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論文

Changes in sulfur metabolism in mouse brains following radon inhalation

神崎 訓枝; 迫田 晃弘; 片岡 隆浩*; Sun, L.*; 田中 裕史; 大津 厳生*; 山岡 聖典*

International Journal of Environmental Research and Public Health, 19(17), p.10750_1 - 10750_14, 2022/09

 被引用回数:0 パーセンタイル:0(Environmental Sciences)

活性イオウ分子種(RSS)は、酸化ストレスに深く関連して抗炎症作用があると報告されているが、放射線被ばく後のRSSの変化についてはまだわかっていない。そこで、本研究では、ラドン吸入後のマウス脳中のRSSに注目し、関連代謝物を網羅的に解析した。その結果、酸化型グルタチオンと還元型グルタチオンの割合、グルタチオンおよびシステインのRSSの割合はラドン吸入によって増加した。本研究でのラドン曝露は非常に低線量であったが、その酸化ストレス下でイオウイオンがグルタチオンやシステインに結合したと考えられる。また、我々は、機械学習を用いた代謝物の変化の総合的な評価により、ラドン吸入による特徴的な変化を明示した。本研究の結果は、RSSがラドン吸入の酸化ストレスに対する生体防御機構をもたらす可能性を示唆した。

論文

Potential inhibitory effects of low-dose thoron inhalation and ascorbic acid administration on alcohol-induced hepatopathy in mice

片岡 隆浩*; 石田 毅*; 直江 翔太*; 神崎 訓枝; 迫田 晃弘; 田中 裕史; 光延 文裕*; 山岡 聖典*

Journal of Radiation Research (Internet), 63(5), p.719 - 729, 2022/09

 被引用回数:2 パーセンタイル:47.19(Biology)

Although thoron inhalation has antioxidative effects on several organs, there are no reports that thoron inhalation inhibits oxidative stress-induced damage. In the present study, we examined the combined effects of thoron inhalation and ascorbic acid (AA) administration on alcohol-induced liver damage. The mice were subjected to thoron inhalation at 500 or 2000 Bq/m$${^3}$$ and were administered 50% ethanol (alcohol) and 300 mg/kg AA. The results showed that although alcohol administration increased the levels of glutamic oxaloacetic transaminase (GOT) and glutamic pyruvic transaminase (GPT) in the serum, the combination of thoron inhalation (500 Bq/m$${^3}$$) and AA administration 24 h after alcohol administration effectively inhibited alcohol-induced liver damage. In conclusion, combination of thoron inhalation at 500 Bq/m$${^3}$$ and AA administration indicated an early recovery from alcohol-induced liver damage probably due to the increase of CAT activity.

論文

Radon solubility and diffusion in the skin surface layer

迫田 晃弘; 石田 毅*; 神崎 訓枝; 田中 裕史; 片岡 隆浩*; 光延 文裕*; 山岡 聖典*

International Journal of Environmental Research and Public Health, 19(13), p.7761_1 - 7761_12, 2022/07

 被引用回数:0 パーセンタイル:0(Environmental Sciences)

ラドン温泉の入浴のような温泉水中のラドン濃度が空気中よりも著しく高い状況においては、皮膚を通じたラドンの摂取が起こるため、より正確な線量評価には本経路を考慮すべきであると考えられている。本研究の目的は、皮膚表面層(角質層)に着目して、皮膚中のラドン分布と拡散の程度を明らかにすることである。角層での拡散理論を含む体内動態モデルを作成し、その重要なパラメータである角層へのラドン溶解度を測定した。モデル計算により、角質層におけるラドンの拡散係数は、一般的なラドン難透過シートと同程度に低いことが示された。入浴20分間後の皮膚中ラドンの深さ分布について、皮膚最表面のラドン濃度は表皮・真皮層の1000倍ほど高いことがわかった。ラドンの位置情報は、皮膚に特定の標的細胞を想定するような線量評価に貢献すると考えられる。

論文

Mechanisms of action of radon therapy on cytokine levels in normal mice and rheumatoid arthritis mouse model

