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Elekes, Z.*; Kripk, *; Sohler, D.*; Sieja, K.*; 緒方 一介*; 吉田 数貴; Doornenbal, P.*; Obertelli, A.*; Authelet, G.*; 馬場 秀忠*; et al.
Physical Review C, 99(1), p.014312_1 - 014312_7, 2019/01
被引用回数:11 パーセンタイル:71.24(Physics, Nuclear)(,)反応によるNiの核構造の探索実験を行った。Lenzi, Nowacki, Poves, Sieja相互作用を用いた殻模型計算では実験結果を説明しうる陽子空孔状態が得られており、理論的な断面積計算は実験値とよい一致を与えた。実験で得られたすべての状態を理論的に一意に決定することはできなかったが、過去の実験結果と同様にNi同位体でのZ = 28の大きなshell gapを示す結果が得られた。
Steppenbeck, D.*; 武内 聡*; 青井 考*; Doornenbal, P.*; 松下 昌史*; Wang, H.*; 馬場 秀忠*; 郷 慎太郎*; Holt, J. D.*; Lee, J.*; et al.
Physical Review C, 96(6), p.064310_1 - 064310_10, 2017/12
被引用回数:18 パーセンタイル:80.5(Physics, Nuclear)理化学研究所のRIBFにて、中性子過剰核Scの励起状態をTiからの1陽子ノックアウト反応およびScの非弾性散乱によって生成し、そこからの脱励起線を観測することによってエネルギー準位を得た。その結果、第一励起状態が695keVと低く現れることがわかった。Caで知られているように中性子数34の閉殻構造が成り立っているとすると、第一励起状態は約2MeVと高く現れるはずであり、この結果はScでは中性子数34の新魔法数が消滅していることを示している。殻模型計算でもこの結果は得られ、中性子数34の殻ギャップが陽子数に応じて強く変化していることがその原因であることがわかった。
Steppenbeck, D.*; 武内 聡*; 青井 考*; Doornenbal, P.*; 松下 昌史*; Wang, H.*; 宇都野 穣; 馬場 秀忠*; 郷 慎太郎*; Lee, J.*; et al.
Physical Review Letters, 114(25), p.252501_1 - 252501_6, 2015/06
被引用回数:45 パーセンタイル:87.7(Physics, Multidisciplinary)理化学研究所の不安定核施設RIBFにて、中性子過剰核ArをCa, Sc, Tiからの核破砕反応によって生成し、その脱励起線を初めて観測した。最も強度の強い線エネルギーから、Arの第一励起状態の励起エネルギーが1178(18)keVであることがわかった。この実験結果および周辺核の状態の励起エネルギーを大規模殻模型計算と比較した結果、Arでは中性子数32のサブシェルギャップがCaと同じくらい大きくなることによってその第一励起エネルギーがArよりも高くなることがわかった。また、殻模型計算によって、中性子数34のサブシェルギャップがCaからArにかけて増大することを予言し、その影響は今後行われるであろうArの励起状態の測定で確かめ得ることを示した。
Mao, W.*; 近田 拓未*; 志村 憲一郎*; 鈴木 晶大*; 山口 憲司; 寺井 隆幸*
Journal of Nuclear Materials, 443(1-3), p.555 - 561, 2013/11
被引用回数:3 パーセンタイル:25.59(Materials Science, Multidisciplinary)本研究では、密度汎関数理論に基づき、ErO(001)表面やその上に水素が吸着した状態を対象に、その構造的ならびに電子的特性に関する計算を実施した。計算の結果、非常に安定な吸着サイトがいくつか存在することが分かった。ErO(001)面上でエネルギー的に最も安定なサイトでは、水素の吸着エネルギーは295.68kJ mol (被覆率1/8ML)となり、この値は被覆率とともに減少する傾向にあった。さらに計算の結果、解離に伴う水素原子の吸着が、水素分子のそれと比べて、少なくとも吸着エネルギーが152.64kJ mol大きいことも分かった。これらの結果をもとに、核融合炉におけるトリチウム透過障壁中での水素同位体の透過挙動について考察した。
Steppenbeck, D.*; 武内 聡*; 青井 考*; Doornenbal, P.*; 松下 昌史*; Wang, H.*; 馬場 秀忠*; 福田 直樹*; 郷 慎太郎*; 本間 道雄*; et al.
