Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
桐島 陽*; 三頭 聰明*; 大西 貴士; 佐藤 修彰*
Journal of Nuclear Science and Technology, 48(6), p.958 - 966, 2011/06
被引用回数:3 パーセンタイル:25.23(Nuclear Science & Technology)新規使用済燃料再処理法として、核分裂生成物の選択的硫化反応に基づく革新的再処理法を開発した。本法は、FPとマイナーアクチニド(MA)を、CSガスにより硫化後、希硝酸により溶解する一方、核燃料成分はUO
及びPuO
として固相の状態で回収するものである。本法の基礎研究として、U, Pu, Np, Am, Eu, Cs及びSrの硫化及び溶解し、各元素の挙動を調べた。その結果、各元素の溶解率の硫化温度依存性を明らかにし、相解析並びに溶解挙動に関する熱力学的検討により本挙動を合理的に説明できることを確認した。併せて、FP及びMAとU及びPuの分離に有望な硫化処理温度範囲が350
Cより450
Cであることを明らかにした。
小山 真一; 三頭 聰明*
Journal of Nuclear Science and Technology, 45(Suppl.6), p.55 - 64, 2008/09
被引用回数:9 パーセンタイル:51.71(Nuclear Science & Technology)高速中性子下で照射されたAmの核変換特性を評価するため、照射したAmサンプル2試料(試料No.69, 70)の化学分析を行った。これらの試料は高速実験炉において高速中性子フラックスで275日間照射された。
Am,
Am,
Puから
Pu、及び
Cmから
Cmが明瞭に観察された。
Amの同位体組成比は、試料No.69が1.01at%、試料No.70が1.48at%となり、照射条件による中性子捕獲反応の違いであるということを明らかにした。
小山 真一; 三頭 聡明
Proceedings of 9th OECD/NEA Information Exchange Meeting on Actinide and Fission Product Partitioning and Transmutation, p.509 - 518, 2007/00
原子力機構では、熱及び高速中性子下におけるAmの核変換挙動を実験的に評価するため、2種類の照射Am酸化物試料について放射化学的手法で分析を行った。その一つは、高速炉実験炉「常陽」において3
10
c/cm
sの高速中性子フラックスにて275日間照射されたバナジウムキャプセルに封入された
Am酸化物である。もう1種類は、JMTRにおいて2
10
c/cm
sの熱中性子フラックスにて207日間照射されたMgOを母材とする
Am入りのペレットである。これらのサンプルを照射した後、Am, Cm及びPuを化学分離し、同位体組成比を
,
線スペクトル及び質量分析装置により分析した。また燃焼率,核分裂元素数を評価するため、
線スペクトル及び質量分析装置によりそれぞれ
Cs及び
Ndを分析した。
Am,
Am,
Pu及び
Cmが明瞭に観察された。そのAm核変換比は、試験した試料の照射条件において、高速及び熱中性子下でそれぞれ約10%及び80%となった。それぞれの試料での核変換挙動を評価するため、中性子断面積評価結果に基づく核分裂/中性子捕獲断面積比を評価した。結果として、熱中性子スペクトルでは、高速中性子スペクトルに比較して
Cmや
Cmといった偶偶核の蓄積が顕著であることが証明された。これらの結果は、原子炉の中性子反応を利用したMA核変換の重要な知見を与える。本試験では、その基礎的な分析データが得られた。
小山 真一; 逢坂 正彦; 三頭 聡明
Czechoslovak Journal of Physics, 56(Suppl.D), p.D571 - D578, 2006/12
