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榎本 一之*; 保科 宏行*; 笠井 昇*; 栗田 圭輔; 植木 悠二*; 長尾 悠人*; 尹 永根*; 鈴井 伸郎*; 河地 有木*; 瀬古 典明*
Chemical Engineering Journal, 460, p.141696_1 - 141696_9, 2023/03
被引用回数:1 パーセンタイル:49.6(Engineering, Environmental)本研究では、モリブドリン酸アンモニウム(AMP)を放射線グラフト重合した繊維状のCs吸着フィルターとCe:GdAlGaOシンチレータを用いた線検出器を組み合わせて、連続水流中のCsの放射能濃度をその場で測定する方法を開発した。
鈴木 翔太郎*; 天野 洋典*; 榎本 昌宏*; 松本 陽*; 守岡 良晃*; 佐久間 一幸; 鶴田 忠彦; 帰山 秀樹*; 三浦 輝*; 津旨 大輔*; et al.
Science of the Total Environment, 831, p.154670_1 - 154670_15, 2022/07
被引用回数:2 パーセンタイル:29.93(Environmental Sciences)The monthly monitoring data (total 3647 samples) between May. 2011 and Mar. 2020 were analyzed to describe temporal variability of Cs concentration in coastal sediments off Fukushima. Cs concentration of sediment had decreasing trend, but non-linear model fitting suggested that this decreasing trend showed slower. Additionally, Cs concentration were up to 4.08 times greater in shallow sampling sites (7, 10, 20 m depth) following heavy rainfall events (before five months vs. after five months), such as typhoons. These were consistent with increasing particulate Cs (P-Cs) fluxes from river and increasing dissolved Cs (D-Cs) concentration in seawater. Finally, the numerical experiment was conducted and revealed that riverine Cs input could preserve Cs concentration in coastal sediment. These results indicate that riverine Cs input via heavy rainfall events is one of the main factors for preserving Cs concentration in coastal sediment off Fukushima.
Park, J.; 榎本 一之; 山下 俊*; 高木 康行*; 戸高 勝則*; 前川 康成
Journal of Membrane Science, 438, p.1 - 7, 2013/07
被引用回数:15 パーセンタイル:43.24(Engineering, Chemical)芳香族ポリイミド膜と同等の耐熱性,機械特性を示す脂環式ポリイミド膜(A-PI膜)への放射線グラフト重合による燃料電池用電解質膜の作製とそのグラフト重合機構の解析を試みた。芳香族ポリイミドが放射線グラフト重合性を示さないのに対し、その一部を脂環式構造に置換したA-PI膜は放射線グラフト重合性を示した。得られたグラフト膜をスルホン化することで、ナフィオンより高いイオン伝導度と機械・熱的安定性を示す電解質膜が作製できた。照射A-PI膜の紫外・可視光分光(UV-VIS)スペクトルより、420, 600nmに吸収極大を持つ長寿命中間体の存在が確認できた。UV-VISスペクトルの減衰と電子スピン共鳴によるラジカルの減衰の比較から、この中間体が脂環式部位に生じたアルキルラジカルであり、A-PI膜の放射線グラフト重合における開始部位であることが確定できた。