Nature, 502(7470), p.207 - 210, 2013/10
被引用回数:286 パーセンタイル:99.78(Multidisciplinary Sciences)中性子数34の新しい魔法数が中性子過剰核で存在することが10年ほど前に東京大学と発表代表者らのグループによって指摘されて以来、世界各地の不安定核研究施設にてその実験的検証の試みがなされてきた。しかし、中性子数34の魔法数はカルシウムのみに見られる極めて局所的なものであり、カルシウム54を十分に生成するのが困難なことから、これまで実験的な証拠が得られてこなかった。この研究では、理化学研究所のRIBFにてカルシウム54の励起状態を線分光によって初めて観測し、第一励起状態が約2MeVにあることを見つけた。この励起エネルギーは、カルシウム42,44,46,50などの非中性子魔法数のものに比べかなり高いものであり、中性子数34の魔法数の存在が確立された。発表代表者らによる理論解析の結果、中性子数34の殻ギャップは、既に魔法数として知られている中性子数32のものと同程度の大きさであることがわかった。
西村 正弘; 永井 桂一; 小野島 貴光; 斉藤 淳一; 荒 邦章; 杉山 憲一郎*
Journal of Nuclear Science and Technology, 49(1), p.71 - 77, 2012/01
被引用回数:4 パーセンタイル:31.8(Nuclear Science & Technology)ナトリウム燃焼の初めのステージの酸化は、反応の継続性の観点から重要である。この研究では、さらなる高速炉の安全性向上のためのナトリウム反応の知見に適用するために、詳細にナトリウムの反応を理解することを目的としている。
西村 正弘; 上出 英樹; 大竹 志朗*; 杉山 憲一郎*
Journal of Nuclear Science and Technology, 48(12), p.1420 - 1427, 2011/12
被引用回数:5 パーセンタイル:38.51(Nuclear Science & Technology)この研究の目的は、燃焼の継続性に重要な役割を果たす液体金属ナトリウムの酸化挙動を正確に理解することである。樹氷状酸化物の役割の理解は、ナトリウム燃焼のコントロール、たとえば、消火などに非常に有用である。それゆえ、この研究は高速炉の安全性向上に寄与するものである。
西村 正弘; 上出 英樹; 杉山 憲一郎*; 大竹 志朗*
Proceedings of 8th International Topical Meeting on Nuclear Thermal-Hydraulics, Operation and Safety (NUTHOS-8) (CD-ROM), 11 Pages, 2010/10
この研究は、FRのナトリウム燃焼に対する安全のためにナトリウムの酸化反応挙動を詳細に理解することを目的としている。これまでの研究で、樹氷状の酸化物が、反応界面へのナトリウム供給というように燃焼反応に重要な役割を果たすことがわかっている。本報では、燃焼中の樹氷状酸化物の成長挙動観察結果に基づいて樹氷状酸化物を介した液体ナトリウムの供給機構モデルを提案した。このモデルでは、化学種に着目している。ナトリウム過酸化物の形成は、樹氷状酸化物の中にナトリウムの供給ルートを与える。一方、ナトリウム一酸化物の形成は、ナトリウムの供給をブロックする。化学種は、温度や酸素濃度といった反応場におけるギブスの自由エネルギーによって熱力学的に決定される。このモデルは、観察結果から得られた酸化反応挙動を説明することができる。
西村 正弘; 上出 英樹; 杉山 憲一郎*; 大竹 志朗*
Proceedings of 7th International Topical Meeting on Nuclear Reactor Thermal Hydraulics, Operation and Safety (NUTHOS-7) (CD-ROM), 12 Pages, 2008/10
高速増殖炉の冷却材に使用されている液体ナトリウムは冷却材として優れた熱的特性を有する反面、酸素や水との反応が活性である。事故時に想定されるこれらの反応に対して必要な安全対策がプラントでは施されているが、もんじゅのナトリウム漏えい事故などを背景に、特定の事故パターンによらずに反応現象の理解を深め、機構論的に解析することが社会的受容性の観点から求められている。また、反応現象の理解を深めることは、安全対策という観点以外に、事故,トラブルが起こってしまった場合に残存する未反応ナトリウムの取り扱いにおける判断根拠という観点からも、重要な研究テーマである。従来、液滴燃焼の酸化現象において柱状酸化物が生成した後に着火に至ることが観察されているが、十分な現象の理解はされていない。本報では、液滴状のナトリウムが燃焼する際の反応表面を反応雰囲気の酸素濃度や初期の予熱温度をパラメータとして表面の柱状生成物の生成過程に着目して観察した実験結果を報告する。
