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beam in J-PARC原田 寛之; Saha, P. K.; 米田 仁紀*; 道根 百合奈*; 小野田 元喜*; 山田 逸平; 柴田 崇統*; 佐藤 篤*; 金正 倫計
JPS Conference Proceedings (Internet), 45, p.011133_1 - 011133_8, 2026/06
大強度陽子加速器では、負水素イオンをリング加速器の入射点に設置された炭素膜で陽子に荷電変換しながら入射する。この入射法は、シンクロトロンや蓄積リングで大強度の陽子ビームを生成できる反面、炭素膜に多数のビームを通過させる破壊的な入射法であり、膜自体の短寿命化や装置の高放射化を招く。そこで、J-PARCではさらなる大強度化のために、膜に代わる非破壊のレーザー荷電変換入射を提案し、レーザー剥離実験の原理実証を進めている。この実験では、地下2階の加速器トンネル内の負水素とレーザーの相互作用位置から約70m離れた地上2階にレーザー光源を設置するため、長距離レーザー光路を新たに構築した。本発表では、レーザー荷電変換の概要を紹介するとともに、本実験の実施に重要なレーザー光路の構築などの準備状況について報告する。また、今後の実験計画と展望について述べる。
beams at J-PARC in 5 yearsSaha, P. K.; 原田 寛之; 米田 仁紀*; 道根 百合奈*; 小野田 元喜*; 山田 逸平; 柴田 崇統*; 佐藤 篤*; 金正 倫計
JPS Conference Proceedings (Internet), 45, p.011149_1 - 011149_9, 2026/06
Laser manipulation of the H
(negative hydrogen) beams is highly essential to established for multiple purposes in high-intensity accelerators. We are studying to implement laser stripping H
charge-exchange injection system as well as beam diagnostics of the H
beam in J-PARC. We have developed a YAG laser system and a multi-reflection laser cavity system to significantly reduce the seed laser power. The laser and the cavity systems are successfully tested in the test bench for 3-MeV H
beam neutralization and demonstration of longitudinal and transverse H
beam profile measurements. The laser system is now under installation at the L3BT (Linac to 3-GeV Beam Transport). Stating from the next fiscal year, we will perform a POP (proof-of-principle) demonstration of the 400 MeV H
stripping to proton and implement beam diagnostics for sustainable beam operation of the J-PARC.
原田 寛之; Saha, P. K.; 米田 仁紀*; 道根 百合奈*; 渕 葵*; 佐藤 篤*; 金正 倫計
Progress of Theoretical and Experimental Physics (Internet), 2026(2), p.023G01_1 - 023G01_17, 2026/02
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Physics, Multidisciplinary)大強度陽子加速器では、ビーム強度を制限するビーム損失を抑制すべく、ビーム形状を測定し、制御することが重要である。ビーム分布や形状を測定する従来のモニタは、金属などのワイヤーを用いた破壊型だが、ワイヤーの断線などにより大強度ビームを測定できていなかった。本研究では、ワイヤーではなく短パルスのレーザーを負水素イオンビームに照射し、付随する電子を1つ剥ぎ取り中性水素に変換し、その量を計測する。そして、照射タイミングを走査しながら、その測定を繰り返すことで時間方向のビーム形状(バンチシェイプ)を測定できる非破壊型のバンチシェイプモニタを考案した。考案したビーム形状モニタを実証すべく、レーザー光源を開発し、大強度ビームに対して照射実験した結果、今までにないレーザーによるバンチシェイプモニタの開発に成功した。
永山 晶大; 金正 倫計; 原田 寛之; 山田 逸平; 地村 幹; 小島 邦洸; 山本 風海; 下川 哲司*; 佐藤 篤*
Proceedings of 16th International Particle Accelerator Conference (IPAC25) (Internet), p.1025 - 1028, 2025/11