榎本 一之; 高橋 周一; Rohani, R.; 前川 康成
Journal of Membrane Science, 415-416, p.36 - 41, 2012/10
被引用回数:15 パーセンタイル:46.12(Engineering, Chemical)次世代燃料電池に不可欠な高温低加湿下でも高イオン伝導性と機械強度を併せ持つグラフト型電解質膜の合成を目的に、イオン伝導を担うスルホン酸と低加湿下での保水性が期待できる親水性水酸基を有するアルキルグラフト鎖を導入した電解質膜を作製し、その導電率の相対湿度依存性を評価した。VAcモノマーのETFE基材への放射線グラフト重合とその鹸化反応により得られたグラフト鎖の水酸基の1,3-プロパンスルトンへの求核開環付加反応で、スルホン化率が39%で目的のグラフト型電解質膜が得られた。同じイオン交換容量(IEC)のグラフト型電解質膜について、低加湿下(30%RH, 80C)での導電率を比較したところ、これまで報告してきた従来型のポリスチレンスルホン酸電解質膜を凌ぐ1.210 S/cmを示した。さらに、ナフィオンや芳香族炭化水素電解質膜の機械強度を凌ぐことから、水酸基を有するグラフト型電解質膜は、低膨潤(機械強度)を維持したまま、低加湿下での高導電性を実現することを明らかにした。
榎本 一之; 高橋 周一; 前川 康成
Macromolecular Chemistry and Physics, 213(1), p.72 - 78, 2012/01
被引用回数:10 パーセンタイル:33.08(Polymer Science)燃料電池開発において、その心臓部分である電解質膜の高温耐久性が自動車用電源の実現に必要不可欠である。グラフト型電解質膜は、熱的,化学的に安定なフッ素系基材膜にスチレンスルホン酸やアルキルスルホン酸を導入することで作製するため、そのグラフト鎖の構造,分子量等を詳細に調べることが困難であった。最近、グラフト鎖が高分子鎖切断など分解することなく基材膜界面から直接脱離することを見いだした。そこで、今回、フッ素系基材膜へのアクリル酸メチルのグラフト重合とグラフト鎖のスルホン化により得られる新規アルキルスルホン酸グラフト鎖を上記脱離法により単離し、その化学構造と分子量を解析した。その結果、スルホン化過程で、脱カルボニルが起こる場合と起こらない場合があり、結果として3つの異なるモノマーユニットからなる3元系グラフト鎖であることがわかった。さらに、分子量測定より、アルキルスルホン酸グラフト鎖の分子量は約7万と、これまでの報告にあるグラフト鎖同等であることが解析できた。今後、このようなグラフト鎖の構造の燃料電池特性に及ぼす効果を詳細に検討する。
榎本 一之*; 高橋 周一*; 岩瀬 崇典*; 山下 俊*; 前川 康成
Journal of Materials Chemistry, 21(25), p.9343 - 9349, 2011/07
被引用回数:38 パーセンタイル:72.35(Chemistry, Physical)燃料電池開発において、その心臓部分である電解質膜の高温耐久性が自動車用電源の実現に必要不可欠である。本研究では、炭化水素及びフッ素系基材膜にスチレンスルホン酸を導入したグラフト型電解質膜を作製し、燃料電池作動環境に近い高温水中での基材膜とグラフト鎖の化学構造及び高次構造を解析することで劣化機構を検討した。グラフト型電解質膜の耐久性は、グラフト鎖構造に依存するというこれまでの知見を覆し、グラフト鎖は高分子鎖切断など分解することなく、グラフト重合の開始点である基材膜界面から直接脱離すること、及び、この脱離は、疎水性基材膜と相分離した親水性グラフト鎖の含水膨張に起因することを見いだした。上記グラフト鎖の膨潤による界面脱離を利用することで、これまで基材膜からの単離が困難とされてきたグラフト鎖の構造や分子量が解析できる。
榎本 一之; 前川 康成; 高野 幸子*; 岩崎 政和*; 成田 正*
Journal of Photopolymer Science and Technology, 23(2), p.217 - 224, 2010/06
