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山本 風海; 金正 倫計; 林 直樹; Saha, P. K.; 田村 文彦; 山本 昌亘; 谷 教夫; 高柳 智弘; 神谷 潤一郎; 菖蒲田 義博; et al.
Journal of Nuclear Science and Technology, 59(9), p.1174 - 1205, 2022/09
被引用回数:7 パーセンタイル:72.25(Nuclear Science & Technology)J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS)は、最大1MWの大強度ビームを25Hzという早い繰り返しで中性子実験及び下流の主リングシンクロトロンに供給することを目的に設計された。2007年の加速器調整運転開始以降、RCSではビーム試験を通じて加速器の設計性能が満たされているかの確認を進め、必要に応じてより安定に運転するための改善を行ってきた。その結果として、近年RCSは1MWのビーム出力で連続運転を行うことが可能となり、共用運転に向けた最後の課題の抽出と対策の検討が進められている。本論文ではRCSの設計方針と実際の性能、および改善点について議論する。
菊澤 信宏; 仁木 和昭*; 山本 昇*; 林 直樹; 足立 昌俊*; 渡邉 和彦*
Proceedings of 16th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.877 - 880, 2019/07
J-PARCのインターロックシステムは、人の安全のための人的保護システム(Personnel Protection System: PPS)および機器を保護するための機器保護システム(Machine Protection System: MPS)に大別される。J-PARCのPPSは2006年のLinacでの部分運用から始まり2009年のハドロン実験施設およびニュートリノ実験施設の稼働で完成した。その後の10年でビデオ監視システムの更新や新しいインターロックの新設などの改善や改良が行われてきた。本報告ではこれらを含めた最近の運用について述べるとともに、信頼性を維持・向上させるために実施している検査やメンテナンスについての現状を報告する。
林 直樹; 菊澤 信宏; 三浦 昭彦; 二ツ川 健太*; 宮尾 智章*
Proceedings of 14th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.540 - 544, 2017/12
J-PARCリニアックは、安定な利用運転を行っているが、最近は、リニアック・ロスモニタ単独1台のみによるインターロック事象が増加している。その回数は、RFQトリップ回数に迫るほどであり、運転効率の改善に向けて、対策が必要となってきた。そこで、各事象毎のデータを詳しく解析し、事象を3つに分類、それぞれに特徴的な、ロスモニタの分布・パターンを見出した。リニアックのロスモニタは、一般的なものではあるが、時間分解能重視のため、J-PARCの他のリングシンクロトロンとは異なった設定、プリアンプの入力インピーダンスは50、生信号での閾値・幅をインターロック条件としている点についても改善のための検討・試行を実施した。
澤邊 祐希*; 石山 達也; 高橋 大輔; 加藤 裕子; 鈴木 隆洋*; 平野 耕一郎; 武井 早憲; 明午 伸一郎; 菊澤 信宏; 林 直樹
Proceedings of 13th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.647 - 651, 2016/11
J-PARCでは実機の安定運転に必要なビームスクレーパ照射試験およびレーザ荷電変換試験を実施するために3MeVリニアックを再構築した。3MeVリニアックは、セシウム添加高周波駆動負水素イオン源(RFイオン源)から負水素イオンビームを取り出し、高周波四重極型リニアック(RFQ)で3MeVまでビームを加速する。3MeVリニアックを制御するには、加速器およびレーザから人への安全を確保する人的保護システム(PPS)、加速器構成機器を保護するための機器保護システム(MPS)、各機器の同期をとるタイミングステム、およびEPICSを用いた遠隔制御システムが重要となる。本発表では、これらの3MeVリニアック用制御システムについて報告する。
澤邊 祐希; 丸田 朋史*; Liu, Y.*; 三浦 昭彦; 宮尾 智章*; 石山 達也; 菊澤 信宏; 林 直樹
Proceedings of 12th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.1202 - 1205, 2015/09
J-PARC LINACでは、下流の3GeVシンクロトロン(RCS)にマクロパルス幅500usのビームを繰返し25Hzで供給している。フロントエンド部換装後のLINAC単独試験において、マクロパルスの終わりに有意なビームロスを発見した。試験の結果、このロスはRFQに印加しているRFが立ち下がる過渡的なタイミングで発生していることが判明した。過渡的なタイミングで加速されたビームは、下流の加速空洞のRFで加速されず、途中でロスしていると推測した。LINACではマクロパルスの終わりの定義を、RFQに印加するRFの立ち下がりとしているため、この定義のままでは、ロスを改善することが困難である。そこで現在、この代わりに、マクロパルスの定義をRFQ下流のビーム輸送系に設置されたチョッパー空洞に印加するRFを用いたものへ変更を検討している。過渡的なタイミングで加速されたビームをRFQのRFタイミング変更によって減らすとともに、チョッパー空洞のRFで偏向し、スクレーパで削り取る。このタイミングの定義を変更することで、ビームロスを完全に除去することに成功した。本発表では、マクロパルスの定義変更に伴うタイミングパラメータの変更、及び検証結果について報告する。
玉井 広史; 松川 誠; 栗田 源一; 林 伸彦; 浦田 一宏*; 三浦 友史; 木津 要; 土屋 勝彦; 森岡 篤彦; 工藤 祐介; et al.
