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田村 和久; 阿久津 和宏*; Cagnes, M.*; Darwish, T. A.*
ECS Advances (Internet), 1(2), p.020503_1 - 020503_5, 2022/06
中性子反射率測定によりイオン液体/Si電極界面の構造を調べた。部分的に重水素化した1-butyl-3-methylimidazolium bis(trifluoromethylsulfonyl)amide ([BMIM]TFSA)を用いて、[BMIM]TFSA/Si(100)界面における、イオン液体分子の配向を調べた。実験結果は、負に帯電しているSi(100)電極表面では、電極表面に吸着しているイオン液体分子は、表面に平行に配向していることが分かった。
北村 徳隆*; Wimmer, K.*; 宮城 宇志*; Poves, A.*; 清水 則孝*; Tostevin, J. A.*; Bader, V. M.*; Bancroft, C.*; Barofsky, D.*; Baugher, T.*; et al.
Physical Review C, 105(3), p.034318_1 - 034318_17, 2022/03
被引用回数:2 パーセンタイル:49.92(Physics, Nuclear)Mgは中性子魔法数20が消滅する中性子過剰核のモデルケースとして有名な原子核であるが、約1MeVという低い励起エネルギーにある励起状態の性質が未だに謎に包まれているなど、その構造は未解明な点が多い。この原子核の励起構造を解明するため、米国国立超伝導サイクロトロン研究所にてMgからの1中性子ノックアウト、Siからの2陽子ノックアウト反応でMgの励起状態を生成し、そこからの脱励起ガンマ線の測定によってその準位構造を得た。得られた約20本のエネルギー準位を殻模型計算による理論と比較した。低い励起状態の存在を再現する計算によって予言されていた強い生成強度をもった状態は存在せず、その状態がない古い理論の方が全体的な傾向をよく再現した。その結果、励起状態の謎は依然、解明されずに残ることとなった。
北村 徳隆*; Wimmer, K.*; Poves, A.*; 清水 則孝*; Tostevin, J. A.*; Bader, V. M.*; Bancroft, C.*; Barofsky, D.*; Baugher, T.*; Bazin, D.*; et al.
Physics Letters B, 822, p.136682_1 - 136682_7, 2021/11
被引用回数:6 パーセンタイル:70.39(Astronomy & Astrophysics)ミシガン州立大学の国立超伝導サイクロトロン研究所にて、中性子過剰核Mgの励起状態をMgからの1中性子ノックアウト反応およびSiからの2陽子ノックアウト反応によって生成し、そこからの脱励起ガンマ線をGRETINA検出器を用いて観測した。Mgは中性子魔法数20が消失していることが古くから知られている原子核であるが、10年ほど前に理論予想よりもはるかに低い励起エネルギーに状態が出現することがわかり、その核構造は完全には解明されていない。この実験で得られた生成断面積を理論計算と比較したところ、状態の位置を再現する最近の理論計算で予言される、励起エネルギー2MeV以下の大きな断面積は実験では得られず、状態の位置を再現しない古い理論計算に近い断面積分布となることがわかった。この結果から、Mgの低い状態の謎は未だに残されたままとなった。
北村 徳隆*; Wimmer, K.*; 清水 則孝*; Bader, V. M.*; Bancroft, C.*; Barofsky, D.*; Baugher, T.*; Bazin, D.*; Berryman, J. S.*; Bildstein, V.*; et al.