志村 憲一郎*; 山口 憲司; 寺井 隆幸*; 山脇 道夫*
Journal of Alloys and Compounds, 449(1-2), p.357 - 361, 2008/01
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Chemistry, Physical)金属材料中の水素輸送に関するセルオートマトン(CA)モデルを構築した。本モデルは、脱離,表面-バルク間輸送,拡散の3部分により構成され、これを用いて、表面を介してのバルク-気相(真空)間における水素輸送の過渡応答を模擬した。計算の結果、初めて、水素が透過する下流側表面からバルク内部への逆方向の拡散が起こることが示せた。こうした現象が起こるのは、過渡初期の段階で表面拡散が律速となって脱離を抑制し、表面に水素が蓄積するからである。こうした事象は、通常の拡散方程式を解くことでは決して予測できない。なぜなら、拡散方程式において表面は単なる境界条件として処理されるにすぎないからである。このように、CA法は過渡応答を解析するのに優れた手法であると思われる。
Zhuravlev, A. V.; 山本 博之; 志村 憲一郎*; 山口 憲司; 社本 真一; 北條 喜一; 寺井 隆幸*
Thin Solid Films, 515(22), p.8149 - 8153, 2007/08
被引用回数:3 パーセンタイル:17.83(Materials Science, Multidisciplinary)Si基板上に生成した-FeSiは0.8eV近くに強い発光を示すことが知られている。しかしながら、この付近にはSiの欠陥に由来するものも存在するため、-FeSi本来の発光と十分区別する必要がある。特に本研究ではイオンビームスパッタ蒸着法により-FeSiを作製していることから、イオンビームプロセスによる発光特性への影響を把握することが重要となる。このため帯溶融法及びチョコラルスキー法で作製したSi基板を用い、各試料作製過程における発光特性を測定した。Si基板上に生成した-FeSiと、これと同条件でイオン照射を行ったSi基板のみからの発光を比較した結果、0.81eVの発光はいずれの場合もアニーリングによって強度が増大する。一方発光強度の温度依存性に関してはSi基板のみのものの方がより低温で消光する傾向が見られた。
笹瀬 雅人*; 志村 憲一郎*; 山口 憲司; 山本 博之; 社本 真一; 北條 喜一
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 257(1-2), p.186 - 189, 2007/04
被引用回数:5 パーセンタイル:40.91(Instruments & Instrumentation)ベータ鉄シリサイド(-FeSi)はその受発光特性などから将来の化合物半導体の一つとして注目される物質である。本研究では高品質な薄膜作製を目指し、基板の表面処理におけるスパッタエッチングの効果を検証することを目的として、あらかじめ14keV, Neで表面処理後1073Kで30分加熱回復を行ったSi(100)基板上に鉄をスパッタ蒸着することにより-FeSi成膜を試みた。得られた薄膜を透過型電子顕微鏡による断面観察を行った結果、1keVで照射の場合は基板・薄膜ともほとんど欠陥が確認されず、極めて高配向の-FeSi(100)薄膜が生成していることを明らかにした。この結果イオン照射による表面処理が高品質な薄膜作製に有効であるとともに原子レベルで平滑な界面が得られることを見いだした。
笹瀬 雅人*; 志村 憲一郎*; 山本 博之; 山口 憲司; 社本 真一; 北條 喜一
Japanese Journal of Applied Physics, Part 1, 45(6A), p.4929 - 4933, 2006/06
