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)の植物体再生率に対する炭素イオンの照射効果納富 麻子*; 長谷 純宏; 田中 義樹*; 竹下 大樹*
JAEA-Review 2015-022, JAEA Takasaki Annual Report 2014, P. 102, 2016/02
佐賀県で選抜されたノビレチン高含有香酸カンキツ「佐系69」を材料として、さらにノビレチンを高含有する系統などの作出を目的としてイオンビームの適性照射線量を検討した。実生胚軸上のカルスにイオンビームを照射し、植物体の再分化率に及ぼす影響を調査した。非照射区の再分化率は97.7%であった。2, 4及び8Gy照射区では非照射区に比べて再分化率が低下したが、線量反応は明確ではなかった。4Gy照射区においても約8割の個体が再分化したことから、「佐系69」の放射線感受性は、これまで試験したカンキツ類のなかでは最も放射線感受性が低かった川野ナツダイダイと同等と考えられた。
松尾 洋一*; 長谷 純宏; 竹下 大樹*; 納富 麻子*
JAEA-Review 2014-050, JAEA Takasaki Annual Report 2013, P. 111, 2015/03
中生ウンシュウミカンは、多胚性種子のために交雑育種による品種改良には多数の制約がある。このため新品種の開発は、雑種実生による品種改良は少なく、枝変わりもしくは珠心胚実生の中から突然変異個体を選抜している。通常の珠心胚実生の選抜試験では、特定の形質を得ることは困難であるため、イオンビーム照射を実施した珠心胚実生より突然変異個体を効率的に誘発するために、品種毎に試料の前処理方法を検討した。前処理方法として、実生の胚軸及び根部を切断してプラ壺へ移植する方法、ならびに組織の切断部位を少なくするために胚軸部のみを切断し、スチロールケースに配置して根部は水分を含ませた支持体で固定する方法の2通りを試験した。イオンビーム照射後の再分化率を比較した結果、前者の方法の方が再分化率が高いことがわかった。
長谷 純宏; 岡村 正愛*; 竹下 大学*; 鳴海 一成; 田中 淳
Plant Biotechnology, 27(1), p.99 - 103, 2010/03
被引用回数:28 パーセンタイル:60.50(Biotechnology & Applied Microbiology)We examined the effect of pretreatment on the frequency of flower-color mutants induced by ion beams. We found that petunia seedlings treated with 3% sucrose from 8 days after sowing accumulated significant amount of pigments within 4 days compared to non-treated control seedlings. The petunia seedlings treated with sucrose were exposed to 320-MeV carbon ions. The sucrose treatment did not affect the survival rate and seed fertility of the M1 plants. In the M
lines obtained by self-pollination of individual M1 plants, chlorophyll mutants were obtained in both treated and non-treated groups with a similar frequency. Flower-color mutants that included magenta, purple, light pink and white were obtained from the original violet color. The frequency of flower-color mutants was significantly higher in the sucrose-treated group than in the non-treated group. These results suggest that sucrose pretreatment specifically increases the frequency of flower-color mutation following ion beam irradiation.
長谷 純宏; 岡村 正愛*; 竹下 大学*; 鳴海 一成; 田中 淳
JAEA-Review 2009-041, JAEA Takasaki Annual Report 2008, P. 66, 2009/12
We examined the effect of stress treatment on the frequency of flower-color mutants induced by ion beams. We found that petunia seedlings treated with 3% sucrose from 8 days after sowing accumulated significant amount of pigments within 4 days compared to non-treated control seedlings. The petunia seedlings treated with sucrose were exposed to 320-MeV carbon ions. The sucrose treatment did not affect the survival rate and seed fertility of the M1 plants. In the M2 lines obtained by self-pollination of individual M1 plants, chlorophyll mutants were obtained in both treated and non-treated groups with a similar frequency. Flower-color mutants such as magenta, purple and light pink were obtained from the original color of purplish blue. The frequency of flower-color mutants was significantly higher in sucrose-treated group than in non-treated group. These results suggest that the sucrose pretreatment specifically increases the frequency of flower-color mutation following ion beam irradiation.
