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池田 佳隆; 井手 俊介; 鈴木 隆博; 春日井 敦; 高橋 幸司; 梶原 健; 諫山 明彦; 及川 聡洋; 濱松 清隆; 鎌田 裕; et al.
Nuclear Fusion, 42(4), p.375 - 382, 2002/04
被引用回数:28 パーセンタイル:64.99(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60では、局所的な加熱/電流駆動の有効性を調べるために、電子サイクロトロン波帯による実験を進めている。入射法式は、ITERで局所電流駆動方式として提案されている弱磁場からの基本波のOモード針入射方式である。周波数は110GHzであり、大電力発振管3本により、入射電力1.5MWまでの実験を行った。中心部を局所加熱することで、中心ピークの非常に強い電子温度分布を得、最高電子温度は15keV以上に達した。また熱輸送障壁内部に局所的な入熱を行うことで熱輸送障壁内部の熱輸送の変化を直接的に観測した。さらにMSE測定により、電子サイクロトロン波による局所的な駆動電流を定量評価し、理論予想とほぼ合っていることを明らかにした。
角舘 聡; 岡 潔; 吉見 卓*; 桧山 昌之; 田口 浩*; 柴沼 清; 小泉 興一; 松本 泰弘*; 本多 力*; Haange, R.*
Nuclear Fusion, 42(3), p.243 - 246, 2002/03
被引用回数:3 パーセンタイル:10.69(Physics, Fluids & Plasmas)ITERのブランケット保守では、4トンの大重量・大型のモジュールを2mm以内の位置姿勢精度で取り扱うことが要求されている。現在、EDA延長期間のR&D計画に従って、センサー情報(位置力)に基づいた機械締結式モジュールの着脱を実証するために、その制御手法の開発を進めている。機械締結式ブランケットの取り付け面は、キーや位置決めピンから構成され、それぞれが高いはめあい精度(0.25mm以下)を必要とする嵌合構造である。そのため、挿入方向がマニピュレータのたわみや計測誤差により理想的な挿入方向と異なる場合、キーとモジュールの接触がマニピュレータの運動を拘束し、安定なモジュールの取付が困難となる。本報では、モジュールとマニピュレータ間の誤差を想定した場合の適用性試験を行い、力制御法の基本となる着脱動作時に発生する力の評価法について報告する。
玉井 広史; 芳野 隆治; 徳田 伸二; 栗田 源一; 閨谷 譲; Bakhtiari, M.; Khayratdinov, R. R.*; Lukash, V.*; Rosenbluth, M. N.*; JT-60チーム
Nuclear Fusion, 42(3), p.290 - 294, 2002/03
被引用回数:34 パーセンタイル:70.47(Physics, Fluids & Plasmas)ディスラプション時に発生する逃走電子電流は、第一壁の損耗をもたらすことが懸念されている。そこで、JT-60Uにおいて、発生した逃走電子を遮断するために表面安全係数(q)を下げる方法を開発した。qが減少して、2または3となったときに発生する強い磁場揺動によって逃走電子電流が消滅することを実験的に明らかにした。その消滅機構として、プラズマ周辺部に形成される低温の磁気バブルによる磁気面の変形を通した逃走電子の閉じ込め劣化を考察した。また、磁場揺動に伴って放出される逃走電子のエネルギーによる第一壁の熱負荷と、逃走電子遮断時にバッフル板に流れるハロー電流の測定・解説結果から、本遮断方法では逃走電子による第一壁の損耗を低減できることを示した。
藤田 隆明; 鎌田 裕; 井手 俊介; 竹治 智; 坂本 宜照; 諫山 明彦; 鈴木 隆博; 及川 聡洋; 福田 武司; JT-60チーム
Nuclear Fusion, 42(2), p.180 - 186, 2002/02
被引用回数:31 パーセンタイル:68.17(Physics, Fluids & Plasmas)強力な内部輸送障壁の形成により高い閉じ込め性能を発揮するJT-60の負磁気シア放電の長時間維持の実験の結果を報告する。高電流のLモード境界の放電においては、蓄積エネルギーの帰還制御を用いてプラズマの値を精密に調整することにより、等価エネルギー増倍率=0.5を0.8秒間(エネルギー閉じ込め時間と同程度)維持した。高三角度のELMy Hモード境界の負磁気シア放電においては、ポロイダルを上昇し自発電流率を向上することにより負磁気シア領域の縮小を抑制し、高閉じ込めの準定常維持を実現した。高安全係数領域にて自発電流率80%を得て、完全非誘導電流駆動を達成した。規格化値2,閉じ込め改善度3.5を2.7秒間(エネルギー閉込め時間の約6倍)維持した。
竹治 智; 徳田 伸二; 藤田 隆明; 鈴木 隆博; 諫山 明彦; 井手 俊介; 石井 康友; 鎌田 裕; 小出 芳彦; 松本 太郎; et al.
