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論文

High temperature gas-cooled reactors

武田 哲明*; 稲垣 嘉之; 相原 純; 青木 健; 藤原 佑輔; 深谷 裕司; 後藤 実; Ho, H. Q.; 飯垣 和彦; 今井 良行; et al.

High Temperature Gas-Cooled Reactors; JSME Series in Thermal and Nuclear Power Generation, Vol.5, 464 Pages, 2021/02

本書は、原子力機構における今までの高温ガス炉の研究開発の総括として、HTTRの設計、燃料、炉内構造物や中間熱交換器などの要素技術の開発、出力上昇試験、950$$^{circ}$$Cの高温運転、安全性実証試験などの運転経験及び成果についてまとめたものである。また、HTTRでの知見をもとに、商用炉の設計、高性能燃料、ヘリウムガスタービン、ISプロセスによる水素製造などの要素技術開発の現状について記述しており、今後の高温ガス炉の開発に非常に有用である。本書は、日本機械学会の動力エネルギーシステム部門による化石燃料及び原子力によるエネルギーシステムの技術書のシリーズの一冊として刊行されるものである。

論文

A Model intercomparison of atmospheric $$^{137}$$Cs concentrations from the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant accident, phase III; Simulation with an identical source term and meteorological field at 1-km resolution

佐藤 陽祐*; 関山 剛*; Fang, S.*; 梶野 瑞王*; Qu$'e$rel, A.*; Qu$'e$lo, D.*; 近藤 裕昭*; 寺田 宏明; 門脇 正尚; 滝川 雅之*; et al.

Atmospheric Environment; X (Internet), 7, p.100086_1 - 100086_12, 2020/10

福島第一原子力発電所(FDNPP)事故により放出された$$^{137}$$Csの大気中の挙動を調べるため、第3回大気拡散モデル相互比較が実施された。前回のモデル比較より高い水平格子解像度(1km)が使われた。前回のモデル比較に参加したモデル中9モデルが参加し、全モデルで同一の放出源情報と気象場が使用された。解析の結果、観測された高い$$^{137}$$Cs大気中濃度のほとんどが良好に再現され、いくつかのモデルの性能向上によりマルチモデルアンサンブルの性能が向上した。高解像度化によりFDNPP近傍の気象場の再現性が向上したことで、拡散モデルの性能も向上した。風速場の良好な表現によりFDNPP北西の高い沈着量の細い分布が合理的に計算され、FDNPPの南側の沈着量の過大評価が改善された。一方で、中通り地方、群馬県北部、及び首都圏のプルームの再現性能はやや低下した。

論文

Model intercomparison of atmospheric $$^{137}$$Cs from the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant accident; Simulations based on identical input data

佐藤 陽祐*; 滝川 雅之*; 関山 剛*; 梶野 瑞王*; 寺田 宏明; 永井 晴康; 近藤 裕昭*; 打田 純也*; 五藤 大輔*; Qu$'e$lo, D.*; et al.

Journal of Geophysical Research; Atmospheres, 123(20), p.11748 - 11765, 2018/10

 被引用回数:40 パーセンタイル:85.28(Meteorology & Atmospheric Sciences)

福島第一原子力発電所事故により放出された$$^{137}$$Csの大気中の挙動を理解するため、大気拡散モデル相互比較が実施され、12モデルが参加した。モデルで考慮される過程に起因するモデル間の差異に焦点を当てた解析を行うため、全モデルで同じ気象場、水平分解能、及び放出源情報が使用された。モデルアンサンブルによる観測された大気中$$^{137}$$Cs濃度上昇イベントの捕捉率は40%であり、FMSは80を超えた。解析の結果、大気中$$^{137}$$Cs濃度上昇イベントの再現には気象場が最も重要な要素であり、気象場の再現性が高い場合のモデル間の差異は、沈着及び拡散過程に起因していることが分かった。また、沈着フラックスが小さいモデル及び拡散が強いモデルは高い性能を示したが、拡散が強いモデルは大気中$$^{137}$$Cs濃度を過大評価する傾向を示した。

