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坂内 仁; 菊池 優輝; 今泉 春紀; 福井 康太
デコミッショニング技報, (57), p.34 - 42, 2018/03
日本原子力研究開発機構大洗研究開発センターの各施設から発生する線量の高い放射性固体廃棄物の減容処理を行うため、固体廃棄物減容処理施設(OWTF: Oarai Waste Reduction Treatment Facility、建設中)では、インキャン式高周波誘導加熱方式によりセル内遠隔操作にて放射性固体廃棄物を減容および安定化処理する計画である。ここでは、建設中の固体廃棄物減容処理施設の概要および放射性固体廃棄物の減容および安定化処理に関して紹介する。
佐藤 真一郎; 宮本 晴基*; 今泉 充*; 島崎 一紀*; 森岡 千晴*; 河野 勝泰*; 大島 武
Solar Energy Materials and Solar Cells, 93(6-7), p.768 - 773, 2009/06
被引用回数:75 パーセンタイル:90.65(Energy & Fuels)宇宙用のInGaP/GaAs/Ge三接合太陽電池の陽子線照射による劣化を1次元光デバイスシミュレータPC1Dを用いてモデル化した。30keV, 150keV, 3MeV, 10MeVの陽子線を照射した三接合太陽電池の外部量子効率から短絡電流及び開放電圧の劣化量を見積もるとともに、少数キャリア拡散長の損傷係数及びベース層キャリア濃度のキャリア枯渇係数を求めた。この計算によって求められた短絡電流及び開放電圧の劣化量は実験結果を5%以内の精度で再現したことから、今回提案した放射線劣化モデリングが三接合太陽電池の寿命予測に有効であることが証明できた。
佐藤 真一郎; 宮本 晴基; 今泉 充*; 島崎 一紀*; 森岡 千晴*; 河野 勝泰*; 大島 武
Proceedings of 33rd IEEE Photovoltaic Specialists Conference (PVSC-33) (CD-ROM), 5 Pages, 2008/00
InGaP/GaAs/Ge三接合太陽電池の放射線劣化モデル構築のために、50keV10MeVの幅広いエネルギー範囲のプロトンを照射することで劣化させた三接合太陽電池の外部量子効率のシミュレーションを、1次元光デバイスシミュレータPC1Dを用いて行った。その結果、短絡電流及び開放電圧を実験結果と比較して5%以内の精度で再現することができ、このモデリングの妥当性を確認することができた。さらに、各サブセルにおけるベース層の多数キャリア濃度枯渇係数と少数キャリア拡散長の損傷係数を見積り、これらがNIELを指標として表現できることを見いだした。
佐藤 真一郎; 宮本 晴基; 今泉 充*; 島崎 一紀*; 森岡 千晴*; 河野 勝泰*; 大島 武
Proceedings of 17th International Photovoltaic Science and Engineering Conference (PVSEC-17) (CD-ROM), p.502 - 503, 2007/12
1次元光デバイスシミュレータ(PC1D)を用いて宇宙用InGaP/GaAs/Ge三接合太陽電池の寿命予測技術開発のため、放射線による電気特性劣化のモデリングを行った。30keV, 150keV, 3MeV及び10MeVの陽子線照射によって劣化した三接合太陽電池の量子効率をフィッティングし、短絡電流と開放電圧をシミュレートした。また、各サブセルにおいて少数キャリア拡散長の損傷係数及びベース層のキャリア除去係数を見積もった。その結果、シミュレーションによって得られた短絡電流と開放電圧は実験値と良い一致を示した。これらの結果より、本劣化モデリングの有効性が実証された。
宮本 晴基; 佐藤 真一郎; 大島 武; 森岡 千晴*; 今泉 充*; 河野 勝泰*
Proceedings of 17th International Photovoltaic Science and Engineering Conference (PVSEC-17) (CD-ROM), p.961 - 962, 2007/12