高速実験炉「常陽」で照射した超ウラン(TRU)核種の核変換挙動を評価するため、照射済TRU核種の化学分析手法(SRCS法)を開発した。試料を8M硝酸で溶解後、陰イオン交換法により3価アクチニド(An(III))及びランタニド(Ln)を含む核分裂生成物(FP),ウラン(U)の順で溶離する。溶液をヨウ化アンモニウムと濃硝酸混合液に変え、イオン交換樹脂に吸着したプルトニウム(Pu), ネプツニウム(Np)のうち、Puのみを4価から3価に還元して溶離する。An(III)とLnを含むFP溶液は、ピリジン樹脂型イオン交換法により、Lnを含むFP群とAn(III)に群分離する。その後、再度陰イオン交換によりAn(III)よりキュリウム(Cm), アメリシウム(Am)の順で溶離する。本分析法により、TRU核種の放射線計測, 質量分析が可能となったため、「常陽」で照射したMOX燃料及びAmターゲット試料分析を行い、Np, Am及びCmの照射条件依存性,核変換特性を評価することができた。
大貫 敏彦; 吉田 崇宏*; 尾崎 卓郎; Samadfam, M.*; 香西 直文; 湯葢 邦夫*; 三頭 聰明*; 笠間 武史*; Francis, A. J.*
Chemical Geology, 220(3-4), p.237 - 243, 2005/08
被引用回数:53 パーセンタイル:70.05(Geochemistry & Geophysics)6価ウランの微生物及びカオリナイトとの相互作用について、吸着,脱離実験を行った。その結果、ウランはカオリナイトに比べて微生物表面官能基に強く吸着することがわかった。さらに、微生物とカオリナイトとの混合物へのウランの吸着実験を行い、ウランが微生物に選択的に吸着していることを電子顕微鏡による分析から明らかにした。選択的吸着には微生物表面のリン酸基が関与することが示唆された。
逢坂 正彦; 小山 真一; 前田 茂貴; 三頭 聰明*
Annals of Nuclear Energy, 32(7), p.635 - 650, 2005/05
被引用回数:5 パーセンタイル:35.15(Nuclear Science & Technology)放射化学的手法を用いて常陽照射済MOX燃料中のAmを分析した。Am同位体組成比はPWR-MOXのものと大幅に異なる値であった。Am分析値を中性子スペクトル依存性等の観点から評価した。Am捕獲反応の核異性体比は約87%と評価された。Pu同位体比からAm含有率を評価する簡便な手法を提案した。
逢坂 正彦; 小山 真一; 三頭 聡明
Journal of Nuclear Science and Technology, 41(9), p.907 - 914, 2004/09
被引用回数:7 パーセンタイル:44.46(Nuclear Science & Technology)放射化学的手法により高速実験炉「常陽」にて照射されたMOX燃料中のCm同位体分析を行った。硝酸-メタノール系陰イオン交換クロマトグラフィーによりキュリウムを照射済燃料中から分離した。Cm同位体組成比及び含有率が表面電離型質量分析装置及び線スペクトロメトリーにより測定された。Cm含有率と燃焼率を求めるため、U,Pu,Am及びNdもまた分離され定量分析された。燃焼度120 GWd/tにおいてさえCm含有率は0.004 at%以下であり、PWR-MOXの60 GWd/tにおける値よりもかなり小さい値であった。分析結果に基づき、様々な観点から高速炉におけるCmの核変換挙動を評価した。Cm同位体の核変換速度が評価された;Cm核変換においてキーとなる
Cmについては既存の値より大きかった。これらの評価結果より高速炉はCmの消滅に有効であるとの結論が得られた。
逢坂 正彦; 逢坂 正彦; 小山 真一; 三頭 聡明
Global 2003; International Conference on Atoms for Prosperity: Upda, 0 Pages, 2003/00