Plasma Science and Technology, 6(1), p.2141 - 2150, 2004/02
被引用回数:2 パーセンタイル:6.42(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60定常高ベータ化計画(JT-60改修計画)の最重要課題は高ベータ,臨界クラスのパラメータを持つ高性能プラズマの100秒程度以上の維持を実証することである。このため、高ベータプラズマを達成するためのプラズマパラメータや運転シナリオ,制御手法の検討を行うとともに、超伝導磁場コイルの要素技術の開発を始め、放射線遮蔽や真空容器等の設計検討及び試験開発を行い、その成立性を確認した。本発表は、以上の物理・工学設計と試験開発の進捗状況を詳述する。
林 謙二; 川又 伸弘; 上出 英樹
JNC TN9400 2003-043, 64 Pages, 2003/03
崩壊熱除去系としてDRACS(Direct Reactor Auxiliary Cooling System)を採用し、炉容器上部プレナムに冷却器、(DHX : Dipped Heat Exchanger)を配置した高速増殖炉において、自然循環状態で崩壊熱除去システムを作動させた場合に、炉心槽内にDHXからの低温流体が入り込み、燃料集合体間の隙間を自然対流し、ラッパー管外面から燃料の崩壊熱を除熱するインターラッパーフロー(IWF : lnter-wrapper Flow)が起きると考えられている。燃料集合体のラッパー管に取り付けられるスペーサーパッド形状が、IWFによる炉心冷却に及ぼす影響を把握するために1/12 セクター部分モデルの水流動試験装置(TRIF : Test Rig for Inter-wrapper flow)を用いた自然循環試験を実施した。また、汎用3次元熱流動解析コードAQUAを用いた解析手法のインターラッパーフローヘの適用性を確認するための実験解析を実施した。これまでにボタン型パッドを用いた試験を実施しており、ここでは、鉢巻型スペーサパッドを取り付けた体系におけるラッパー管表面の熱流束及び炉心槽へ入り込む冷水のフローパスをパラメータにした自然循環の温度分布測定試験を行った。炉内冷却器作動時にレダンと炉心槽を結ぶ専用流路、並びにコアフオーマに設けた孔から冷水が炉心槽に多く入り込み、これらのフローパスが炉心冷却に有効であることが分かった。ボタン型スペーサパッド体系での試験結果との比較によると、ボタン型スペーサパッドでは、前述のフローパスを設けなくても、パッド部隙間からの冷水の入り込みが多いため炉心冷却には有効であるこが分かった。また、汎用3次元熱流動解析コードAQUAを用い集合体並びに隙間部を矩形メッシュで模擬した実験解析を行った。パッド隙間部における圧力損失係数及びラッパー管摩擦損失係数を適切に選定することにより、炉心部の一部を除き、いずれの実験ケースともに温度分布を再現でき、インターラッパーフローの熱流動解析に適用できることが分かった
小出 洋; 山岸 信寛*; 武宮 博*; 林 拓也*; 笠原 博徳*
計算工学講演会論文集, p.357 - 360, 2000/05
メタスケジューリングはネットワーク上に分散された複数の並列計算機を用いて、各タスクの静的実行予測時間とタスク実行時の並列計算機やネットワークの負荷に関する情報(資源情報)を考慮してスケジューリングを行う方式である。そのため、資源情報を収集・蓄積し、資源情報の予測を行う資源情報サーバ(RIS)が重要となる。RISは、最近記録された資源情報のみを使用して近い将来の予測を迅速に行う短期予測モジュールと最近の資源情報の傾向と類似した過去の傾向を検索して遠い将来の予測を行う長期予測モジュールを実装している。RISは、いつの時点の資源情報の予測が必要かに応じて、これらのモジュールを使い分けることにより、任意の時刻の資源情報を予測している。講演では、RISの資源情報取得方法、資源情報予測方法、システムの実装、及びメタスケジューリングへの応用について述べる。
