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Do, V. K.; 古瀬 貴広; 太田 祐貴; 岩橋 弘之; 廣沢 孝志; 渡辺 将久; 佐藤 宗一
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 331(12), p.5631 - 5640, 2022/12
被引用回数:2 パーセンタイル:48.47(Chemistry, Analytical)Snは2011年の福島第一原子力発電所事故により環境中に放出された可能性のある長半減期核分裂生成物であり、こうした核種のモニタリングは周辺環境及び放射性廃棄物を適切に管理・処理していくために重要である。本研究では、TEVA resinによるHClフリーな固相抽出分離とICPタンデム質量分析計(ICP-MS/MS)を組み合わせた放射性ガレキ中のSn分析手法を提案した。TEVA resinによるコンクリートマトリクスからのSnの回収率は95%以上であった。同重体であるTe及び試料マトリクスに由来する多原子イオンによるスペクトル干渉は、固相抽出による化学分離とICP-MS/MSとの組み合わせにより効果的に低減することができ、Teの除染係数は10に達した。本手法でのコンクリートマトリクスにおけるSnの方法定量下限値は、12.1pg g(6.1mBq g)となり、コンクリートガレキ中のSnを分析する手法として十分な感度を有することを確認した。
Do, V. K.; 古瀬 貴広; 村上 絵理奈; 相田 玲奈; 太田 祐貴; 佐藤 宗一
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 327(1), p.543 - 553, 2021/01
被引用回数:5 パーセンタイル:63.04(Chemistry, Analytical)HClフリーな抽出クロマトグラフィーによるコンクリートマトリクスからのZrおよびMoの逐次分離手法を新たに開発するとともに、リアクションガスにアンモニアを用いたICP-MS/MSにてZrおよびMoを測定した。ICP-MS/MSによる測定条件は、コンクリートマトリクス中Zr, Moの安定同位体のテーリング、並びにNbの干渉を抑制できるように最適化した。これら測定干渉の除去能力については、非放射性コンクリートをマトリクスブランクとして測定することで評価した。コンクリートマトリクスにおける本手法のZrおよびMoの方法検出下限値は、それぞれ1.7mBq gと0.2Bq gとなった。また、Nbの除去係数(除染係数と同様な評価)およびアバンダンス感度はそれぞれ10オーダーと10オーダーになり、本手法が極微量のZrおよびMoを評価する分析法として十分な能力を有していることを確認した。以上の結果より、放射能インベントリ評価のためのコンクリートガレキ中Zr, Mo迅速分析手法としての本手法の有効性を確認することができた。
田口 茂郎; 山本 昌彦; 古瀬 貴広*; 真崎 祐次*; 久野 剛彦
JAEA-Technology 2018-005, 14 Pages, 2018/06
使用済核燃料から分離回収した硝酸Pu溶液中の不純物金属(Fe, Cr, Ni, Mn, Al, Cd, V, Cu, Si, Zn, Mo, Sn, Ca, Mg, Na, Ag, Pb, B)を誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP-OES)により定量するにあたり、アクチニドに対して高い吸着性を有する固相抽出樹脂を用いて、硝酸Pu溶液中のPu, Am及びNpを吸着除去し、不純物金属成分と分離する手法を開発した。本手法では、TRU樹脂を充填したカラムを2段として、1段目のカラムで主にPuとAmを吸着除去し、次にNpの原子価をNp(IV)に調整した後、2段目のTRUカラムに通液し、1段目のカラムから溶出したAm(III)とNp(IV)を吸着除去した。本分離法により、東海再処理施設において分離回収された硝酸Pu溶液(22g/L)2mLを処理した結果、回収液(100mL定容後)中の全放射能濃度を5.8Bq/mLまで低減することができた。分離後の試料をICP-OESで測定した結果、測定対象の不純物金属元素を全量回収でき、本法が、硝酸Pu溶液中のICP-OESによる不純物金属分析に先立つPu, Am, Np除去のための分離前処理法として有効であることを確認した。
古瀬 貴広*; 田口 茂郎; 久野 剛彦; 駿河谷 直樹
JAEA-Technology 2016-028, 19 Pages, 2016/12