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Polymer Science)光メモリーに比べ超高密度化が期待できる電子線を用いた記録素子材料への応用を目的に、スピロピラン及びジアリルアレーンを含むポリマー膜を用いて、電子線/熱、及び、電子線/光と異なる応答を示す可逆的ナノカラーイメージング方法を検討した。電子線による着色イメージを、スピロピランを用いた場合は熱により、ジアリルアレーンを用いたときは光により元の無色形に戻すことができた。そこで、スピロピラン及びジアリルアレーンを含むポリマー膜に電子線描画装置を用いてナノスケールのカラーイメージングを行ったところ、それぞれ200nm, 100nmの解像度でカラーによるパターン形成ができた。このカラーイメージは加熱及び露光処理により初期状態に戻せることが確認できた。これは、熱又は露光による逆反応と組合せた可逆的電子線カラーイメージングの初めての例である。
Nuryanthi, N.*; 八巻 徹也; 越川 博; 浅野 雅春; 榎本 一之; 澤田 真一; 前川 康成; Voss, K.-O.*; Trautmann, C.*; Neumann, R.*
電気化学および工業物理化学, 78(2), p.146 - 149, 2010/02
被引用回数:6 パーセンタイル:13.71(Electrochemistry)従来から検討がなされてきたポリエチレンテレフタレートやポリカーボネートなどの炭化水素系高分子ではなく、フッ素系高分子からなるイオン穿孔膜に着目し、そのエッチング挙動や応用性に関する研究を進めている。今回は、穿孔形成の重要なパラメータであるエネルギー付与の大きさを計算によりあらかじめ予測し、その変化を利用してポリフッ化ビニリデン(PVDF)イオン穿孔膜における孔のサイズ,形状(円柱,円錐状)の制御を試みたので報告する。走査型電子顕微鏡(SEM)観察と電気伝導度解析によるエッチング挙動の基礎的検討の中で、電気伝導度セルに高電圧を印加すると穿孔内のエッチングが加速されるという興味深い現象を見いだした。これは、穿孔内におけるエッチング溶出物の電気泳動効果に起因していると考えられる。
Park, J.*; 榎本 一之; 山下 俊*; 高木 康行*; 戸高 勝則*; 前川 康成
Journal of Photopolymer Science and Technology, 22(3), p.285 - 287, 2009/08
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Polymer Science)カプトンなどの全芳香族ポリイミド膜に匹敵する優れた膜特性を示す脂環式ポリイミド膜(A-PI膜)を用い、放射線グラフト重合法による燃料電池用電解質膜の合成に成功した。得られた電解質膜はナフィオンより高いイオン伝導度と機械・熱的安定性を示したため、A-PI膜はグラフト型電解質膜の高分子基材膜としての応用が可能であることが確かめられた。さらに、照射A-PI膜の紫外・可視光分光(UV-VIS)スペクトルより、可視光領域に吸収を持つ長寿命中間体の存在が確認できた。この中間体のUV-VISスペクトルの減衰と電子スピン共鳴によるラジカルの減衰の比較から、600, 420nmに吸収極大を持つ中間体が放射線グラフト重合を引き起こすアルキルラジカルであることから、A-PI膜の放射線グラフト重合における開始部位が確定できた。
前川 康成; 湯浅 加奈子*; 榎本 一之; 松下 晴美*; 加藤 順*; 山下 俊*; 伊藤 和男*; 吉田 勝
Chemistry of Materials, 20(16), p.5320 - 5324, 2008/08
被引用回数:2 パーセンタイル:9.29(Chemistry, Physical)電子線記録システムに適用できる、電子ナノビームによりクロミック挙動を示す有機薄膜の創製を目的に、電子線で酸を発生する分子(酸発生剤)と酸性で発色又は蛍光を呈する環境クロミック分子を含む高分子薄膜について、電子線によるクロミック分子の反応挙動と、電子線描画装置によるナノ発色パターン形成性を検討した。酸発生剤(phenyl-p-toluenesulfonate)存在下、環境クロミック分子であるrhodamine B base(RB)及び4,4'-bis(dimethylamino)benzhydrol(BH)のpolymethylmethacrylate(PMMA)薄膜は、それぞれ、照射線量の増加に伴い560nm及び610nmの吸収が単調増加し赤色及び青色を呈した。このことは、クロミック分子が電子線により発生した酸(H)でプロトン化し、選択的にRB-H体及びBH-H体を与えることで発色したことを意味する。次いで、酸発生効率が高く可視領域の吸収変化が大きく変化したBH/PMMA薄膜の電子線描画装置(50nm径)によるナノ発色パターン形成性を評価した。照射線量10C/cmでの電子線描画後、露光部と未露光部とで色調が変化し、ドットパターンで200nm、L/Sパターンでは100nmの分解能を示す発色パターンが観察された。
