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佐野 成人; 山下 直輝; 渡邊 勝哉; 塚田 学*; 星野 一豊*; 平井 功希; 池上 雄太*; 田代 信介; 吉田 涼一朗; 畠山 祐一; et al.
JAEA-Technology 2023-029, 36 Pages, 2024/03
廃棄物安全試験施設(WASTEF)においては、令和元年度に原子力科学研究所内の第4研究棟よりガンマ線照射装置「ガンマセル220」を移設し、ガンマ線照射利用が開始された。当初は本装置の所有者である安全研究センター燃料サイクル安全研究ディビジョン サイクル安全研究グループがメインユーザーとして試験を実施していたが、令和4年度以降、日本原子力研究開発機構外部も含む他のユーザーの利用も開始された。ガンマ線照射装置「ガンマセル220」は、カナダNordion International Inc.製であり、平成元年度に購入してから、内蔵されるCo線源の線源更新を1回実施し、核燃料サイクル等に係る安全研究の目的で、今日まで利用されている。本報告書は、ガンマ線照射装置「ガンマセル220」設備概要、WASTEFにおける許認可、利用状況、保守点検及び今後の展望についてまとめたものである。
宇佐美 晋; 岸本 安史*; 谷中 裕; 前田 茂貴
JAEA-Technology 2018-003, 97 Pages, 2018/07
最新のJENDL-4.0ベースの核データライブラリを適用し、現実的な炉心運用方法を反映するとともに、合理的な保守性を有するように評価条件を設定して、高速増殖原型炉もんじゅの重大事故防止対策の有効性評価に用いる崩壊熱について評価した。「FP崩壊熱」、「Cm等崩壊熱」及び「構造材崩壊熱」はFPGSにより計算し、「U-239, Np-239崩壊熱」は「ANSI/ANS-5.1-1994式」により計算し、各々の崩壊熱の不確かさは、不確かさ要因の積上げ、「もんじゅ」性能試験の反応率C/E等に基づき評価した。また、FPGS90による崩壊熱評価手法の妥当性について、高速実験炉「常陽」MK-II炉心の2体の使用済MOX燃料集合体の崩壊熱測定結果との比較に基づき確認した。
高野 和也; 丸山 修平; 羽様 平; 宇佐美 晋
Proceedings of Reactor Physics Paving the Way Towards More Efficient Systems (PHYSOR 2018) (USB Flash Drive), p.1725 - 1735, 2018/04
2010年に実施した、もんじゅ炉心確認試験における炉心反応度の照射依存性について評価した。ゼロ出力で実施した炉心確認試験において、Puの崩壊に伴う反応度低下以外に、照射量増加に伴う正の反応度増加を確認した。照射依存の反応度増加は炉心確認試験開始から約1ヶ月(10 fissions/cm)でほぼ飽和する。照射依存の反応度増加は、自己照射損傷に伴い蓄積した格子欠陥が炉心起動中の核分裂片照射により回復したことに起因すると仮定すると、運転前にMOX燃料に蓄積した自己照射損傷に伴う格子欠陥の約47%が回復したことに相当する。
谷中 裕; 竹越 淳; 岸本 安史*; 毛利 哲也; 宇佐美 晋
Progress in Nuclear Energy, 101(Part C), p.329 - 337, 2017/11
被引用回数:3 パーセンタイル:26.53(Nuclear Science & Technology)ナトリウム冷却高速炉における出力欠損反応度は燃焼欠損反応度と並び、炉心のPu富化度と制御棒本数を決める重要な設計パラメータとなっている。そのため、1994年から1995年にかけて実施された「もんじゅ」性能試験においても、これら特性値の測定が実施され、解析されてきた。直近の「もんじゅ」性能試験における出力係数測定試験に関する解析例としては、高野の論文がある。高野論文では考慮されていない最新の知見として、炉内温度分布の考慮、結晶拘束効果の考慮、対数平均温度の考慮、炉内膨張詳細化効果、最新の核データライブラリ(JENDL-4.0)の使用、測定値補正の精緻化がある。本研究では、これらの項目を全て考慮して、モデルの詳細化に伴う解析結果への影響を定量的に明らかにした。また、その結果、解析は実験を4.6%過大評価することがわかった。このバイアスについて、各種誤差要因以外の要因として炉心心湾曲効果を考慮した評価を行った結果、測定値と1.1%の差で一致した。これにより、出力上昇に伴う炉心湾曲効果が出力欠損反応度のような解析においては重要な要因である可能性が示唆された。