横堀 伸一*; 橋本 博文*; 林 宣宏*; 今井 栄一*; 河合 秀幸*; 小林 憲正*; 三田 肇*; 中川 和道*; 鳴海 一成; 奥平 恭子*; et al.
no journal, ,
TANPOPO, Japanese name of dandelion, is a plant species, whose seeds with floss are spread by wind. We propose this mission to examine possible interplanetary migration of microbes, and organic compounds at the Exposure Faculty of Japan Experimental Module (JEM) of the International Space Station (ISS). The Tanpopo mission consists of six subthemes - capture of microbes in space, exposure of microbes in space, capture of organic compounds in space, exposure of organic compounds in space, measurement of space debris at the ISS orbit, and evaluation of ultra low-density aerogel special for the TANPOPO mission. Our proposal was accepted as a candidate experiment on Exposed Facility of ISS-JEM. In this paper, we overview the TANPOPO mission and discuss the current status of experiments related to the microbe existence/survival set for this mission.
山岸 明彦*; 横堀 伸一*; 橋本 博文*; 矢野 創*; 今井 栄一*; 奥平 恭子*; 河合 秀幸*; 小林 憲正*; 田端 誠*; 中川 和道*; et al.
no journal, ,
ISS-JEM(国際宇宙ステーション・日本実験棟)曝露部上での微生物と生命材料となり得る有機化合物の天体間の移動の可能性の検討と微小隕石の検出及び解析実験を提案し[有機物・微生物の宇宙曝露と宇宙塵・微生物の捕集(たんぽぽ)]、2013年度に実験開始を実現するため、準備を進めている。超低密度エアロゲルを長期間曝露し、惑星間塵や宇宙デブリを含む微粒子を捕集するとともに、新規に開発したエアロゲルの利用可能性を検証する。捕集された微粒子とそれが形成する衝突痕に対して、微生物又は微生物関連生体高分子の検出を試み、ISS軌道での地球由来微生物の存在密度の上限を推定する。また、微生物を宇宙曝露することにより、微生物の宇宙環境での生存可能性と生存に影響を与える環境因子について推定を行う。そこから、地球由来微生物の惑星間移動の可能性を検討する。さらに、宇宙塵に含まれて地球に飛来する有機物が宇宙空間で変成する可能性を検討する。実際の運用では、同装置は汎用曝露装置(ExHAM)に固定され、きぼう与圧部エアロックからロボットアームによって同曝露部に設置され、一定時間曝露された後に再度同ルートで回収、有人帰還船に搭載して地球に帰還する予定である。本講演では、本計画の概要と打上げ一年前の準備状況等について報告する。
早川 岳人; 静間 俊行; 宮本 修治*; 天野 将*; 堀川 賢*; 林 由紀雄; 川瀬 啓悟; 神門 正城; 菊澤 信宏; 千葉 敏; et al.
