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報告書

加速器装置メンテナンスを安全に進める上での注意点と要領

小野 礼人; 高柳 智弘; 杉田 萌; 植野 智晶*; 堀野 光喜*; 山本 風海; 金正 倫計

JAEA-Technology 2021-044, 53 Pages, 2022/03

JAEA-Technology-2021-044.pdf:43.7MB

大強度陽子加速器施設(J-PARC)の3GeVシンクロトロン加速器には、1MWの大強度ビームを生成するために開発された電磁石用の電源装置が多数配置されている。これらの電源装置は、陽子ビームの軌道制御の要求に合わせて専用に開発されており、多種多様な出力波形の形式、定格仕様、更には異なる筐体のサイズや電源回路で構成されている。J-PARCは、運転を開始してから10年が経過し、経年劣化を原因とする故障から部品の交換や機器の更新の必要性が生じている。それら機器のトラブルを未然に防ぐことが出来れば、ユーザーの利用時間を計画通り確保でき、成果の最大化に資するとともに、さらには加速器を運用する運転員への負担を軽減することができる。メンテナンスとは、機器を正常な状態に保つことであり、メンテナンスによって故障個所や経年劣化部分を早期に発見して整備することにより、機器の寿命を延ばすことが可能である。本報告書では、電磁石電源グループで実施しているメンテナンス作業の事例を基に、メンテナンス時に必要な手続き、資格等が必要な作業とその注意点、作業を安全に行うための手順書、リスクアセスメントといった資料の作成方法等について報告する。

論文

RCSバンプ電磁石磁場測定用プローブの検証

杉田 萌; 植野 智晶*; 堀野 光喜*; 高柳 智弘; 小野 礼人; 山本 風海; 金正 倫計

Proceedings of 18th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.641 - 644, 2021/10

J-PARCの3GeVシンクロトロン(RCS)では、水平シフトバンプ電磁石を用いて線形加速器からの入射ビームをRCSの周回軌道に合流する入射バンプ軌道を生成する。バンプ電磁石の励磁パターンは台形型のパルス波形で、立ち上がり・立ち下がり部の時間とフラット部の時間を、それぞれ150-500マイクロ秒と100-800マイクロ秒の間で変更可能である。このパルス波形をビームの要求条件に合わせることで必要な入射バンプ軌道をつくり、25Hzの繰り返し入射によって1MW大強度ビームを生成する。1MW大強度ビームの運転に際してはビームロスによる放射化の低減が求められ、そのためにはバンプ電磁石の磁場分布を$$pm$$0.2%以下の精度で測定し、高精度な入射バンプ軌道を確立する必要がある。そこで、バンプ電磁石への速いパルス励磁に対応できる高速応答性に優れた磁場測定器の選定評価試験を実施した。計測原理が異なる3種の磁場測定器(磁束計,ホールプローブ,積分型磁束計)を用いた比較検証を行ったところ、積分型磁束計の測定誤差が最も小さく、バンプ電磁石の磁場測定に適していることが分かった。

論文

J-PARCキッカー用LTD半導体スイッチ電源

高柳 智弘; 小野 礼人; 堀野 光喜*; 植野 智晶*; 杉田 萌; 富樫 智人; 山本 風海; 金正 倫計

Proceedings of 18th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.53 - 57, 2021/10

J-PARCの3GeVシンクロトロン(RCS)キッカー電源を代替する半導体スイッチ電源の開発を進めている。パワー半導体の素子には、現在の主流であるシリコン(Si)製より高周波特性に優れ低損失なシリコンカーバイド(SiC)製の半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)を採用し、回路基板の主要な部分は、低ノイズと低インダクタンスを実現した放射対称型のLinear transformer driver(LTD)回路で構成した。また、電源全体は、既存のキッカー電源の機能を有する回路に新たに追加する周回中の大強度ビームの誘導電流低減を目的として反射波吸収回路を1枚のモジュール基板で実装する主回路基板と、フラットトップの時間的一様性を要求仕様に合わせて補正する低電圧出力の補正基板の2種類の組み合わせで構成する。今回、1.7kVのSiC-MOSFETを使用した主回路基板を32枚と、100VのMOSFETによる補正基板を20枚使用し、キッカー電源として必要な定格40kVの出力を実現した。評価結果について報告する。

論文

The Surface composition of asteroid 162173 Ryugu from Hayabusa2 near-infrared spectroscopy

北里 宏平*; Milliken, R. E.*; 岩田 隆浩*; 安部 正真*; 大竹 真紀子*; 松浦 周二*; 荒井 武彦*; 仲内 悠祐*; 中村 智樹*; 松岡 萌*; et al.

Science, 364(6437), p.272 - 275, 2019/04

 被引用回数:140 パーセンタイル:99.81(Multidisciplinary Sciences)

小惑星探査機はやぶさ2のターゲット天体であるリュウグウは、始原的な炭素質物質で構成されていると考えられている。はやぶさ2に搭載された近赤外分光計(NIRS3)によって、天体の表面組成を得た。天体全体の観測で、弱く細い吸収が2.72ミクロンに確認され、OHを含む鉱物の存在を示している。弱いOH吸収と低いアルベドは熱やショックによって変質を受けた炭素質コンドライトに似ている。OHバンドの位置はほとんど一定であり、衝撃片の集合によって形成されたリュウグウは組成的に均質であることを示している。

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