柳澤 務*; 宇佐美 晋; 前田 誠一郎
原子力年鑑2018, p.90 - 95, 2017/10
マイナーアクチノイド(MA)の核分裂反応は高速中性子領域で大きくなることから、MAの核変換には高速炉を用いるのが効率的であり、高速炉は、増殖によりウラン利用率を高めながらMAを核変換し、放射性廃棄物の量を低減して環境負荷を小さくできるため、原子力を持続的に利用できる特徴を有している。そこで、高速炉を利用した核種分離・変換を中心に、特に、高レベル廃棄物の減容化・有害度低減に向けた技術開発について、我が国及び仏国における取組みの経緯を述べた。また、高速炉へのMAの均質装荷法と非均質装荷法を用いたMA核変換技術開発の状況を述べるとともに、高速炉によるMA核変換の実績として、「常陽」、「もんじゅ」及び仏国フェニックス炉での実績をまとめた。さらに、酸化物燃料で均質にMAをリサイクルする方式を中心に、放射性廃棄物の減容化等に向けた燃料サイクル技術開発、すなわち、MAの分離技術開発、MA含有燃料の製造技術開発及びMA含有燃料の燃料開発について説明した。
谷中 裕; 岸本 安史; 毛利 哲也; 宇佐美 晋
Proceedings of International Conference on the Physics of Reactors; Unifying Theory and Experiments in the 21st Century (PHYSOR 2016) (USB Flash Drive), p.2610 - 2621, 2016/05
ナトリウム冷却高速炉における出力欠損反応度は燃焼欠損反応度と並び、炉心のPu富化度と制御棒本数を決める重要な設計パラメータとなっている。そのため、1994年から1995年にかけて実施された「もんじゅ」性能試験でも、これら特性値の測定が実施され、解析されてきた。直近の「もんじゅ」性能試験における出力係数測定試験に関する解析例としては、高野の論文がある。高野論文では考慮されていない最新の知見として、炉内温度分布の考慮、結晶拘束効果の考慮、対数平均温度の考慮、炉内膨張詳細化効果、最新の核データライブラリ(JENDL-4.0)の使用、測定値補正の精緻化がある。本研究では、これらの項目を全て考慮して、モデルの詳細化に伴う解析結果への影響を定量的に明らかにした。また、その結果、解析は実験を8.1%過大評価することがわかった。このバイアスは、各種誤差要因に基づく差異だけでは説明できなかった。そこで、炉心湾曲効果を考慮した評価を行った結果、2.9%の過大評価に削減された。これにより、出力上昇に伴う炉心湾曲効果が重要な要因である可能性が示唆された。
宇佐美 晋; 岸本 安史; 谷中 裕; 前田 茂貴
Proceedings of International Conference on the Physics of Reactors; Unifying Theory and Experiments in the 21st Century (PHYSOR 2016) (USB Flash Drive), p.3263 - 3274, 2016/05
本論文は、高速実験炉「常陽」のMK-II炉心における2体の使用済MOX燃料集合体の崩壊熱測定結果との比較、及び類似コードのORIGEN2.2による計算結果との比較により、JENDL-4.0ライブラリ等の最新の核データライブラリを用いたFPGS90コードの新たな崩壊熱評価手法の妥当性を確認した結果について述べたものである。また、崩壊熱評価手法の合理的な不確かさ幅を評価して設定した。使用済MOX燃料集合体の崩壊熱測定値は、40日から729日の間の冷却時間で、144524Wから1589Wの範囲であった。JENDL-4.0ライブラリベースのFPGS90による崩壊熱計算値(C)は、その測定値と計算誤差の範囲内で一致し、そのC/E値は1.01から0.93の範囲であった。また、FPGS90コードは、ORIGEN2.2コードよりも崩壊熱を約3%大きく評価し、ORIGEN2.2コードと比較して崩壊熱C/E値の改善が見られた。さらに、JENDL-4.0ライブラリベースのFPGS90コードによる崩壊熱C/E値は、JENDL-3.2ライブラリベースに比べて改善し、このライブラリの改善効果への反応断面積の寄与は、崩壊データ及び核分裂収率データライブラリの寄与に比べて支配的であることがわかった。
奥村 義和; Gobin, R.*; Knaster, J.*; Heidinger, R.*; Ayala, J.-M.*; Bolzon, B.*; Cara, P.*; Chauvin, N.*; Chel, S.*; Gex, D.*; et al.
