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立石 良*; 島田 耕史; 清水 麻由子; 植木 忠正*; 丹羽 正和; 末岡 茂; 石丸 恒存
応用地質, 62(2), p.104 - 112, 2021/06
本研究では、国内における活断層と非活断層の断層ガウジの化学組成データを用いた線形判別分析による両者の判別を試み、両者の違いを表す元素と、より良い判別式について検討した。その結果、得られた複数の判別式が両者を高確率で判別できることが分かった。また、判別式の汎用性に関する検討を行い、未知試料に対する判別能力が高いと予想される判別式を提示した。さらに、これらの判別式に共通する元素の組合せから、活断層と非活断層の違いを表す元素を6つに絞り込むとともに、うち4つの元素が2組のセットとなっていること、両者の判別に最も寄与する元素はTiOとSrであることを示した。本研究で採用した方法は、岩盤中に分布する断層において普遍的に存在する断層岩の化学分析により活断層を判別できる画期的なものである。今後、様々な地質や断層タイプのデータを増やすことで、より高い精度と汎用性を持つ判別式が得られるものと期待される。また本研究の成果は、断層活動による元素の移動メカニズムの解明に大きく貢献する。
丹羽 正和; 植木 忠正*; 星 博幸*; 杉崎 雄一*; 八木 公史*; 斗澤 皓正
地質学雑誌, 126(9), p.543 - 548, 2020/09
火山岩の形成年代の情報を得ることは、地層処分のサイト特性調査や安全評価などにおいて火山活動の影響を把握する上でも重要となる。K-Ar法は火山岩の形成年代を知るための代表的な放射年代測定法であるが、火山岩が変質していると、確度の高い年代値を得ることはしばしば困難となる。本研究では、中新世の西南日本の時計回り回転に係る重要な古地磁気学的情報を有している安山岩岩脈について、詳細な偏光顕微鏡観察と鉱物・化学分析により、著しい変質を被っておらず、岩脈貫入前のマグマ中で晶出したものと判断される鉱物を選定した。本論文は、それらの鉱物に対してK-Ar年代を実施し、岩脈の形成年代を推定した内容について報告したものである。
丹羽 正和; 植木 忠正*; 星 博幸*; 杉崎 雄一*
JAEA-Research 2020-003, 33 Pages, 2020/07
火山岩の形成年代の情報を得ることは、地層処分のサイト特性調査や安全評価などにおいて火山活動の影響を把握する上でも重要となる。本報告書では、変質した火山岩から正確なK-Ar年代値を得るための測定対象を適切に選定するために実施した、火山岩の偏光顕微鏡記載および鉱物・化学分析の結果をデータとして取りまとめた。また、火山岩の主要な斑晶鉱物の一つである斜長石の新鮮な鉱物を高純度で集めるための、凍結融解処理や塩酸処理などの手法についても報告書に取りまとめた。
石丸 恒存; 尾方 伸久; 島田 顕臣; 浅森 浩一; 國分 陽子; 丹羽 正和; 渡邊 隆広; 雑賀 敦; 末岡 茂; 小松 哲也; et al.
JAEA-Research 2018-015, 89 Pages, 2019/03
本報は、高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する研究開発のうち、深地層の科学的研究の一環として実施している地質環境の長期安定性に関する研究について、第3期中長期目標期間(平成27年度平成33年度)における平成29年度に実施した研究開発に係る成果を取りまとめたものである。第3期中長期目標期間における研究の実施にあたっては、最終処分事業の概要調査や安全審査基本指針等の検討・策定に研究成果を適宜反映できるよう、(1)調査技術の開発・体系化、(2)長期予測・影響評価モデルの開発、(3)年代測定技術の開発の三つの枠組みで進めている。本報告では、それぞれの研究分野に係る科学的・技術的背景を解説するとともに、主な研究成果及び今後の課題等について述べる。
植木 忠正; 丹羽 正和; 岩野 英樹*; 檀原 徹*; 平田 岳史*
地質学雑誌, 125(3), p.227 - 236, 2019/03
大田テフラに対比される岐阜県東濃地域の中津川I・II火山灰層から採取した2試料を用いて、同一ジルコン粒子に対するU-Pb年代とフィッション・トラック(FT)年代のダブル年代測定を行った。その結果、2試料の加重平均値として、U-Pb年代は3.940.07Ma、FT年代は3.97
0.39Maの年代が得られた。本研究の年代測定結果は既存研究のFT年代や古地磁気層序とも整合的であり、中部日本をはじめとする地域の下部鮮新統の広域層序と年代整理において重要な年代指標となると考えられる。
清水 麻由子; 佐野 直美; 植木 忠正; 小松 哲也; 安江 健一*; 丹羽 正和
Island Arc, 28(2), p.e12295_1 - e12295_13, 2019/03