片岡 隆浩*; 直江 翔太*; 村上 海斗*; 雪峰 諒平*; 藤本 有希*; 神崎 訓枝; 迫田 晃弘; 光延 文裕*; 山岡 聖典*

Journal of Clinical Biochemistry and Nutrition, 70(2), p.154 - 159, 2022/03

 被引用回数:3 パーセンタイル:57.52(Nutrition & Dietetics)

Radon therapy has been reported to be effective in the management of rheumatoid arthritis, an autoimmune disease caused by immune cell imbalance. Although there are several reports that suggest that radon therapy induces Th17 cells, there are no studies on the effects of radon inhalation on Th1, Th2, and Th17 immune balance. The aim of this study, therefore, was to examine the changes in cytokine levels after radon inhalation. BALB/c mice were subjected to radon inhalation at a concentration of 2000 Bq/m$${^3}$$ for 2 or 4 weeks, whereas SKG/Jcl mice were subjected to radon inhalation at a concentration of 2000 Bq/m$${^3}$$ for 4 weeks after zymosan administration. For example, the results showed that radon inhalation for 4 weeks not only activated Th1, Th2, and Th17 cells but also modulated immune balance. This suggests that radon inhalation has different mechanisms of action in SKG/Jcl mice and normal BABL/c mice and that radon inhalation has immunomodulatory effects.

論文

Radon inhalation decreases DNA damage induced by oxidative stress in mouse organs via the activation of antioxidative functions

片岡 隆浩*; 首藤 妃奈*; 直江 翔太*; 矢野 準喜*; 神崎 訓枝; 迫田 晃弘; 田中 裕史; 花元 克巳*; 光延 文裕*; 寺東 宏明*; et al.

Journal of Radiation Research (Internet), 62(5), p.861 - 867, 2021/09

 被引用回数:5 パーセンタイル:55.27(Biology)

Radon inhalation decreases the level of lipid peroxide; this is attributed to the activation of antioxidative functions. This activation contributes to the beneficial effects of radon therapy, but there are no studies on the risks of radon therapy, such as DNA damage. We evaluated the effect of radon inhalation on DNA damage caused by oxidative stress and explored the underlying mechanisms. Mice were exposed to radon inhalation at concentrations of 2 or 20 kBq/m$$^{3}$$ (for 1, 3, or 10 days). For example, the 8-hydroxy-2'-deoxyguanosine levels decreased in the kidneys of mice that inhaled 2 or 20 kBq/m$$^{3}$$ radon for 1, 3, or 10 days. However, the level of Mn-superoxide dismutase (SOD) increased by 15-45% in kidney following radon inhalation. These results suggest that Mn-SOD probably plays an important role in the inhibition of oxidative DNA damage.

論文

Dosimetry of radon progeny deposited on skin in air and thermal water

迫田 晃弘; 石森 有; 神崎 訓枝; 田中 裕史; 片岡 隆浩*; 光延 文裕*; 山岡 聖典*

Journal of Radiation Research (Internet), 62(4), p.634 - 644, 2021/07

 被引用回数:3 パーセンタイル:38.06(Biology)

大気中の放射能濃度、皮膚の標的細胞、皮膚を覆う物質、沈着速度など多くの関連パラメータに不確実性はあるが、ラドン子孫核種からの皮膚線量は無視できるほど小さくはなく、通常の環境下においても生体影響の可能性はあり得るとされている。一方で、ラドンに富む温泉水に皮膚をさらすことで、免疫反応が起こり有益な健康効果が得られるという興味深い報告がなされた。本研究の目的は、リスクや効能の評価の観点から、空気や水に含まれるラドン子孫核種の皮膚沈着に着目して、一般的な線量係数を求めることである。そこで我々はまず、最新のヒト研究のデータに基づいて、2つの媒体におけるラドン子孫核種の皮膚沈着速度を推定した。次いで、アルファ線源の位置と標的細胞(基底細胞またはランゲルハンス細胞)に関する異なる仮定の下で、皮膚線量の計算を行った。さらに、「ラドン被ばく」に関連するすべての被ばく経路からの実効線量に対するラドン子孫沈着の影響について、様々な曝露シナリオを用いて評価した。その結果、いずれの媒体(空気と水)においても、ラドン子孫核種の吸入による実効線量は、他の被ばく経路よりも1桁から4桁高いことがわかった。さらに、水中のラドン濃度が空気中よりも2桁以上高い場合には、皮膚への吸収線量が全経路の中で最も高くなる可能性が示された。

論文

Evaluation of the redox state in mouse organs following radon inhalation

片岡 隆浩*; 神崎 訓枝; 迫田 晃弘; 首藤 妃奈*; 矢野 準喜*; 直江 翔太*; 田中 裕史; 花元 克巳*; 寺東 宏明*; 光延 文裕*; et al.