シンクロトロンからのビームの遅い取り出し手法は、原子核・素粒子物理学実験や放射線治療等の様々な分野にて活用されている。遅い取り出しの過程において、周回側から取り出しビームを分離する役割を持つセプタム電極でのビーム損失は、装置の放射化と損傷を誘発する。この問題を解決するため我々が開発を進めている非破壊型静電セプタムに対し、この装置の二次元電場分布を評価するための"ビーム分離試験装置"と名付けた電場測定装置を考案した。この装置は、非破壊型静電セプタム試作機、水平・垂直ワイヤスキャナ、駆動装置に固定された可動ステージに設置された電子銃から構成される。本装置は、電場中に電子ビームを入射し、ビーム軌道の曲げ角度を測定することで電場分布の計測を可能とする。本装置の開発にあたって、電場分布の測定精度の向上のために、電子ビームをより細く形成するための追加の光学系を設計した。加えて、粒子が物質に衝突する際のエネルギー損失を利用し、二次電子放出を低減するビームダンプを設計した。二次電子放出量の計算では、このビームダンプにより、チャンバー内への二次電子放出量を最大98%減少させることを確認した。
laser stripping at J-PARC RCSSaha, P. K.; 原田 寛之; 米田 仁紀*; 道根 百合奈*; 小野田 元喜*; 佐藤 篤*; 山田 逸平; 吉本 政弘; 金正 倫計; 柴田 崇統*; et al.
Proceedings of 21st Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.218 - 222, 2024/10
To overcome the realistic issues and practical limitations of H
charge-exchange injection by using a stripper foil, we are developing a laser stripping H
charge-exchange injection in the 3-GeV RCS (Rapid Cycling Synchrotron) of J-PARC. The primary motivation of this research is a POP (Proof-of-Principle) demonstration of 400 MeV H
stripping to proton by using only laser. This research is being conducted by KAKENHI, US-Japan collaboration fund as well as multiple funds of JAEA Houga research category for the last 5 years. The YAG laser system has been developed and successfully tested for 3 MeV H
beam neutralization (H
) at RFQ test facility in J-PARC. A multi-reflection YAG laser cavity has also been developed and also demonstrated a significant reduction of the seed laser energy. The UV laser needed for exciting an H
after neutralization is under development. We have also applied a laser stripping system for developing noble non-destructive H
beam diagnostics at 3 MeV, which will be implemented to J-PARC linac first at 400 MeV H
beam energy. The laser system is at the final state of installation at J-PARC linac to start the POP test at the end of this fiscal year.
山田 逸平; 地村 幹; 神谷 潤一郎; 金正 倫計
Journal of Physics; Conference Series, 2687(7), p.072018_1 - 072018_6, 2024/01
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Physics, Atomic, Molecular & Chemical)大強度陽子加速器施設J-PARCではわずかな割合のビーム損失でも高線量の放射化を引き起こす。そのため、非破壊型モニタを用いたビームの常時監視による加速器制御の最適化が必須である。ビームとガスの相互作用を利用してビームプロファイルを測定するガスシートモニタは、従来の固体ワイヤとビームの相互作用を利用したモニタと比較してビームに与える影響が小さい。しかし、極少量ではあるもののガスを導入してビームラインの真空圧力に影響を与えるため、ビームにも影響を与える可能性がある。そこで本研究ではガス導入量に対するビーム電流値及びビーム位相空間分布の変化を実測した。本会議では、ビーム電流値はガス導入量に比例して減少し、ビームエミッタンスは一定または減少したという結果を報告し、今後のJ-PARC加速器の安定化や大強度化に向けたガスシートモニタ高度化に関する議論を行う。
高柳 智弘; 小野 礼人; 杉田 萌; 山本 風海; 小栗 英知; 金正 倫計; 堀野 光喜*; 植野 智晶*; 小田 航大*; 徳地 明*; et al.