室温又は低温環境下で、InGaP及びSi太陽電池に10MeV陽子線を110cmまで照射し、その電気特性の劣化を調べたところ、低温で照射した場合の開放電圧は、室温で照射した場合よりも高い保存率を示し、開放電圧についてはその逆の結果となった。また、照射後の開放電圧の温度係数は照射前に比べて大きくなったが、短絡電流の温度係数については照射前後で変化がなかった。1次元光デバイスシミュレータ(PC1D)を用いて解析を行ったところ、これら電気特性の劣化は少数キャリア拡散長の減少が主たる原因であることが判明した。
大島 武; 佐藤 真一郎; 宮本 晴基; 今泉 充*; 花屋 博秋; 河野 勝泰*
Proceedings of 17th International Photovoltaic Science and Engineering Conference (PVSEC-17) (CD-ROM), p.955 - 956, 2007/12
人工衛星で使用される太陽電池の放射線による特性劣化を正確に把握することは、人工衛星の寿命予測には不可欠である。本研究では、そのために地上で行う評価試験(電子線照射試験)に関して、評価の標準となっている従来法及び原子力機構が独自に開発した試験法を比較した。従来法では、水冷板上に三接合(3J)及びシリコン(Si)太陽電池をセットして大気中で1MeV電子線を照射し、照射後、太陽電池を取り出し電気特性を評価した。原子力機構独自法では、模擬太陽光源が組み込まれた真空照射容器内に3J及びSi太陽電池をセットして、1MeV電子線照射中に、同時に発電特性を取得した。両者の結果を比較したところ、差異は見られず原子力機構で開発した試験法の妥当性が実証された。また、本研究では従来法においてその検討が十分でない、大気による電子線エネルギーの減少が太陽電池特性劣化に及ぼす影響を検討し、50cmまでの空気層によるエネルギー減衰では太陽電池の特性劣化に影響はないことも併せて確認した。
大島 武; 宮本 晴基; 今泉 充*; 森岡 千晴*; 川北 史朗*; 島崎 一紀*; 岐部 公一*; 河野 勝泰*; 伊藤 久義
JAEA-Review 2006-042, JAEA Takasaki Annual Report 2005, P. 6, 2007/02
宇宙用太陽電池の主流となりつつあるInGaP/GaAs/Ge三接合(3J)太陽電池へ50keV及び10MeV陽子線を照射して発電特性を劣化させた後、室温にて0.030.25A/cmの範囲で電流注入を行った。その結果、電流注入量時間の増加とともに短絡電流が回復すること,短絡電流の回復量と注入した電流量(電荷)の関係は10MeV陽子線照射した3J太陽電池も50keV陽子線照射したのも同様な関係があることが見いだされた。さらに、電流注入による回復の振る舞いから欠陥のアニール率を求めたところ10MeVも50keV陽子線照射したものも同様の値であることが見積もられた。このことより、特性回復に寄与する欠陥の種類は10MeV, 50keV陽子線照射試料ともに同じものであることが示唆された。
佐藤 真一郎; 宮本 晴基; 大島 武; 今泉 充*; 森岡 千晴*; 河野 勝泰*; 伊藤 久義
Proceedings of 7th International Workshop on Radiation Effects on Semiconductor Devices for Space Application (RASEDA-7), p.161 - 164, 2006/10
陽子線を照射したIII-V族半導体太陽電池の電流注入による特性回復を調べた。InGaP/GaAs/Ge三接合太陽電池に50keV又は10MeVの陽子線をそれぞれ110及び110ions/cmまで室温で照射したのちに同じく室温で電流注入を行い、それらの電気特性の回復を調べた。その結果、三接合太陽電池の短絡電流は回復が見られなかったが、開放電圧が回復した。また、50keV陽子線を照射した試料は10MeV陽子線を照射した試料よりも大きな回復を示すことが判明した。
宮本 晴基; 佐藤 真一郎; 大島 武; 今泉 充*; 森岡 千晴*; 伊藤 久義; 河野 勝泰*
Proceedings of 7th International Workshop on Radiation Effects on Semiconductor Devices for Space Application (RASEDA-7), p.189 - 191, 2006/10