前川 康成; 加藤 順*; 片貝 正史*; 石原 雅昭*; 榎本 一之; 萩原 時男*; 石井 達人*; 伊藤 和男*; 越川 博; 吉田 勝
Macromolecular Chemistry and Physics, 209(6), p.625 - 633, 2008/03
被引用回数:2 パーセンタイル:7.34(Polymer Science)ナノスケールの微細パターンニングに適した電子ビームを利用した高密度メモリなどの電子材料システムの構築を目的に、高分子薄膜の電子線発色反応の解析とそのナノカラーイメージングへの応用について検討した。電子線感受性の高いスルホンアミド(SO -NH)骨格を有するポリマーを合成し、その有機薄膜の電子線反応性及び電子線反応部位の化学修飾反応によるナノ発色パターン形成性を調べた。スルホンアミド骨格を有するポリマーは、電子線照射でスルホンアミド部位の化学選択的な開裂によりFries転位生成物を与えることを見いだした。ポリスルホンアミドの電子線反応によるアニリン誘導体の生成は、酸性物質が塩基性物質に化学変換される興味深い反応である。電子線照射後の薄膜は、塩基性部位(アミノ基)のエーリッヒ反応により黄橙色に発色した。次いで、上記薄膜の電子線描画装置によるナノ発色パターン形成性を評価し、300nmの分解能で発色パターンを示すことから、電子ビームによる高分子薄膜中のFries転位反応がナノカラーイメージングに有効であることを実証した。
成田 正*; 榎本 一之*; 前川 康成; 吉田 勝; 市川 充*; 浜名 浩*
Journal of Fluorine Chemistry, 128(1), p.52 - 54, 2007/01
被引用回数:5 パーセンタイル:19.89(Chemistry, Inorganic & Nuclear)フッ素系樹脂は、化学的安定性,耐熱性,光学特性に優れていることから、燃料電池用の電解質膜などへの応用が期待されている。しかし、官能基を持ったフッ素系ビニルモノマーは、四フッ化エチレンなどとの共重合体が得られるのみで、その単独重合体は報告されていない。そこで、重合開始剤となるラジカルを継続的に発生できる放射線重合に着目し、パーフルオロビニルエーテルであるheptafluoropropyl ether(FVPE)のラジカル重合を試みた。FVPE液体に、減圧下、線を2000kGy照射したところ、粘性の高い(固有粘度:0.47)液体に変化した。NMR, IR測定より、フッ化ビニル基のラジカル重合により、FVPEの単独重合体が生成していることが確認できた。
榎本 一之*; Moon, S.*; 前川 康成; 下山 純治*; 後藤 一幸*; 成田 正*; 吉田 勝
Journal of Vacuum Science and Technology B, 24(5), p.2337 - 2349, 2006/09
被引用回数:5 パーセンタイル:33.55(Engineering, Electrical & Electronic)イオン・電子ビームによる微細加工に関する研究として、電子線リソグラフィー用レジストの高感度化に関する研究を行った。電子線のエネルギーはレジスト薄膜中の感光剤のイオン化ポテンシャルを越えるため、イオン化又は高い励起状態からの反応が優先する放射線化学反応を考慮していくことが、その反応制御に必要である。そこで、レジスト用酸発生剤であるトリフェニルスルホニウム塩誘導体の固相状態での電子線反応性について、そのアニオン部,カチオン部の構造の影響を調べた。カチオン部にビフェニル基,フェニルチオフェニル基、及び、アニオン部に芳香族スルホン酸を導入することで、酸発生効率は2倍から6倍向上した。その効果は、アニオン部よりもカチオン部で高いこと、及び、置換基のイオン化ポテンシャルに依存することがわかった。これらの知見は、電子線レジスト用高感度酸発生剤の分子設計の重要な指針となる。
加藤 順; 湯浅 加奈子; 松下 晴美*; 前川 康成; 榎本 一之; 石井 達人*; 伊藤 和男*; 山下 俊*
Journal of Photopolymer Science and Technology, 19(1), p.105 - 110, 2006/00
被引用回数:2 パーセンタイル:6.5(Polymer Science)高密度メモリなどの電子材料への適用を目的に、電子線で酸を発生する分子(酸発生剤)と酸性で発色する化合物(環境クロミック分子)を含む高分子薄膜について、電子線によるクロミック分子の挙動と電子線描画装置(50nm径)によるナノカラーイメージング形成性を検討した。このクロミック薄膜の電子線照射により、酸が発生し、プロトン化したクロミック分子が発色することを利用している。電子線描画装置により、ナノスケールのカラーイメージングを試みた。50Ccmの照射量で、解像度100nmでライン/スペースのカラーイメージングが実現できた。さらに、電子線照射により、大きく屈折率が変化することを、m-line法によるTM及びTEの両モードで確認できた。