Review of Scientific Instruments, 87(2), p.02A739_1 - 02A739_3, 2016/02
被引用回数:8 パーセンタイル:37.19(Instruments & Instrumentation)IFMIFは40MeV/125mAの重水素ビームを発生する2基の線形加速器を用いた核融合材料照射施設である。日欧の幅広いアプローチ活動のもとで、原型加速器(LIPAc)を用いた実証試験が開始されており、その目標は9MeV/125mAの連続重水素ビームを発生することである。フランスで開発された入射器は、既に日本の六ヶ所の国際核融合研究開発センターに搬入され、2014年から運転と試験が開始されている。これまでに、100keV/120mAの連続水素ビームを0.2.mm.mradのエミッタンスのもとで生成することに成功している。
奥村 義和; Ayala, J.-M.*; Bolzon, B.*; Cara, P.*; Chauvin, N.*; Chel, S.*; Gex, D.*; Gobin, R.*; Harrault, F.*; Heidinger, R.*; et al.
Proceedings of 12th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.203 - 205, 2015/09
日欧協力のもと、国際核融合中性子照射施設(IFMIF)の工学設計工学実証活動(EVEDA)が2007年から開始されている。IFMIFにおける最大の開発課題は、40MeV/250mA/CWの重水素イオンビームを発生できる大電流加速器であり、現在、その原型加速器(9MeV/125mA/CW)の試験を六ヶ所村の国際核融合研究センターにおいて段階的に実施している。試験は日欧の事業チームメンバーと、入射器を担当したフランスサクレー研究所などの欧州ホームチーム,日本ホームチームのメンバーから構成される原型加速器統合チームが担当している。入射器については、2014年から試験を開始し、現在までに100keV/120mA/CWの水素イオンビームを0.3mm.mrad以下のエミッタンスで生成することに成功している。2015年には、高周波四重極加速器(RFQ)用高周波電源の搬入据付が開始され、入射器の試験の終了とともにRFQ本体の据付も開始される予定である。本稿では、入射器の実証試験の結果とともに、RFQ,超伝導リニアック,高周波電源,ビームダンプ等の現状について報告する。
竹田 敏一*; 宇佐美 晋; 藤村 幸治*; 高桑 正行*
Proceedings of 21st International Conference & Exhibition; Nuclear Fuel Cycle for a Low-Carbon Future (GLOBAL 2015) (USB Flash Drive), p.560 - 566, 2015/09
本研究は、環境負荷低減のための研究開発国家プロジェクトの一環として2013年に開始されたものである。Na冷却型高速炉における効率的かつ安全なMA核変換技術の確立を目指しており、核変換効率と安全性を両立させる炉心概念の構築を、関連核特性の予測精度改善と合わせて実施している。具体的には、安全性や核変換効率の予測精度を改善するために、MA核変換における核種ごとの寄与を抽出評価する手法を考案し、核変換特性の予測精度を詳細分析してきている。また、予測精度の改善には核変換特性関連の実験データに対する解析精度を解析システムに反映することが効果的であり、そのために「常陽」、PFR等で取得された種々の実験データを収集整理し、整合性を確認することによって信頼性の高いMA実験データベースの構築を進めている。本発表では、当該プロジェクトの概要とともに、高速炉によるMA核変換に係る手法の開発と数値解析結果等について説明する。
小栗 英知; 長谷川 和男; 伊藤 崇; 千代 悦司; 平野 耕一郎; 森下 卓俊; 篠崎 信一; 青 寛幸; 大越 清紀; 近藤 恭弘; et al.