Journal of Physics; Conference Series, 2687(8), p.082021_1 - 082021_7, 2024/01
被引用回数:2 パーセンタイル:86.21(Physics, Atomic, Molecular & Chemical)J-PARCでは、次世代パワー半導体(SiC-MOSFET)を用いたキッカー電源の高度化を進めている。SiC-MOSFETは、既設のキッカー電源で使用している大電力用放電型サイロトロンスイッチを、寿命に優れた半導体スイッチに代替することを可能とする。新電源のベース回路は、このSiC-MOSFETと、誘導電圧を重畳して高電圧を出力するLTD方式を採用し、また、出力時の低ノイズ化を実現する放射対称型構造とした。さらに、キッカー電源の主要回路であるサイラトロン、充電用のPFN回路、反射波を吸収するエンドクリッパーの3つの機器をモジュール化して1つの回路で構成した。出力波形のパルス型を形成する主回路モジュール基板の32枚と、平坦部の垂れを補正する補正回路モジュール基板の20枚を階層的に直列接続し、キッカー電源に求められる出力電圧40kV、出力電流2kA、パルス幅1.2usを実現した。さらに、コロナ放電を抑制し、長時間の連続運転に耐える導体用絶縁筒を開発した。
小野 礼人; 高柳 智弘; 不破 康裕; 篠崎 信一; 植野 智晶*; 堀野 光喜*; 杉田 萌; 山本 風海; 金正 倫計; 生駒 直弥*; et al.
Proceedings of 20th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.871 - 876, 2023/11
J-PARCでは、直線型加速器の加速用高周波を増幅する真空管型高周波増幅器(クライストロン)電源の短絡保護装置(クローバー装置)に水銀整流器(イグナイトロン)を用いている。イグナイトロンは、世界的に使用が制限されている水銀を使用しており、将来的に製造中止が見込まれる。そこで、大電力半導体素子(MOSゲートサイリスタ)を用いたクライストロン短絡保護用の半導体クローバー装置を開発している。基板1枚当たり、3kV, 40kA, 50usの動作出力を実現するオーバル型基板モジュールを製作した。120kVの高電圧を想定した各基板モジュールへの制御電源供給は、各基板モジュール1枚に分担充電される電圧(3kV)から高圧DCDCコンバータで制御電源を作り出す自己給電方式を採用した。この基板モジュール20枚を20直列で接続し、既設機器(120kV, 40kA)の電圧に対して1/2スケール(60kV, 40kA)での動作性能を確認することができた。その出力試験結果について報告する。また、今後実施予定である3/4スケール(90kV, 40kA)での動作性能を確認するにあたり、超高圧試験回路の検討を行った。
beam at J-PARC RCSSaha, P. K.; 原田 寛之; 米田 仁紀*; 道根 百合奈*; 佐藤 篤*; 柴田 崇統*; 金正 倫計
Proceedings of 20th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.59 - 63, 2023/11
To overcome the issues and practical limitations associated with the stripper foil used for the charge-exchange injection (CEI) of H
beam for high-intensity proton accelerators, we are studying a foil-less H
CEI by using only lasers at J-PARC RCS. To establish our principle, we are preparing for a POP (proof-of-principle) demonstration of 400 MeV H
stripping to proton by using lasers. We will use both IR and UV lasers in the process of H
stripping to protons. A prototype YAG laser system has been developed through experimental studies of 3 MeV H
neutralization. We have also developed a multi-reflection laser cavity system to sufficiently reduce the seed laser energy. We have succeeded for 32 reflections to gain on the laser energy up to 16 to obtain a neutralization fraction of 25%. To realize a perfect benefit of the cavity, we also recently developed higher efficient vacuum windows by which we can achieve the laser energy gain to almost 32, proportional to the number of reflections. As a result, the average power of the seed laser can be reduced to 1/32, which is more useful for the UV laser. The laser setup at the 400 MeV beam line is in progress to start POP experimental studies in 2024.
