ピンの健全性が確認された。またベント機構部についても構造上は何ら異常は認められなかった。3)吸収ピン被覆管に認められた外径増加はMCR002の場合で約0.2%であり、被覆管材質、照射量レベルから推定してB/4Cペレットスエリングによるペレット-被覆管相互作用(PCMI)によるものと思われる。4)制御棒保護管上部の等間隔の傷跡は制御棒流力振動による制御棒下部案内管頂部内面との衝突跡と推定される。但し傷は浅いものであり制御棒の強度に影響を及ぼすものではない。
浅賀 健男*; 榎戸 裕二*; 新谷 聖法*
PNC TN9410 85-139, 89 Pages, 1985/04
「常陽」MK―I炉心燃料集合体(「PPJD18」及び「PPJD1J」)の集合体及び燃料要素の非破壊試験を実施した。両集合体は共に「常陽」出力上昇試験サイクルから75MW第6サイクルの間照射され、その中でPPJD18は制御棒に隣接する集合体で炉心位置4D3、平均燃焼度26、700MWD/MTM、PPJD1Jはブランケットに隣接する集合体で炉心位置5E3、平均燃焼度23、600MWD/MTMであり、それぞれの集合体の照射挙動に及ぼす制御棒及びブランケット燃料集合体の隣接効果を調べる目的で照射後試験を行った。PPJD18は、非破壊検査からは制御棒の隣接効果は明確にされなかった。またPPJD1Jは、炉内装荷位置の影響とともにブランケット隣接効果を受けたものと思われるが、両者の効果を定量的に区分することは現状不可能である。本試験から得られた主な結果は次のとおりである。1)集合体外形形状の異常及びピンに破損等はなく両集合体とも健全であった。2)ガンマスキャンによる集合体の径方向強度分布は、PPJD1Jの方がPPJD18に比べ径方向に大きな勾配を示し、両集合体の炉内位置の相異がみられた。3)外周ピンの外側への曲りが両集合体に観察され、共に炉心方向に対する面の外側ピンに大きな曲りがみられた。4)ピンX線ラジオグラフィによる燃料スタック長検査の結果、PPJD1JのMロットの燃料ペレットのみに一部焼しまりがみられた。5)パンクチャーのガス放出率の結果、PPJD1Jに炉内位置の影響を受けたと思われる低い値が検出された。