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吉本 将隆*; 田村 和久; 渡邊 健太*; 清水 啓佑*; 堀澤 侑平*; Kobayashi, Takeshi*; Tsurita, Hanae*; 鈴木 耕太*; 菅野 了次*; 平山 雅章*
Sustainable Energy & Fuels (Internet), 8(6), p.1236 - 1244, 2024/03
被引用回数:01つのデバイスで、効率的に太陽光エネルギーを化学エネルギーに変換可能である光再充電システムは、太陽光を効率的に使用するのに重要である。光-(デ)インターカレーションは、光再充電システムの機能において重要な役割を果たしている。しかしながら、光-(デ)インターカレーション過程は、電解液の分解や電極材料の溶出などの副反応などのため、いまだ十分に理解されていない。本研究では、エピタキシャル成長させて作成したNbドープのアナターゼTiO薄膜から構成される薄膜全固体電池を用いて光応答Liデインターカレーションに成功したことを示す。光照射下、放電時は、Liのデインターカレーションが起き、引き続いて、可逆的にTiOにインターカレーションする。さらに、光照射下では、充電容量の一部はキャパシタと同様、インターカレーションに寄らない電子移動に基づいていることがわかった。
堀 智*; 菅野 了次*; Kwon, O.*; 加藤 祐樹*; 山田 武*; 松浦 直人*; 米村 雅雄*; 神山 崇*; 柴田 薫; 川北 至信
Journal of Physical Chemistry C, 126(22), p.9518 - 9527, 2022/06
被引用回数:3 パーセンタイル:41.53(Chemistry, Physical)Understanding Li-ion conduction in superionic conductors accelerates the development of new solid electrolytes to enhance the charge-discharge performances of all-solid-state batteries. We performed a quasi-elastic neutron scattering study on a model superionic conductor (LiGePS, LGPS), to reveal its ion dynamics on an angstrom-scale spatial range and a pico-to-nanosecond temporal range. The observation of spectra at 298 K confirmed the high lithium diffusivity. The obtained diffusion coefficient was in the order of 10 cms at temperatures 338 K and was higher than the reported diffusion coefficient over a longer time scale, as determined by the pulse-field gradient nuclear magnetic resonance method. This difference indicates that there are impediments to ionic motion over a longer time scale. The dynamic behavior of the Li ions was compared with that observed for the LiPSO phase, which possesses the same crystal structure type, but a lower ionic conductivity. The LGPS phase possessed a high lithium mobility over a distance of 10 , as well as a larger fraction of mobile Li ions, thereby indicating that these features enhance lithium conduction over a longer spatial scale, which is important in all-solidstate batteries.
矢島 健*; 日沼 洋陽*; 堀 智*; 岩崎 類*; 菅野 了次*; 大原 高志; 中尾 朗子*; 宗像 孝司*; 廣井 善二*
Journal of Materials Chemistry A, 9(18), p.11278 - 11284, 2021/05
被引用回数:19 パーセンタイル:80.41(Chemistry, Physical)Herein, we studied the crystalline compound LiGePS with the largest Li-ion conductivity thus far via a novel route based on a combination of single-crystal neutron diffraction experiments at low temperature and first-principles calculations, and found that a correlated migration of the densely packed Li ions governs the overall Li-ion conduction. The correlated migration mechanism provides us with guidelines on how to design efficient superionic conductors for more efficient batteries.