Proceedings of 11th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.389 - 393, 2014/10
J-PARCリニアックでは現在、ビームユーザに対する利用運転を行うとともに、リニアック後段の3GeVシンクロトロンにて1MWビームを加速するためのビーム増強計画を進めている。リニアックのビーム増強計画では、加速エネルギー及びビーム電流をそれぞれ増強する。エネルギーについては、181MeVから400MeVに増強するためにACS空洞及びこれを駆動する972MHzクライストロンの開発を行ってきた。これら400MeV機器は平成24年までに量産を終了し、平成25年夏に設置工事を行った。平成26年1月に400MeV加速に成功し、現在、ビーム利用運転に供している。ビーム電流増強では、初段加速部(イオン源及びRFQ)を更新する。イオン源はセシウム添加高周波放電型、RFQは真空特性に優れる真空ロー付け接合タイプ空洞をそれぞれ採用し、平成25年春に製作が完了した。完成後は専用のテストスタンドにて性能確認試験を行っており、平成26年2月にRFQにて目標の50mAビーム加速に成功した。新初段加速部は、平成26年夏にビームラインに設置する予定である。
斎藤 滋; 菊地 賢司*; 濱口 大; 宇佐美 浩二; 遠藤 慎也; 小野 勝人; 松井 寛樹; 川合 將義*; Dai, Y.*
Journal of Nuclear Materials, 431(1-3), p.44 - 51, 2012/12
被引用回数:2 パーセンタイル:17.14(Materials Science, Multidisciplinary)核破砕中性子源やADSのビーム入射窓及び構造材料は、高エネルギー陽子及び核破砕中性子の照射により、損傷を受ける。核破砕条件における材料の照射損傷特性を明らかにするために、スイスのPSIを中心として核破砕ターゲット材料照射プログラム(STIP: SINQ Target Irradiation Program)が進行中である。本プログラムは1996年に始まり、PSIの加速器で各種材料を580MeVの陽子で照射し、参加国がPIEを分担して行っている。原子力機構も照射試料の一部を輸送し、照射後試験を行った。本論文ではSTIP-II試料の中からJPCA鋼の引張り試験の結果を報告する。引張り試験の結果、JPCA鋼は照射後大きく硬化するが、耐力の増加は11dpa付近で飽和した。伸びも大きく低下したが、全伸びは19.5dpa照射後も約15%保っていた。試験後の破面観察の結果、粒界破面や割れなどは見られなかった。このJPCA鋼には約1600appmのHeが生成していると見積もられ、表面からの反跳分を除いた多くが材料中に残留していると推定される。TEM観察でも、Heバブルが組織中にほぼ一様に分布しており、特に粒界析出が見られなかったことと一致する結果と考えられる。
宇佐美 晋
日本原子力学会誌ATOMO, 52(10), p.638 - 642, 2010/10
「もんじゅ」は、平成22年5月6日、14年5か月ぶりに原子炉を起動して性能試験を再開し、同月8日の臨界到達を経て、同年7月22日に、性能試験の第1段階である炉心確認試験を終了した。そこで、日本原子力学会誌において、臨界達成と炉心特性把握にかかわる炉心確認試験報告を行う。主な報告内容は、以下のとおり。(1)性能試験再開までの経緯,(2)性能試験の概要,(3)炉心確認試験(臨界達成,制御棒価値確認,過剰反応度測定試験,反応度停止余裕測定試験,温度係数評価,流量係数評価,フィードバック反応度評価,未臨界度測定法適用性評価)等。
照沼 章弘; 内藤 明; 根本 浩一; 宇佐美 淳; 富居 博行; 白石 邦生; 伊東 慎一
JAEA-Review 2010-038, 96 Pages, 2010/09
日本原子力研究開発機構では、使命を終えた施設及び老朽化した施設並びに機能の集約・重点化を図った結果不要となる施設に対する廃止措置を中期計画に則り効率的かつ計画的に進めている。原子力科学研究所バックエンド技術部では、第1期中期計画(平成17年度後半平成21年度)中に5つの施設(セラミック特別研究棟,プルトニウム研究2棟,冶金特別研究室建家,同位体分離研究室施設及び再処理試験室)について、管理区域の解除,建家の解体撤去を目途とした廃止措置を実施した。本報告では、これらの廃止措置について、これまでに国及び自治体に報告した内容を整理するとともに、作業を通じて得られた事項をまとめた。
松井 義典; 高橋 広幸; 山本 雅也; 仲田 祐仁; 吉武 庸光; 阿部 和幸; 吉川 勝則; 岩松 重美; 石川 和義; 菊地 泰二; et al.