Physical Review C, 102(5), p.054318_1 - 054318_13, 2020/11
被引用回数:4 パーセンタイル:44.35(Physics, Nuclear)Mgは中性子数20の魔法数が消滅する原子核としてよく知られているMgの2中性子少ない系であり、魔法数消滅のメカニズムを解明する重要な情報を与える原子核である。この研究では、ミシガン州立大学のサイクロトロンを用いてMgからの中性子ノックアウト反応によってMgを生成し、そのガンマ線分光から構造を探求した。変形の小さなバンドと変形の大きなバンドの他に負パリティ状態と見られるエネルギー準位が得られ、それらの分光学的因子が導かれた。その結果を大規模殻模型計算と比較したところ、エネルギー準位はよく再現するものの、分光学的因子の一部に不一致があり、より正確な記述という観点からは理論に課題があることがわかった。
阿久津 和宏*; Cagnes, M.*; 田村 和久; 金谷 利治*; Darwish, T. A.*
Physical Chemistry Chemical Physics, 21(32), p.17512 - 17516, 2019/08
被引用回数:11 パーセンタイル:56.34(Chemistry, Physical)本研究で、イオン液体中で形成される電気二重層の構造を決定するための、重水素化技術と中性子反射測定を組み合わせた手法を確立した。そのために、本研究において、選択的に簡素かつ大量に重水素化する方法を開発した。
天本 一平; 小林 秀和; 北村 直登*; 武部 博倫*; 三田村 直樹*; 都築 達也*; 深山 大元*; 長野 祐一*; Jantzen, T.*; Hack, K.*
Journal of Nuclear Science and Technology, 53(10), p.1467 - 1475, 2016/10
被引用回数:4 パーセンタイル:28.09(Nuclear Science & Technology)福島第一原子力発電所の汚染水処理で発生した汚泥(スラッジ)の廃棄体化技術候補の一つとして、ガラス固化法に着目し、鉄リン酸塩ガラス(IPG)媒体を用いたスラッジ固化処理の適用性について検討を行っている。同検討を進めるにあたり、解析に必要とされる熱物性等のデータを充実させる必要があるが、高温雰囲気において、さまざまな成分と組成のIPG及び模擬廃棄体を作製し、それぞれに対して、多くの物性値を測定することは、時間と困難さを伴う作業となる。よって、理論解析により対象物質の挙動を推測することにより試験件数を減らし、データ取得を行った方が合理的である。本報では、既知の実験状態図から、CALPHAD法により熱力学的諸量を推算し、得られた結果を利用してIPG及び廃棄体の計算状態図を作成するとともに、同状態図から読み取ることのできる均質融体を形成するための情報と実験値との比較評価を行い、計算状態図の妥当性を確認することができた。
榊 泰直; 西内 満美子; 前田 祥太; 匂坂 明人; Pirozhkov, A. S.; Pikuz, T.; Faenov, A.*; 小倉 浩一; 深見 智代; 松川 兼也*; et al.
Review of Scientific Instruments, 85(2), p.02A705_1 - 02A705_4, 2014/02
被引用回数:2 パーセンタイル:11.15(Instruments & Instrumentation)高強度レーザーとプラズマの相互作用によるイオン発生において、電子特性の計測は不可欠である。そのため、様々な計測手法が提案されているが、今回我々は、光核中性子反応による中性子を計測することで、精度よく電子特性の計測を行う新規性の高い手法を提案する。この手法は、イオン加速エネルギー計測と共にピークパワー110W/cmのJ-KARENレーザーによって実証された。イオン加速エネルギーと本手法による計測結果は極めて相関をもつことがわかり、改良を重ねて行けば非常に良い計測器になり得ることがわかった。
廣岡 瞬; 加藤 正人; 田村 哲也*; Nelson, A. T.*; McClellan, K. J.*; 鈴木 紀一
Proceedings of International Conference on Fast Reactors and Related Fuel Cycles; Safe Technologies and Sustainable Scenarios (FR-13) (USB Flash Drive), 8 Pages, 2013/03
MOX燃料ペレット製造工程の研究開発として、熱天秤とX線回折によってMOX粉末の酸化還元挙動を調べた。酸化限界は温度やPu含有量とともに低くなることが観察された。酸化は2段階のステップで起こることが確認され、酸素不定比性としての安定性が観察された。等温酸化から、酸化速度が評価された。還元について、MO+MO相の還元が起こる温度は、MO相の還元が起こる温度より高いことが確認され、MOの還元はMOの存在により妨げられることが確認された。また、昇温による還元の結果から、活性化エネルギーが評価された。これらのデータは、MOX粉末の貯蔵やペレット製造におけるO/M比調整技術に貢献される。
Kollryd, T.*; Romas, A.*; Porter-Peden, M.*; 竹本 紀之; 木村 伸明; 大岡 誠; 神永 雅紀; 石塚 龍雄*; 田村 一雄*
Proceedings of 5th International Symposium on Material Testing Reactors (ISMTR-5) (Internet), 9 Pages, 2012/10
国内外の原子力人材育成や原子炉及び照射設備の運転員の技術力向上を目的として、照射試験炉シミュレータを開発した。本シミュレータは、熱出力50MWである軽水減速冷却タンク型の材料試験炉JMTRをベースに設計を行った。開発においては、炉心の核特性を高精度かつリアルタイムに模擬するため、REMARKコードを適用し、3次元かつ時間依存の4群拡散理論に基づく核計算モデルを構築した。原子炉冷却系統においても、高精度な解析が必要な炉心部については、RELAP5-HDコードを用いて、時間依存かつ3次元の熱水力モデルを構築した。核計算モデルは、熱水力モデルと相互に作用するように接続している。すなわち、核計算モデルからは出力を減速材に伝え、熱水力モデルからは核計算モデルに熱水力のフィードバックを伝える。炉心部外については、JTopmeretコードを用いて簡略化した熱水力モデルを構築した。これらにより、照射試験炉の核的及び熱的挙動の忠実、かつ、リアルタイムシミュレーションを可能にした。本シミュレータは、平成24年より供用を開始し、原子力人材育成のための研修に活用している。
山崎 千里*; 村上 勝彦*; 藤井 康之*; 佐藤 慶治*; 原田 えりみ*; 武田 淳一*; 谷家 貴之*; 坂手 龍一*; 喜久川 真吾*; 嶋田 誠*; et al.