使用済核燃料の再処理過程を経て得られたMOX(ウラン・プルトニウム混合酸化物)粉末は、キャラクタリゼーションのために金属不純物元素の定量分析が必要となる。本分析には、粉末試料を溶解することなく直接定量が可能となる直流アーク放電発光分光法が有用とされるが、検量線を作成する際にマトリックスマッチングなどの問題を克服できる標準物質の選択が最も重要な課題であった。本報告では、試料マトリックスの影響を考慮して既知量の不純物金属を含む八酸化三ウランを標準物質として用いた標準添加法を適用することによって、比較的有意量が試料中に含まれる鉄, クロム, ニッケルの定量を試み、良好な結果が得られることを明らかにした。
古瀬 貴広; 雛 哲郎
鳴海 昭紀*; 盛田 和久*
【課題】加工屑を高い回収率で回収できる集塵ドリル装置を提供する。 【解決手段】ドリル本体10が、先端にドリルチップ11を有するリード部12と、リード部12に連結される連結部15と、リード部12の先端から連結部15の外周面15Aに接続される貫通孔16,17と、を有し、ドリルチップ11が、リード部12より外径が大きく構成され、密閉体20が貫通穴25と、被加工物Mに設置される設置面26と、設置面26の反対側の非設置面27と、貫通穴25と接続する連結孔28と、を有する本体21と、非設置面27に設けられ連結部15と同じ径又は小さい径の孔23Aを有し気密性を有する材質で構成された第1弾性体23と、を有し、ドリル本体10が、孔23Aを貫通して被加工物Mに当接するように構成され、連結孔28とフィルター30が気密性を保持して接続された集塵ドリル装置1を提供する。
田中 康之; Do, V. K.; 元木 良明*; 太田 祐貴; 岩橋 弘之; 黒澤 きよ子*; 古瀬 貴広
no journal, ,
ICP-MS/MSとしてAgilent8900トリプル四重極ICP-MSを用いたUの測定方法について検討した。本装置は、測定可能な最大質量電荷比が275であることから、リアクションガスに酸素を用いたマスシフト法を適用することで、UOOの測定が可能になる。これにより従来の手法と比較してUのスペクトル干渉の低減によるUの高感度測定が可能になると考えられる。そこで、本研究ではICP-MS/MSによる質量電荷比268でのUの最適な測定条件を検討した内容を報告する。
Do, V. K.; Banjarnahor, I. M.; 太田 祐貴; 田中 康之; 古瀬 貴広; 田中 康介
no journal, ,
本報告は、コンクリートガレキ試料中のSeを対象としたHClフリーの誘導結合プラズマ質量分析装置(ICP-MS/MS)を用いた分析手法の開発結果を報告する。従来のSeの放射能測定は、液体シンチレーションカウンタ(LSC)測定にて行われる。しかしながら、LSC測定は、時間がかかることに加え、試料中に多く共存する放射性核種(Sr, Cs等)からの干渉を受けやすい。この点に関して、ICP-MS/MS測定はその干渉を効果的に除去することができる。本研究では、装置への腐食の高い塩酸を使用せず、コンクリート試料からのSeの回収及びSeの同重体であるBrを除去可能な前処理方法を開発した。前処理によるSeの回収率は約90%であり、ICP-MS/MSによるSe測定の最適な条件についても調べた。本手法の方法検出下限値は0.1Bq/gであり、開発した手法は、福島第一原子力発電所で回収されたコンクリートガレキ試料のSe分析で求められている検出下限値を満たせることを実証した。
小高 典康; 田中 康之; 古瀬 貴広; 田中 康介
no journal, ,
福島第一原子力発電所事故由来の放射性廃棄物に対する塩酸を用いないPu、Am、Cm核種の分析手法を開発した。
Do, V. K.; 北村 清司; 堀田 拓摩; 古瀬 貴広
no journal, ,
ニッケルの多段階化学分離のための自動化装置の適用とICP-QQQ-MSを用いたNi-59の定量化について報告する。ニッケルは従来の分離方法によって、自動化装置で分離した。Ni標準担体について得られた化学回収率は89.8% (RSD=2.9%、n=3)であり、これは手動で得られた回収率87.0% (RSD=2.2%、n=3)と一致した。ICP-QQQ-MSによるNi-59の定量化について調査した。その結果、Ni-59の測定強度は、ニッケルの天然同位体についての強度補正曲線から推定することができた。提案する分析方法は、より迅速で手間がかからず、作業者への放射線被ばくを減らすことが期待できる。
古瀬 貴広; 太田 祐貴; Do, V. K.