高速実験炉「常陽」にて照射されたMOX燃料中のCm同位体を放射化学的分析手法により分析した。Cmを陰イオン交換クロマトグラフィーにより分離し、質量分析法及びスペクトロメトリーによりCm同位体を定量したところ、Cm含有率は軽水炉のものより大幅に小さいことが分かった。分析値を用いてCm同位体の高速炉内における核変換特性を様々な観点から評価し、Cmの変換速度は既存の値よりも大きいこと等を明らかにした。本分析・評価により、高速炉がCmの消滅に適していることを実験的に示すことができた。
逢坂 正彦; 小山 真一; 三頭 聡明
Journal of Nuclear and Radiochemical Sciences, 4(1), 0 Pages, 2003/00
高速実験炉「常陽」にて照射された237Np酸化物ターゲットを放射化学的分析手法により分析した。Pu及びNpを陰イオン交換クロマトグラフィーにより分離し、それぞれ同位体希釈質量分析法、スペクトロメトリーにより定量した。分析値を用いて237Npの高速炉内における核変換特性を評価したところ、100MWthにおける528EFPD照射において捕獲反応による核変換は常に核分裂による核変換を上回っており、核分裂による消滅は中性子スペクトルが硬い領域において大きくなることがわかった。
逢坂 正彦; 小山 真一; 両角 勝文; 滑川 卓志; 三頭 聡明
Journal of Nuclear Science and Technology, 38(10), p.912 - 914, 2001/10
被引用回数:5 パーセンタイル:38.55(Nuclear Science & Technology)高速炉におけるMA核種の核変換特性の評価に資するため、照射済燃料中のCm分析技術を確立するとともに、高速実験炉「常陽」照射済燃料中のCmを分析し、分析値よりCmの炉内における実効的な半減期を評価した。照射済MOX燃料中のCm同位体分析において必要なCm分離のための手法として硝酸-メタノル系陰イオン交換法を選択した。本手法の基本的な分離特性を把握する試験を実施し、試験条件を最適化して、それぞれ不純物の除去及びAmの除去を目的とした2回の分離により高率のCmの回収及び高率のAm、Eu、Cs等の不純物の除去を同時に達成することができた。本手法を用いて照射済MOX燃料中のCmを分離し、分離したCmを質量分析した。分析結果よりCm含有率の燃焼度依存性を明らかにし、さらに極微量のCmを定量することができた。定量値より計算コードを用いてCm同位体の炉内における実効的な半減期を評価した。
逢坂 正彦; 小山 真一; 三頭 聡明; 両角 勝文; 滑川 卓志
JNC TN9400 2001-016, 54 Pages, 2000/08
高速炉における237Np核変換特性評価に資するため、高速実験炉「常陽」にて照射されたNpサンプルの高精度な化学分析技術を確立し、Npサンプル中の核種を定量することにより、237Npの炉内における中性子との反応数(以下、反応量とする)を評価した。(1)化学分析技術の確立キャプセル材バナジウムの除去及び高率Nd回収による核分裂反応量定量化技術を含めて、試験条件を最適化することにより、Npサンプルの化学分析技術を確立した。本技術を用いて「常陽」にて照射された計4試料のNpサンプル中核種を定量した。結果は以下のとおり。・237Npを2.2%以内の誤差で定量することができた。・核分裂反応量モニター核種148Ndの誤差を137Csモニターに比べて半分以下に低減した。・極微量生成核種である236Puを定量することができた。(2)237Np反応量の評価核種定量結果より捕獲反応量、核分裂反応量及び237Np(n,2n)236mNp反応量を評価し、反応量より237Npの高速炉内における核変換特性を評価した。評価結果は以下のとおり。・初期237Np原子数に対する捕獲反応量及び核分裂反応量の割合は、それぞれ6.125.5at%、0.7