Nuclear Fusion, 42(1), p.5 - 13, 2002/01
被引用回数:76 パーセンタイル:89.38(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60の負磁気シアプラズマにおける抵抗性MHD不安定性,理想低nキンクモードの壁安定化効果を調べた。規格化値~1程度で強い内部輸送障壁を有する負磁気シアプラズマにおいて、空間的に局在化したトロイダルモード数n=1の抵抗性交換型MHDモードを初めて観測した。抵抗性交換型MHDモードはバースト状の揺動が間欠的に現れ、高い規格化領域では高次のn3モードが時折観測される。抵抗性交換型MHDモードのみではグローバルな閉じ込め性能に大きく影響してない。抵抗性交換型MHDモードが安全係数が極小値となる位置より外側の有理面のテアリングモードと結合しコラプス現象を引き起こすことが見いだされた。テアリングモードの安定性解析は、外側の有理面のテアリングモードの安定性パラメータが自由境界条件によって影響を受けることを示しており、この結果はプラズマ表面の安全係数が整数となる時にコラプスが発生する実験事実に矛盾しない。理想低nキンクモードがJT-60の真空容器壁の壁安定化効果により安定化されることを明らかにした。壁で安定化されたプラズマのコラプス後に現れる効果抵抗性壁モードによる磁気流体揺動を観測した。
小川 俊英; 星野 克道; 金澤 貞善*; 三枝 幹雄*; 井戸 毅*; 川島 寿人; 糟谷 直宏*; 高瀬 雄一*; 木村 晴行; 三浦 幸俊; et al.
Nuclear Fusion, 41(12), p.1767 - 1775, 2001/12
被引用回数:36 パーセンタイル:71.62(Physics, Fluids & Plasmas)JFT-2Mでは、世界で初めて速波電流駆動用に進行波型(コムライン)アンテナを用いた実験を行い、新しい応用の実証を行っている。電子サイクロトロン加熱中のプラズマで、方向性の高い速波入射により少なくとも10keV以上の高エネルギー電子がプラズマ中心に生成されることを確認した。電流駆動方向を変えた放電を比較したが、ループ電圧、軟X線スペクトルに顕著な差は見られず、駆動電流の評価には至っていない。2周波数同時入射によって励起されるビート波が作るPonderomotiveポテンシャルを重イオンビームプローブ計測を用いて測定することに成功した。0.4r/a1.0の範囲でポテンシャルの空間分布が測定でき、速波の電磁界分布の直接測定法として使える可能性を示した。コムライン・アンテナが作る高周波電界により、広いトロイダル磁場範囲でプラズマが生成できることを実証した。
永田 正美*; 福本 直之*; 小川 宏明; 小川 俊英; 上原 和也; 新美 大伸*; 柴田 孝俊; 鈴木 喜雄; 三浦 幸俊; 粥川 尚之*; et al.