岡村 正愛*; 竹下 大学*; 長谷 純宏; 鳴海 一成; 田中 淳
JAEA-Review 2009-041, JAEA Takasaki Annual Report 2008, P. 69, 2009/12
Cultivars of
(petunias) have been bred since early 1830s and are now available as a popular bedding plants that have enormous market worldwide. This paper reports the production of new type flower color variations in petunia obtained by ion beam irradiation at JAEA-TIARA. Very vigorous variety of petunia cv. "Kirin Hana-Saka Rose" that has a bright rose flower was used as a plant material. Buds placed in perti-dishes containing Murashige and Skoog medium were irradiated with 320 MeV carbon ions of 10 Gy. Regenerated plants were grown in a green house to examine flower color. As a result, the individual of the pink color and the cherry color appeared respectively at the frequency of 1%. In addition, the individual that has minutely striped white and the individual with the petal of a spotted pattern appeared.
後藤 俊治*; 竹下 邦和*; 鈴木 芳生*; 大橋 治彦*; 浅野 芳裕; 木村 洋昭*; 松下 智裕*; 八木 直人*; 一色 麻衣子*; 山崎 裕史*; et al.
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 467-468(Part1), p.682 - 685, 2001/07
被引用回数:146 パーセンタイル:99.12(Instruments & Instrumentation)大型放射光施設SPring-8には、発光点から実験ステーションまでの距離が215メートルある中尺ビームラインがある。そのうちの、偏向電磁石ビームラインであるBL20B2の建設及びコミッショニングをおこなった。
後藤 俊治*; 竹下 邦和*; 鈴木 芳生*; 大橋 治彦*; 浅野 芳裕; 木村 洋昭*; 松下 智裕*; 八木 直人*; 一色 康之*; 山崎 裕史*; et al.
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 467-468(Part1), p.682 - 685, 2001/07
イメージング技術開発や、X線光学素子開発,物性研究のためのトモグラフィーや医学イメージング,トポグラフィー研究等を目的とした、最初の中央ビームラインをSPring-8で構築した。この結果、大視野でコヒーレントな光ビームを得ることに成功した。またこのビームラインを用いて、300mmのシリコンクリスタルのone-shotトポグラフのような、予備実験を成功裡に終わることができた。これらについて論じた。
後藤 俊治*; 大橋 治彦*; 竹下 邦和*; 矢橋 牧名*; 山片 正明*; 浅野 芳裕; 石川 哲也*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 467-468(Part1), p.813 - 815, 2001/07
被引用回数:3 パーセンタイル:27.95(Instruments & Instrumentation)SPring-8で建設されているX線ビームラインの輸送チャンネルについて論じた。これらは標準機器や新しく開発された機器よりなっている。ビームラインは高分解能非弾性散乱ビームラインのような約10mの特種なアンジュレータービームラインや、約百mの中央ビームライン,及び1000mにおよぶ長さを持つ長尺ビームラインについての輸送チャンネルの遮蔽機器,光学機器等について詳細に議論した。
宇留賀 朋哉*; 谷田 肇*; 米田 安宏; 竹下 邦和*; 江村 修一*; 高橋 昌男*; 原田 誠*; 西畑 保雄; 久保園 芳博*; 田中 庸裕*; et al.
Journal of Synchrotron Radiation, 6(Part3), p.143 - 145, 1999/05
X線吸収スペクトル(XAFS)専用ビームラインBL01B1がSPring-8の偏向電磁石光源に建設され、1997年10月より供用が開始されている。精密ステージや制御プログラムは光学素子を調整するために設計され、さまざまな実験条件下での当初の目的の性能を達成する。一般的なXAFS測定で、4.5から110keVの範囲で質の良いデータを得ることができる。
廣内 大助*; 松多 信尚*; 石山 達也*; 杉戸 信彦*; 竹下 欣宏*; 水谷 光太郎*; 安江 健一*; 藤田 奈津子; 澤 祥*; 道家 涼介*; et al.