木村 仁宣; 波戸 真治*; 松原 武史*; 菅野 光大*; 宗像 雅広
Proceedings of Asian Symposium on Risk Assessment and Management 2017 (ASRAM 2017) (USB Flash Drive), 9 Pages, 2017/11
体内での放射性ヨウ素及び安定ヨウ素の挙動をより現実的に評価するため、ヨウ素代謝モデル(Johnsonモデル)、ICRPの呼吸気道モデル(Publ.66)及び胃腸管モデル(Publ.30)を組み合わせることで新たなヨウ素代謝モデルを開発した。安定ヨウ素剤の服用による甲状腺被ばく低減係数(RF)は、安定ヨウ素剤の服用量や服用時期、ヨウ素同位体(I-I)、年齢グループにより異なる。これらのパラメータを変化させてRFを計算し、OSCAARコードに適用するため、RFのデータベースを構築した。
小越 友里恵; 里山 朝紀; 岸本 克己; 南里 朋洋; 鈴木 武; 富岡 修; 高泉 宏英*; 菅野 智之*; 丸山 達也*
JAEA-Technology 2017-017, 152 Pages, 2017/08
原子力科学研究所では、1985年度から1989年度にかけて実施されたJRR-3改造工事に伴って発生し、原子力科学研究所の北地区にある第2保管廃棄施設の保管廃棄施設・NLに保管していた放射能レベルの極めて低いコンクリート約4,000tを対象としたクリアランスを行った。JRR-3改造工事に伴って発生したコンクリートのクリアランスにあたり、放射能濃度の測定及び評価の方法の認可申請について、2008年7月25日付けで文部科学大臣の認可を受けた。その後、2009年度からクリアランス作業を開始し、認可を受けた方法に基づき放射能濃度の測定及び評価を行い、順次、国による放射能濃度の測定及び評価の結果の確認を受け、2014年度に約4,000tの全てのコンクリートのクリアランス作業を終了した。また、クリアランスしたコンクリートは、再資源化を行い、原子力科学研究所内において、東北地方太平洋沖地震の復旧工事のための資材等として再利用した。本報告は、JRR-3改造工事に伴って発生したコンクリートの放射能濃度の測定及び評価の結果、国による放射能濃度の確認、クリアランスしたコンクリートの再利用状況、クリアランス作業に要した費用等の実績をとりまとめたものである。
Kim, K.-S.*; 当寺ヶ盛 健志*; 鈴木 耕太*; 田港 聡*; 田村 和久; 水木 純一郎; 平山 雅章*; 菅野 了次*
電気化学および工業物理化学, 80(10), p.800 - 803, 2012/10
被引用回数:12 パーセンタイル:29.96(Electrochemistry)充放電過程におけるLiTiO薄膜の電気化学特性および構造変化について調べた。X線回折およびX線反射率測定を行った結果、LiTiO膜は電解液と接触し、1回目の充放電サイクルを行う間、大きな構造変化が見られた。薄膜表面は、バルク構造とは異なった構造をとっており、これがナノサイズLiTiO電極が高容量である一方、不安定である原因であることがわかった。
山崎 千里*; 村上 勝彦*; 藤井 康之*; 佐藤 慶治*; 原田 えりみ*; 武田 淳一*; 谷家 貴之*; 坂手 龍一*; 喜久川 真吾*; 嶋田 誠*; et al.
Nucleic Acids Research, 36(Database), p.D793 - D799, 2008/01
被引用回数:51 パーセンタイル:71.25(Biochemistry & Molecular Biology)ヒトゲノム解析のために、転写産物データベースを構築した。34057個のタンパク質コード領域と、642個のタンパク質をコードしていないRNAを見いだすことができた。
鳥居 建男; 杉田 武志*; 城戸 寛子*; 菅野 光大*; 黒澤 直弘*
大気電気研究, (69), p.32 - 33, 2006/00
雷雲中で逃走絶縁破壊をもたらす可能性のある荷電粒子として2次宇宙線とラドン子孫核種があげられる。本研究では、ラドン子孫核種が放出する線の雷雲電界中での挙動解析を行った。その結果、雷雲中で光子束は変動しないものの、電子束は急激に増加するため、雷雲中の電子密度上昇にラドンが寄与している可能性があることがわかった。また、地域気象モデルを用いたラドンの移流拡散計算では、冬季は中国大陸からの移流によるラドンが支配的であり、雷雲が高電界領域を形成する高度12kmでもラドン濃度が高いことがわかった。このことから、大陸からのラドンが雷活動に寄与している可能性が出てきた。