宇宙用のInGaP/GaAs/Ge三接合太陽電池とSi太陽電池に1.0MeV, 0.8MeVの電子線を大気中にて照射(110510/cm)する際に、照射窓と試料の間の距離を20から50cmと変化させ、そのときの電気特性劣化の差異を調べた。今回の試料条件では照射される電子線のエネルギーは大気及び試料窓材(Ti)により0.93から0.71MeVまで変化するが、電子線照射による三接合太陽電池の劣化に関しては、照射窓と試料の間の距離の違いによる差異は見られなかった。Si太陽電池については0.93MeVと0.87MeVの電子線照射については変化が見られなかったが、0.73MeVまで電子のエネルギーが減衰すると劣化の減少が見いだされた。
宮本 晴基; 大島 武; 今泉 充*; 伊藤 久義; 岐部 公一*; 河野 勝泰*
Proceedings of 2006 IEEE 4th World Conference on Photovoltaic Energy Conversion (WCPEC-4) (CD-ROM), p.1815 - 1817, 2006/05
次期宇宙用高効率太陽電池である三接合(3J)太陽電池の放射線による特性劣化の非熱的な回復現象を明らかにするために、熱的な回復効果がないことが確認されている210Kでの陽子線照射及び電流注入を行った。実験には変換効率が27%(AM0)の宇宙用3J(InGaP/GaAs/Ge)太陽電池を用い、210Kで10MeV陽子線を310/cm照射した。照射により短絡電流は初期値の94%まで劣化した。照射後、210Kを保持したまま太陽電池への電流注入(0.25A/cm)を行い短絡電流(I)の変化を調べた。その結果、Iは電流注入時間の増加とともに増加し、3000秒後には初期値の98%まで回復するが、それ以上電流注入しても飽和を示すことが見いだされた。さらに、Iの回復と電流注入時間の関係から欠陥アニール率を求めたところ、0.0050.01/sという値が導出できた。
大島 武; 宮本 晴基; 今泉 充*; 森岡 千晴*; 川北 史朗*; 島崎 一紀*; 岐部 公一*; 河野 勝泰*; 伊藤 久義
Proceedings of 2006 IEEE 4th World Conference on Photovoltaic Energy Conversion (WCPEC-4) (CD-ROM), p.1818 - 1821, 2006/05
次期の宇宙用太陽電池の主力である三接合(3J)太陽電池の劣化特性の電流注入による回復現象を明らかにするために、照射陽子線のエネルギーと劣化の回復特性の関係を調べた。試料にはInGaP/GaAs/Geの3J太陽電池を用い、室温にて50keV又は10MeVの陽子線を照射した。発電による電流注入効果を避けるために、照射中は暗状態、回路は開放状態とした。50keV陽子線では、1.210/cm照射により短絡電流(I)の保存率は81%となった。一方、10MeV陽子線の場合は、Iが80%となる照射量は50keVに比べ一桁多い3.010/cmであったが、このことは10MeV陽子線が3J太陽電池を通過するのに対し50keV陽子線が3J太陽電池のトップセルであるInGaPの接合付近に飛程を持つため損傷が大きいことによる。照射後、0.030.25A/cmで電流注入を行ったところ、劣化した特性は両方の3J太陽電池ともに同様の回復を示し、照射エネルギーの違いにより回復の大きさに差異はないことを見いだし、Iの回復量から欠陥のアニール率を見積もったところ、510110/sが決定された。
宮本 晴基; 大島 武; 今泉 充*; 岐部 公一*; 伊藤 久義; 河野 勝泰*
no journal, ,
宇宙用太陽電池の放射線照射試験方法の国際標準策定へ貢献するために、電子線の大気によるエネルギー減衰が太陽電池特性劣化に及ぼす影響を調べた。試料は宇宙用シリコン太陽電池を用い、電子線の加速エネルギーは世界的に標準な値である1MeVとした。加速器照射窓から試料までの距離を20cm50cmとすることで試料表面での電子線エネルギーを0.930.87MeVと変化させ、フルエンス率は一定(1.010e/cm/s)で最大フルエンス2.010e/cmまでの照射を行った。発電特性(AM0, 1sun)及び分光感度特性を測定しエネルギー減衰との関係を調べた結果、実施エネルギー範囲内では劣化特性に差異はなく試験範囲としては妥当であることが検証された。さらに、弾き出し損傷の指標である(NIEL)解析を行い、0.930.87MeVでのダメージドーズ(D)量を比較したところ、0.93MeVと0.87MeVではDの値が5%異なることが見いだされた。この結果より、Dが5%程度の差異がある場合でも太陽電池の劣化特性には大きな違いは見られず試験範囲としては妥当であるという結論を得た。