no journal, ,
日本原子力研究開発機構は、東京電力の福島第一原子力発電所(1F)の廃炉措置に向けて放射性廃棄物および燃料デブリの特性を確認するために、研究開発施設である大熊分析研究センターを整備中である。本発表では、大熊分析研究センターにおいて、中・低レベルの放射性廃棄物試料を分析する分析・研究施設第1棟の概要と整備状況について報告する。
Do, V. K.; 古瀬 貴広; 太田 祐貴
no journal, ,
自動化された簡易な化学分離操作とICP-QQQ-MS測定を組み合わせたZrの分析手法開発についてその概要を紹介する。
Do, V. K.; 古瀬 貴広; 村上 絵理奈; 相田 玲奈; 太田 祐貴; 富塚 知博; 佐野 友一; 秋元 友寿*; 遠藤 翼*; 片山 淳; et al.
no journal, ,
本報では、ICP-MS/MS(Agilent 8900)を用いたZrとMoの定量において妨害となる隣接ピークのテーリング及び同重体(Nb)の影響除去に関する検討結果について報告する。アンモニアガスをリアクションガスとし、ガスと各元素の反応性の違いを利用することで、ZrとMoはそれぞれの同重体から分離することが可能となる。本発表ではこの性質を利用した福島第一原子力発電所から採取した環境試料中ZrとMoの分析手法について提案する
古瀬 貴広; Do, V. K.; 相田 玲奈; 太田 祐貴; 村上 絵理奈; 富塚 知博; 佐野 友一; 秋元 友寿*; 遠藤 翼*; 片山 淳; et al.
no journal, ,
放射性廃棄物中のZrおよびMo分析を従来の放射線計測から簡易・迅速化することを目的に、固相抽出法とICP-MS/MSを組み合わせた分析手法を検討した。本発表では、固相抽出樹脂であるZRレジン用いた試料マトリクス及び質量数が93であるNbからのZr及びMoの逐次化学分離の検討結果について報告する。
太田 祐貴; 黒澤 きよ子*; 元木 良明*; Do, V. K.; 古瀬 貴広
no journal, ,
福島第一原子力発電所由来の放射性ガレキに対する、逐次的なIとClの化学分離とICP-MS/MS(I)及びLSC(Cl)を組み合わせた簡易な分析手法を検討した結果について報告する。ハロゲン核種であるIとClについて、Clに比べてスペクトル干渉の影響が少なく、イオン化効率の高いIは、ICP-MS/MSにおける干渉低減技術の発展により簡易な前処理での高感度分析が可能となった。一方Clは従来の線計測が一般的であり煩雑な前処理が必要である。そこで本研究では、化学的性質の類似する両核種の試料マトリクスからの粗分離を共通化し、その後の分離・精製を各測定手段に適した形で逐次的に行うことで、全体としての前処理の合理化を検討した。
Do, V. K.; 太田 祐貴; Banjarnahor, I. M.; 相田 玲奈; 村上 絵理奈; 本間 駿太; 岩橋 弘之; 古瀬 貴広
no journal, ,
福島第一原子力発電所(1F)由来の放射性廃棄物分析を行う大熊分析研究センターでは、2022年10月より中・低線量の廃棄物試料を取り扱う第1棟のホット運用が開始され、1F廃棄物の受入れ、分析が開始された。測定対象核種の中で長半減期核種の測定については、従来の放射能測定法では複雑な前処理操作と長時間の測定が必要となる一方、ICP-MS法は感度及び測定時間の面でアドバンテージがある。特にハイエンドモデルであるICP-MS/MSは装置自体が高い分離性能を有しており効果的にスペクトル干渉を低減できることから、前処理における化学分離プロセスの簡略化が可能となり、更なる簡易・迅速化が見込める。本発表では、Zr, Mo, Pd, Sn, Seなどの長半減期核種について、1F廃棄物試料への適用を目的としたICP-MS/MSによる分析法の研究開発に関する最近の成果を報告する。
田中 康之; 太田 祐貴; 小高 典康; 菊池 里玖; Banjarnahor, I. M.; Do, V. K.; 古瀬 貴広; 田中 康介; 渡辺 将久
no journal, ,