no journal, ,
ニュースバルでは現在MeVエネルギー領域のレーザーコンプトン散乱線源が稼動している。レーザーと電子の散乱によって準単色な線が生成される。17MeVのレーザーコンプトン線を原子核に照射すると相互作用を起こし、中性子が放出され原子核は軽い同位体に変換される。生成された軽い同位体はアイソマーやベータ崩壊する基底状態を有している場合がある。このような原子核の半減期測定を行った。Re-184の基底状態の半減期測定では過去のデータより7%短い半減期が、Ho-164のアイソマーの半減期測定では過去のデータより3%短い結果が得られた。これらの結果は、レーザーコンプトン線によって選択的に生成した不安体同位体の半減期測定法を有効であることを示す。
横堀 伸一*; Yang, Y.*; 河口 優子*; 杉野 朋弘*; 高橋 勇太*; 鳴海 一成; 高橋 裕一*; 林 宣宏*; 吉村 義隆*; 田端 誠*; et al.
no journal, ,
生物にはさまざまな極限環境に存在するものがあり、生命の起原、Astrobiology研究の重要な研究対象として、それらの研究が進んでいる。高層大気圏も極限環境であり、そこでどのような生物が存在するのか研究が行われてきた。一方、生命の起源を考えるうえで、地球外に生命の起源を求める「パンスペルミア仮説」が古くから議論されてきた。これらのことを踏まえ、われわれのグループは、国際宇宙ステーション(ISS)上で、微生物や生命の材料になりうる有機化合物が天体間で移動可能かについての検証と、微小隕石の検出及び解析実験を行うことの提案と準備を行っている。そこでは、ISS外部に一定期間曝露した超低密度エアロゲルを用いて微小隕石やその他の微粒子を捕集し、エアロゲルの回収後にその表面と衝突トラックの顕微鏡観察等のさまざまな解析を行う。ISS軌道は強力な紫外線や放射線が降り注ぐ過酷な環境下であり、微生物は長期に生存するためには宇宙塵や粘土鉱物などの微粒子の内部に存在すると考えられる。そこで捕集した微粒子にDNA特異的な蛍光染色を行い、微生物の検出を行う。本発表では、上記のような微粒子を模した微生物と粘土鉱物の混合サンプルを用いた蛍光染色やPCRによる微生物の検出についての地上模擬実験の現状について報告する。また、宇宙曝露を予定している微生物の紫外線,放射線,真空,温度などに対する耐性について、地上対照実験を進めている。これについても併せて報告し、たんぽぽ計画の進行状況を報告する。
横堀 伸一*; 河口 優子*; Yang, Y.*; 川尻 成俊*; 白石 啓祐*; 清水 康之*; 高橋 勇太*; 杉野 朋弘*; 鳴海 一成; 佐藤 勝也; et al.
no journal, ,
地地球以外の天体に生命(又はその痕跡)を探そうとする研究、探査が盛んに行われるようになってくるとともに、「パンスペルミア仮説」が再考されている。そのようなパンスペルミアがそもそも可能であるかを検討するため、微生物の宇宙空間曝露実験による生命の宇宙空間での長期間生存可能性の検証が行われてきた。われわれは、ISS-JEM(国際宇宙ステーション・日本実験棟)曝露部上での微生物と生命材料となり得る有機化合物の天体間の移動の可能性の検討と微小隕石の検出及び解析実験を提案し[たんぽぽ:有機物・微生物の宇宙曝露と宇宙塵・微生物の捕集]、2013年度に実験開始を実現するため、準備を進めている。超低密度エアロゲルを長期間(1年以上)曝露し、惑星間塵や宇宙デブリを含む微粒子を捕集するとともに、新規に開発したエアロゲルの利用可能性を検証する。捕集された微粒子とそれが形成する衝突痕(トラック)に対して、微生物又は微生物関連生体高分子(DNA等)の検出を試み、ISS軌道(高度約400km)での地球由来微生物の存在密度の上限を推定する。また、微生物を宇宙曝露することにより、微生物の宇宙環境での生存可能性と生存に影響を与える環境因子について推定を行う。
早川 岳人; 静間 俊行; 林 由紀雄; 神門 正城; 川瀬 啓悟; 菊澤 信宏; 羽島 良一; 千葉 敏; 宮本 修治*; 望月 孝晏*; et al.