松本 一浩*; 棚井 憲治; 菅野 毅*; 岩田 裕美子*
JNC TN8400 2005-009, 40 Pages, 2005/06
高レベル放射性廃棄物の地層処分において,緩衝材の物理的安定性に影響を及ぼす事象として,緩衝材の流出/侵入挙動が考えられる。本報では,侵入現象のモデル化で用いている緩衝材の物性データに関する検討ならびに見直しを行い、モデルの評価精度の向上を図った。また、緩衝材の侵入現象に伴う長期的な密度変化に関して事例解析を実施し,侵入現象モデルの今後の課題を明確化した。
栃木 善克*; 菅野 毅*; 上野 俊一郎*; 久保田 伸彦*; 西野 順也*; 福永 栄*
JNC TJ7400 2005-017, 49 Pages, 2004/03
地下水に微量存在する有機物は、同様に地下水中に存在する金属元素と錯体を形成することで、金属元素の移行挙動に影響することが知られている。しかし、還元的な地下環境下における影響は明らかになっていないことからこれを評価する必要がある。このため、地下深部の化学環境を模擬する試験装置を製作し、有機物・金属元素・有機錯体の挙動を、各種の化学環境を想定した試験条件下で分析,解析することで、有機物の金属元素の挙動に対する影響の評価を試みた。試験・分析を行った結果、同試験系が低い酸化還元電位を実現可能な性能を有することを確認すると共に、有機酸として酢酸・シデロフォア・フルボ酸を使用した試験により、錯体形成係数を評価できることが分かった。
菅野 毅*; 岩田 裕美子*
JNC TJ8400 2003-083, 65 Pages, 2004/02
高レベル放射性廃棄物地層処分における緩衝材の岩盤亀裂への侵入現象のモデル化の検討を行なった。平成14年度の研究における緩衝材侵入現象のモデル化で課題となっていた、侵入ゲルの密度分布の評価について、サイクル機構殿が新たに取得したX線CTによる亀裂部乾燥密度分布の測定データを用い、モデルの妥当性および適用性に関する検討を行い、モデルの見直しを実施した。本研究で見直したモデルに基づき、模型試験(ストロー貫入型・BENTFLOW型)による侵入試験結果6ケースの密度分布測定結果との比較を行った。BENTFLOW型模型試験では数値解析と実験結果との間に比較的整合性が見られたが、ストロー貫入型模型試験では実験結果との乖離が認められた。本モデルにおいては、中野らの膨潤性粘土の移動論に基づき、粘土粒子の拡散としてモデル化を試みている。また、安らは、緩衝材の侵入現象について、圧密方程式を適用してモデル化を行っている。そこで、モデルの妥当性評価も含め、これら専門家間においてレビューを実施し、今後の課題を明確にした。最後に、見直したモデルを用いて、緩衝材の密度低下を数値解析により評価し、第2次取りまとめとの比較を行なった。
福永 栄*; 岩田 裕美子*; 菅野 毅*; 工藤 章*
JNC TJ8400 2003-070, 45 Pages, 2003/02
地層処分における微生物影響の評価に関して、1)微生物影響評価モデルの調査、2)微生物と核種の相互作用研究を行った。シミュレーションモデルについては、ガス発生、地球化学、微生物腐食、微生物量に関する文献調査を行いモデル概略を把握した。核種との相互作用については、嫌気性微生物へのPuの収着実験を行い、酸化還元電位の影響、微生物の滅菌処理による影響についてデータを得た。
福永 栄*; 岩田 裕美子*; 菅野 毅*; 工藤 章*
JNC TJ8400 2003-069, 73 Pages, 2003/02
地層処分における微生物影響の評価に関わる1)微生物影響評価に関するモデルの調査、2)微生物と核種の相互作用評価試験を実施した。ガス発生、地球化学、微生物腐食と微生物量に関する論文調査によってモデル概略をまとめ、今後の課題として、有機物の生分解性評価、微生物量の評価、モデルの検証が挙げられた。微生物と核種の相互作用については、嫌気性微生物を用い、最も活性となる酸化還元電位(-85mV)より低い条件(-135mV)下におけるPuの収着実験を実施した。Puの分配係数は、Eh=-85mV では微生物の滅菌処理による低下が見られていたのに対し、-135mVの条件では滅菌処理の影響は見られなかった。
菅野 毅*; 岩田 裕美子*
JNC TJ8400 2003-026, 63 Pages, 2003/02