論文

Nuclear thermal design of high temperature gas-cooled reactor with SiC/C mixed matrix fuel compacts

相原 純; 後藤 実; 稲葉 良知; 植田 祥平; 角田 淳弥; 橘 幸男

Proceedings of 8th International Topical Meeting on High Temperature Reactor Technology (HTR 2016) (CD-ROM), p.814 - 822, 2016/11

原子力機構(JAEA)は、耐酸化性向上のため高温ガス炉(HTGR)の燃料要素へのSiC/C混合母材の適用に関するR&Dを開始している。このR&Dの一部として、SiC/C混合母材燃料コンパクトを使ったHTGRの核熱設計を行った。核熱設計は、途上国用の小型HTGRであるHTR50Sをベースに行った。日本における製造実績を考慮し、ウランの濃縮度の上限は10wt%とし、濃縮度と可燃性毒物(BP)の種類はベースとしたHTR50Sと等しい(各々3及び2種類)とした。以上の制限内で、我々は本来のHTR50Sと同等の性能を持つ炉心の核熱設計に成功した。この核熱設計に基づき、通常運転時の被覆燃料粒子の内圧に対する健全性は保たれると評価された。

論文

A Small-sized HTGR system design for multiple heat applications for developing countries

大橋 弘史; 佐藤 博之; 後藤 実; Yan, X.; 角田 淳弥; 田澤 勇次郎*; 野本 恭信; 相原 純; 稲葉 良知; 深谷 裕司; et al.

International Journal of Nuclear Energy, 2013, p.918567_1 - 918567_18, 2013/00

原子力機構は、開発途上国等による2020年代の実証的高温ガス炉システムの建設を目指して、送電網が整備されていない中小都市向けの熱出力50MWの小型高温ガス炉(原子炉出口温度750$$^{circ}$$C及び900$$^{circ}$$C)の概念設計を実施した。設計思想は、地域暖房,プロセス熱供給,ガスタービン発電及び熱化学法による水素製造の実証試験等の多目的熱利用に係るユーザーの要請に応えることが可能なこと、HTTRの設計を基に特段の研究開発なしでHTTRより性能を向上させること、高温ガス炉の固有の特性及び受動的崩壊熱除去系を用いて安全性をより向上させることである。設計目標に対する設計結果及び代表的な事象に対する安全予備評価の結果、設計した小型高温ガス炉の技術的成立性を示すことができた。

報告書

HTTRにおける高温連続運転(HP-11); 試験結果の概要

高松 邦吉; 植田 祥平; 角田 淳弥; 後藤 実; 濱本 真平; 栃尾 大輔; 中川 繁昭

JAEA-Research 2010-038, 59 Pages, 2010/11

JAEA-Research-2010-038.pdf:4.6MB

高温ガス炉とこれによる水素製造技術の研究開発は、総合科学技術会議が「地球温暖化対策技術」として選定した「水素エネルギーシステム技術」を確立するとともに、原子力委員会が同じ目的で定めた「地球温暖化対策に貢献する原子力の革新的技術開発ロードマップ」のうち、原子力の核熱利用の実現を目指す「原子力による革新的水素製造技術」を確立するもので、2020年頃に原子力水素製造実用システムの原型を提示することを目指している。そこで、第1期中期計画では、HTTRを用いて高温ガス炉の技術基盤の確立を目指した研究開発を推進している。平成19年度には、定格運転にて30日間の連続運転を実施した。今回は、高温試験運転にて50日間の連続運転を行い、炉心の燃焼特性,ヘリウムの純度管理,高温機器の性能,炉内構造物等の健全性等に関するデータを取得・評価するとともに、熱化学水素製造等の熱源として利用可能であることを実証した。また、得られたデータを評価し、我が国の開発した高温ガス炉用燃料が世界最高の品質であることを、高温のガスを製造・輸送する技術の核となる炉内構造物や中間熱交換器の性能が優れ、高温の核熱を利用系に長期間安定して供給できること、及び実用炉における1年程度の長期運転を安定して行えることを実証した。

