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谷田 肇; 辻 卓也; 小畠 雅明
JAEA-Technology 2021-031, 25 Pages, 2022/02
東京電力(株)福島第一原子力発電所の廃炉措置において、燃料デブリ等の分析は極めて重要である。試験的に取り出される燃料デブリのうち、分析に利用できる試料は1mm以下の微粒子状であると予想される。この様な試料の分析法として、非破壊のX線分析方法は有効であるが、そのような微粒子に適用するためにはX線をマイクロメートルオーダーに集光する必要がある。そのためにKirkpatrick-Baez(KB)ミラーを導入した。その選定、仕様決定から調整方法、1mの位置分解能での元素分布取得と価数評価などの例について記録として残す。
三輪 一爾; 小畑 元*; 鈴木 崇史
Journal of Nuclear Science and Technology, 57(5), p.537 - 545, 2020/05
被引用回数:2 パーセンタイル:13.41(Nuclear Science & Technology)本研究では、チャクチ海, ベーリング海において人為起源の放射性核種であるIodine-129(I)の鉛直分布の観測を実施した。現在、
Iの主なソースはヨーロッパの核燃料再処理施設である。2013年6月から8月の観測結果よりチャクチ海, ベーリング海における
I濃度はフォールアウトレベルであった。ヨーロッパの核燃料再処理施設から海洋に放出された
Iを高濃度に含んだ海水の流入は確認できなかった。また、海洋の生物生産に重要な役割を果たしているヨウ化物イオンの鉛直分布をチャクチ海, ベーリング海にて初めて観測した。観測の結果、当海域においては海底付近でヨウ化物イオンの濃度が高くなる傾向が見られた。
大久保 綾子; 小畑 元*; 間柄 正明; 木村 貴海; 小川 浩史*
Analytica Chimica Acta, 804, p.120 - 125, 2013/12
被引用回数:2 パーセンタイル:8.27(Chemistry, Analytical)本研究では、海水中のトリウム同位体を、扇状磁場型-誘導結合プラズマ質量分析測定するために、ダイヤイオンCR-20キレート樹脂を用いて、水酸化鉄を迅速に回収する方法を開発した。海水中のトリウム同位体は水酸化鉄に共沈させ、この沈殿をキレート樹脂カラムに流した。キレート樹脂カラムにより、20-25mL/minの流速でThを定量的に回収できた。この流速で計算すると、5Lの試料を3-4時間で処理することが可能である。
大久保 綾子; 武田 重信*; 小畑 元*
Atmospheric Research, 129-130, p.20 - 32, 2013/07
被引用回数:37 パーセンタイル:71.53(Meteorology & Atmospheric Sciences)西部北太平洋の春季における、大気降下物からの微量金属元素の供給を把握するために、同沿岸域における観測を行った。実測した結果、同域についてのモデリングによる結果の下限値と一致した。スカンジウムと鉄以外の微量金属元素は、大気降下物のpHの低下に応じて、溶解傾向が高くなった。アルミニウムと鉄について、スカンジウムで規格化した濃縮度係数を算出した。鉄にく比べてアルミニウムの方が、pHの低下に伴う溶解傾向が高いことがわかった。
大久保 綾子; 小畑 元*; 蒲生 俊敬*; 山田 正俊*
Earth and Planetary Science Letters, 339-340, p.139 - 150, 2012/07
被引用回数:37 パーセンタイル:72.44(Geochemistry & Geophysics)Th-
U放射非平衡についてのモデル計算と
Thの分布から、海洋環境中の微量元素の物質循環を調査した。北太平洋におけるThの分布については、モデルによる解析が確立しているが、実測した結果、深層において、これまでの知見にない著しい濃度の欠損をとらえた。海底付近でのThの除去過程と複雑な海底地形で生じる物理混合によって、低いTh濃度の海水が拡散したと考えられた。
大久保 綾子; 小畑 元*; 蒲生 俊敬*; 山田 正俊*
no journal, ,
太平洋中緯度について、Thの分布を観測した。分布の東西断面図を見ると、東経170度及び西経110度付近に強い勾配が見られた。Thの平均滞留時間を考慮すると、深度2000mから4000m及び4000mから海底までの層では、拡散による影響が及ぶ範囲は、それぞれ1100から1400km、400から700kmまでと推定される。この結果から、拡散によるThの輸送は各観測点どうしの分布には影響しないと考えられた。
大久保 綾子; 小畑 元*; 間柄 正明; 木村 貴海; 小川 浩史*