JAEA-Technology 2009-072, 144 Pages, 2010/03
日本原子力研究開発機構は、平成17年10月に日本原子力研究所と核燃料サイクル開発機構との統合によって誕生した。この統合を最大限に利用したプロジェクトが、旧電源開発促進対策特別会計法及び特別会計に関する法律(エネルギー対策特別会計)に基づく文部科学省からの受託事業「長寿命プラント照射損傷管理技術に関する研究開発」である。この「長寿命プラント照射損傷管理技術に関する研究開発」において、材料の照射損傷評価指標の確立に重要な、世界で類のない、高速実験炉「常陽」と研究用原子炉であるJRR-3を利用した組合せ照射材を平成18年から平成19年の約2年間の短期間で取得した。本報告は、これら常陽,JRR-3の実験炉施設及びWASTEF, JMTRホットラボ,MMF, FMFのホット施設を利用した組合せ照射における作業計画から作業結果及び照射試験における照射温度と照射量の評価をまとめたものである。
桜庭 直敏; 沼田 正美; 古宮 友和; 市瀬 健一; 西 雅裕; 冨田 健; 宇佐美 浩二; 遠藤 慎也; 宮田 精一; 黒澤 達也; et al.
JAEA-Technology 2009-071, 34 Pages, 2010/03
日本原子力研究開発機構原子力科学研究所の廃棄物安全試験施設(WASTEF)では、TRU核種を取り扱う大型グローブボックスの維持管理技術の一環として、バッグイン・バッグアウト方式によるアクリルパネルの交換技術を開発し、劣化が生じたアクリルパネルの交換作業に適用した。その結果、グローブボックス内の部分的な除染作業を行うだけで、負圧維持条件下で安全にアクリルパネルの交換ができた。また、グリーンハウスを用いてエアラインスーツを着用した作業者が直接アクリルパネルの交換を行う従来技術に比べ、安全性,作業性及びコスト等の面で極めて有効な作業技術であることが実証された。
斎藤 滋; 菊地 賢司*; 濱口 大; 宇佐美 浩二; 石川 明義; 西野 泰治; 遠藤 慎也; 川合 將義*; Dai, Y.*
Journal of Nuclear Materials, 398(1-3), p.49 - 58, 2010/03
被引用回数:6 パーセンタイル:39.46(Materials Science, Multidisciplinary)核破砕中性子源やADSのビーム入射窓及び構造材料は、高エネルギー陽子及び核破砕中性子の照射により、損傷を受ける。核破砕条件における材料の照射損傷特性を明らかにするために、スイスのPSIを中心として核破砕ターゲット材料照射プログラム(STIP; SINQ Target Irradiation Program)が立ち上がった。本プログラムは1996年に始まり、PSIの加速器で各種材料を580MeVの陽子で照射し、参加国がPIEを分担して行っている。原子力機構も照射試料の一部を輸送し、照射後試験を行った。本発表では照射後試験の結果からF82H鋼溶接材の引張り試験及び曲げ疲労試験の結果を報告する。引張り試験結果より、F82H鋼TIG及びEB溶接材は10dpa以上照射後も延性を保っていた。曲げ疲労試験の結果、F82H鋼母材は照射前後で疲労寿命はほとんど変化しなかった。F82H鋼溶接材は、疲労寿命が増加するものと10の7乗サイクル内で破断しないものがあった。
斎藤 滋; 濱口 大; 宇佐美 浩二; 遠藤 慎也; 小野 勝人; 松井 寛樹; 菊地 賢司*; 川合 將義*; Yong, D.*
Proceedings of 1st International Workshop on Technology and Components of Accelerator-driven Systems (TCADS-1) (Internet), 9 Pages, 2010/03