no journal, ,
神城断層は糸魚川-静岡構造線活断層帯の最北部を構成する活断層であり、地表で確認できる長さは小谷村南部から大町市北部の木崎湖南までの約27kmに及ぶ。神城断層では2014年にM6.7の長野県北部の地震が発生し、白馬村北城から神城の約9kmに渡って断続的に地表地震断層が出現し、その上下変位量は最大で約1mに達した。発表者らは2014年に出現した地震断層やその延長部において、神城断層の過去の活動履歴を調査し、累積変位を示す完新世の変動地形の情報と合わせて、神城断層が過去にどのような地震を引き起こしてきたのかを明らかにすることを目的とした調査を実施している。その中で2014年地震のような規模の地震が、いわゆる固有地震とどのような関係にあるのか、また今回活動しなかった区間を含めた活動時期や地震規模を議論することを目指している。平成29年度は白馬村北城の白馬駅東方地点において、トレンチ掘削調査を実施した。
水谷 光太郎*; 廣内 大助*; 松多 信尚*; 石山 達也*; 杉戸 信彦*; 安江 健一*; 竹下 欣宏*; 藤田 奈津子; 澤 祥*; 道家 涼介*; et al.
no journal, ,
2014年11月22日に発生した神城断層の一部を震源とする長野県神城断層地震(M6.7)は断層のおよそ北半分において最大変位量約1mに及ぶ地表地震断層を出現させた。地震後、変位量調査やトレンチ掘削調査などが行われ、一つ前の地震は1714年の小谷地震の可能性が高いことなど徐々に明らかになっている。一方で、断層南半部の活動履歴など断層の活動履歴などは断層北半部と比較してまだ十分ではない。本研究では、神城断層における空中写真判読、変動地形の記載を行い、またトレンチ掘削調査を実施した。青木湖南岸では2条の断層が指摘されるが最も東側の断層の北延長において、新たに左屈曲した尾根や河谷を見出した。尾根は湖成層によって構成されるバルジであり約2万年前(21330
90yrBP)の年代値が得られた。また、他の層として、腐植層最下部の試料からは4720
30yrBPの年代値が得られ、約4700年前以降少なくとも2-3回のイベントが認められた。今後その他イベントの年代に関わる試料の年代測定を進めていく。
廣内 大助*; 松多 信尚*; 石山 達也*; 安江 健一*; 杉戸 信彦*; 竹下 欣宏*; 藤田 奈津子; 澤 祥*; 水谷 光太郎*; 谷口 薫*
no journal, ,
2014年に発生した長野県北部の地震(神城断層地震)で地表地震断層が現れた神城断層の活動履歴や断層構造の解明を目的としたトレンチ掘削調査を、白馬村北城塩島地区において実施した。調査では、2014年に最大変位が出現した断層崖を横切る方向で、長さ約15m、幅約5m、深さ最大で約3mのトレンチ調査溝を掘削し、明瞭な活断層による地層の変形や活動履歴解明に資する構造を確認した。本調査から、2014年を含めて3回の断層活動を読み取ることができた。
松尾 洋一*; 長谷 純宏; 野澤 樹; 石地 耕太郎*; 竹下 大樹*
no journal, ,
カンキツ類は他の作物と違い、交雑育種による品種改良には多数の制約がある。特に主力品目の温州みかんは多胚性種子のため、交雑によって得られる雑種品種は少なく、おもに枝変わり若しくは珠心胚実生を育成し、その中から突然変異個体が選抜されてきた。われわれは、カンキツ類の育種効率を向上させるために粒子線を利用した新品種作出に取り組んできた。これまでにカンキツ経済品種の代表的なものについて、イオンビームに対する感受性を把握した。カンキツ類の中でも温州みかんは、特に品種間差が著しかった。これまでに、トゲ消失個体,わい化個体,特定成分高含有個体などの有用変異株を獲得した。また、佐賀県では平成18年にシンクロトロン光照射施設が建設され、シンクロトロン光の植物育種への利用が検討されている。イオンビーム照射と同様な突然変異を誘発することが可能かどうか検討した結果、シンクロトロン光照射試験においても、わい化及びトゲ消失形質を獲得できたことから、シンクロトロン光の育種への利用が可能であることが判明した。