Journal of Radiation Research (Internet), 62(2), p.206 - 216, 2021/03

AA2020-0273.pdf:1.2MB

 被引用回数:6 パーセンタイル:61.83(Biology)

ラドン吸入はマウス臓器の抗酸化機能を活性化させ、酸化ストレスに誘導されたダメージを抑制する。そこで、本研究では、ラドン吸入後の臓器中のレドックス状態を評価した。2, 20kBq/m$$^{3}$$のラドンを1, 3, 10日間マウスに吸入させ、主成分分析や相関の変化から、抗酸化機能と酸化ストレスの関係を評価した。本研究の結果は、臓器特有のレドックス状態に依存してラドン吸入後の臓器のレドックス状態が変化したことを示唆した。

論文

Comparison of antioxidative effects between radon and thoron inhalation in mouse organs

小橋 佑介*; 片岡 隆浩*; 神崎 訓枝; 石田 毅*; 迫田 晃弘; 田中 裕史; 石森 有; 光延 文裕*; 山岡 聖典*

Radiation and Environmental Biophysics, 59(3), p.473 - 482, 2020/08

 被引用回数:5 パーセンタイル:40.94(Biology)

ラドン療法は古くから酸化ストレス関連疾患に用いられて、生体におけるラドン曝露の効果が研究されてきた。しかし、ラドンの同位体であるトロンの効果はまだ十分に調査されていない。本研究では酸化ストレスに注目して、マウス臓器におけるラドンやトロン吸入の生体影響を比較した。オスのBALB/cマウスを15グループに分けて(疑似吸入、ラドン吸入500Bq/m$$^{3}$$または2000Bq/m$$^{3}$$、トロン吸入500Bq/m$$^{3}$$または2000 Bq/m$$^{3}$$)、吸入後すぐに、生化学分析のために様々な組織を採取した。その結果、いくつかの条件下でトロン吸入によってスーパーオキシドディスムターゼや総グルタチオン量が有意に増加し、過酸化脂質量が有意に減少した。加えて、ラドンとトロンの間で異なる濃度と吸入時間で同様の効果が見られ、トロン吸入も酸化ストレスに対して抗酸化機能を高めることが示唆された。しかしながら、ラドンとトロンの性質の差を考えた慎重な解析評価が必要である

論文

同位体をトレーサとしたラドン子孫核種の体内動態に関する研究

迫田 晃弘; 神崎 訓枝; 田中 裕史; 片岡 隆浩*; 山岡 聖典*

日本健康開発雑誌, (40), p.90 - 94, 2019/06

ラドン温泉の影響効果の評価には、曝露量として被ばく線量が求められる。本研究では、吸入ラドン(Rn-222)が体内で生成した子孫核種の臓器分布を検討するために、ラドン子孫核種(Pb-214)のトレーサとしてラドンの同位体トロン(Rn-220)の子孫核種(Pb-212)に着目し、マウスへのトロン曝露とPb-212の体内分布に係る実験を行った。トロン線源としてマントルを用意し、これを通過した空気を飼育ケージに導入することで、トロン雰囲気を作製した。トロンをマウスに曝露した後、血液・肝臓・腎臓・筋肉を採取した。試料は、ガンマ線スペクトロメトリにより放射能分析を行った。その結果、血液・肝臓・腎臓・尿中のPb-212濃度は概ね同じオーダーで、糞はその一桁高かった。今回の曝露条件で、概ね臓器中のPb-212を有意に検出できることがわかった。また、今後の実験結果の精度向上に向けて、飼育ケージ内でトロンの壊変により生成されたPb-212の各種表面への付着の影響などを検討する必要もあることがわかった。

論文

Comparative effects of radon inhalation according to mouse strain and cisplatin dose in a cisplatin-induced renal damage model