Nucleic Acids Research, 36(Database), p.D793 - D799, 2008/01
被引用回数:52 パーセンタイル:71.15(Biochemistry & Molecular Biology)ヒトゲノム解析のために、転写産物データベースを構築した。34057個のタンパク質コード領域と、642個のタンパク質をコードしていないRNAを見いだすことができた。
伊藤 集通; 荒巻 能史; 北村 敏勝; 乙坂 重嘉; 鈴木 崇史; 外川 織彦; 小林 卓也; 千手 智晴*; Chaykovskaya, E. L.*; Karasev, E. V.*; et al.
Journal of Environmental Radioactivity, 68(3), p.249 - 267, 2003/07
被引用回数:41 パーセンタイル:62.77(Environmental Sciences)1997-2000年の期間、日本海の海水中におけるSr,Cs並びにPuが計測された。放射性核種濃度の鉛直分布は、SrとCsでは表層から深度方向に指数関数的減衰を示し、Puでは表層最小,中層最大となっていて、それぞれ典型的分布を示した。過去の測定例と比較しても本質的な差異は検出されなかった。また、日本海における緯度帯別平均濃度及びインベントリは北西太平洋に比べ高くなっていた。さらに空間分布では、高インベントリ域が日本海盆側から大和海盆へ貫入している様子が描かれた。このことは、日本海盆で鉛直輸送された放射性核種が大和堆を迂回後に大和海盆に入り、日本海の深層水中に放射性核種が蓄積されていることを示唆するものである。
奥村 進; 荒川 和夫; 福田 光宏; 中村 義輝; 横田 渉; 石本 貴幸*; 倉島 俊; 石堀 郁夫; 奈良 孝幸; 上松 敬; et al.
AIP Conference Proceedings 600, p.330 - 332, 2001/00
JAERI AVFサイクロトロンにおいて、ビーム電流を長時間一定に保つにはしばしば磁場調整が必要となっている。NMRプローブによる磁場測定と白金測温抵抗体による温度測定から、磁場と電磁石の鉄心温度との間に相関関係があることがわかった。メインコイルからの熱が主な原因となって鉄心温度が上昇し、ビームの不安定現象を引き起こしている。鉄心への熱を遮断するために鉄心とメインコイル間に温度制御した銅板を挿入した。それに加えて、ポール先端温度を独立に制御するために、トリムコイルの冷却水温度制御系を独立化した。磁場安定化のために、これら温度制御系の最適運転条件を見いだした。
奥村 進; 倉島 俊; 石本 貴幸*; 横田 渉; 荒川 和夫; 福田 光宏; 中村 義輝; 石堀 郁夫; 奈良 孝幸; 上松 敬; et al.