Nuclear Fusion, 41(11), p.1687 - 1694, 2001/11
被引用回数:12 パーセンタイル:38.11(Physics, Fluids & Plasmas)コンパクトトロイド(CT)プラズマと外部磁場及びトカマクプラズマとの相互作用をJFT-2M並びにFACT装置を用いて実験的に研究した。JFT-2Mにおいて高速カメラによりCTプラズマの垂直方向のシフトを観測した。またダブルプローブ計測によりBe=1.0~1.4Tの範囲では、JFT-2Mプラズマのセパラトリックス近傍にまでCTプラズマが到達しており、さらにその後につづくトレーリングプラズマと言われる低速低密度プラズマの存在を明らかにした。さらにCTの磁場とトロイダル磁場とのリコネクションに関連した大振幅の揺動を観測した。FACT装置における外部磁場印加時のトリフト管中の挙動の観測結果をもとに、垂直方向のシフトはガン電流と外部磁場とのローレンツ力によるものであり、またトレーリングプラズマの侵入は分極電流による制動力がホール効果により減衰することによることを明らかにした。
及川 聡洋; 鎌田 裕; 諫山 明彦; 藤田 隆明; 鈴木 隆博; 梅田 尚孝; 河合 視己人; 栗山 正明; Grisham, L. R.*; 池田 佳隆; et al.
Nuclear Fusion, 41(11), p.1575 - 1583, 2001/11
被引用回数:45 パーセンタイル:77.63(Physics, Fluids & Plasmas)トカマク炉における加熱・電流駆動方式として有力な負イオン中性粒子ビーム(N-NB)の加熱・電流駆動特性のJT-60Uにおける研究成果を報告する。従来、MSE計測から同定されたN-NB駆動電流分布は理論予測と一致することを電子温度5keV程度において実証してきた。電子温度が10keV以上となるITERにおいても理論予測に従った電流駆動性能が得られることを実証するために、電子サイクロトロン波入射により生成した高電子温度、低密度プラズマにおいてNNB駆動電流分布を精度よく計測して、電子温度10keVの領域においても理論予測通りの電流駆動特性を持つことを明らかにした。このとき、駆動電流1MA、電流駆動効率1E19 A/m2/Wを同時達成し、N-NBの高い電流駆動性能を実証した。また、電子温度が13keVに達した高 Hモードプラズマにおいては、中性粒子ビームとしては世界最高の電流駆動効率1.55E19 A/m2/Wを実現した。またプラズマ中に不安定性が存在する場合のN-NB電流駆動への影響についても明らかにした。高いビーム圧力により駆動される間欠的不安定性がプラズマ中心部において発生したときには、中性子発生率の減少及び中心部におけるN-NB駆動電流の減少を観測した。但し、損失した駆動電流量は全駆動電流量の7%程度であり大きな影響ではない。低モード数のテアリング不安定性が発生しているプラズマにおいては不安定性の強度とともに、また、不安定性発生位置がN-NB高速イオンの分布と一致しているときに中性子発生率の計算値と実測値のずれが大きくなることを明らかにした。中性子発生率はビームイオン損失の指標であることから、テアリング不安定性がビームイオン損失を引き起こし駆動電流分布及び加熱分布に影響を与えていることを意味する。
鎌田 裕; JT-60チーム
Nuclear Fusion, 41(10), p.1311 - 1325, 2001/10
被引用回数:81 パーセンタイル:89.73(Physics, Fluids & Plasmas)高閉じ込め、高規格化、高自発電流、完全電流駆動、効率的な熱・粒子除去等の性能を同時に満足するトカマク運転方式のJT-60による開発研究の成果をまとめた。輸送障壁を有する負磁気シア及び弱磁気シア高ELMy Hプラズマの2つの改善閉じ込めモードにおいて、定常状態に近い電流分布を有する完全電流駆動プラズマの準定常維持に成功した。負磁気シアプラズマでは、閉じ込め改善度(HH)~2.2、規格化値()~2、自発電流割合(f)~80%を、高ELMy HプラズマではN-NBIを用いてHH~1.4、~2.5を実現した。エネルギー増倍率0.5の負磁気シアプラズマの0.8秒間保持、N-NBIによる世界最高のビーム電流駆動効率の達成、連続ペレット入射による高閉込めプラズマの高密度化に加え、衝突頻度、規格化ラーマ半径、イオン・電子温度比等が核融合炉の領域に近づくなど、プラズマ性能を特徴づける主要パラメータが大きく進展した。電子サイクロトロン波による局所電流駆動による新古典テアリングモードの安定化、壁安定化効果による高化に成功しMHD安定性の改善に成功するとともに、プラズマの回転制御による内部輸送障壁の能動的制御を実証した。ダイバータの両側排気により、He排気性能を40%向上した。Arガス入射により高密度領域で高い周辺温度を実現し、良好な閉じ込め性能を有するデタッチプラズマの生成に成功した。高q95、高領域で高三確度形状にすることで、ELMをGrtassyELMにすることに成功し、ELM時のダイバータ熱負荷を減衰させた。本論文はこれらJT-60の成果を総合的にまとめたものである。