宮本 晴基; 大島 武; 今泉 充*; 岐部 公一*; 伊藤 久義; 河野 勝泰*
no journal, ,
太陽電池への放射線照射試験方法の国際標準の策定に必要な基礎データの取得を目的に、太陽電池の発電特性劣化量と電子線の入射エネルギーの関係を検討した。実験は、電子線加速器の加速電圧(0.8, 1.0MV)及び加速器の照射窓試料間距離(2050cm)を調整することで、0.930.71MeVの範囲でエネルギーを変化させ、宇宙用シリコン太陽電池へフルエンス率一定(110/cm/s)で電子線を照射した。同量の照射量で太陽電池特性の劣化量を比較したところ、エネルギーが0.73MeVより小さくなると特性劣化に差異が生じていることが確認できた。この線量域での太陽電池の特性劣化は、結晶損傷による少数キャリアの拡散長減少が主原因であるため、弾き出し損傷線量(Displacement Damage Dose: Dd)を見積もることで損傷に関する考察を行った。その結果、0.87MeVは0.93MeVの91%のDdであるのに対し、0.73MeVでは67%程度であることが判明した。このことより、9%程度の損傷量の差である0.87MeV程度までのエネルギー減衰は太陽電池特性に大きな影響を与えず試験範囲として妥当であると帰結できた。
宮本 晴基; 大島 武; 伊藤 久義; 今泉 充*; 森岡 千晴*; 川北 史朗*; 島崎 一紀*; 岐部 公一*; 河野 勝泰*
no journal, ,
InGaP/(In)GaAs/Ge3接合(3J)太陽電池の放射線劣化モデル構築を目的に、InGaPトップセルの劣化特性が電流注入により回復する現象を熱アニール効果を抑制できる低温で評価した。まず、宇宙用の3J太陽電池に対し、210Kにて10MeV陽子線を310/cm照射することで短絡電流(I)を照射前の94%まで低下させた。その後、温度を保ったまま、暗状態にて外部電流源を用いた順方向電流注入(0.25A/cm)を行い特性の変化を調べた。その結果、電流注入時間の増加とともにIの回復が見られること,1000秒以上では回復が飽和傾向を示すことが明らかとなった。また、このIの飽和値は未照射の値に対して98%であった。このことは、電流注入により照射欠陥がアニールされ太陽電池出力特性の回復が見られるが、一部にはアニールされない種類の欠陥も存在することを示唆する結果といえる。さらに、回復量と電流注入時間の関係より欠陥アニール率を見積もったところ、0.0050.01程度が妥当であることが見いだされた。
宮本 晴基; 大島 武; 佐藤 真一郎; 今泉 充*; 伊藤 久義; 河野 勝泰*
no journal, ,
InGaP/GaAs/Geからなる3接合(3J)太陽電池は、高い変換効率に加えて優れた耐放射線性を有することから、宇宙用太陽電池の主流になりつつある。放射線照射によって劣化したInGaP太陽電池は、電流を注入することで電気特性が回復することが知られており、われわれはトップセルにInGaPが用いられている3J太陽電池の電気特性も同様に回復することを報告してきた。今回は、InGaP層に局所的な損傷を与える50keV、あるいは3J太陽電池に均一な損傷を与える10MeVのプロトンをそれぞれ1.210, 310/cm照射することで同程度特性を劣化させ、その劣化した3J太陽電池に順方向電流を注入して電気特性の回復挙動を比較した。その結果、どちらのエネルギーにおいても注入電荷量の増加とともに短絡電流()が回復することが確認された。また、どちらのエネルギーにおいてもの回復率と注入電荷依存量の関係にはほとんど差異がないことが見いだされた。したがって、回復は照射欠陥の分布よりも総量に依存していると考えられる。
大島 武; 宮本 晴基; 今泉 充*; 花屋 博秋; 川北 史朗*; 森岡 千晴*; 佐藤 真一郎; 金子 広久; 金沢 孝夫; 岐部 公一*; et al.