笹岡 香織*; 片岡 隆浩*; 神崎 訓枝; 小橋 佑介*; 迫田 晃弘; 石森 有; 山岡 聖典*

Pakistan Journal of Zoology, 50(3), p.1157 - 1170, 2018/06

 被引用回数:2 パーセンタイル:17.52(Zoology)

シスプラチン(CDDP)は固形がんの治療に広く使用されているが、酸化ストレスによる腎毒性を持っている。そこで、我々は、ラドン吸入による放射線感受性の違いによるマウス系統差によるCDDP誘導腎障害に対する影響とCDDP濃度について検討した。まず、C57BL/6JまたはBALB/cのマウスに、1000Bq/m$$^{3}$$または2000Bq/m$$^{3}$$のラドンを24時間吸入後、CDDPを20mg/kg体重投与した。C57BL/6Jでは毛並等が改善され、BALB/cでは悪化した。次に、BALB/cマウスに、1000Bq/m$$^{3}$$のラドンを24時間後、CDDPを15mg/kg体重投与した。その結果、抗酸化機能の亢進などが見られた。以上のことから、ラドン吸入によってCDDP誘導腎障害を抑制することが可能であることが示唆された。

論文

Knowledge discovery of suppressive effect of disease and increased anti-oxidative function by low-dose radiation using self-organizing map

神崎 訓枝; 片岡 隆浩*; 小橋 佑介*; 柚木 勇人*; 石田 毅*; 迫田 晃弘; 石森 有; 山岡 聖典*

Radioisotopes, 67(2), p.43 - 57, 2018/02

これまで低線量放射線はマウス諸臓器中で抗酸化機能を亢進し、酸化ストレス関連疾患を抑制することを報告してきた。しかしながら、それらの結果は対象疾患も低線量放射線による処置の条件も様々で、有効性が立証された治療法は確立されていない。そこで、本研究では、それらの結果から低線量放射線の健康効果を明らかにすることを目的とし、ラドン療法のような低線量放射線を活用した治療法の新規適応症を探索した。データの解析には自己組織化マップ(SOM)を用い、不安定な抗酸化機能の変化を自己組織化マップの曖昧な表現で視覚的に直感的に捉えることにより、出力された疾患抑制効果と抗酸化機能亢進の関連性を検討した。その結果、ラドン療法の適応症である疼痛への効果には明らかな線量依存性があることがわかり、肝疾患や脳疾患においても、線量依存性はないもののその効果を期待できると予測できた。本研究は、ラドン療法のような低線量放射線を活用した治療法の応用に貢献できると考える。

論文

Protective effects of hot spring water drinking and radon inhalation on ethanol-induced gastric mucosal injury in mice

恵谷 玲央*; 片岡 隆浩*; 神崎 訓枝*; 迫田 晃弘; 田中 裕史; 石森 有; 光延 文裕*; 田口 勇仁*; 山岡 聖典*

Journal of Radiation Research, 58(5), p.614 - 625, 2017/05

 被引用回数:13 パーセンタイル:53.9(Biology)

ラドン($$^{222}$$Rn)ガスを用いたラドン療法は、ラドンガスの吸入とラドンを含む水の摂取の2種類の治療に分類される。温泉水の短期または長期の摂取は胃粘膜血流を増加させ、温泉水治療が慢性胃炎および胃潰瘍の治療に有効であることはわかっているが、粘膜障害に対するラドンの正確な影響やそのメカニズムは不明である。本研究では、マウスのエタノール誘導胃粘膜障害に対する温泉水摂取およびラドン吸入の抑制効果を検討した。マウスを用いて、ラドン2000Bq/m$$^{3}$$を24時間吸入、または温泉水を2週間摂取させた。水中$$^{222}$$Rn濃度は、663Bq/l(供給開始時)から100Bq/l(供給終了時)の範囲にあった。その後、マウスに3種類の濃度のエタノールを経口投与させた。粘膜障害の指標である潰瘍指数(UI)は、エタノールの投与量に依存して増加した。しかし、ラドン吸入または温泉水による処理は、エタノールによるUIの上昇を抑制した。ラドン処理群と無処理対照群では抗酸化酵素の有意差は認められなかったが、ラドンまたは温泉水で事前処理したマウスの胃の過酸化脂質レベルは有意に低かった。これらの結果は、温泉水摂取とラドン吸入がエタノール誘導胃粘膜障害を抑制することを示唆している。