被引用回数:9 パーセンタイル:34.26(Physics, Applied)イオンビームスパッタ蒸着(IBSD)法により、Si(100)基板上にエピタキシャル成長させた鉄シリサイド膜に対する基板前処理効果を調べた。本研究では、サーマル・エッチ(TE)法並びにスパッタ・エッチ(SE)法により基板前処理を行った。そして、作製した-FeSi薄膜と基板との界面を、透過型電子顕微鏡を用いた断面観察によって解析した。TE法では、処理後のSi基板は完全に結晶性を回復するものの、蒸着後の界面は波打っており生成したシリサイドは島状に凝集した。一方、SE処理後は基板表面付近にイオン照射によって生じた転位や積層欠陥が、照射後にアニールを行ったにもかかわらず観測された。しかし、973Kで蒸着した-FeSiはエピタキシャル成長を遂げ、また、基板との界面も滑らかであった。このような事実から、上述した欠陥は、界面でのFe及びSi原子の相互拡散を促進し、-FeSiのエピタキシャル成長を容易にしたのではないかと考えられる。
山口 憲司; 志村 憲一郎; 鵜殿 治彦*; 笹瀬 雅人*; 山本 博之; 社本 真一; 北條 喜一
Thin Solid Films, 508(1-2), p.367 - 370, 2006/06
被引用回数:12 パーセンタイル:49.64(Materials Science, Multidisciplinary)成膜後の加熱処理が-FeSi薄膜からの発光(PL)特性に与える影響をより詳細に調べるために、作製した薄膜試料をさまざまなアニール条件で処理した。試料の作製はイオンビームスパッタ蒸着(IBSD)法もしくは分子線エピタキシー(MBE)法によった。いずれの製法でも、蒸着速度は0.5nm minとほぼ同程度で、膜厚は50-100nmであった。また、PL測定は1100-1700nmの波長範囲で行った。測定の結果、最も強いPL強度を示すのは、IBSD法で作製した試料を1153Kにて10Pa程度の真空中でアニールした場合であることがわかった。この場合、測定温度150K以下では、温度が増加してもPL強度はさほど減少しない。しかし、150K以上になると、温度の増加とともに急激に減少するとともに、ピーク位置も低エネルギー側へシフトすることがわかった。一方、超高真空(10Pa)下でアニールをした場合、アニールによりPL強度は著しく減少した。さらに、透過型電子顕微鏡による断面組織観察によって、高温での真空アニールによりシリサイド膜は数10nm程度の粒状となり、周囲をSiにより取り囲まれてしまうこともわかった。MBE法により成膜した鉄シリサイド膜についてもPL特性を調べたが、概して強度は弱く、また、アニールによる強度の増加もごくわずかであった。
志村 憲一郎; 山口 憲司; 笹瀬 雅人*; 山本 博之; 社本 真一; 北條 喜一
Vacuum, 80(7), p.719 - 722, 2006/05
被引用回数:9 パーセンタイル:34.26(Materials Science, Multidisciplinary)イオンビームスパッタ蒸着(IBSD)法により作製した-FeSi薄膜の発光特性に及ぼす、-FeSiの構造や表面組成の影響を調べた。本手法により、あらかじめNeイオンによりスパッタ洗浄したSi(100)表面上にFeを蒸着させることにより、973Kにて高配向性の-FeSi薄膜を作製した。用いた基板はSi(100)単結晶基板、及び、酸化物絶縁層上に100nm程度のSi(100)層を有するSIMOXと称する基板である。発光測定は、6-300Kの温度範囲で行った。いずれの基板上の-FeSiも6-50Kで0.83eV付近に鮮明な発光ピークを有し、その強度もほぼ同程度であった。しかし、Si(100)基板上に作製した-FeSi薄膜は、1153K,真空中(10Torr)でのアニールにより発光強度が劇的に増加したのに対し、SIMOX上で成膜した薄膜の発光強度は、アニールにより逆に減少した。いずれの薄膜もアニールにより大きくその構造が大きく変貌することが透過型電子顕微鏡による断面組織観察により明らかになった。さらに、X線光電子分光法による組成分析によると、SIMOX基板の場合にはシリサイド層直下の酸化物層から酸素が侵入することもわかった。こうした構造上、組成上の変化が観測された発光特性の変化と深く関係していると思われる。
笹瀬 雅人*; 山本 博之; 山口 憲司; 志村 憲一郎
材料開発のための顕微鏡法と応用写真集, P. 194, 2006/03
-FeSiの作製はシリサイド化反応を促進するため高温を要するが、その過程で容易に凝集する。したがって、連続膜としてエピタキシャル成長させることが困難であった。本研究では、サーマルエッチング(TE)法とスパッタエッチング(SE)法による表面処理を行った2種類のSi(100)基板を用い、表面処理の違いがイオンビームスパッタ蒸着法で作製した-FeSi薄膜の微細構造に与える影響を、透過型電子顕微鏡による断面観察を通じて比較検討した。その結果、SE法で基板前処理を行った場合、界面が急峻で、基板に対して(100)//(100)という方位関係を有する-FeSiのエピタキシャル膜が作製できることを示した。