杉田 萌; 高柳 智弘; 植野 智晶*; 小野 礼人; 堀野 光喜*; 金正 倫計; 小栗 英知; 山本 風海
Proceedings of 20th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.519 - 522, 2023/11
J-PARC RCSでは、ペイント入射のビーム軌道偏向にペイントバンプ電磁石を用いている。ペイントバンプ電磁石用の電源は、IGBT制御のチョッパ回路で構成され、指令電流と指令電圧のパターンにより、ビーム軌道を時間変化させる出力電流波形(ペイントパターン)を作成することができる。ビーム軌道の制御精度は、指令電流と出力電流の波形の形状差(出力電流偏差)で決まる。現在のペイントパターン調整では、電源制御の応答関数に応じてパターンを調整するソフトを用いたうえで手動調整を行い、要求精度を達成している。しかし、この調整に1時間程度を要しており、更なる調整時間の短縮を行いたい。また、より最適な調整方法によりビームロスの低減を実現するために、従来の要求より10倍精密な出力電流偏差を実現したい。高精度なペイントパターンの作成には、負荷側のインピーダンスの解析モデルが必要になるが、時間変化する非線形のペイントパターンにおいてはインピーダンスが変化するため、解析モデルの構築は非常に困難である。機械学習では、負荷の解析モデルを構築せずとも学習によって非線形な応答を高速かつ高精度で得ることが可能である。機械学習を用いて台形波の出力パターン調整を行ったところ、学習を重ねることで立ち上り直後のリンギングを抑制した出力パターンの作成に成功した。本発表ではシステムの現状と今後の展望について報告する。
永山 晶大; 原田 寛之; 下川 哲司*; 佐藤 篤*; 山田 逸平; 地村 幹; 小島 邦洸; 山本 風海; 金正 倫計
Proceedings of 20th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.526 - 530, 2023/11
本研究では、ビームの遅い取り出しのための非破壊型静電セプタムを開発している。従来型と異なり、この装置はビームと衝突しないようにビーム周辺に配置した多段電極で構成されており、発生させた電場によって非破壊でビームを分離する。本研究ではその電場分布を評価すべく、電子銃とビームモニタで構成された試験装置を開発した。その装置に試作電極を設置し、細い電子ビームで電場分布測定の実験を実施した。その測定結果は計算結果との良好な一致を示した。しかし、ビームの分離能力はまだ十分ではない。そこで、電場分布の改良に向けた電極形状や配置の最適化の検討を行った。本発表では、試験装置を用いた電場分布測定実験の結果や改良案を報告する。さらに、本開発の今後の展望についても述べる。
beam at J-PARCSaha, P. K.; 原田 寛之; 米田 仁紀*; 道根 百合奈*; 佐藤 篤*; 柴田 崇統*; 金正 倫計; Johnson, D. E.*
Proceedings of 14th International Particle Accelerator Conference (IPAC 23) (Internet), p.2335 - 2338, 2023/09
We are studying the laser manipulations of H
ion beam for single or double neutralization for multi-dimensional applications to utilized in accelerator processes such as stripping, pulse chopping, collimation, extraction, and beam diagnostics for the present and future high-intensity proton accelerators. At J-PARC, a POP (Proof-of-Principle) demonstration 400 MeV H
stripping by using only lasers is under preparation. A prototype YAG laser system and a laser cavity system to reduce the laser power has been developed and tested for 3 MeV H
neutralization. This allows us established a new generation laser cavity system by recycling/reusing of the seed laser pulse to maximize the interaction efficiency by minimizing pulse energy of the seeder, which can be beneficial for both J-PARC and Fermilab. In addition, we are also developing non-destructive beam diagnostic systems single neutralization at lower H
energy, which will be implemented to 400 MeV and can also be easily applicable to Fermilab present Linac including future PIP-II Linac. The 400 MeV H
stripping and POP experimental study is expected to start in 2023.