高レベル放射性廃棄物地層処分における緩衝材の岩盤き裂への侵入現象のモデル化の検討を行った。第2次取りまとめの段階における検討で課題となっていた点の解決を目指し、次の項目を実施し、既存モデルの高度化を図った。(1)ベントナイトの粘性係数測定手法の検討:緩衝材侵入現象のモデル化に必要となる固相拡散係数算出に用いるベントナイトの粘性係数に関する測定方法を調査検討し、サイクル機構で取得されたデータの物理的解釈や妥当性を検討した。(2)膨潤圧入力データの検討:小峯らが提案している緩衝材膨潤評価式に関する調査を行い、侵入現象のモデル化に必要な低密度領域を含めた膨潤圧(および透水係数)の入力データを検討した。(3)入力パラメータの設定:上記の粘性係数、膨潤圧、透水係数に関する調査検討をまとめて、侵入現象の評価に必要となる入力パラメータである固相拡散係数の値を見直した。(4)安らのモデルとの比較:緩衝材侵入現象を(逆の)圧密過程としてモデル化を実施している安らの手法について調査し、本研究で採用している固相拡散モデルとの類似性、相違点等を整理、検討した。その結果、安らのモデルは本研究における固相拡散に基づくモデルと等価である可能性が示された。(5)数値解析:上記の入力パラメータの設定で得られた固相拡散係数の値を用い、BENTFLOW 試験およびストロー状のサンプル器具を用いた侵入ゲルの密度分布に関するサイクル機構の模型試験の数値解析を実施した。BENTFLOW 試験の解析では、第2次取りまとめ時点の検討よりも試験結果と良い一致を得た。ただし、模型試験の解析では試験結果との差が大きく、今後の課題が残る。
水川 雅之; 藤田 朝雄; 菅野 毅; 石川 博久
PNC TN8410 97-308, 162 Pages, 1997/12
地層処分施設の設計では,処分場を構成する種々の坑道の空洞安定性の検討が必要である。本検討では,解析技術の信頼性向上の観点から,空洞安定性評価手法としての有限要素法の適用性の確認,亀裂の卓越した岩盤を対象にした不連続体解析手法の検討,空洞の長期安定性評価手法の検討,および第2次とりまとめに向けた岩盤力学データベースの検討を行った。事例解析の結果から,有限要素法は空洞安定性評価手法として有用であるとことが判断できた。
石川 博久; 菅野 毅; 松本 一浩*
PNC TN8410 97-313, 32 Pages, 1997/09
高レベル放射性廃棄物地層処分における人工バリアの長期物理的安定性を評価するために、処分坑道(又は処分孔)から周辺岩盤亀裂への緩衝材の流出挙動を定量的に把握する必要がある。緩衝材の流出が大規模に起こる場合は、処分坑道(又は処分孔)内のベントナイト量が減り、緩衝材に期待される諸機能が低下することが考えられる。また、緩衝材の浸食によりベントナイトコロイドが発生し、これが放射性核種を搬送する可能性も指摘されている。緩衝材の流出は、(1)ベントナイトが膨潤することによる亀裂への侵入現象(extrusion)、(2)亀裂へ侵入したベントナイト粒子が地下水の流れにより浸食される現象(erosion)の二つの現象によるものと考えられている。本研究では、緩衝材流出挙動試験設備(BENTFLOW)を用い、これらの現象を模擬した試験を行い、extrusion現象の速度及び浸食現象が起こる最小臨界流速に関する定量的な測定を行った。試験により得られた知見は以下のとおり。(1)extrusion現象による流出変位(距離) yは、次式に示すように時間tの平方根に比例し、比例係数Aは、亀裂幅dが大きい程、また、ベントナイト含有比Bcが大きい程大きくなる。y=A(d, Bc) クニゲルVI-100% ベントナイトの場合、亀裂幅0.5mmでは、Aの値として、0.34[mm h]が得られた。(2)ベントナイトの浸食が起こる最小臨界流速は210[m/s] (630[m/y])程度と判断される。これらの知見を用い、坑道横置方式と処分孔竪置方式の仕様例に基づいて、処分環境における緩衝材の流出量の評価を実施した。処分環境における岩盤亀裂の開口幅は0.5mmとした。その結果、extrusion現象による緩衝材の質量流出率として、1万年間後で0.040.2%、100万年後で212%という値が得られた。この流出による影響が最大となったのは、処分孔竪置方式における100万年後の評価結果で、緩衝材の乾燥密度は初期の1.8g/cmから1.5g/cmまで低下し、その透水係数は初期の3.910[m/s]から1.610[m/s]まで増加すると予測される。この程度の透水係数の上昇であれば、緩衝材の止水性に及ぼす流出の影響はあまり大きくないと考えられる。緩衝材の浸食現象に関しては、亀裂開口幅が0.5mmの場合、地下水流速は2410[m/s]となり、地下水流速が...