3.6at%となった。・237Np(n,2n)236mNp反応量は、初期237Np原子数に対してその比率が最大で7.0
10のマイナス6乗であることが明らかとなった。・高速中性子割合に対して核分裂反応量/捕獲反応量比が同じ集合体間では比例関係を有すること等から、237Np反応量の中性子エネルギ-スペクトルに対する依存性が明らかとなった。
逢坂 正彦; 小山 真一; 三頭 聡明; 両角 勝文; 滑川 卓志
JNC TN9400 2000-058, 49 Pages, 2000/04
高速炉におけるMA核種の核変換特性の評価に資するため、照射済MOX燃料中のCm分析技術の開発及び高速実験炉「常陽」照射済MOX燃料中のCm同位体の分析を行った。迅速性・簡便性等を考慮した上で、照射済MOX燃料中のCmの同位体分析において必要なCm分離のための手法として硝酸-メタノール系陰イオン交換法を選択した。本手法の基本的な分離特性を把握する試験を実施し、Cmの溶出位置、Am,Eu等の元素との分離能等を把握した。本手法を照射済MOX燃料中のCm分析に適用するにあたり、分離特性の把握試験の結果より分離条件を評価し、溶出液取得条件を最適化して、それぞれ不純物の除去及びAmの除去を目的とした2回の分離によりCmを回収するプロセスを考案した。本プロセスを適用することにより、Cmの高回収率及びAm、Eu・Cs等の不純物の高除去率を同時に達成することができた。本手法を用いて照射済MOX燃料中からのCmの分離試験を実施し、分離したCmを質量分析することにより、照射済MOX燃料中のCm同位体組成比データの測定が可能であることを確認した。一連の試験により、硝酸-メタノール系陰イオン交換法によるCm分離手法を用いた照射済MOX燃料中のCm分析技術を確立した。本分析技術を用いて高速実験炉「常陽」照射済燃料中のCm同位体の分析を行った。その結果、高速炉内で燃焼度が約60GWd/t以上まで照射されたMOX燃料中のCmの含有率は約1.44.0
10のマイナス3乗atom%であり、さらに極微量の247Cmが生成することを確認した。また燃焼度が60
120GWd/tの範囲ではCm同位体組成比はほぼ一定となることが分かった。
朽山 修*; 高須 亜紀*; 池田 孝夫*; 木村 英雄; 佐藤 正知*; 長崎 晋也*; 中山 真一; 新堀 雄一*; 古屋 廣高*; 三頭 聰明*; et al.
原子力バックエンド研究, 5(1), p.3 - 19, 1998/08
放射性廃棄物の地層処分の安全評価において、現在用いられている核種移行モデルは主として、固体物質による遅延効果を収着分配係数Kを用いて評価している。しかしながら、収着はその機構が未だ十分解明されていない現象であるため、移行モデルK
を用いるにあたっては、いくつかの注意が必要となる。この問題は、収着が固体と水の界面あるいはその近傍で起こる不均一系の反応であることと、核種の移行媒体である地質媒体の物理的性質や化学的性質が一様でないことに起因している。本論文はK
を用いて記述できる収着現象の範囲について考え、さらに原位置での核種移行の評価に対するK
による記述の妥当性と適用性について考察した。
小山 真一; 大塚 優子; 今野 廣一; 三頭 聡明; 両角 勝文; 梶谷 幹男
Journal of Nuclear Science and Technology, 35(6), 406 Pages, 1998/00
被引用回数:13 パーセンタイル:70.46(Nuclear Science & Technology)動燃における先進的核燃料リサイクル技術開発において、AGSではマイナ-アクチニド核種を含有するMOX燃料の基礎物性及び照射挙動研究を行っており、その評価のためには燃料中に存在するNpの定量分析技術の確立が不可欠となる。分析は、初めに標準試料を用いた基礎試験により最適な条件を把握し、それを実燃料に適用した。分離法としてイオン交換法を選択し、またイオン交換回収率を把握するため、Npの同位体であるNp-239をトレ-サ-として使用する方法を確立した。製造時にNpを含まず、最大120GWd/tまで照射したC型特殊燃料ピンを分析対象に選択し、その中に極微量含まれるNp-237含有率を分析し、広範囲な燃焼度依存性を求めた。