被引用回数:3 パーセンタイル:12.86(Geosciences, Multidisciplinary)重鉱物には風化に強いものがあり、なかでも固溶体を成す重鉱物は同種の鉱物であっても、化学組成として後背地の岩体の情報を保持していることがある。そのため、重鉱物の種類や存在比に加えて化学組成を知ることは、後背地の岩体と砕屑物を対比する手法として極めて有効である。しかし、偏光顕微鏡を用いた重鉱物の同定では、多量の鉱物粒子を対象とするには非常に手間を要する。本研究では、電子プローブマイクロアナライザ(EPMA)を用いて鉱物の化学組成を分析し、同時に鉱物種の同定や存在比の計測も実施できる手法を構築した。さらにこの手法の有用性を確認するため、既に後背地の検討が進められている岐阜県東濃地域の東海層群土岐砂礫層の試料と、その後背地岩体と推定される基盤岩の試料(苗木・上松花崗岩,濃飛流紋岩)の分析を行い、既往研究と整合的な結果が得られることを確認した。このことから、本手法は後背地解析の手法として有効であると考えられる。
植木 忠正; 丹羽 正和
JAEA-Data/Code 2018-005, 94 Pages, 2018/08
山地の発達過程は、隆起量・侵食量に加え、動水勾配の変化に伴う地下水流動の長期的な変化にも影響を及ぼす要因となる。山地の隆起開始時期や発達過程を把握するための地質学的研究手法の一つとして、後背地解析がある。東濃地科学センターではこれまで、後背地を推定するための個別要素技術の整備を進めており、それらの適用性の確認として、中部日本東濃地域を対象とした事例研究を行ってきた。本報告書は、その事例研究の結果得られた基盤岩(珪長質火成岩類)の肉眼および顕微鏡下による岩石記載、および走査型X線分析顕微鏡による測定に基づく岩石表面の元素分布のデータを資料集として取りまとめたものである。
代永 佑輔; 清水 麻由子; 佐野 直美; 植木 忠正; 吉川 清盛*; 丹羽 正和
JAEA-Testing 2018-001, 29 Pages, 2018/07
高レベル放射性廃棄物などの地層処分における地質環境の長期変動に係る評価のうち、地形や地質構造の変化の評価に関しては、隆起速度と浸食量分布を把握することが不可欠である。そのための有効な手法の一つとして、後背地解析技術がある。東濃地科学センターでは後背地解析に係る個別要素技術開発として、電子プローブマイクロアナライザ(EPMA: 日本電子株式会社製JXA-8530F)による化学組成分析に基づき砕屑物や基盤岩中に存在する重鉱物組成を迅速かつ効率よく推定するための「重鉱物スクリーニング」を実施している。本稿では、重鉱物スクリーニングにおける試料の前処理およびEPMA分析の手順を報告する。
植木 忠正; 丹羽 正和
地質学雑誌, 123(12), p.1061 - 1066, 2017/12
従来のポイントカウンティング法によるモード測定は時間がかかり、測定者の鉱物判別の技量や主観によって結果が左右されるという課題がある。本研究では、より容易で測定者の技量や主観によらない新たなモード測定の手法として、走査型X線分析顕微鏡と画像処理・解析ソフトウェアを用いた手法を紹介する。この手法によって薄片または研磨片の測定を行うことで、花崗岩質岩の鉱物分布図とモード組成を迅速かつ効率的に取得することが可能となった。
植木 忠正; 田辺 裕明*; 丹羽 正和; 石丸 恒存; 島田 耕史
JAEA-Data/Code 2016-010, 292 Pages, 2016/09
本研究は、高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する研究開発のうち、深地層の科学的研究の一環として実施している地質環境の長期安定性に関する研究の主要な研究課題の一つである、断層の活動性に係る調査技術の開発・体系化を目的としている。断層の活動性評価は、断層を被覆する上載地層のずれに基づいて行われることが多いが、基盤岩中のボーリングコアや地下坑道掘削中に遭遇した断層のように上載地層の変位が確認できない状況では、断層の最新活動時期の推定は難しい。今回、花崗岩中の粘土脈(粘土が充填した割れ目)を対象に、断層の活動性を評価する手法の開発に資することを目的として、露頭記載,薄片観察,研磨片の元素マッピング,X線回析分析,粒径分析、および石英粒子の分析(電子顕微鏡による表面構造観察および電子スピン共鳴信号測定)を実施した。本データ集は、これらの結果を取りまとめ、報告するものである。
末岡 茂; 小松 哲也; 松四 雄騎*; 代永 佑輔; 佐野 直美; 平尾 宣暁*; 植木 忠正; 藤田 奈津子; 國分 陽子; 丹羽 正和
no journal, ,
宇宙線生成核種法を用いて、宮崎県日向市沿岸に分布する海成侵食段丘の離水年代を推定した。試料は、段丘面上で掘削したピットで観察された、基盤岩上面の礫層から採取した。段丘面の離水後に被覆層が一定速度で堆積したと仮定すると、Be濃度の測定値はMIS5aの離水と整合的となった。今後は、構成物質の密度の検討や、異なる深度における
Beの測定により、年代推定の確度を向上させる予定である。
渡邊 隆広; 奈良 郁子*; 植木 忠正*; 土屋 範芳*
no journal, ,