松尾 洋一*; 石地 耕太郎*; 竹下 大樹*; 納富 麻子*; 長谷 純宏; 野澤 樹
no journal, ,
ユズ等の多胚性種子を形成するカンキツでは、交雑育種による品種改良は困難である。われわれは、枝梢にトゲが発生するユズにおいて、実生胚軸の切断面に発生したカルスにイオンビーム又はシンクロトロン光を照射し、トゲ消失変異体の作出を試み、量子ビームによる突然変異育種法の可能性を検討したので報告する。イオンビーム照射では、合計3,743個体に照射を実施した結果、1Gy, 2Gy及び4Gy区で完全にトゲが消失した3個体を獲得することができた。また、部分的にトゲが消失した個体は各線量区で認められ、合計13個体の変異体を獲得した。シンクロトロン光照射では、合計1,997個体に照射を実施した結果、1Gy区及び20Gy区で2個体のトゲ消失個体を獲得することができた。また、部分的にトゲが消失した個体は1Gy, 2Gy及び10Gy区で認められ、合計5個体を獲得した。実用的な突然変異育種手法として評価されているイオンビームと同様に、シンクロトロン光もカンキツ育種への利用が可能であることが示唆された。
松尾 洋一*; 竹下 大樹*; 納富 麻子*; 長谷 純宏; 野澤 樹*
no journal, ,
中生ウンシュウミカンは、多胚性種子のために交雑育種による品種改良には多数の制約がある。このため新品種の開発は、雑種実生による品種改良は少なく、枝変わり若しくは珠心胚実生の中から突然変異個体を選抜している。通常の珠心胚実生の選抜試験では、特定の形質を得ることは困難であるため、イオンビーム照射を実施した珠心胚実生より突然変異個体を効率的に誘発するために、品種毎に試料の前処理方法を検討した。前処理方法として、実生の胚軸及び根部を切断してプラ壺へ移植する方法、ならびに組織の切断部位を少なくするために胚軸部のみを切断し、スチロールケースに配置して根部は水分を含ませた支持体で固定する方法の2通りを試験した。イオンビーム照射後の再分化率を比較した結果、前者の方法の方が再分化率が高いことがわかった。
田中 義樹*; 納富 麻子*; 竹下 大樹*; 松尾 洋一*; 長谷 純宏
no journal, ,
ウンシュウミカンは雄性不稔であることに加え、種子が多胚性で交雑胚が得られにくいことから、交雑育種は非常に困難である。このため、ウンシュウミカンの品種改良では、枝変わりもしくは珠心胚実生の中から突然変異個体を選抜するのが一般的であるが、変異の頻度や幅は非常に小さく効率が悪い。高糖系ウンシュウミカン"今村温州"は果実品質は優れているものの、樹勢が強すぎるため着果性が悪いという欠点を持つ。そこで、わい性の突然変異個体獲得を目的とし、珠心胚実生上のカルスにイオンビームを照射した。カルスから再分化した個体について、生育特性を調査した。樹高分布は2Gyおよび4Gyでほぼ同等で、幹径の分布も両線量区で同様の傾向を示した。樹勢が中庸またはやや弱い個体が2/3前後を占め、現時点でトゲ発生がない、あるいは少ない個体が5個体みられた。今後さらに候補個体の育成をすすめ、果実品質を中心とした他の形質について確認する予定である。
納富 麻子*; 松尾 洋一*; 長谷 純宏; 竹下 大樹*; 田中 義樹*
no journal, ,
佐賀県果樹試験場で育成されたノビレチン高含有香酸カンキツ「佐系69」を材料として、イオンビーム育種によりさらにノビレチンを高含有する個体の獲得を目指している。ここでは、実生胚軸上に形成されるカルスに対する最適な照射線量を検討するため、再分化率に及ぼす影響を調査した。照射5
6週間前に剥皮した種子を播種し、照射7
8日前に胚軸を切断して、切断面発生したカルスに炭素イオンビームを照射した。カルスからの再分化率は照射線量が高いほど低下する傾向にあった。「佐系69」においては、4
8Gyが変異誘発に最適と考えられ、今後、再分化個体の生育特性及び葉のノビレチン含量を調査し、有用変異体の選抜を行う。