論文

Measurements of radon activity concentration in mouse tissues and organs

石森 有; 田中 裕史; 迫田 晃弘; 片岡 隆浩*; 山岡 聖典*; 光延 文裕*

Radiation and Environmental Biophysics, 56(2), p.161 - 165, 2017/05

 被引用回数:7 パーセンタイル:38.06(Biology)

吸入ラドンの体内動態を検討するため、約1MBq/m$$^{3}$$のラドンに曝露されたマウスの組織・臓器におけるラドン濃度を測定した。血液中のラドン濃度は液体シンチレーションカウンタで、組織・臓器は井戸型高純度半導体ゲルマニウム検出器で測定した。ラドン1MBq/m$$^{3}$$に曝露されたとき、血液中濃度の飽和値は0.410$$pm$$0.016Bq/gであった。分配係数は、肝臓で0.74$$pm$$0.19、筋肉で0.46$$pm$$0.13、脂肪組織で9.09$$pm$$0.49、その他臓器で0.22$$pm$$0.04であった。ラドンの体内動態モデルで上記結果を再現することにより、血液-空気間の分配係数は0.414と評価した。ラドン曝露中の血液中濃度の時間変動も評価した。また、本研究と先行研究の結果を詳細に比較検討した。

論文

Difference in the action mechanism of radon inhalation and radon hot spring water drinking in suppression of hyperuricemia in mice

恵谷 玲央*; 片岡 隆浩*; 神崎 訓枝*; 迫田 晃弘; 田中 裕史; 石森 有; 光延 文裕*; 山岡 聖典*

Journal of Radiation Research, 57(3), p.250 - 257, 2016/06

 被引用回数:10 パーセンタイル:46.3(Biology)

本研究では、ラドン療法の適応症である高尿酸血症について、吸入と飲泉による抑制効果を比較検討した。マウスにラドン吸入または飲泉させた後、オキソン酸カリウムを投与して高尿酸血症を誘導した。この結果、吸入と飲泉のいずれもキサンチンオキシダーゼ活性が抑制され、血清尿酸値の上昇も有意に抑えられた。また、ラドン吸入では肝臓と腎臓の抗酸化機能の亢進がみられた。高尿酸血症の抑制効果には、ラドン吸入では抗酸化機能の亢進が、飲泉では温泉水中の化学成分による薬理作用がそれぞれ寄与していることが示唆された。

報告書

極微量ウラン影響効果試験,2;(共同研究)

石森 有; 迫田 晃弘; 田中 裕史; 光延 文裕*; 山岡 聖典*; 片岡 隆浩*; 恵谷 玲央*

JAEA-Research 2015-024, 41 Pages, 2016/03

JAEA-Research-2015-024.pdf:3.11MB

岡山大学と日本原子力研究開発機構人形峠環境技術センター(原子力機構人形峠)は、低線量放射線域でのラドン吸入に起因する影響効果に係る共同研究を実施している。岡山大学病院三朝医療センターは臨床的な知見に基づく研究課題設定を、岡山大学大学院保健学研究科は研究管理および生体応答評価を、原子力機構人形峠はラドン吸入試験設備の開発、ラドン濃度の制御、ラドンの体内挙動・線量評価をそれぞれ分担することとした。平成21年度から平成25年度は、ラドン温泉の適応症とされる活性酸素種関連疾患のモデルマウスなどで、ラドン吸入等による生体応答を確認し、その結果を解析評価することで、ラドン温泉の効果の機構解明を進め、同時に、吸入ラドンによる生体応答を定量的に議論し、また、リスクと比較して議論するため、吸入ラドンのマウスでの体内動態について把握し、各臓器・組織での吸収線量と関連付けて評価する方法について検討し、以下の成果を得た。(1)本研究の課題設定にあたり、温泉水の飲用効果について文献調査した。(2)ラドン吸入試験設備の機能を活用して作製したラドン水による飲泉試験を実施した。本飲泉条件下では、温泉含有成分(ラドンを含む)による影響効果は確認できなかった。(3)肝臓と腎臓の酸化障害の緩和症状について、事前の抗酸化物質(ビタミンC, ビタミンE)の投与とラドンの吸入効果を肝・腎機能などの観点から比較検討した。(4)吸入ラドンによる生体応答を定量的に議論するため、前期に引き続き、吸入ラドンの体内動態を評価解析した。(5)ラドンまたはその子孫核種の吸入で考えられる被ばく経路について、各経路におけるマウスの臓器線量を計算し、比較検討した。