高柳 智弘; 小野 礼人; 堀野 光喜*; 植野 智晶*; 杉田 萌; 金正 倫計; 徳地 明*; 生駒 直弥*; 中田 恭輔*; 亀崎 広明*; et al.
Proceedings of 20th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.235 - 239, 2023/08
加速ビームの入射や取り出しに用いるキッカーシステムには、指定したビームのバンチのみに作用する短パルスの高速性と高繰り返し性に優れたパルス電源が必要である。J-PARC/JAEAでは、次世代パワー半導体の一つであるSiC-MOSFETを用いて、サステナブルな半導体スイッチ電源の開発に取り組み、定格出力40kV/2kAの半導体スイッチ電源を開発した。そして、本半導体スイッチ電源を20kV/2kA出力の2台に組み替え、実機のキッカー電磁石を用いた通電試験も実施した。また、本電源のフラットトップ補正機能を用いて、波形に生じるリンギングを半分以下に抑制できることを磁場波形で実証した。この成果により、ビームロスの要因となるリンギングに起因した蹴り角差を低減することができる。発表では、開発したSiC半導体スイッチ電源の仕様、試験装置、及び、評価結果について報告する。
小野 礼人; 高柳 智弘; 杉田 萌; 植野 智晶*; 堀野 光喜*; 山本 風海; 金正 倫計
JAEA-Technology 2022-036, 31 Pages, 2023/03
日本原子力研究開発機構(以下、「原子力機構」)は、原子力科学研究所の大強度陽子加速器施設(J-PARC)など、多くの研究施設を有している。これらの施設には、電力を扱う受電設備や電源装置等多くの電気設備が設置されている。しかし、製造されてから半世紀以上の年月を経ている設備があり、これらの設備において、製造当時は優れた性質を有することから使用されていた材料等が、現在では有害物質として定められ、廃棄をする場合には特別な管理を必要とするものが存在する。その一つとして、ポリ塩化ビフェニル(PCB)があげられる。PCBは、熱に対して安定であり、電気絶縁性が高く耐薬品性に優れている。そのため、非常に幅広い分野に用いられた。しかし、PCBが難分解性の性状を有し、かつ、人の健康及び生活環境に係る被害を生じるおそれがある物質であることがわかり、国は「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法(平成13年法律第65号、略称:PCB特別措置法)」を制定した。原子力機構おいて、令和4年4月に高濃度PCB廃棄物の該当品が新たに見つかる事象が発生したことを受け、令和4年6月に高濃度PCB廃棄物の掘り起こし再調査を実施した。現在は、低濃度PCB廃棄物について、掘り起こし調査を進めているところである。しかしながら、PCB廃棄物の新たな発見は、PCB使用されている可能性が高い設備や装置の見極めが非常に難しいことを示している。PCBは、変圧器やコンデンサ等の絶縁油に使用されている場合が多い。特にコンデンサは、使う材料や構造などによりサイズや形状が異なるなど多くの種類があり、見た目の判断だけではコンデンサであることを見逃してしまう可能がある。そのため、対象とした設備の仕様の理解と、外観検査からも該当品を見つけ出す知見と能力が調査担当者に要求される。本報告書では、PCB廃棄物の掘り起こし調査で実施した電源装置の分解調査作業の事例を基に、PCB廃棄物を外観検査で見つけ出すために必要な知見を紹介する。さらに、コンデンサを見つけた場合は、使用していない状態であっても充電されている可能性を認識し、焼損、感電、火災につながる危険性と取り扱い時に注意すべき点を報告する。
小野 礼人; 高柳 智弘; 不破 康裕; 篠崎 信一; 植野 智晶*; 堀野 光喜*; 杉田 萌; 山本 風海; 金正 倫計; 生駒 直弥*; et al.