榎本 一之*; 前川 康成; 勝村 庸介*; 宮崎 豊明*; 吉田 勝; 浜名 浩*; 成田 正*
Macromolecules, 38(23), p.9584 - 9593, 2005/11
被引用回数:9 パーセンタイル:30.73(Polymer Science)燃料電池用電解質膜や超微細加工用レジスト用樹脂としての利用が期待できるフッ素系ポリマーの合成を目的として、フッ素系モノマーと過剰量存在する種々のエーテル類との放射線ラジカル重付加反応について検討した。フッ素系モノマーBFPは、0Cで、大過剰のエーテルの存在下で線照射すると、ラジカル重付加反応により、BPFとエーテル類が交互に配列したフッ素系ポリマーが生成することを見いだした。特に、エーテルとして、ジオキサン(DOX)とジエチルエーテルを用いたとき、Mnが5100と3900の線状交互共重合体が得られた。これらのモデル反応とその速度論解析より、BFPがエーテル類と反応して生成した一置換体が、速やかに二分子目のエーテル類と反応することで、大過剰のエーテルが存在するにもかかわらず、重付加反応が進行し、高分子量の交互ポリマーを与えることを明らかとした。
榎本 一之*; 成田 正*; 前川 康成; 吉田 勝; 浜名 浩*
Journal of Fluorine Chemistry, 125(7), p.1153 - 1158, 2004/07
被引用回数:3 パーセンタイル:10.94(Chemistry, Inorganic & Nuclear)線照射下、Bis(-trifluoromethyl-,-difluorovinyl)terephthalate(BFP)と1,4-Dioxane(DOX)とのラジカル重付加は、過酸化物開始で得られたポリマーよりも高分子量のポリマーを与えた。本論文では、BFPとDOXとの放射線重付加に関するモノマー組成比と照射線量の分子量に与える影響について詳細な検討を行った。BFPの反応率は、照射線量の増加に伴い増加し、BFPが定量的に消費されるのに必要とした照射線量は、BFPに対してDOX量が8倍モルで2000kGy、16倍モルで1500kGy、32倍モルで750kGyであった。本重付加は、照射線量の増加に伴い(すなわち、BFPの転化率が高いほど)ポリマーの分子量が増加していることから、逐次重合で進行していることが示唆された。モノマーの組成比と照射線量により、ポリマーの分子量を調節できることがわかった。一方、重合反応後期、ポリマーの分子量分布に著しい増加が観測された。DOX量が8倍モルで3000kGy照射すると、複分散で重量平均分子量が23600のポリマーを与えた。このことは、線架橋と主鎖切断によるポリマー間の架橋反応が進行したと考えられる。上記検討により、本重付加の反応機構を提案した。
湯浅 加奈子; 榎本 一之*; 前川 康成; 加藤 順*; 山下 俊*; 吉田 勝
Journal of Photopolymer Science and Technology, 17(1), p.21 - 28, 2004/07
被引用回数:9 パーセンタイル:31.11(Polymer Science)電子線感受性や反応選択性の高い有機分子の設計を目的に、スルホン酸誘導体を合成し、その結晶状態でのFries転位及び酸化反応挙動を詳細に検討した。phenyl p-toluenesulfonate(1a)結晶は、電子線照射によりFries転位が進行し、o, p-Fries転位体,分解生成物であるフェノールに加え、光反応では報告例のないFries転位体の酸化体を与えた。反応初期、結晶格子支配により1aのFries転位体はo-体のみを選択的に生成した。室温で液体のphenyl benzenesulfonate(1b)は、1aと同様、o, p-Fries転位体,フェノール及び酸化体を与えた。1bは、電子線に対して高反応性を示したが、Fries転位体の位置選択性は低かった。一方、phenyl 1-naphthalenesulfonate結晶は、酸化体の生成なしにo, p-Fries転位体及びフェノールを与えた。上記スルホン酸誘導体の反応は、電子線照射によりS-O結合が選択的に開裂し、Fries転位体を与えること,電子線固有である酸化体の生成は、空気酸化やo-Fries転位体同士の酸化還元反応により生成するのではなく、系中に存在する分解物による酸化反応より生成することがわかった。