論文

三朝ラドン温泉の健康効果に関する最近の研究動向

片岡 隆浩*; 迫田 晃弘; 恵谷 玲央*; 石森 有; 光延 文裕*; 山岡 聖典*

温泉科学, 64(4), p.380 - 387, 2015/03

岡山大学病院三朝医療センターではラドン温泉を活用したラドン療法が実施されてきており、適応症として変性性関節症に伴う疼痛などがある。臨床試験による実証報告例は多くあるが、そのメカニズムの解明に関する研究報告例は少ない。本稿では、近年得られた筆者らのラドン健康効果の研究成果を中心に概説した。近年開発した小動物用ラドン吸入装置(三朝医療センターに隣接した三朝ラドン効果研究施設内に設置)を用い、例えば、正常マウスを用いて、諸臓器中の抗酸化酵素活性のラドン濃度・吸入時間依存性を検討した。この結果、多くの臓器でsuperoxide dismutase活性が増加したことから、ラドン吸入は抗酸化機能を亢進させることがわかった。また、疾患モデルマウスも用いて、例えば、I型糖尿病の症状緩和を検討した。この結果、ラドン吸入によって、膵臓中の抗酸化機能の亢進と膵島の酸化ストレスの緩和によって、インスリン分泌機能の低下が抑制され、I型糖尿病が緩和されることがわかった。以上の所見などから、ラドン吸入は抗酸化機能などを亢進させ、活性酸素由来の疾患の症状を緩和するというメカニズムの一端が明らかにできた。

論文

Absorbed doses of lungs from radon retained in airway lumens of mice and rats

迫田 晃弘; 石森 有; 山岡 聖典*; 片岡 隆浩*; 光延 文裕*

Radiation and Environmental Biophysics, 52(3), p.389 - 395, 2013/08

 被引用回数:11 パーセンタイル:45.17(Biology)

本研究では、気道内腔の空気中ラドンに起因した肺への吸収線量を計算した。本計算は、ラドン曝露実験でよく使用されてきたマウスとラットを対象に行ったが、参考のため、ヒトに対しても行った。まず、気道内腔と環境中のラドン濃度が等しいと仮定して、気道における子孫核種の生成やクリアランスをモデル化し、子孫核種の放射能を計算した。これより、分泌細胞と基底細胞を標的細胞として考え、3つに分割した肺の各領域又は全肺における吸収線量率を求めた。その結果、いずれの吸収線量率も、ヒト,ラット,マウスの順で高かった。例えば、ヒト,ラット,マウスの全肺の線量率はそれぞれ、59.9, 41.7, 25.4pGy/(Bq/m$$^{3}$$)/hであった。これら数値は、他の2種類のラドン曝露形態による線量率とも比較した。いずれの生物種においても、環境中のラドン子孫核種を直接吸入した場合で線量率が最も高いことを確認した。本研究で求めた肺の吸収線量率は、子孫核種の直接吸入によるそれと比べて、マウスで550倍、ラットで200倍、ヒトで70倍ほど低かった。本計算結果の数値は比較的小さいが、ラドンや子孫核種の吸入による線量の理解にも貢献すると考えられる。

報告書

極微量ウラン影響効果試験(共同研究)