地層中の津波堆積物を用いて過去に繰り返し発生した歴史津波の規模を明らかにすることにより、将来起こりうる津波災害の防災、減災につなげる試みが検討されている。津波堆積物とその他の堆積層を区別するため試料の化学組成が用いられている。津波堆積物の化学分析については、迅速かつ大量の試料を処理する必要がある。しかし、陸域の堆積物はかく乱されるケースが多く、かつ堆積環境が不安定であるため、堆積物の組成は単純ではない。広範囲において適用できる汎用的な化学分析手法および解析手法は未だ確立されていない。そこで本研究では、走査型X線分析顕微鏡を用いた津波堆積物の化学分析手法および得られたデータの解析手法について検討結果を報告する。測定結果は、既報の蛍光X線分析による化学組成データとよく一致しており問題なくデータの蓄積が可能であることが示された。各元素のX線強度の主成分分析を実施した結果、形成過程の異なる津波堆積物砂層と浜堤堆積物砂層の区別ができる可能性が示唆された。今後はより明確に区別するため、多地点のデータの蓄積が必要になる。
植木 忠正; 清水 麻由子; 佐野 直美; 丹羽 正和
no journal, ,
後背地解析では、供給源と考えられる岩体と流域の砕屑物の地質情報を比較することが基本となる。本研究では岐阜県東濃地域を事例対象とし、山間部に分布する岩石に対し後背地解析の指標として有効な地質情報の検討を行った。記載岩石学的手法に基づく検討、ジルコンの化学組成分析に基づく検討、ジルコン中の包有物を用いた検討を行い、その結果、同岩種の岩石に対してもそれぞれの岩石固有の特徴があることを確認した。このような岩石のマグマプロセスの違いに基づく特徴は、後背地解析の指標として有効な情報となる可能性があると考えられる。
清水 麻由子; 佐野 直美; 植木 忠正; 代永 佑輔; 丹羽 正和
no journal, ,
山地の下流域に分布する砕屑物の後背地解析は、山地の形成過程を把握するうえで特に有用な手法の一つである。放射性廃棄物の地層処分に係る地質環境の予測・評価において考慮すべき因子の一つである地下水流動は、十万年を超えるようなタイムスケールでは、山地の形成に伴う地形変化の影響を受ける可能性がある。そのため過去から現在に至るまでの山地の形成に関する情報は、長期にわたる将来の地質環境を予測する上で重要である。重鉱物には風化に強いものがあり、なかでも固溶体を成す重鉱物は同種の鉱物であっても、化学組成として後背地の岩体の情報を保持していることがある。そのため、重鉱物の種類や存在比に加えて化学組成を知ることは、後背地の岩体と砕屑物を対比する手法として極めて有効である。しかし、偏光顕微鏡を用いた重鉱物の同定では、多量の鉱物粒子を対象とするには非常に手間を要する。このような背景のもとに、東濃地科学センターではこれまでに電子プローブマイクロアナライザ(EPMA)を用いて鉱物の化学組成を分析し、同時に鉱物種の同定や存在比の計測も実施できる手法の開発を進めてきた。本発表では、本手法の前処理や分析の手順について詳しく紹介する。
清水 麻由子; 佐野 直美; 植木 忠正; 代永 佑輔; 安江 健一*; 丹羽 正和
no journal, ,
Information about mountain formation is significant in the field of geological disposal of high-level radioactive waste, because this affects long-term fluctuation in groundwater flow system. Provenance analysis is one of effective approaches for understanding formation process of mountains. Chemical compositions of heavy minerals, as well as their chronological data, can be an index for identification of provenance rocks. The accurate identification requires the measurement of as many grains as possible. In order to achieve an efficient provenance analysis, we developed a method for quick identification of heavy minerals using an Electron Probe Micro Analyzer (EPMA). This method was applied to the sediments where provenance rocks had lithological variations but similar formation ages. Consequently, the provenance rocks were identified based on chemical compositions of heavy minerals resistant to weathering, such as zircon and ilmenite.