マイナーアクチノイド(MA)を核変換するための加速器駆動未臨界炉(ADS)の研究開発が進められている。ADSの未臨界炉心内にあるビーム窓は高エネルギー陽子と中性子の両方の照射を受ける。本研究では、照射された材料の機械的特性を評価するために、SINQターゲット4(STIP-II)で照射されたオーステナイト鋼(JPCA及びAlloy800H)の照射後試験を行った。オーステナイト鋼はフェライトマルテンサイト鋼で考慮する必要のあるDBTTシフトの問題がないといった点でビーム窓材として好ましい。本研究の照射条件は、以下の通りである。陽子エネルギー580MeV,照射温度100450C,はじき出し損傷量6.519.5dpa。すべての照射後試験は原子力機構東海研究開発センターのWASTEFと燃料試験施設で行われた。引張り試験は大気中で、室温、250C及び350Cで行われた。試験後はSEMによる破面観察を行った。室温試験の結果、10dpa程度までは照射量とともに照射硬化が増加するが、それ以上の照射量では、照射硬化が飽和することがわかった。延性も、10dpa付近までは低下するが、19.5dpaでも保たれていることがわかった。また、SEMによる破面観察の結果、すべての試料は延性破断であった。
遠藤 慎也; 沼田 正美; 市瀬 健一; 西 雅裕; 古宮 友和; 桜庭 直敏; 宇佐美 浩二; 冨田 健
Proceedings of 46th Annual Meeting of "Hot Laboratories and Remote Handling" Working Group (HOTLAB 2009) (CD-ROM), 6 Pages, 2009/09
東海研究開発センター原子力科学研究所WASTEFでは、セル内機器のメンテナンスやTRU窒化物燃料の基礎物性試験を行うための大型グローブボックス(メンテナンスボックス)が設置されている。当該グローブボックスのアクリルパネルの一部には、劣化による微小き裂が生じており、安全な運転を行うためにパネル交換が必要となった。しかしながら、従来のパネル交換手法では、グローブボックス全体の除染やグリーンハウス内でのALS作業が必要となり、交換作業には多くの時間と人手が必要である。また、ALS作業に伴う汚染等のリスクも高くなる。そこでグローブボックスで物品等の搬出入に用いられているバックイン/バックアウト法を大型グローブボックスのパネル交換に適用したパネル交換手法を開発した。この方法は、交換するパネルを大型バックで覆い、バック内でパネル交換作業を実施するためにグローブボックスの除染やグリーンハウス設置が必要なくなり、パネル交換時のALS作業を削減することが可能となった。本交換手法をWASTEFのメンテナンスボックスのパネル交換に適用し、従来手法と比べて約1/5の人工でパネル交換を実施した。従来手法と比べて作業時間の短縮かつ安全な交換作業及び放射性廃棄物の低減化が可能であることを確認した。
金城 秀人*; 影山 武*; 北野 彰洋; 宇佐美 晋
Nuclear Technology, 167(2), p.254 - 267, 2009/08
被引用回数:1 パーセンタイル:10.11(Nuclear Science & Technology)将来の「もんじゅ」炉心の性能向上に関する研究を行った。本研究の目的は、実用化FBR炉心が目標とする「1年連続運転サイクル・150GWd/t取出燃焼度」の炉心性能を「もんじゅ」で実証するための炉心概念・方策を検討し、技術的成立性を示すことである。通常、運転サイクル期間を延長すると燃焼欠損反応度が増大し、反応度収支上の炉停止余裕が減少する。このため、(1)太径・高密度・長尺ペレット燃料を導入して内部転換比向上,燃焼反応度増大を抑制し、(2)制御棒吸収体のB-10濃縮度や吸収体長さも変更して制御棒価値を増加させ、反応度収支を改善した。この炉心概念の主要炉心核熱特性を評価した結果、炉心出力分布や反応度制御特性,ドップラ・ボイド反応度等安全特性へ有意な影響を与えずに、2500リットル程度の「もんじゅ」中型炉心体系においても1年連続運転が可能であることが示された。以上により「もんじゅ」高度化炉心概念の成立性を確認した。