論文

Trapping of multiple hydrogen atoms in a tungsten monovacancy from first principles

大澤 一人*; 後藤 準也*; 山上 真広*; 山口 正剛; 矢木 雅敏*

Physical Review B, 82(18), p.184117_1 - 184117_6, 2010/11

 被引用回数:116 パーセンタイル:95.05(Materials Science, Multidisciplinary)

本発表は、九州大学応用力学研究所との共同研究により、核融合材料タングステンの物性を第一原理計算により調べた結果の論文発表である。本発表では、タングステン中の単空孔において多数の水素原子がトラップされるときのトラップエネルギーを第一原理より計算した。最大6コの水素原子がトラップされるとする従来の第一原理計算結果とは異なり、トラップされる水素原子の数が増えるに従ってトラップサイトがオクタヘドラルサイトからテトラヘドラルサイトに変化することによって、最大で12コの水素原子がタングステン中の単空孔にトラップされることを示した。

報告書

Test plan using the HTTR for commercialization of GTHTR300C

橘 幸男; 西原 哲夫; 坂場 成昭; 大橋 弘史; 佐藤 博之; 植田 祥平; 相原 純; 後藤 実; 角田 淳弥; 柴田 大受; et al.

JAEA-Technology 2009-063, 155 Pages, 2010/02

JAEA-Technology-2009-063.pdf:17.27MB

高温ガス炉実用化のために必要となるHTTRを用いた試験計画を立案した。HTTRを用いる試験項目は、燃料性能,核分裂生成物挙動,炉物理,伝熱流動,原子炉運転及びメンテナンスなどであり、これらについて検討し、試験項目を細分化した。HTTRを用いた試験により得られた結果は、原子力機構が設計して世界の代表的な商用超高温ガス炉と認められているGTHTR300Cの実用化に用いることができる。

口頭

2nd atmospheric model intercomparison project for Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant Accident on March 2011; 2nd FDNPP-MIP

佐藤 陽祐*; 滝川 雅之*; 関山 剛*; 梶野 瑞王*; Grahn, H.*; Br$"a$nnstr$"o$m, N.*; von Schoenberg, P.*; 近藤 裕昭*; 寺田 宏明; 永井 晴康; et al.

no journal, , 

福島第一原子力発電所から放出された放射性核種($$^{137}$$Cs)を対象とした第2回大気モデル相互比較が実施された。ラグランジュ型およびオイラー型の大気拡散モデルを含む13モデルがこのモデル相互比較に参加した。このモデル相互比較の目的は、(1)大気中輸送過程の理解、(2)モデル間の湿性および乾性沈着過程の不確実性の見積り、(3)$$^{137}$$Csプルーム再現のキープロセスの解明、(4)マルチモデルアンサンブル平均の評価、(5)モデルの物理過程改良に有用な知見の取得である。放出源情報によるモデルの不確実性を除外するため、全モデルは共通の放出源情報を使用した。気象場の違いによる不確実性低減のため、局所アンサンブル変換カルマンフィルターデータ同化システムと組み合わせた日本の現業予報モデルによる高時間空間分解能の気象データが全モデルで利用された。モデル間比較だけでなく、モデルと浮遊粒子状物質サンプリングネットワークによる観測値との比較も行われた。モデルと観測との比較から、降雨を経験していない原子力発電所近傍での$$^{137}$$Cs濃度は比較的良好な再現性を示したが、降雨を経験した$$^{137}$$Cs濃度はモデル間の差異が大きかった。発表では、$$^{137}$$Cs濃度を決定する物理過程に関するさらに詳細な解析について議論する。