植木 忠正; 丹羽 正和; 代永 佑輔; 岩野 英樹*; 檀原 徹*
no journal, ,
東海地方に広く分布する鮮新世東海層群には多くのテフラが挟在しており、大田テフラはこのうち代表的な広域テフラである。そのため、大田テフラの年代決定は東海層群の層序と編年の確立に加え、中部日本における同時期の地層の広域対比においても重要である。本研究では、大田テフラの年代をより明確にする目的で、大田テフラ相当とされている岐阜県東濃地域に分布する中津川I・II火山灰層の2層準を対象として、同一ジルコンを用いたU-Pb年代測定およびフィッション・トラック年代測定を行った。その結果、U-Pb年代は3.780.1Ma、3.90
0.11Maの年代が得られた。フィッション・トラック年代は3.74
0.24Ma、4.11
0.27Maの年代が得られた。これらの年代はテフラの噴出年代であると考えられ、先行研究でのFT年代値とも整合する。この結果は大田テフラの年代決定において先行研究を補完し、中部日本の鮮新統の広域層序と年代整理の上で重要な手がかりとなると考えられる。
植木 忠正; 横山 立憲
no journal, ,
北アルプス北東部、仁科山地に分布する青木花崗岩は、高温で水に乏しい火成活動で形成された岩石である。白亜紀-古第三紀の珪長質火成活動の時空変遷は多くの研究から議論されているが、このような特異な火成活動を議論するには、活動年代の情報が不可欠である。本研究では、土岐地球年代学研究所におけるLA-ICP-MSを用いたU-Pb年代測定技術の整備の一環として、青木花崗岩のジルコンU-Pb年代測定を行った。その結果、ディスコーダント粒子を除いた26粒子の加重平均年代は65.70.8Maとなった。高温のマグマから形成された青木花崗岩において、閉鎖温度の高いジルコンU-Pb年代は火成活動の年代を示すと考えられる。また、この年代値は周辺の火成岩類の既存研究での年代値とも矛盾しない。この結果は、白亜紀-古第三紀火成活動の時空変遷の議論において重要と考えられる。
植木 忠正; 丹羽 正和
no journal, ,
岩石の割れ目を充填して形成された粘土脈や鉱物脈の顕微鏡観察、粒子の化学組成測定は、その形成プロセスや物質の移行を研究する上で重要な情報をもたらすものである。本研究では、粘土脈の見られる新第三紀砂岩試料から、化学組成測定のための薄片作製を行った。薄片作製前に走査型X線分析顕微鏡による面分析で試料表面に確認されたClが、作製後は消失していたことから、再作製においては(1)回転研磨盤は低速度にして摩擦熱の発生を抑える、(2)樹脂包埋は常温で行う、(3)研磨には潤滑油を用いずに行う、(4)最終仕上げはラッピングフィルムを用いる、という手順に変更した。その結果、一部の粘土脈でClが確認され、化学組成測定に供することができた。
立石 良*; 島田 耕史; 植木 忠正; 清水 麻由子; 小松 哲也; 末岡 茂; 丹羽 正和; 安江 健一*; 石丸 恒存
no journal, ,
活断層は、現在の地形及び第四紀の被覆層の変位・変形により認定される。しかし、第四紀の被覆層が存在しない場合、そこにある断層が活断層であるかそうでないかの決定は非常に困難となる。本研究では、国内における活断層と非活断層の断層ガウジの化学組成データを変量とした多変量解析を行い、断層活動の有無の判別を試みた。その結果、活断層41試料と非活断層16試料の2群を、化学組成から正確に分ける一次式が複数得られた。更に、これらの一次式に共通する元素の組合せから、活断層と非活断層の違いを表す元素を6つに絞ることができた。この6元素は、今後「なぜ活断層と非活断層の断層ガウジの化学組成が異なるのか」という本質的議論の鍵となる可能性がある。
竹内 真司*; 倉田 力*; 丹羽 正和; 植木 忠正
no journal, ,
日本列島の地質の基盤の大部分は付加体で構成されていると考えられることから、高レベル放射性廃棄物の地層処分のサイト選定において付加体は無視できないと考えられる。付加体中には断層などの不連続構造が多数存在するため、放射性物質は地下水とともに不連続構造中を移行することが懸念される。このため、付加体中の不連続構造が有する物質移行上の特徴を理解することが重要である。本研究では、新第三紀および先新第三紀付加体中に観察される断層などの不連続構造を含む試料を採取し、地質学的な観察や室内透水試験などを行い、亀裂物質移行上の特徴について検討した。その結果、新第三紀付加体中の面なし断層は物質移行上のバリアとなることが期待されること、先新第三紀付加体中の鱗片状へき開が選択的な物質移行上の経路となり得ることが明らかになった。以上の結果を踏まえて、付加体中の不連続構造における物質移行上の特性を示す概念モデルを構築した。