徳田 伸二
Nuclear Fusion, 41(8), p.1037 - 1045, 2001/08
被引用回数:12 パーセンタイル:38.11(Physics, Fluids & Plasmas)トカマクの理想及び抵抗性MHD安定性解析のための、より進んだ漸近線接続法を報告する。まず、2次元Newcomb方程式を解く固有値問題法を論じる。この方法から得られる固有関数を外部解に利用できることを示し、不安定な理想MHDモードの線形成長率を求める分散関係式をはじめて導く。これまで、抵抗性MHD内部層方程式を初期値問題として解くことができなかったが、この問題を解く新しいスキームを提案し、その有効性を数値実験によって示す。
三浦 幸俊; 井戸 毅*; 神谷 健作; 浜田 泰司*; JFT-2Mグループ
Nuclear Fusion, 41(8), p.973 - 979, 2001/08
被引用回数:17 パーセンタイル:49.23(Physics, Fluids & Plasmas)これまでのL/H遷移時における電場測定の時間分解能は約1ミリ秒であり、Hモードと電場変化の対応のみが示されただけであり、電場の分岐現象が起こりHモードに至るかどうかは必ずしも自明ではなかった。重イオンビームプローブ(HIBP)計測による高速・電位・揺動測定により、L/H遷移時のプラズマ境界における空間電位変化の時間スケールを明らかにし、多くの理論的考察で示されている「電場構造の変化によるL/H遷移(輸送障壁形成)」に関して実験的根拠を与えた。また、P~閾値電力の場合においては、閉じ込めが鋸歯状振動ごとに段階的に改善されていくケースがあることを利用し、この閉じ込め改善の初期における電場勾配から、もし電場勾配が閉じ込め改善に重要な役割を担っており、その勾配に閾値が存在すると仮定すると、その閾値は、(1.20.4)10kV/m以下であることを明らかにした。
鈴木 喜雄; 林 隆也*; 岸本 泰明
Nuclear Fusion, 41(7), p.873 - 881, 2001/07
被引用回数:11 パーセンタイル:35.61(Physics, Fluids & Plasmas)コンパクトトロイド入射による核融合装置への燃料供給の理解のため、スフェロマック型コンパクトトロイド(SCT)を磁化プラズマ中へ入射するMHDシミュレーションを行っている。装置流域に対して、これまで用いていた角柱から、円筒を使用することにより、装置全体を考慮したシミュレーションが可能となった。シミュレーションの結果、SCTの進入距離は装置磁場の磁気圧力と磁気張力の和によって決定されることが明らかにされた。また、アルフベン波の伝播が磁気張力によるSCTの減速を緩和する働きを持っていることが見いだされた。本会議ではこれらの内容について発表を行うと同時に論文の投稿を行う。
坂本 宜照; 鎌田 裕; 井手 俊介; 藤田 隆明; 白井 浩; 滝塚 知典; 小出 芳彦; 福田 武司; 及川 聡洋; 鈴木 隆博; et al.
Nuclear Fusion, 41(7), p.865 - 872, 2001/07
被引用回数:107 パーセンタイル:93.46(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60の負磁気シアプラズマの内部輸送障壁構造を調べ、その能動的制御法を開発した。内部輸送障壁の外側への移動は、安全保数が最小とする位置で停留するが、障壁の勾配がゆるい場合にはさらに外側へ移動することを見いだした。輸送障壁中の最小値は、その中心の位置で評価したポロイダルラーマ半径に比例することを明らかにした。中性粒子ビームのパワーと方向を変化させその運動量を制御することで、径方向電場のシア分布を変化させ、その結果、内部輸送障壁の強さを能動的に制御できることを明らかにした。
Mikkelsen, D. R.*; 白井 浩; 朝倉 伸幸; 藤田 隆明; 福田 武司; 波多江 仰紀; 井手 俊介; 諫山 明彦; 鎌田 裕; 河野 康則; et al.