口頭

J-PARC E07のエマルションの解析状況

吉田 純也; 大橋 正樹*; 後藤 良輔*; 長瀬 雄一*; 村井 李奈*; May, S.*; Aye, M. M. T.*; 金原 慎二*; 吉本 雅浩*; 仲澤 和馬*

no journal, , 

J-PARC E07実験は、2016年6月に1st physics run、2017年4月から6月に2nd physics runとしてK-ビームの照射を行い、準備した全ての原子核乾板モジュールに飛跡情報を蓄積した。現在、顕微鏡下でのダブルストレンジネス核を探索する解析作業を継続中である。本講演ではその解析状況について、質、速度、進捗、今後の展望について議論する。

口頭

Model intercomparison study for atmospheric $$^{137}$$Cs from the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant Accident using identical input data

佐藤 陽祐*; 滝川 雅之*; 関山 剛*; 梶野 瑞王*; 寺田 宏明; 永井 晴康; 近藤 裕昭*; 打田 純也*; 五藤 大輔*; Qu$'e$lo, D.*; et al.

no journal, , 

2011年3月の福島第一原子力発電所事故により放出された$$^{137}$$Csの物理過程に着目した大気拡散モデル相互比較が実施され、12モデルが参加した。モデル計算結果の放出源情報及び気象場に起因する不確かさを除外するため、全モデルは同じ放出源情報及び気象場を使用した。浮遊粒子状物質モニタリングネットワークによる$$^{137}$$Csの大気中濃度と、航空機観測による地表沈着量を、モデル計算結果と観測値の比較に使用した。解析結果から、モデルアンサンブル平均のFMSは、積算沈着量について前回のモデル相互比較より向上したことが明らかとなった。また、モデルアンサンブル平均は観測値の高濃度をおよそ36%再現していた。捕捉率のモデル間の差異は8%から38%であった。これは、沈着及び拡散プロセスのモデル間の相違に起因していた。

口頭

統一気象場と放出源を用いた福島第一原子力発電所事故起源の$$^{137}$$Csを対象としたモデル間比較プロジェクト

佐藤 陽祐*; 滝川 雅之*; 関山 剛*; 梶野 瑞王*; 寺田 宏明; 永井 晴康; 近藤 裕昭*; 打田 純也*; 五藤 大輔*; Qu$'e$lo, D.*; et al.

no journal, , 

2011年3月の福島第一原子力発電所事故により放出された$$^{137}$$Csを対象とした大気拡散モデル相互比較が実施され、国内外12機関13モデルが参加した。モデル計算結果の放出源情報及び気象場に起因する不確かさを除外するため、全モデルで放出源情報及び気象場を統一した。浮遊粒子状物質モニタリングネットワークによる$$^{137}$$Csの大気中濃度と、航空機観測による地表沈着量を、モデル計算結果と観測値の比較に使用した。解析結果から、モデルアンサンブル平均は大気中濃度の上昇イベントの43%を捉えることに成功した。また、モデル間のばらつきの主要な要因は、モデルの沈着速度と拡散の強さの相違と考えられた。

口頭

統一気象場・放出源情報を用いた福島第1原子力発電所事故起源のセシウム($$^{137}$$Cs)を対象とした大気拡散モデルのモデル間比較プロジェクト

佐藤 陽祐*; 滝川 雅之*; 関山 剛*; 梶野 瑞王*; 寺田 宏明; 永井 晴康; 近藤 裕昭*; 打田 純也*; 五藤 大輔*; Qu$'e$lo, D.*; et al.

no journal, , 

2011年3月の福島第一原子力発電所事故により放出されたCs-137を対象とした大気拡散モデル相互比較が実施され、国内外から12モデルが参加した。実験開始当時最新の放出源情報と、気象庁非静力学モデルとデータ同化により作成された高時空間分解能の気象場を統一入力データとして用いた。実験の結果は、航空機観測によるCs-137の沈着量と大気汚染監視ネットワークにより観測されたCs-137の大気濃度と比較した。モデルは観測された沈着量を再現し、高濃度イベントを平均で40%程度再現できていた。しかしながら、統一気象場・放出源・解像度を用いても、モデル間で大きなばらつきが見られた。また気象場の再現性が悪い場合、高濃度イベントを再現することはどのモデルもできなかったことから、気象場の再現性が高濃度イベントの再現に重要であることが改めて示された。気象場の再現性が良い場合は、モデルの水平拡散と湿性沈着の大きさがモデルの再現性を左右していた。観測との比較から、水平拡散が大きい、または湿性沈着が小さいモデルほど、大気濃度の再現性が良い傾向が見られた。