no journal, ,
原子力機構と宇宙航空研究開発機構が共同研究で進めている宇宙用太陽電池の放射線劣化評価に関して、特に、電子線照射試験法に焦点を当てて紹介する。まず、評価試験に使用している加速器の仕様とチャージコレクタを用いた電子線の線量測定方法を述べる。次に、本共同研究で行っている、二種類の照射試験法(逐次法及び同時計測法)に関しての説明を行う。逐次法とは、太陽電池を水冷板上に置き大気中で照射し、その後、別の施設で発電特性を測定するものであり、世界的に見て一般的な方法である。一方、同時計測法は、原子力機構と宇宙航空研究開発機構との共同研究により開発した独自の試験法であり、電子線照射容器に模擬太陽光を導入することで照射試験中に太陽電池発電特性を測定することが可能である。
佐藤 真一郎; 宮本 晴基; 大島 武; 今泉 充*; 森岡 千晴*; 河野 勝泰*; 伊藤 久義
no journal, ,
陽子線を照射することで劣化したIII-V族半導体太陽電池の電流注入による発電特性の回復現象を調べた。InGaP/GaAs/Ge三接合太陽電池に50keV又は10MeVの陽子線をそれぞれ及びions/cmのフルエンスまで室温で照射したのちに同じく室温で電流注入を行い、電気特性の回復を調べた。その結果、開放電圧が50keV陽子線照射試料においておよそ1%, 10MeV陽子線照射試料においておよそ0.3%回復した。一方、短絡電流に関しては、回復現象は観測されなかった。このことは、今回用いた三接合太陽電池では、電流注入により少数キャリアの再結合中心となる欠陥は影響を受けないが、多数キャリアを補償する欠陥がアニールされたことを示唆している。
佐藤 真一郎; 宮本 晴基; 今泉 充*; 島崎 一紀*; 森岡 千晴*; 河野 勝泰*; 大島 武
no journal, ,
宇宙用太陽電池の劣化モデル構築のため、1次元光デバイスシミュレータ(PC1D)を用いて宇宙用三接合太陽電池の放射線劣化モデリングを行った。PC1Dを使い、30keV, 150keV, 3MeV, 10MeVの陽子線照射した三接合太陽電池の各サブセルにおける量子効率をフィッティングし、電流-電圧特性の再現を試みた。また、そのとき得られる少数キャリアの拡散長の減少より損傷係数を、p層キャリア濃度の減少からキャリア枯渇係数を見積もった。その結果、得られた短絡電流及び開放電圧は実験値と非常によく一致した。トップセル(InGaP)のについては、トップセルのみにダメージを与える30keVよりもトップセルを透過しミドルセル(GaAs)にまで到達する150keVの方が大きかった。以上から、宇宙用三接合太陽電池の放射線劣化は、及びを考慮すれば1次元光デバイスシミュレータによってモデリングが可能であり、実宇宙空間における三接合太陽電池の寿命予測に本手法が有効であることを実証した。
宮本 晴基; 佐藤 真一郎; 森岡 千晴*; 今泉 充*; 大島 武; 河野 勝泰*
no journal, ,
現在、人工衛星等で使用する宇宙用太陽電池の寿命予測には、地上で行われる室温での放射線照射試験の結果が用いられている。しかし、太陽電池が使用される環境は人工衛星のミッションによりさまざまであり、低温から高温までの広い範囲が想定される。実宇宙での太陽電池の劣化予測を正確に行うためには、人工衛星の使用環境での特性劣化の振る舞いを把握する必要がある。そこで、今回は低温下でプロトン照射を行い、電気特性の劣化を調べた。GaAs太陽電池へ170Kにて10MeVプロトンを最大910/cmまで照射し、in-situにてAM0光照射下での電流-電圧(I-V)特性を測定した。また、プロトン照射前後の電気特性の温度依存性を調べるために降温,昇温時のI-V測定も行った。その結果、プロトン照射量が増加するに従い各電気特性の保存率が低下することが確認でき、910/cmの照射により、Isc, Voc, Pmaxの保存率がそれぞれ45%, 80%, 25%まで低下した。これは室温照射による保存率に比べ高い値であり、GaAs太陽電池は室温照射よりも低温照射においてより劣化が小さくなることが判明した。
佐藤 真一郎; 大島 武; 宮本 晴基; 河野 勝泰*; 今泉 充*; 島崎 一紀*; 森岡 千晴*
no journal, ,
近年、高い変換効率と優れた耐放射線性を併せ持つInGaP/GaAs/Ge三接合太陽電池が宇宙用として用いられ始めているが、本研究では三接合太陽電池の放射線劣化モデリング構築を行った。30keV, 150keV, 3MeV, 10MeVの陽子線照射によって劣化した三接合太陽電池の量子効率をフィッティングし、その結果から得られる短絡電流及び開放電圧を実験値と比較し、劣化曲線を再現した。また、InGaP, GaAs, Ge単接合セルの和という形でシミュレーションを行い、各層(InGaP, GaAs, Ge)において少数キャリアの拡散長の変化から損傷係数,ベース層のキャリア濃度減少からキャリア枯渇係数を求めた。その結果、文献値と比較しても妥当な値の損傷係数とキャリア除去係数を求められたことから、本手法によってサブセルごとの詳細な劣化情報を取得できることが判明した。