IAEA-CN-77 (CD-ROM), 5 Pages, 2001/05
JT-60UのELMy Hモードプラズマにおける熱輸送の「硬直性」(中心温度と周辺温度の関連性)の研究を行った。同じ加熱パワーでも周辺温度が3080%増加すると、中心温度は1070%増加した。また、周辺温度がほぼ同じ場合には、45%の加熱パワーの増加(密度が12%増大)に対して温度分布の変化は少なかった。データ解析の結果、プラズマ周辺部では硬直性は比較的緩く、プラズマ中心部では硬直性は比較的強い傾向を得た。加熱分布を中心加熱と周辺加熱で比較した場合、中心加熱はプラズマ小半径の1/2より内側の領域で加熱パワーが周辺加熱のそれより60%多いのにもかかわらず、中心温度の差は小さかった。輸送モデルを用いた温度分布の予測計測と実験データとの比較の結果、RLWB(Rebut-Lallia-Watlkins-Boucher)モデル及び、IFS/PPPLモデルの計算結果は実験値と一致したが、MM(Multimodel)モデルの計算結果は実験値よりかなり高くなった。
辻 博史; 奥野 清*; Thome, R.*; Salpietro, E.*; Egorov, S. A.*; Martovetsky, N.*; Ricci, M.*; Zanino, R.*; Zahn, G.*; Martinez, A.*; et al.
Nuclear Fusion, 41(5), p.645 - 651, 2001/05
被引用回数:57 パーセンタイル:83.34(Physics, Fluids & Plasmas)ITERを構成する3群の超伝導コイルでは、中心ソレノイド・コイルが最も高い磁場13Tを0.4T/s以上の速度で急速励起するパルス動作が要求される点で、最も技術的難度の高いコイルである。そこで中心ソレノイド・コイル工学設計の妥当性を確認し、併せてコイルの製作技術を開発する目的で、中心ソレノイド・モデル・コイルの開発が進められてきた。約8年をかけて完成したモデル・コイルの実験がこの程、国際共同作業として原研で実施され、技術開発目標をすべて満足する実験成果と貴重な技術データが得られた。
篠原 孝司; 草間 義紀; 武智 学; 森岡 篤彦; 石川 正男*; 大山 直幸; 飛田 健次; 小関 隆久; 竹治 智; 森山 伸一; et al.
Nuclear Fusion, 41(5), p.603 - 612, 2001/05
被引用回数:83 パーセンタイル:90.12(Physics, Fluids & Plasmas)核燃料プラズマでは、粒子圧力が高くなると、アルヴェン固有モード(AE)周波数領域の不安定性により粒子の閉じ込めが劣化することが危惧されている。これまでの実験ではAE周波数領域の周波数掃引不安定性が発生すると高エネルギーイオンの輸送が増大する場合があり、また、周波数掃引不安定性の発生領域とその特性の理解はトカマク研究の重要課題の一つである。最近のJT-60Uの実験において、負イオン源中性粒子ビーム(N-NB)入射により高エネルギーイオンを生成して、周波数掃引不安定性の研究を行い、ITERで予測される粒子の存在条件と同様の条件のN-NBイオンによって、周波数掃引不安定性が不安定かされることを明らかにした。また、速い周波数掃引を伴う不安定性による高エネルギーイオンの損失が、平衡の違いに起因するエネルギー依存性を持っていることを明らかにした。
Gordon, C.*; Bartels, H.-W.*; 本多 琢郎; Iseli, M.*; Raeder, J.*; Topilski, L.*; Moshonas, K.*; Taylor, N.*
Fusion Engineering and Design, 54(3-4), p.397 - 403, 2001/04