口頭

Detailed intercomparison of atmospheric transport models using newly obtained concentration data of Cs-137 from the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant Accident

山澤 弘実*; 佐藤 陽祐*; 足立 振一郎*; 滝川 雅之*; 関山 剛*; 梶野 瑞王*; 寺田 宏明; 近藤 裕昭*; 打田 純也*; 五藤 大輔*; et al.

no journal, , 

福島第一原子力発電所(FDNPP)事故により放出されたCs-137の物理過程に着目した大気輸送モデル相互比較が実施され、12モデルが参加した。本研究では、茨城県内のモニタリングステーションで測定されたガンマ線スペクトルデータおよび浮遊粒子状物質ろ紙から分析された濃度データを用いて、2011年3月15日朝に南方へ輸送されたプルームに関してFDNPPから100-200km風下域のCs-137大気中濃度に関する各モデル結果の差異を解析した。比較では、(1)プルーム到達時刻、(2)濃度値、(3)地上濃度の風向直交方向の分布、(4)濃度の鉛直分布、(5)沈着過程を含むCs-137放射能の収支の各項目について解析した。また、降水が発生した3月16日に同エリアに輸送されたプルームについても解析を行った。

口頭

Outline of HTGR, HTGR technology and design

國富 一彦; 大橋 弘史; 角田 淳弥; 後藤 実

no journal, , 

高温ガス炉の概要として、高温ガス炉の安全性や熱利用などに関する特徴、高温ガス炉開発の歴史及び世界における高温ガス炉開発の現状を解説する。また、高温ガス炉技術として、燃料, 黒鉛材料及び金属材料に関する技術、並びに、高温ガス炉の設計として、安全設計, 安全解析, 炉心設計及びバックエンドについて解説する。

口頭

Intercomparison of atmospheric transport models using 1 km grid meteorological data for the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant Accident

山澤 弘実*; 佐藤 陽祐*; 関山 剛*; 梶野 瑞王*; 五藤 大輔*; 森野 悠*; 近藤 裕昭*; Qu$'e$rel, A.*; Fang, S.*; 滝川 雅之*; et al.

no journal, , 

前回の大気輸送モデル相互比較(MIP2)に参加した12モデルのうち9モデルの参加により新たなモデル比較(MIP3)が実施されている。MIP3の主な目的は、改善された1km水平分解能の気象データ利用の影響を調べることである。本発表ではMIP3の予備解析結果の概要を述べる。モデルによって計算された本州東部におけるCs-137沈着量の水平分布が航空機サーベイ結果との比較では、9モデルの単純なアンサンブル平均は、MIP2の12モデルのアンサンブルより少し統計的スコアが低い結果となった。しかしながら、沈着量の高い事故サイト北西域においては、MIP3のアンサンブルによる沈着分布はMIP2に比べて観測結果と良い対応を示した。大気中濃度に関しては、広範囲に拡散したプルームの再現性はMIP2よりMIP3で少し低いが、浜通りの近傍域に影響したプルームについては、MIP3アンサンブルは概して良い性能を示した。このMIP3における良好な性能は、気象計算における地形のより精緻な表現に起因すると考えられる。

口頭

福島第一原子力発電所事故起源の$$^{137}$$Csを対象とした第3次モデル間比較プロジェクト

佐藤 陽祐*; 関山 剛*; Sheng, F.*; 梶野 瑞王*; Qu$'e$lo, D.*; Qu$'e$rel, A.*; 近藤 裕昭*; 寺田 宏明; 門脇 正尚; 滝川 雅之*; et al.