no journal, ,
海水中に含まれる放射性元素の中には、数fg(10-15g)/kgの極低濃度で存在するものが多く、それらの元素を質量分析法で測定するためには、前濃縮が必要となる。鉄共沈法は、古くから用いられてきた前濃縮法の一つであり、酸性の試料溶液に鉄(塩化鉄溶液など)を添加した後、アルカリ性に調整することで、目的元素を水酸化鉄と共に沈殿させる。簡易な方法であるが、水酸化鉄が沈殿するまでには数日間を要する。本研究では、海水中のトリウム同位体を測定するために、ポリアミン型のキレート樹脂を用いて、トリウムを共沈させた水酸化鉄を迅速に回収する方法を開発した。目的元素であるトリウムが定量的に回収されたことから、水酸化鉄中のFeイオンがキレート樹脂に吸着した上で、トリウムと水酸化鉄の結合は維持されていたことが考えられる。本法の適用により、数日間を要していた処理時間を3-4時間に短縮することができた。
小畑 元*; 三輪 一爾*; 近藤 能子*; 蒲生 俊敬*; 乙坂 重嘉; 鈴木 崇史
no journal, ,
北極域は、人為的な環境変化による影響を受けやすいことが知られている。本研究では、北極域の縁辺海であるチュクチ海及びベーリング海において、海水中のヨウ素濃度分布を化学種(ヨウ素酸イオン, ヨウ化物イオン, 有機態ヨウ素)別に調査し、これらの海域へのヨウ素の供給経路について解析した。加えて、人為起源ヨウ素の分布を明らかにするために、海水中のI濃度分布を調査した。多くの観測点で、海水中のヨウ素濃度は海底付近で増加傾向を示した。この傾向はヨウ化物イオンや有機態ヨウ素で顕著で、これらの化学種が大陸棚の海底から溶出していることがわかった。海水中の
I濃度は、0.8
2.9
10
atom/Lの範囲であった。この濃度は北太平洋における濃度の数倍であり、北大西洋からの海水の流入を示す顕著な濃度増加は見られなかった。調査海域が高緯度であることを考慮すると、本研究で観測された
Iは欧州を起源とする
Iが大気経由で沈着したものと推測された。
三輪 一爾; 小畑 元*; 鈴木 崇史; 乙坂 重嘉
no journal, ,
ヨウ素の放射性同位体I-129の地球規模での主な放出源はSellafield(英)とLa Hague(仏)にある核燃料再処理施設であり、放出されたI-129は北海を経て東部北極海(大西洋側)や北極海中央部へ大量に流入している。一方、北極海の北西部に位置するチャクチ海へのI-129流入も考えられるがその実態はわかっていない。そこでチャクチ海及びその南側にあたるベーリング海におけるI-129の鉛直分布と水塊構造から北極海(東部、中央部)からのI-129流入の可能性を検討した。観測の結果、チャクチ海の北緯66度までの表層にはベーリング海由来と考えられる高温の海水が存在した。また、チャクチ海北部の北緯69度以北の底層には低温の海水が存在した。この底層低温海水が北極海由来の高I-129海水である可能性が考えられたが、いくつかの測点におけるI-129濃度の鉛直分布の範囲は0.79 - 2.8910
atoms/Lであり表層高温海水と底層低温海水におけるI-129の濃度に大きな違いはなく、北極海からI-129を高濃度に含む海水の流入の可能性は低いと考えられた。
石井 達也*; 末木 啓介*; 松尾 一樹*; 黒澤 正紀*; 佐藤 志彦; 小畠 雅明; 福田 竜生; 吉井 賢資; 谷田 肇; 岡根 哲夫; et al.
no journal, ,
2011年3月、福島第一原子力発電所事故によって、放射性セシウムを高濃度に含む不溶性の放射性粒子が放出された。放射性粒子の物理的, 化学的な性質を調べることは、事故発生時の原子炉内部の情報を理解することにつながると考えられている。放射性粒子はType-A(2, 3号機由来)とType-B(1号機由来)に大別される。Type-BはType-Aとは異なり、大きさが数百mと大きく、不定形であり、元素分布は不均一である。そのため、生成過程や生成環境も異なると考えられる。そこで、放射性粒子の原料や元素の化学状態等について議論し、Type-Bの放射性粒子の生成過程を検討した。放射性粒子は、福島第一原子力発電所から北北西に2km地点にある工場敷地内のダスト試料から取り出した。Type-Bの放射性粒子2個を断面加工し、母材部分や重元素部分について、SEM-EDS分析をした。また大型放射光施設SPring-8 BL22XUにて、硬X線光電子分光(HAXPES)を行い、放射性粒子表面の元素の化学状態を分析した。そしてこれらによりType-Bの放射性粒子の原料とCsの化学状態を考えることで、どのように粒子が形成され、高放射能を持つようになったかを推察する手掛かりが得られた。
小畠 雅明; 吉井 賢資; 福田 竜生; 川崎 郁斗; 佐藤 志彦; 谷田 肇; 岡根 哲夫; 山上 浩志; 矢板 毅; 針井 一哉; et al.