福島第一原子力発電所放射性廃棄物の測定対象核種の多くは、従来の放射能測定法をそのまま適用した場合、目的核種の化学分離操作や長半減期核種の測定に時間を要し、数週間の工程がかかる核種分析が発生する。このため大熊分析・研究センターでは、これら核種の分析手法の簡易化・迅速化を実施してきた。最も時間を要するSe-79、Zr-93及びMo-93等の難測定長半減期核種に対しては装置自体が高い分離性能を持ち、短時間での高感度測定が可能なICP-MS/MSでの測定と簡易な固相抽出分離を組み合わせることにより、数日程度で分析可能な新しい手法を開発した。一方、核種、Sr-90及びNi-63など従来の放射線計測が有効と考えられる核種は、1つの試料から複数の核種を逐次的に分離することで化学分離操作の合理化を図った。また、開発した分析手法は分析設備への負荷を低減することを目的として塩酸を使用しない手法とした。
田口 茂郎; 古瀬 貴広*; 真崎 祐次*; 稲田 聡; 高村 禅*; 久野 剛彦
no journal, ,
使用済燃料から分離回収した硝酸Pu溶液中の不純物金属を分析するにあたり、硝酸Pu溶液中のPu, Am等の線放出核種を固相抽出樹脂のTRUレジンに吸着し、不純物金属と分離するフローを確立した。
古瀬 貴広; Do, V. K.; 圷 英之; 堀田 拓摩
no journal, ,
平成30年度の大熊分析・研究センターの成果報告として、施設整備及び分析技術開発の状況を報告する。分析技術開発については、自動化システム及びICP-MSを用いた迅速かつ効率的な放射性核種分析方法について報告する。
佐藤 宗一; Do, V. K.; 古瀬 貴広
no journal, ,
As the consequence of the nuclear accident due to The Tohoku Earthquake and tsunamis, a vast area of Fukushima was contaminated by radioactive materials releasing from Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant (1F). Technical support for environmental restoration of Fukushima and decommissioning of 1F are the most important mission of Japan Atomic Energy Agency (JAEA). In this presentation, we outline Okuma Analysis and Research Center and our mission on technical development for analyzing rubble and wastes from the decommissioning of 1F. Novel analytical methods are being developed at the center for determining difficult to measure nuclides.
岩橋 弘之; Do, V. K.; 古瀬 貴広; 太田 祐貴; 本間 駿太; 黒澤 きよ子*; 元木 良明*; 廣沢 孝志
no journal, ,
Pdは、長半減期(650万年)線放出核種であるため、放射能分析では煩雑な分離作業と長時間の測定が必要となる。ICP-MS/MSは2つの四重極マスフィルタによる質量数の選別とコリジョンリアクションセル(CRC)によりスペクトル干渉を低減させることで、短時間で高感度な分析が可能と考えられる。そこで、本研究では、Pdに対して、高い選択性を有する抽出クロマトグラフィーと、ICP-MS/MSを組み合わせることで高感度かつ簡易迅速なPd分析手法の開発を試みた。本報では、抽出クロマトグラフィーによるPdの分離条件およびICP-MS/MSによるPd測定条件の最適化を行い、放射性がれきへの適用性を評価した結果について報告する。