Proceedings of 13th Symposium on Accelerator Science and Technology, p.283 - 285, 2001/00
サイクロトロンの磁場の変化によるビームの不安定性が近年大きく取り上げられている。前回の本研究発表会では、原研AVFサイクロトロンにおいては運転開始後、電磁石ヨークが主にメインコイルの放熱により数十時間にわたって上昇を続け、このためにビーム電流が減少することを突き止めたことを報告した。その後、さらに詳細なヨーク温度の分布泳ぎ磁場強度の時間変化を測定するとともに、熱解析コードによるシミュレーションも加えて検討した結果、主な熱源がメインコイルとトリムコイルであることを明らかにした。これに基づいて、メインコイルの放熱を断熱する装置と、ハーモニックコイルの温度をコイル電流に依らずに一定にする装置を設置した。試験運転では、運転開始50時間後もビーム電流を初期値の90%に保つという良好な結果を得た。一方で、これまで見えなかったサイクロトロン室の空気温度の影響が現れるなどの問題も出てきた。
秦野 歳久; 佐藤 聡; 橋本 俊行*; 喜多村 和憲*; 古谷 一幸; 黒田 敏公*; 榎枝 幹男; 高津 英幸
Journal of Nuclear Science and Technology, 35(10), p.705 - 711, 1998/10
被引用回数:1 パーセンタイル:15.02(Nuclear Science & Technology)核融合炉における遮蔽ブランケットの第一壁は、アルミナ分散強化銅の熱シンク層とステンレス鋼の冷却管を拡散接合の一種であるHIP接合により一体化する複合構造を有する。このような異材接合複合構造体の疲労寿命を評価するため、第一壁部分モデルをHIPにより製作し、低サイクル疲労試験を行った。全ての試験片において初期き裂はステンレスの冷却管内部に発生し、これは解析において得られた最大歪みの発生位置と一致した。試験及び解析結果の比較より第一壁HIP構造体の疲労寿命はステンレス母材の疲労データよりも長寿命側であることが明らかとなった。また、第一壁構造体のHIP接合部の疲労寿命も材料試験で得られた疲労データよりも長寿命側であった。このことは、材料試験で得られる設計疲労曲線に基づいた第一壁疲労寿命が十分な安全率を有することを示唆しているものと考えられる。
三田村 久吉; 松本 征一郎; K.P.Hart*; 宮崎 崇*; E.R.Vance*; 田村 行人; 冨樫 喜博; White, T. J.*
Journal of the American Ceramic Society, 75(2), p.392 - 400, 1992/02
被引用回数:25 パーセンタイル:75.91(Materials Science, Ceramics)Na入り高レベル廃棄物のチタン酸塩セラミック固化体にCmを添加した試料は、加速年数9千年以降、亀裂の発生により見かけの密度が大きくなり、加速年数10万年での密度減少は3.4%に達した。加速年数が進んだ試料に亀裂が発生すると、NaとCsの浸出率は粒界ガラス相の溶解によって支配されるようになり、同時にこの相に取り込まれていたSrの浸出率も増加した。亀裂による破壊面が浸出液に曝され、粒界ガラス相が溶出した後は、可溶性元素の浸出率はそれぞれの母相の溶解によって支配されていた。固化体の化学的耐久性は、亀裂に伴う有効表面積の増加と反跳核によるペロブスカイト相の放射線損傷によって劣化し、これらの合成効果により、加速年数3万1千年試料からのNa,Csの浸出率が~10倍、Sr,Caの浸出率が~100倍大きくなった。Cmの浸出率は、浸出液のpHが高くなったことにより、逆に減少した。
S.IWAI*; M.ISHII*; Nozawa, Masao*; Tamura, T.*; Abe, Y.*; A.TERAMOTO*; M.AKIYAMA*
ANL-7520 PART-II, p.121 - 129, 1968/00
抄録なし
天本 一平; 小林 秀和; 山下 照雄; 永井 崇之; 北村 直登*; 武部 博倫*; 三田村 直樹*; 都築 達也*; 深山 大元*; 長野 祐一*; et al.
no journal, ,
これまで理論計算によるPO-FeOx(X=2, 3)系の詳細な状態図は作図できなかったため、Brow等の研究をもとに、熱力学的諸量を推算し、PO-FeOx系状態図を作成可能にした。さらに得られたデータを用いてリン酸塩ガラスを熱力学的観点から考察したところ、実験値とほぼ合致することを確認することができた。
八巻 徹也; Nuryanthi, N.*; 越川 博; 浅野 雅春*; 澤田 真一; 喜多村 茜; 前川 康成; Kay-Obbe, V.*; Severin, D.*; Seidl, T.*; et al.
no journal, ,
本研究では、より速く効率的にポリフッ化ビニリデン(PVDF)イオン穿孔膜を作製することを目指し、"その場"かつ"オンライン"分析によって、潜在飛跡内に存在する化学種の構造や反応性を調べた。その結果、照射と同時に生成したラジカルを介して、PVDF鎖中および切断末端の不飽和結合が主に生成することがわかった。このような飛跡内の生成物にのみ作用しエッチングを加速するための改質過程として、潜在飛跡の酸化に着目したエッチング前処理法を提案できた。この手法は、飛跡内に不飽和結合が形成されるすべての高分子に適用できると考えられることから、PVDF以外のフッ素系高分子からなるイオン穿孔膜の実現可能性についても展望する。