石森 有; 迫田 晃弘; 田中 裕史; 光延 文裕*; 山岡 聖典*; 片岡 隆浩*; 大和 恵子*; 西山 祐一*

JAEA-Research 2013-005, 60 Pages, 2013/06

JAEA-Research-2013-005.pdf:4.49MB

岡山大学と日本原子力研究開発機構人形峠環境技術センターは、低線量放射線域でのラドン吸入に起因する影響効果にかかわる共同研究を実施している。岡山大学病院三朝医療センターは、臨床的な知見に基づく研究課題設定を、岡山大学大学院保健学研究科は研究管理及び生体応答評価を、原子力機構人形峠はラドン吸入試験設備の開発、ラドン濃度の制御、ラドンの体内挙動・線量評価をそれぞれ分担することとした。平成19年度から平成23年度は以下の成果を得た。(1)本研究の課題設定にあたり、低線量域でのラドンの影響効果について文献調査した。(2)大規模な小動物のラドン吸入試験を目的とした国内初の大規模設備を開発した。(3)ラドンによる諸臓器の抗酸化機能の変化を知るうえで最も基本的な条件となる、ラドン濃度と吸入時間の関係について網羅的に検討した。(4)ラドン吸入に臓器中の抗酸化機能を亢進する効果を確認したことから、症状緩和が期待できる酸化障害への効果について疾患モデルマウスによる検討を行い、肝臓などでのアルコール等誘導酸化障害やI型糖尿病に対する抑制効果を確認した。(5)吸入ラドンによる生体応答を定量的に議論するため、吸入ラドンの体内動態を把握し、諸臓器・組織の吸収線量の評価方法について検討した。

論文

Lung dosimetry of inhaled radon progeny in mice

迫田 晃弘; 石森 有; 深尾 光佑*; 山岡 聖典*; 片岡 隆浩*; 光延 文裕*

Radiation and Environmental Biophysics, 51(4), p.425 - 442, 2012/11

 被引用回数:14 パーセンタイル:55.77(Biology)

ラドン子孫核種への曝露に対する生体応答が動物実験で検討されてきたが、マウスの肺の吸収線量は評価例がない。本研究では、マウスにおける吸入ラドン子孫核種の肺線量を評価した。すなわち、粒子の気道沈着,除去、及びターゲット組織へのアルファ線の沈着エネルギー割合を体系的に計算した。参考のため、ラットとヒトに対しても同様に行った。まず、気管支,気管支,胞領域,全肺について、平衡等価ラドン濃度1Bq m$$^{-3}$$(平衡係数0.4、非付着成分比0.01)の下で、単分散ラドン粒子径に対する吸収線量を評価した。この結果に基づき、(1)標準的な鉱山環境、及び(2)先行動物実験の曝露条件における吸収線量を求めた。鉱山環境におけるマウス,ラット,ヒトの全肺の線量は34.8, 20.7, 10.7nGy(Bq m$$^{-3}$$)$$^{-1}$$h$$^{-1}$$、同様に動物実験条件においては16.9, 9.9, 6.5nGy(Bq m$$^{-3}$$)$$^{-1}$$h$$^{-1}$$であった。両曝露条件において、マウスの数値はラットの約2倍、ヒトの約3倍であった。ラットとヒトの数値を文献値と比較すると、許容範囲内で一致しており、本研究でマウスに適用したモデルが妥当であると示唆された。今後は、マウスへの適用モデルをより高度化し、解剖学的・生理学的・環境パラメータが線量へ及ぼす影響を検討することが望まれる。

論文

Study on effects of thoron and thermal treatment for aging-related diseases in humans

青山 裕*; 片岡 隆浩*; 中川 慎也*; 迫田 晃弘*; 石森 有; 光延 文裕*; 山岡 聖典*

Iranian Journal of Radiation Research, 9(4), p.221 - 229, 2012/03

本研究の目的は、ヒトの老化関連疾患へのトロン温熱浴の効果を検討することである。全被験者は2週間、高濃度(およそ4900Bq/m$$^{3}$$)でトロンを吸入した。最初の入浴から1, 2及び3週間後に、血圧測定と採血を行った。関節リウマチ群の$$alpha$$-心房性ナトリウム利尿ペプチドは増加し、血圧は有意に低下した。関節リウマチ群のスーパーオキシドジスムターゼ活性は入浴によって有意に上昇した。さらに、トロン温熱浴によって、コンカナバリンA誘導ミトーゲン反応は有意に強まり、また、CD4-陽性細胞レベルが増加した。すなわち、CD8-陽性細胞レベルは低下した。これらの結果から、トロン温熱浴によって、抗酸化機能が亢進することがわかった。さらに、トロン温熱浴によって、糖尿病性ケトアシドーシスを防止し、老化関連疾患の予防に効果がある可能性がある。トロン温熱浴は、糖尿病及び関節リウマチを軽減する機構の一端を担うかもしれない。

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