田中 義樹*; 納富 麻子*; 松尾 洋一*; 竹下 大樹*; 長谷 純宏
no journal, ,
ウンシュウミカンは雄性不稔であることに加え、種子が多胚性で交雑胚が得られにくいことから、交雑育種は非常に困難である。このため、ウンシュウミカンの品種改良では、枝変わりもしくは珠心胚実生の中から突然変異個体を選抜するのが一般的であるが、変異の頻度や幅は非常に小さく効率が悪い。高糖系ウンシュウミカン"川田温州"は果実品質は優れているものの、樹勢が強すぎるため着果性が悪いという欠点を持つ。そこで、わい性個体の獲得を目的として、珠心胚実生胚軸上のカルスにイオンビーム及びシンクロトロン光を照射した。その後、カルスから再分化した個体について、生育特性を調査した。イオンビーム照射個体については、8Gy区で平均樹高が低く、平均節数も少なくなる傾向がみられた。2Gy区及び4Gy区では樹高及び節間長の分布が広がっていた。シンクロトロン光照射個体については、Alフィルターに比べてCuフィルターを使用した処理区で樹高及び節間長の分布幅が広がる傾向がみられたが、樹高が低い個体は少なかった。以上のことから、わい性個体の獲得にはイオンビームの方が適していると考えられた。今後、選抜した個体の生育特性及び果実品質を調査する予定である。
松尾 洋一*; 納富 麻子*; 長谷 純宏; 竹下 大樹*; 田中 義樹*
no journal, ,
カンキツ類は多胚性のため交雑育種による品種改良は困難な場合が多いため、突然変異個体の探索や珠心胚実生を利用した変異個体を選抜する育種法が用いられている。効率的に目的形質を獲得するとともに獲得したい変異の幅を広げることを目的とした粒子線の利用が期待されている。これまでにわれわれは、"木頭系ユズ"(松尾ら、2007)およびウンシュウミカン5品種(松尾ら、2014)において重イオンビーム照射によってトゲ消失個体やわい性形質を付与した個体を作出してきた。本研究ではミカン亜科植物の主要な品種において発芽実生胚軸の切断部位から発生したカルスへ重イオンビームを照射し、カルス再分化の品種間差異を明らかにした。カンキツ属の"福原オレンジ", "川野ナツダイダイ", "シークァーサー"、キンカン属の"ニンポーキンカン"、カラタチ属の"カラタチ"及び"キャリゾシトレンジ"の計6品種を用い、胚軸切断面のカルスへ照射を行った。"カラタチ"は再分化率が非常に低く、本実験系では利用できないと考えられた。"川野夏ダイダイ"は"シークァーサー"とともに強勢台木として利用されているが、今回供試したミカン亜科植物の中では最も重イオンビーム照射の影響を受けにくいことが明らかになった。また、"ニンポーキンカン"の樹勢は弱いが照射の影響を受けにくいことが分かった。
長谷 純宏; 鳴海 一成; 田中 淳; 岡村 正愛*; 竹下 大学*
no journal, ,
放射線による突然変異は全体としてはランダムに生じるものである。したがって、突然変異を利用した植物育種においては、求める形質を持つ変異体を獲得するために、できるだけ数多くの変異集団を扱う必要がある。もし求める形質を持つ変異体を特異的に誘発することができれば、突然変異育種の効率化において極めて有効である。植物はストレス等の外的要因によって色素の蓄積が促進されることが知られている。色素の蓄積が促進された組織では、色素の生合成にかかわる遺伝子群が活発に発現しているものと考えられる。もし遺伝子の発現状態が変異率に影響するとすれば、色素の蓄積が促進された状態で放射線を照射すると、色素の生合成を支配する遺伝子群の変異頻度が向上すると考えられる。そこで本研究では、実用園芸植物であるペチュニアを材料として、照射前処理による色素蓄積の促進が、花色変異体獲得頻度にどのように影響するかを調査した。花色変異体の獲得頻度が向上するメカニズムについてはまだ不明な点が多いが、本研究の結果は、突然変異の方向性をある程度制御できることを明確に示すものである。