no journal, ,
放射線や粒子線を照射したPt/YFe
O
薄膜について、放射光を用いた硬X線光電子分光(HAXPES)により電子状態の分析を行った。スピントロニクス物質はスピン自由度を利用することに起因し、放射線など損傷に強い利点を有するため、放射性廃棄物を利用したエネルギー回収物質への適用可能性が指摘されている。コバルト60からのガンマ線を照射した場合には、HAXPESスペクトルに大きな変化は見られなかった。これは過去に報告された、鉄由来のスピンゼーベック効果がガンマ線照射により変化しない事実と一致する結果である。一方金粒子を照射した場合には、いくつかの光電子ピークに化学シフトが見られ、鉄などのイオンが欠損している可能性が示された。これは、金粒子照射により発電能力が低下することと定性的に一致する。詳細は当日報告する。
乙坂 重嘉*; 御園生 敏治; 土肥 輝美; 鶴田 忠彦; 高橋 嘉夫*; 杉原 奈央子*; 小畑 元*; 池上 隆仁*; 自見 直人*; 波々伯部 夏美*
no journal, ,
福島沿岸の海底に蓄積した放射性セシウムの移動過程を明らかにするため、福島第一原子力発電所の南南東の陸棚縁辺域において、2017年10月から2018年6月にかけて時系列式セジメントトラップを設置し、計39期間の沈降粒子試料を採取・分析した。沈降粒子からは観測期間を通じてCsが検出され、
Cs粒子束は特に秋季から冬季にかけて高かった。冬季の沈降粒子は、他の期間に比べてわずかにPOMの割合が高く、POMは、タンパク質や糖酸といった、比較的分解の進んでいない海洋起源の成分で構成されていた。夏季から秋季にかけて
Csを取り込んで観測点付近の海底に蓄積したPOMが、晩秋季から冬季にかけての海底付近の擾乱に伴って陸棚上を再移動したと推測される。
乙坂 重嘉*; 青野 辰雄*; 福田 美保*; 神林 翔太*; 御園生 敏治; 土肥 輝美; 鶴田 忠彦; 鈴木 崇史; 高橋 嘉夫*; 杉原 奈央子*; et al.
no journal, ,
2011年3月に発生した東京電力福島第一原子力発電所事故によるセシウム-137(Cs: 半減期30.1年)の海底への蓄積量は、海洋に運ばれた
Csの総量の1
2%程度(0.1
0.2PBq)に過ぎないものの、特に沿岸域では長期にわたってとどまることが明らかにされている。その一方で、放射性セシウムの海底付近での中・長期的な移行過程や、それに伴う海底付近の生態系への影響については、不確かな点が残されている。本講演では、特に福島沿岸の海底での
Csの分布と挙動について概観するとともに、事故から約10年が経過した現在、特に注目すべきプロセスについて、最新の結果を報告する。
谷田 肇; 辻 卓也; 小畠 雅明; 北垣 徹
no journal, ,
東京電力福島第一原子力発電所の廃炉措置において、燃料デブリ等の性質を知るための分析は極めて重要である。試験的に取り出される燃料デブリや分析に利用できる試料は微粒子であると予想され、貴重である。また、比較的大きな試料の場合、線量が問題となって、取扱いが難しくなる。この様な試料の分析法として、X線を用いた非破壊のX線分析方法、特にXAFSが有効であるが、微粒子に適用するためにはX線をマイクロメートルオーダーに集光する必要がある。そのために、X線のエネルギーを変えても集光位置が変わらず、強度が得られるKirkpatrick-Baez(KB)ミラーをSPring-8において、硬X線アンジュレータを光源に持つ日本原子力研究開発機構専用ビームラインBL22XUのRI棟実験ハッチ3に導入した。
谷田 肇; 辻 卓也; 小畠 雅明; 北垣 徹
no journal, ,
東京電力福島第一原子力発電所の廃炉措置において、燃料デブリ等の性質を知るための分析は極めて重要である。試験的に取り出される燃料デブリや分析に利用できる試料は微粒子であると予想され、貴重である。また、比較的大きな試料の場合、線量が問題となって、取扱いが難しくなる。この様な試料の分析法として、X線を用いた非破壊のX線分析方法が有効であるが、微粒子に適用するためにはX線をマイクロメートルオーダーに集光する必要がある。そのために、X線のエネルギーを変えても集光位置が変わらず、強度が得られるKirkpatrick-Baez(KB)ミラーをSPring-8において、硬X線アンジュレータを光源に持つ日本原子力研究開発機構専用ビームラインBL22XUのRI棟実験ハッチ3に導入した。