被引用回数:2 パーセンタイル:19.60(Nuclear Science & Technology)ITERの安全性は、概念設計活動フェーズ以来、設計を統合する作業の一部と位置づけられてきた。このプロジェクトで定めた通常/異常/事故時の放出基準を満たすために、安全設計の考え方とそれを設計に反映させるため安全設計要求が定められた。これらの妥当性を確認するために、現在安全解析作業が各ホームチームと協力して進行中である。その安全性評価は、核融合が固有に有する安全性を考慮して実施される。最終的に、ITERに用いられる安全性の考え方(アプローチ)と、安全解析の結果及びその評価は、GenericSiteSafetyReport(GSSR)と称する安全性報告書にまとめられる予定である。これらは、核融合の安全性の優位性を示すと同時に、将来の核融合炉の良い先例となるであろう。そして、ITERのホスト国の安全審査においても、ITERの考え方と評価が最小限の修正をもって受け入れられることが期待される。
井戸村 泰宏; 徳田 伸二; 岸本 泰明; 若谷 誠宏*
Nuclear Fusion, 41(4), p.437 - 445, 2001/04
被引用回数:13 パーセンタイル:40.83(Physics, Fluids & Plasmas)負磁気シアトカマクのq面近傍領域をモデル化したスラブ配位においてスラブドリフト波の線形及び非線形の性質を調べた。線形解析からITG(イオン温度勾配駆動)モード及びETG(電子温度勾配駆動)モードの両方がq面付近で強く不安定化されることがわかった。非線形シミュレーションはITG乱流より非常に速い時間スケールで発展するETG乱流に対して行い、ETG乱流において準定常なErB帯状流が波のエネルギーの逆カスケード過程により生成していることを見いだした。静電的K-H(ケルビン-ヘルムホルツ)モードの線形解析から、準定常なErB帯状流は、K-Hモードに対して安定か効果をもつ磁気シア分布と密接に関係していることがわかった。また、ETG乱流により生成される微視的なErB帯状流はスラブITGモードに対して強い安定化効果を持つことを明らかにした。
中平 昌隆; 高橋 弘行*; 小泉 興一; 小野塚 正紀*; 伊尾木 公裕*
Nuclear Fusion, 41(4), p.375 - 380, 2001/04
被引用回数:5 パーセンタイル:18.20(Physics, Fluids & Plasmas)国際熱核融合実験炉(ITER)の真空容器は、高さ10m以上のD型断面を有するステンレス鋼製の容器である。製作精度は、全高、全幅に対して20mm以下の厳しい公差を規定している。このため、ITER計画では、実規模真空容器セクタモデルの製作・試験を日本、ポート延長部の製作・試験をロシア、遠隔溶接・切断ツールの開発を米国が分担した。実規模真空容器セクタモデルは3mm、ポート延長部は4mmの精度で完成した。これらの機器を組み合わせてポート延長部の接続試験を終了した。また、欧州では先進的溶接・切断手法の開発を担当し、低真空電子ビーム溶接、YAGレーザ溶接・切断、セクタ溶接ロボット設計を実施した。各手法の優位性は見いだしたものの技術的課題も残り、さらに開発が必要である。本論文では、ITER真空容器技術開発の概要と主な試験結果を報告する。
波多江 仰紀; 杉原 正芳; Hubbard, A. E.*; Igitkhanov, Y.*; 鎌田 裕; Janeschitz, G.*; Horton, L. D.*; 大藪 修義*; Osborne, T. H.*; Osipenko, M.*; et al.
Nuclear Fusion, 41(3), p.285 - 293, 2001/03
被引用回数:40 パーセンタイル:74.64(Physics, Fluids & Plasmas)マルチマシーンデータベースを用い、次の課題に着目し解析した。すなわち、(1)将来炉の標準運転モードであるType I ELM中のペデスタル圧力の理解と予測、(2)良い閉じ込め性能でELM振幅が小さいType II ELMの運転領域の同定、(3)Type I, II ELM領域に接しているType III ELMの上限の理論予測との比較(4)高密度放電での閉じ込め劣化に関連する、コア閉じ込めとペデスタル温度との関係。この結果、スケーリングとモデルに基づくペデスタル圧力の表式は、実験データをおおむねスケールし、将来炉のための初期的な予測を可能にした。またType II ELMの運転領域としてqとの範囲を示した。Type III ELMの上限の理論予測では、実験データの上限と良い一致を見た。コア閉じ込めが劣化し始めるとき、クリティカルなペデスタル温度があることを示した。