松本 一浩*; 菅野 毅; 藤田 朝雄; 鈴木 英明*
PNC TN8410 97-296, 134 Pages, 1997/04
高レベル放射性廃棄物の地層処分において、人工バリアの構成要素のひとつである緩衝材には、低透水性、核種吸着性、機械的安定性など多くの性能が要求される。現在までのところ、これらの要求性能の多くを満足するものとして、圧縮ベントナイトが有望な候補材料と考えられている。動力炉・核燃料開発事業団では、地層処分研究の一環として人工バリア技術開発および性能評価の基礎データとするために緩衝材の基本的特性に関する研究を進めている。本報告では、緩衝材としての圧縮ベントナイトの地下水飽和状態における水理特性の把握を目的とし、乾燥密度、ケイ砂混合率および温度をパラメータとして透水試験を実施し、特に透水係数の温度依存性について検討した。試験の結果より、透水係数は温度の上昇に伴い大きくなることが分かった。また、透水係数の温度依存性の要因を検討するために、多孔質体の透過抵抗を表す固有透過度を用いて整理を行った。その結果、固有透過度は温度によらず一定であることが分かった。このことから透水係数にみられる温度依存性は、圧縮ベントナイトの構造特性の変化によるものではなく、透過する水の密度および粘性係数の温度による変化で説明できることが分かった。以上の検討より、固有透過度を乾燥密度とケイ砂混合率の関数とした実験式を得た。さらに、乾燥密度とケイ砂混合率の関係を有効粘土密度で整理し、有効粘土密度と固有透過度の関係を得た。また、これら得られた結果から、緩衝材中における物質移行の検討を行なった結果、緩衝材中に存在する核種は、拡散支配によって移行すると考えてよいという結果を得た。
並河 努; 菅野 毅; 石川 博久; 石黒 勝彦
PNC TN8410 97-074, 60 Pages, 1997/02
人工バリアシステムを構成する緩衝材ベントナイトには、オーバーパックの自重や腐食膨張、周辺岩盤のクリープ変形などにより、長期的な外力が作用すると予測されている。緩衝材の力学的変形安定性を評価するためには、これら外力に対する緩衝材の力学的変形挙動を明らかにする必要がある。本報告書は緩衝材ベントナイトの力学特性試験の一環として行われた、飽和した圧縮ベントナイトの圧蜜非排水3軸せん断試験についてまとめたものである。試験では、ベントナイト試料クニゲルV1(100%)を乾燥密度dが1.6g/cm3になるように圧縮成型し飽和させた供試体を用いた。試験は3軸試験装置を用いて行い、飽和供試体を0.8MPaから3.0MPaの圧蜜応力で圧蜜後、非排水条件でせん断試験を行った。せん断方法には、応力制御方式とひずみ制御方式の2通りの方法を用いて試験を行った。試験結果より、各圧蜜応力での軸差応力qと軸ひずみaの関係が得られた。その関係は非線形関係となり、軸ひずみa7%前後で軸差応力qが最大となり供試体が破壊することがわかった。そして、応力制御せん断試験では、一定軸荷重載荷下において軸ひずみが経過時間とともに増加するクリープ現象が認められた。また、圧蜜応力により供試体の状態を正規圧蜜と過圧蜜に分類した場合、両者のせん断挙動は過剰間隙水圧の発生状況等の点で異なるものとなった。正規圧蜜状態と考えられる供試体では、せん断中負のダイレタンシーの影響と考えられる過剰間隙水圧の上昇が認められ、破壊時の応力比q/p′もほぼ一定となった。そして、その応力比q/p′より破壊線(限界状態線)の傾きM=0.58が得られた。それに対し過圧蜜状態と考えられる供試験体には、せん断中過剰間隙水圧の上昇は認められず、破壊時の応力比q/p′は正規圧蜜よりも大きな値となった。また、正規圧蜜、過圧蜜に関係なく、試験後(破壊後)の各供試体には肉眼で確認できる破壊すべり面は認められなかった。