Proceedings of 19th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.395 - 399, 2023/01
J-PARCでは、直線型加速器の加速用高周波を増幅する真空管型高周波増幅器(クライストロン)電源の短絡保護装置(クローバー装置)に水銀整流器(イグナイトロン)を用いている。イグナイトロンは、世界的に使用が制限されている水銀を使用しており、将来的に製造中止が見込まれる。そこで、大電力半導体素子(MOSゲートサイリスタ)を用いたクライストロン短絡保護用の半導体クローバー装置を開発している。基板1枚当たり、3kV, 40kA, 50
sの動作出力を実現するオーバル型基板モジュールを製作した。120kVの高電圧を想定した各基板モジュールへの制御電源供給は、基板ごとに高圧トランスが必要となり、トランスの設置場所や部分放電(コロナ放電)を考慮する必要がある。本機器では、高圧トランスを用いず、各基板モジュール1枚に分担充電される電圧(3kV)から高圧DCDCコンバータで制御電源を作り出す自己給電方式を採用した。この基板モジュール20枚を20直列で接続し、既設機器(120kV, 40kA)の電圧に対して1/2スケール(60kV, 40kA)での動作性能を確認することができた。その出力試験結果について報告する。
岡部 晃大; Liu, Y.*; 大谷 将士*; 守屋 克洋; 宮尾 智章*; 北村 遼; 平野 耕一郎; 小栗 英知; 金正 倫計
Proceedings of 19th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.885 - 888, 2023/01
J-PARC線形加速器では、RFQとDTLの間にビームライン(MEBT1)を設けている。MEBT1には後段の円形加速器(RCS)に整合するように縦方向のビーム形状を整形するためのRFビームチョッパーシステムなどが設置されている。既設MEBT1にはチョッパーシステムと下流DTLにビームの縦方向形状を整合させることを目的としてバンチャー空洞が2台設置されているが、原理的にはチョッパーシステムに1台、DTLとのビーム形状整合に2台と合計3台のバンチャーが必要となる。そのため、MEBT1にバンチャーを1台追加した新MEBT1の設計について長く議論がなされてきた。一方、MEBT1では空間電荷効果が非常に強く顕在化することに加えて、DTLセクション内でビームモニタ類の設置が難しいこともあり、数値シミュレーションを用いて現状の実験結果を明らかにすることが難しい状況にある。そこで、まずは系統的なビーム実験を行い、MEBT1にバンチャーを追加することで、どの程度ビームの質の向上が見込めるかを調査した。ビーム実験結果とMEBT1を作り変えることにより発生するリスクとの兼ね合いを検討した結果、J-PARC加速器における1MW強のビームパワーの達成を目標とする上で、新MEBT1設置のメリットは少なく、現行のMEBT1で十分対応可能であると判断した。本講演ではMEBT1に関するビーム実験結果と新MEBT1の検討過程について報告する。
永山 晶大; 原田 寛之; 下川 哲司*; 山田 逸平; 地村 幹; 山本 風海; 金正 倫計
Proceedings of 19th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.503 - 507, 2023/01
リング型粒子加速器であるシンクロトロン加速器ではリング内にビームを溜め込み、周回させながら加速したビームを徐々に供給する「遅い取り出し」技術で最先端の物理実験や放射線がん治療を実現している。従来の手法では、周回ビームと取り出しビームの間に電場分布を切り分ける電極を挿入する必要がある。現在の手法では、取り出し時に発生するビーム衝突が原理的に解決できず、機器の故障や出力制限の原因となっている。そこで、ビーム軌道上に挿入される電極を廃した新たな手法に基づく非破壊型静電セプタムを考案し、現在開発を進めている。従来型の静電セプタムと同等に粒子を周回ビームから蹴り出す為には、境界面で不連続のギャップを持つ階段関数のような分布の力を発生させるのが理想である。本発表では階段関数に近い分布のローレンツ力を真空中に発生させるための電極・電流路配置の最適化の計算方法や、発生させるローレンツ力によるビーム軌道の計算結果について報告する。また、現在進行中である本手法の原理実証に向けて開発した小型原理実証機についても紹介し、今後の展望についても議論する。
山本 風海; 山本 昌亘; 山崎 良雄; 野村 昌弘; 菅沼 和明; 藤来 洸裕; 神谷 潤一郎; 仲野谷 孝充; 畠山 衆一郎; 吉本 政弘; et al.