相原 純; 北條 喜一; 古野 茂実*; 志村 憲一郎; 北條 智博*; 沢 和弘; 山本 博之; 本橋 嘉信*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 242(1-2), p.441 - 444, 2006/01
被引用回数:1 パーセンタイル:12.84(Instruments & Instrumentation)CVD-SiCのTEM試料を色々な温度で20keVNeで1.510Ne/mまで照射して引き続き1273Kで焼鈍した。573と583K照射では照射により非晶質化が起こり、焼鈍によって結晶核生成が起こった。598K照射では部分的非晶質化が起こったが焼鈍による結晶核生成は観察されなかった。673K照射では非晶質化が起こらなかった。低温照射の結果も報告する。
田口 富嗣; 井川 直樹; 實川 資朗; 志村 憲一郎
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 242(1-2), p.469 - 472, 2006/01
被引用回数:3 パーセンタイル:28.12(Instruments & Instrumentation)SiC繊維強化SiCマトリクス(SiC/SiC)複合材料は、優れた高温強度特性を有し、中性子照射後の誘導放射能も低いことから、核融合炉の構造材料の候補材料として期待されている。核融合炉構造材料として、熱交換の効率化及び熱応力の低減化の観点から、候補材料には高熱伝導率を有することが要求されている。核融合炉環境下において、14MeVの中性子照射により、材料中に核変換生成物としてHe及びHが生成する。そこで、本研究では、SiC及びSiC/SiC複合材料の熱拡散率に及ぼすHe原子の影響をHe注入法により検討した。その結果、He注入によりSiC及びSiC/SiC複合材料の熱拡散率は減少するが、核融合炉運転温度である8001000Cの範囲では、熱拡散率の減少はとても小さいことを見いだした。また、アニール効果により、熱拡散率の回復がみられた。He注入により試料内に導入された照射欠陥濃度を、推定した。それによれば、He注入濃度が増加するとともに、照射欠陥濃度も増加する。また、照射欠陥濃度は、500C付近で急激に減少する。これは、SiCからHeが拡散し始める温度と一致している。
志村 憲一郎; 山口 憲司; 山本 博之; 笹瀬 雅人*; 社本 真一; 北條 喜一
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 242(1-2), p.673 - 675, 2006/01
被引用回数:6 パーセンタイル:43.77(Instruments & Instrumentation)イオンビームスパッタ蒸着(IBSD)法により作製した-FeSi薄膜の発光特性を調べ、本手法による-FeSiとしては初めて、100K以下の温度にて0.77及び0.83eV付近に発光ピークを観測した。さらに1153Kで24時間以上アニールすることにより、ピーク位置は0.81eVへとシフトするものの、6Kでの発光強度は1桁以上増加した。アニール前の発光スペクトルは100K以上で消光してしまったのに対し、アニール後は、室温付近まで発光を観測することができた。
志村 憲一郎; 山口 憲司; 笹瀬 雅人*; 山本 博之; 社本 真一; 北條 喜一
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 242(1-2), p.676 - 678, 2006/01
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Instruments & Instrumentation)絶縁性の酸化物層上に100nm程度のSi層を有するSIMOX基板を用い、イオンビームスパッタ蒸着法によるドライ・プロセスで-FeSi層を絶縁層上に作製することを試みた。しかし、Feターゲットを用いてSi層をシリサイド化させる過程で、直下の酸化層から酸素が拡散することがわかった。そこで、このシリサイド層をテンプレートとし、この上にFeSiターゲットを用いて蒸着を行うことで、酸素の混入がほとんどない厚膜のシリサイド層の作製が可能になった。