並河 努; 菅野 毅; 石川 博久; 石黒 勝彦
PNC TN8410 97-051, 53 Pages, 1997/02
人工バリアシステムを構成する緩衝材ベントナイトには、オーバーパックの自重や腐食膨張、周辺岩盤のクリープ変形などにより、長期的な外力が作用すると予測されている。緩衝材の力学的安定性を評価するためには、これら外力に対する緩衝材の力学的変形挙動を明らかにする必要がある。本報告書は緩衝材ベントナイトの力学特性試験の一環として行なわれた、飽和した圧縮ベントナイトの1次元圧蜜試験についてまとめたものである。試験では、ベントナイト試料クニゲルV1(100%)を乾燥密度dが1.6g/cm3及び1.8g/cm3になるように圧縮成型し飽和させた供試体を用いた。試験は高圧圧蜜試験装置を用いて行い、飽和した供試体に膨潤応力から19.6MPaの圧蜜応力を8段階で載荷した。19.6MPaまで載荷後は、4段階で膨潤応力相当まで除苛し、再び19.6MPaまで4段階で載荷した。試験結果より、各載荷stepでの圧蜜沈下量と経過時間の関係(d-logt関係)が得られた。2次圧蜜と見られる圧蜜の後半を除き、圧縮ベントナイトのd-logt関係はTerzaghiの圧蜜理論でほぼ表現できることが明かとなった。また、各載荷stepの結果より間隙比-圧蜜応力の関係(e-logp関係)が得られた。e-logp関係において、圧蜜降伏応力pc′初期の膨潤応力より大きな値となり、圧蜜降伏応力pc′以上の範囲においてe-logp関係はほぼ直線となった。除苛、再載荷過程において、e-logp関係は非線形関係となり、リバウンド量も大きな値となった。e-logp関係より求めた圧縮指数Ccと膨潤指数Csは、初期乾燥密度により異なり、初期乾燥密度が1.6g/cm3の供試体ではCc=0.27、Cs=0.18となり、初期乾燥密度が1.8g/cm3の供試体ではCc=0.21、Cs=0.11となった。また、圧蜜試験より得られた透水係数は、透水試験より得られた結果に比較し妥当な値であった。
千々松 正和*; 松本 一浩*; 菅野 毅; 石黒 勝彦; 杉田 裕; 茂呂 吉司*; 石川 博久
PNC TN8410 97-025, 57 Pages, 1997/01
地層処分の性能評価において、ニアフィールドの熱、水理、応力等の条件を明確にする観点から、人工バリア及び周辺岩盤における熱-水-応力の連成現象を定量的に評価することが重要である。熱-水-応力連成試験設備(COUPLE)では、試験対象を周辺岩盤を含むニアフィールドまで拡張し、地下深部の処分環境下における地圧の作用、地下水の浸入による緩衝材の膨潤圧力の発生、廃棄体の発熱による熱応力等が周辺岩盤のゆるみ域や亀裂中の水理特性に及ぼす影響を評価することを主目的とし試験を実施した。試験の第一段階として、対象試験岩体への模擬処分孔掘削前後の載荷試験を実施した。試験の第二段階として、模擬処分孔内にヒーター、緩衝材(ベントナイトブロック)を設置し、浸潤、加熱試験を実施した。そして試験終了後、緩衝材のサンプリングを行ない、乾燥密度、含水比の測定を行なった。その結果、次のようなことが分かった。・AE測定と弾性波測定を総合的に評価することにより、載荷により発生する破壊の位置を定性的に予測できる。・サイクロメータを用いることにより、水がベントナイトの外側から順次内部へ浸入していく様子が観察できた。・ベントナイトに水が浸潤することにより膨潤圧が発生する。しかし、ベントナイトが飽和した時点で、膨潤圧の新たな発生はなくなる。・ヒーターによる加熱により、粘土内に熱応力が発生した。・ベントナイトブロックを用いる場合でも、ベントナイトが飽和した後は膨潤によりブロック継目は閉鎖し、高透水性部になることはない。