Proceedings of 19th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.277 - 281, 2023/01
J-PARC 3GeVシンクロトロン(3GeV Rapid Cycling Synchrotron, RCS)は物質生命科学実験施設(Materials and Life science experimental Facility: MLF)および主リング(Main Ring: MR)に最大1MW相当のビームを供給している。RCSは改良を重ねつつ徐々にビーム出力を上げていき、2015年に1MW相当の試験運転に成功した。その後、供用運転としても段階的にビーム出力を増加しながら、1MWの連続運転試験を断続的に行ってきたが、2020年6月に二日間の連続運転試験を実施した際には、最終的に冷却水温度が上昇し、機器の温度を下げることが出来なくなりインターロックが発報する事態となった。その後冷却水設備の熱交換器の洗浄を実施し、2022年6月に再度1MWビーム連続運転試験を行った。2022年6月の試験時は猛暑日となり、熱交換器の性能は改善されていたにも関わらず、1MWでは運転を継続できなかった。一方、600kWであれば猛暑日であっても運転できることを確認した。
高柳 智弘; 小野 礼人; 不破 康裕; 篠崎 信一; 堀野 光喜*; 植野 智晶*; 杉田 萌; 山本 風海; 小栗 英知; 金正 倫計; et al.
Proceedings of 19th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.242 - 246, 2023/01
J-PARCでは、放電管のサイラトロンを用いたビーム取り出し用キッカー電磁石電源を代替する半導体短パルススイッチ電源、および既設のクライストロン電源システムを小型化・省電力化する半導体長パルス電源の高度化を進めている。キッカー用半導体スイッチ電源においては、誘導電圧重畳回路(LTD)方式を採用した40kV/2kA/1.2
sの実機仕様のユニット電源を製作し、必要な性能を確認した。そこで、本電源のメンテナンス性の向上と更なる安定化を目的とし、絶縁油を使わず、絶縁体構造のみでコロナ放電を抑制する高耐圧絶縁筒碍子の製作を進めている。また、クライストロン用半導体パルス電源においては、MARX方式を採用し、8kV/60A/830
sの矩形パルス出力用主回路ユニットと、矩形波電流の一様性を10%から1%に改善する800V/60Aの補正回路ユニットを製作した。さらに、本MARX電源用に2.2kV/2.4kWの高耐圧SiCインバータ充電器を製作し、組み合わせ試験による特性評価を進めている。発表では各試験の評価結果と、パルス電源の半導体化について今後の展望を報告する。
laser stripping at J-PARC RCSSaha, P. K.; 原田 寛之; 金正 倫計; 米田 仁紀*; 道根 百合奈*; 佐藤 篤*; 柴田 崇統*
Proceedings of 19th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.272 - 276, 2023/01
To eliminate the issues and practical limitations associated with a stripper foil used in a proton accelerator for the charge-exchange injection of H
beam, we are preparing for a POP (proof-of-principle) demonstration of foil-less H
charge-exchange injection by using only lasers at J-PARC. A prototype YAG laser system has been developed and keep continuing its upgrade through experimental studies of 3 MeV H
neutralization. To sufficiently reduce the seed laser energy, we have also developed a multi-reflection laser cavity system, which has as many as 32 reflections overlapped at the interaction point of the ion beam. In 2022, we have obtained nearly 20% flat neutralization for over 40
s of the ion beam. In addition, the spot neutralization (estimated from the fraction overlap with the ion beam due to a tiny laser spot) was obtained to be nearly 100%. This implies the significant merit of the cavity to reduce the seed laser power. The POP demonstration of 400 MeV H
stripping will be started in 2023.