逢坂 正彦; 小山 真一; 大塚 優子; 三頭 聰明; 滑川 卓志; 今野 廣一
PNC TN9410 98-020, 70 Pages, 1997/12
高速炉におけるNp消滅率の中性子エネルギースペクトル依存性及び中性子照射量依存性等の消滅特性の評価を目的として,照射済MOX燃料中のマイナーアクチニド核種分析技術を適用して,高速実験炉「常陽」にて照射されたNpドシメータの化学分析を行った。NpドシメータはNpO
粉末(以下パウダーとする)の形状でバナジウム(以下Vとする)製のキャプセルに封入されているため,分析にあたってはVを除去する必要があった。本研究によって得られた成果は以下の通りである。(1)Npドシメータ化学分析のための試料調整法として,パウダーを100%回収するためにドシメータをキャプセルごと溶解し,溶解液中よりV等の不純物を除去するキャプセル溶解法を確立した。(2)キャプセル溶解法を用いて試料調整を行い,
線計測,
線計測及び同位体希釈質量分析により
Np,Pu同位体,
Cs及び
Amの定量分析を行い,
Npの消滅率を算出した。消滅率は炉中心で核分裂消滅率の割合が高く,炉上下端で捕獲消滅率の割合が高くなることが分かった。(3)「常陽」運転監視コードMAGIの計算値を用いて断面積で重みづけした中性子照射量を定義し,分析値との比較評価を行った結果,両者は良い一致を見せ,
Np消滅率の中性子エネルギースペクトル依存性を確認した。
小山 真一; 大塚 優子; 逢坂 正彦; 今野 廣一; 梶谷 幹男; 三頭 聡明
Proceedings of International Conference on Future Nuclear Systems (Global'97), Vol.2, 0 Pages, 1997/10
動燃では、照射済MOX燃料中のAmとCmの化学分離を行うため、(v)価のビスマスによるAm(III)のAm(VI)への酸化と、リン酸ビスマスによるCm(III)の共沈による迅速な分離法を研究した。そして、酸化及び共沈の最適条件を用いることによって、高速実験炉「常陽」で照射したMOX燃料に含まれるAm分離のための新しいフローを策定した。開発した手法は、Pu及びCmが混入しないAmを得ると同時に燃焼によるAmの同位体変化を分析するため役立つものである。
小山 真一; 逢坂 正彦; 三頭 聡明; 今野 廣一; 梶谷 幹男
PNC TN9410 97-054, 44 Pages, 1997/04
極微量のAmを分析するには、化学的特性の類似するCmとの分離が必要である。AmとCmの化学分離方法として、(V)価のビスマスによるAmの酸化と、それに続くリン酸ビスマスによるCmの共沈を利用し、Pu富化度約30wt%、初期Am含有量0.9wt%で、最大で26.2GWd/tまで高速実験炉常陽にて照射したMOX燃料中のAmを分析した。本試験は、照射済燃料中からCmを含まないAmを取得し、その同位体組成比を求め、照射による組成比の変化を評価することを目的として行った。得られた結果は以下の通りである。(1)MOX燃料に含まれるAmを単離し、その同位体組成比(
Am、
Am、
Am)を求めることができた。また、
Am、
Amの同位体比組成比は、最大で26.2GWd/tまでの燃焼度において、それぞれ0.62at%、0.82at%まで増加した。(2)照射によるAm同位体組成の変化を観察するため、燃焼度で整理し、その依存性を明らかにした。燃焼に伴うAm同位体組成比の変化、即ち
Amの減少、
Am、
Amの増加は、燃焼度に対して直線的であることが確認された。
逢坂 正彦; 小山 真一; 大塚 優子; 三頭 聡明; 今野 廣一; 梶谷 幹男
PNC TN9410 96-297, 79 Pages, 1996/11