榎本 一之*; 前川 康成; Moon, S.; 下山 純治*; 後藤 一幸*; 成田 正*; 吉田 勝
Journal of Photopolymer Science and Technology, 17(1), p.41 - 44, 2004/06
被引用回数:2 パーセンタイル:9.04(Polymer Science)酸発生剤であるトリフェニルスルホニウム塩(1)結晶に電子線照射すると、光反応とは異なり、1にフェニル基が置換したビフェニル置換スルホニウム塩(2)を中間体として与える。ビフェニル体2の反応率は1の3.7倍と、電子線レジスト薄膜としての高感度化が示唆された。本論文では、スルホニウム塩結晶の電子線反応性や選択性に及ぼすカチオン部位と対アニオンの効果を調べ、電子線に対して感受性の高い酸発生剤の設計指針を得ることを目的とする。スルホニウム塩のカチオン部位にビフェニル及びジフェニルスルフィドを導入した2p, phSを別途合成し、電子線反応を行った。その結果、2p及びphSの分解速度は一次速度式で最適化でき、速度定数(10s)は1で3.7、2pで14、phSで21であった。放射線感度の指標となるイオン化ポテンシャル(Ip)は、ベンゼンで9.24、ビフェニルで8.16、ジフェニルスルフィドで7.85である。このことから、より低いIpを有する置換基をカチオン部位に導入することで、スルホニウム塩の分解速度が増加することがわかった。また、芳香族系対アニオンを有するスルホニウム塩は、非晶化前後で速度定数が2倍増加し、脂肪族系よりも高感度を示した。
榎本 一之; 湯浅 加奈子*; 加藤 順*; 松下 晴美*; 山下 俊*; 伊藤 和男*; 吉田 勝; 前川 康成
no journal, ,
電子線記録システムに適用できる、電子ナノビームによりクロミック挙動を示す有機薄膜の創製を目的に、電子線で酸を発生する分子(酸発生剤)と酸性で発色又は蛍光を呈する環境クロミック分子を含む高分子薄膜について、電子線によるクロミック分子の反応挙動と、電子線描画装置によるナノ発色パターン形成性を検討した。酸発生剤(phenyl-p-toluenesulfonate)存在下、環境クロミック分子であるrhodamine B base (RB)及び4,4'-bis(dimethylamino)benzhydrol(BH)のpolymethylmethacrylate(PMMA)薄膜は、それぞれ、照射線量の増加に伴い560nm及び610nmの吸収が単調増加し赤色及び青色を呈した。このことは、クロミック分子が電子線により発生した酸(H)でプロトン化し、選択的にRB-H体及びBH-H体を与えることで発色したことを意味する。次いで、酸発生効率が高く可視領域の吸収変化が大きく変化したBH/PMMA薄膜の電子線描画装置(50nm径)によるナノ発色パターン形成性を評価した。照射線量10C/cmでの電子線描画後、露光部と未露光部とで色調が変化し、ドットパターンで200nm,L/Sパターンでは100nmの分解能を示す発色パターンが観察された。
榎本 一之; 湯浅 加奈子*; 加藤 順*; 松下 晴美*; 山下 俊*; 伊藤 和男*; 吉田 勝; 前川 康成
no journal, ,
電子線記録システムに適用できる、電子ナノビームによりクロミック挙動を示す有機薄膜の創製を目的に、電子線で酸を発生する分子(酸発生剤)と酸性で発色又は蛍光を呈する環境クロミック分子を含む高分子薄膜について、電子線によるクロミック分子の反応挙動と、電子線描画装置によるナノ発色パターン形成性を検討した。酸発生剤(phenyl-p-toluenesulfonate)存在下、環境クロミック分子であるrhodamine B base(RB)及び4,4'-bis(dimethylamino)benzhydrol(BH)のpolymethylmethacrylate(PMMA)薄膜は、それぞれ、照射線量の増加に伴い560nm及び610nmの吸収が単調増加し赤色及び青色を呈した。このことは、クロミック分子が電子線により発生した酸(H)でプロトン化し、選択的にRB-H体及びBH-H体を与えることで発色したことを意味する。次いで、酸発生効率が高く可視領域の吸収変化が大きく変化したBH/PMMA薄膜の電子線描画装置(50nm径)によるナノ発色パターン形成性を評価した。照射線量10C/cmでの電子線描画後、露光部と未露光部とで色調が変化し、ドットパターンで200nm、L/Sパターンでは100nmの分解能を示す発色パターンが観察された。