no journal, ,
原子核の半減期は核反応終了より時間が経過した後の放射能の強さはもとより、原子力システムにおいては発熱量の観点からも重要である。ベータ安定線近傍の同位体の半減期は精密に計測されていると考えられがちであるが、必ずしもそうではない。Re-184の基底状態の半減期として約38.0日の値が推奨値として知られている。しかし、Re-184には約169日の半減期のアイソマーが存在する。歴史的には約38.0日の基底状態の半減期の測定後に、このアイソマーが発見された。そのため、アイソマーの影響を受けていない半減期の測定が必要であった。SPring-8内のNewSUBARU放射光施設において、MeV領域の逆コンプトン線装置が稼動している。この逆コンプトン線を用いて、Re-184を光核反応で生成し、その半減期を83日間に渡り計測した。その結果、アイソマーの影響がない半減期の測定に成功し、従来の推奨値より7パーセント短いことを明らかにした。
横堀 伸一*; 河口 優子*; 清水 康之*; 川尻 成俊*; 白石 啓祐*; 杉野 朋弘*; 高橋 勇太*; Yang, Y.*; 谷川 能章*; 橋本 博文*; et al.
no journal, ,
ISS-JEM(国際宇宙ステーション・日本実験棟)曝露部上での微生物と生命材料となり得る有機化合物の天体間の移動の可能性の検討と微小隕石の検出及び解析実験を提案した[たんぽぽ:有機物・微生物の宇宙曝露と宇宙塵・微生物の捕集]。現在、2014年度に実験開始を実現するため、その準備を進めている。超低密度エアロゲルを長期間(1年以上)曝露し、惑星間塵や宇宙デブリを含む微粒子を捕集するとともに、新規に開発したエアロゲルの利用可能性を検証する。捕集された微粒子とそれが形成する衝突痕(トラック)に対して、微生物又は微生物関連生体高分子(DNA等)の検出を試み、ISS軌道(高度約400km)での地球由来微生物の存在密度の上限を推定する。また、微生物を宇宙曝露することにより、微生物の宇宙環境での生存可能性と、生存に影響を与える環境因子について推定を行う。本発表では、本計画の概要と準備状況(特に微生物捕集並びに微生物宇宙曝露)等について報告する。
横堀 伸一*; 小林 憲正*; 三田 肇*; 薮田 ひかる*; 中川 和道*; 鳴海 一成; 林 宣宏*; 富田 香織*; 河口 優子*; 清水 康之*; et al.
no journal, ,
現在準備を進めている国際宇宙ステーション(ISS)日本実験棟(JEM)の曝露部での宇宙実験「有機物・微生物の宇宙曝露と宇宙塵・微生物の捕集(たんぽぽ)」の中の、微生物と有機物の宇宙曝露実験についてその進行状況を報告する。微生物宇宙曝露実験は、生物の長期宇宙生存可能性の検討、有機物宇宙曝露実験は、宇宙起源の生命の起原に関連する有機物の宇宙での変成を検討する。微生物、有機物の双方について、宇宙曝露サンプルをほぼ選定を終え、宇宙曝露実験に対する地上対照データの収集を引き続き進めている。また、これらのサンプルの宇宙曝露方法についても、検討を行っている。
横堀 伸一*; 藤崎 健太*; 河口 優子*; Yang, Y.*; 伏見 英彦*; 橋本 博文*; 山下 雅道*; 矢野 創*; 奥平 恭子*; 林 宣宏*; et al.