no journal, , 

東京電力福島第一原子力発電所事故によって大気中に放出された放射性物質を対象として、世界の複数機関の数値モデルが参加したモデル間比較が過去2回行われた。本研究では、これまで3-10kmであった空間解像度を1kmに上げて第3回のモデル間比較を行い、発電所近傍で観測された高濃度イベントに対するモデルの再現性を評価した。本モデル間比較には国内外の9モデルが参加し、$$^{137}$$Csを対象とした計算を行った。実験に用いる気象場には1km解像度のNHM-LETKFによって計算された1時間間隔の出力を、放出源情報にはKatata et al.(2015)による推定結果を全モデルが用い、水平解像度は全モデルで1km相当とした。実験は2011年3月11日00UTCから3月24日00UTC間で行い、航空機観測による$$^{137}$$Csの沈着量とSuspended Particle Matter (SPM)測定器によって捕集された$$^{137}$$Csの大気濃度との比較を行いモデルの評価を行った。発表では2011年3月に観測された高濃度イベントや第2回MIPとの比較結果について示す。

口頭

Review of model intercomparison projects (MIPs) of atmospheric dispersion model for $$^{137}$$Cs emitted from Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant; MIPs with identical source term and meteorological data

佐藤 陽祐*; 滝川 雅之*; 関山 剛*; 梶野 瑞王*; 寺田 宏明; 永井 晴康; 門脇 正尚; 近藤 裕昭*; 打田 純也*; 五藤 大輔*; et al.

no journal, , 

2011年3月の福島第一原子力発電所事故で放出された$$^{137}$$Csを対象として2つの大気拡散モデル相互比較(MIP)が実施された。各MIPにおいて、共通の放出源情報,気象場、および水平格子解像度(3kmと1km)がこれらに起因する不確さを排除するため使用された。解析の結果、ほとんどのモデルは浮遊粒子状物質観測ネットワークのエアロゾル採取による大気中$$^{137}$$Csを良好に再現していた。また、気象場が大気中$$^{137}$$Csのイベントを再現するのに最も重要であり、気象場が合理的に再現された場合には水平拡散と沈着プロセスが重要因子であることが示された。両MIPの結果の比較から、高い格子解像度が原発近傍の大気中$$^{137}$$Csの再現には必要であるが、必ずしもモデル性能を向上させるわけではない(特に原発の遠方域)ことが明らかとなった。また、数モデルの高い再現性がモデルアンサンブルの再現性を向上させていることとともに、マルチモデルアンサンブルの利用の利点が示された。

口頭

3rd model intercomparison projects of atmospheric dispersion model for $$^{137}$$Cs emitted from Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant, and application of MIPs' results for usage in an emergency

山澤 弘実*; 佐藤 陽祐*; 関山 剛*; 梶野 瑞王*; Fang, S.*; Qu$'e$rel, A.*; Qu$'e$lo, D.*; 近藤 裕昭*; 寺田 宏明; 門脇 正尚; et al.

no journal, , 

2011年3月に福島第一原子力発電所(FDNPP)から放出された$$^{137}$$Csを対象とした大気拡散モデルの第3回相互比較(MIP)が実施された。前回の第2回MIPと同様、参加した全9モデルで共通の放出源情報と気象データが利用されたが、FDNPP近傍で測定された大気中$$^{137}$$Csの挙動の理解のため水平格子解像度は前回の3kmより高い1kmとされた。その結果、第2回MIP同様にほとんどの観測された高い大気中$$^{137}$$Cs濃度が良好に再現され、性能の高い数モデルにより性能の低いモデルの影響が打ち消されるマルチモデルアンサンブルの利点が示された。また、高い格子解像度により気象場が改善した結果、FDNPP近傍での$$^{137}$$Csの挙動が第2回MIPより合理的に再現された。さらにMIPの結果の解析により大気拡散シミュレーション結果の緊急時における有用性について調べたところ、各モデルの$$^{137}$$Cs濃度計算値の絶対値の差異がファクター3からファクター6である場合もマルチモデルアンサンブルによる観測されたプルームの見逃しはわずか3%であり、有効なマルチモデルアンサンブルには6から8モデルが必要であることが示された。

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