Np, Am, Cm等のMA核種を含有するMOX燃料の照射挙動とMA核種の燃焼特製評価の研究の一環として,燃料中に含まれるMA核種定量分析技術の開発を行っている。本研究では線計測を用いたNpの分析法を引き続き、Am及びCm分析法の確立のためにAmとCmの相互分離手法の検討を行った。Am及びCmには照射済燃料中に極微量しか含まれていない同位体が存在し、これらは放射線計測では検出限界以下の量であり、また同位体種類が多くかつ互いに
線エネルギーが接近していることから放射線計測を用いたAm, Cmの核種分析が困難であるという問題点 を有する。このため燃料中の極微量なAm, Cmの同位体を,質量分析法を用いて 分析することでAm, Cmの全量の定量分析を行うことを目的に、標準試料を用いてビスマス酸ナトリウムによるAmの酸化及びリン酸ビスマスによるCmの共沈によるAm/Cm相互分離手法の開発を行った。また本手法の照射済燃料への適用性についての検討を行った。結果は以下の通り。Am/Cm相互分離条件把握試験を行い、Am, Cmそれぞれについて最適な分離条件を求めた。AmについてはCmを共沈させたリン酸ビスマス沈殿の洗浄に水を用いることによってCmを一切含まないAmを取得することができ、CmについてはAm残存比(
Am/
Cmの放射能の分離前に対する比)を1/10以下に低減出来た。照射済燃料へ適用した結果,標準試料を用いた試験と同等のAm, Cm残存比及び回収率が得られ,種々の照 射済MOX燃料に対しても本手法が適用出来る見通しを得た。Amフラクションに対して質量分析を行い,放射線分析では検出限界以下で定量が不可能であった微量のAmの同位体比を測定した。その値は
Am:
nAm:
Am=98.55%:0.62%:0.83%である。また本分析結果より質量数240及び244の同位体存在比が0であることを測定し、AmフラクションへのCmの混入が無いことを確認した。
小山 真一; 逢坂 正彦; 大塚 優子; 今野 廣一; 梶谷 幹男; 三頭 聡明
PNC TN9410 96-301, 61 Pages, 1996/10
動燃における先進的核燃料リサイクル技術開発において,照射燃料試験室では,マイナーアクチニド(MA)核種を含有するMOX燃料の照射挙動とMA核種の燃焼挙動評価の研究を行っている。その一つとして,「常陽」で照射した,約0.9wt%のAmを含有したMOX燃料ピン(B8-HAMピン)の
Am含有量を分析し,その燃焼度依存性を評価した。その結果,B8-HAMピンに含まれる
Am含有量の燃焼度依存性は観察されず,最大燃焼度26.2GWd/tまでの範囲において,約1%程度のほぼ一定の値を示した。これは,ORIGEN2による計算値との比較等から,「常陽」での照射中の消滅と(各サイクル間の)冷却期間における
Puからの生成が均衡していることによるものと考えられる。
高山 玲央奈*; 大江 一弘*; 小森 有希子*; 藤沢 弘幸*; 栗山 亜依*; 菊谷 有希*; 菊永 英寿*; 笠松 良崇*; 吉村 崇*; 高橋 成人*; et al.
no journal, ,
本研究では、HDEHP(Di(2-ethylhexyl) phosphoric acid)を抽出剤として三価のアクチニド(Ac, Am, Cm, Cf, Es, Fm)並びにランタノイドの抽出定数()に関して系統的な比較を行った。
Am,
Cm,
Cf,
Es,
Pmトレーサー並びにPmを除くランタニド混合溶液を用いてそれぞれの
を決定した。また、大阪大学核物理研究センターのAVFサイクロトロンにおいて
U(
O, 4n)反応によって合成した
Fm(半減期30分)を用いて、その
を測定した。ランタノイドとアクチノイドの
は直線的に増加せず、段階状のテトラド効果を示すことがわかった。また、Am, Cm, Cf並びにEsの
はそれぞれイオン半径が同程度のランタノイド元素とほぼ同じ値を持つ一方で、Fmの
はイオン半径の近いDyの
より明らかに小さいことを見いだした。