no journal, ,
ISS-JEM「きぼう」曝露部での微生物の採集/宇宙空間への直接曝露実験を計画している(プロジェクト名「たんぽぽ」)。そこでは、微生物を直接採取することを目指すとともに、1から5年以上、微生物を宇宙空間に曝露し、その生存可能性を検証することを計画している。また、その際には、粘土鉱物による微生物の保護効果も検証する予定である。そのため、上記の宇宙曝露実験を行うにあたり、重粒子線の微生物生存に与える効果と、粘土鉱物の重粒子線に対する遮蔽効果を現在検討した。また、種々の紫外線/放射線耐性の高い微生物を実験対象とすることで、重粒子線耐性がそれらの耐性の高さと相関するのかなどについても検討した。微生物培養液を単独又は粘土鉱物と混合して乾燥したサンプルに、室温で、Ar線,He線,C線の照射を行った。これらの重粒子線を照射した微生物サンプルと非照射の対照サンプルについて、コロニー計数法等により、生存率を求めた。さらに、粘土鉱物(合成スクメタイトの一種ルーセンタイトを使用)の有無による生存率の違いについて検証を行った。その結果、粘土鉱物がAr線及びC線から微生物を遮蔽し、保護する働きをすることが示唆された。すなわち、微生物が宇宙空間に単独で存在せず、粘土鉱物内部の間隙などに存在するのなら、重粒子線の影響が軽減されることを示唆する。
横堀 伸一*; 河口 優子*; Yang, Y.*; 川尻 成俊*; 白石 啓祐*; 清水 康之*; 高橋 勇太*; 杉野 朋弘*; 鳴海 一成; 佐藤 勝也; et al.
no journal, ,
熱圏を周回するInternational Space Station (ISS)を利用し、極限環境における微生物存在の検証実験を行うことを計画している。超低密度エアロゲルを長期間曝露し、惑星間塵や宇宙デブリを含む微粒子を捕集する。捕集された微粒子とそれが形成する衝突痕に対して、微生物又は微生物関連生体高分子の検出を試み、ISS軌道での地球由来微生物の存在密度の上限を推定する。また、微生物を宇宙曝露することにより、微生物の宇宙環境での生存可能性と生存に影響を与える環境因子について推定を行う。宇宙曝露実験に用いる微生物として、現在、(R1株とDNA修復系変異株), TR0125, ST0316, sp. HK-01, JY3を検討している。実際の運用では、同装置は汎用曝露装置に固定され、きぼう与圧部エアロックからロボットアームによって同曝露部に設置され、一定時間曝露された後に再度同ルートで回収、有人帰還船に搭載して地球に帰還する予定である。
鈴木 喜雄; 櫛田 慶幸; 山岸 信寛; 中島 康平; 南 貴博; 松本 伸子; 青柳 哲雄; 中島 憲宏; 射場 克幸*; 林 伸彦; et al.
no journal, ,
日本原子力研究開発機構システム計算科学センターでは、原子力研究における計算科学基盤の構築を目指して、原子力グリッド基盤(AEGIS: Atomic Energy Grid InfraStructure)の研究開発を推進している。ここで、本基盤を適用するターゲットの一つとして核融合研究を位置づけている。核融合研究における実験の遠隔制御,データアクセス,統合解析等の各システムへの適用について述べる。
横堀 伸一*; Yang, Y.*; 杉野 朋弘*; 河口 優子*; 板橋 志保*; 藤崎 健太*; 伏見 英彦*; 長谷川 直*; 橋本 博文*; 林 宣宏*; et al.
no journal, ,
We isolated two novel species of the genus , one from top of troposphere () and the other from bottom of stratosphere (). Can these newly isolated bacterial species and strains survive harsher environment such as space environment and/or other astronomical objects such as Mars? To address these questions, we have analyzed the survival of these microbial species and strains under the extreme conditions. Environment at high altitude is extreme for microorganisms not only because of high UV radiation, but also other stresses such as extreme dryness. To clarify how dryness affects to the survivability of microorganisms, we examined the effects of desiccation and high humidity on survival and DNA double strand breaks (DSB) of , and spores of . They exhibited different survival rates and DSB patterns under desiccation and high humidity. Higher survival and less DSB occurred at lower temperatures. Spores of showed the highest survivability at each condition. Survivability of at desiccation condition is higher than that at the humid condition, although survivability of at desiccation condition is lower than that at the humid condition. We also tested the effects of various factors on survivability of spp. Together with tests under desiccation condition, these test results suggested that spp. which we tested can survive in space for years.