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論文

Methane molecular motion in clathrate hydrate host framework

加美山 隆*; 関 直樹*; 岩佐 浩克*; 内田 努*; 海老沼 孝郎*; 成田 英夫*; 井川 直樹; 石井 慶信; Bennington, S. M.*; 鬼柳 善明*

Physica B; Condensed Matter, 385-386(1), p.202 - 204, 2006/11

 被引用回数:7 パーセンタイル:33.42(Physics, Condensed Matter)

メタンハイドレートの中性子非弾性散乱実験を行い、メタンハイドレートホストネットワーク中に内包されるメタン分子の挙動を解析した。その結果、メタンハイドレートに内包されているメタンは自由回転運動をしてるが、そのほかに10meV以下のエネルギー範囲に自由回転運動以外に起因する散乱ピークが観察された。これらのピークはメタンハイドレートの2種類のカゴ中でのメタンの局所的並進運動によるものであることを明らかにした。

論文

Measurements of small organic molecules on the single crystal neutron diffractometers for biomolecules at JAERI

大原 高志; 栗原 和男; 玉田 太郎; 田中 伊知朗*; 新村 信雄*; 黒木 良太

Physica B; Condensed Matter, 385-386(2), p.1049 - 1051, 2006/11

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Physics, Condensed Matter)

JRR-3炉室に設置された単結晶中性子回折計BIX-3及びBIX-4は、生体高分子用に設計されたものではあるが、入射中性子の波長を2.9Aから1.5Aに変更することで分子量の小さな有機化合物結晶の測定も可能となる。これらの回折計は検出器として大面積の中性子イメージングプレートを備えているため、比較的格子定数の大きな有機結晶の単結晶回折や繊維回折の測定を効率的に行うことができる。本発表では、BIX-3及びBIX-4の、低分子結晶用の回折計としての性能を紹介する。

論文

Inelastic neutron scattering study on low-energy excitations of the heavy-fermion superconductor PrOs$$_4$$Sb$$_{12}$$

桑原 慶太郎*; 岩佐 和晃*; 神木 正史*; 金子 耕士; 目時 直人; Raymond, S.*; M$'e$asson, M.-A.*; Flouquet, J.*; 菅原 仁*; 青木 勇二*; et al.

Physica B; Condensed Matter, 385-386(Part 1), p.82 - 84, 2006/11

 被引用回数:3 パーセンタイル:16.76(Physics, Condensed Matter)

重い電子系超伝導体PrOs$$_4$$Sb$$_{12}$$における低エネルギー磁気励起を調べる目的で、中性子非弾性散乱実験を行った。観測された磁気励起は、磁場誘起反強四極子秩序の秩序波数であるQ=(1,0,0)で明瞭なソフト化を示し、かつその強度はゾーンセンターと比べて弱いことを明らかにした。この結果は、これらの励起スペクトルの振舞いが、非磁性の四極子相互作用に起因していることを示している。さらに、励起スペクトルの線幅が超伝導転移以下で狭くなることから、励起子と超伝導の間に強い相関があると考えられる。

論文

A Magnetic neutron lens based on an extended Halbach-type permanent sextupole magnet

奥 隆之; 山田 悟; 笹尾 一*; 鈴木 淳市; 篠原 武尚*; 広田 克也*; 池田 一昭*; 津崎 剛*; 鬼柳 善明*; 古坂 道弘*; et al.

Physica B; Condensed Matter, 385-386(2), p.1225 - 1228, 2006/11

 被引用回数:10 パーセンタイル:42.55(Physics, Condensed Matter)

六極磁場は、中性子に対して理想的なレンズとしての機能を有する。われわれは、これまで、この六極磁場に基づく中性子磁気レンズの開発研究を進めてきた。今回、われわれは、中性子散乱研究における中性子磁気レンズの実用化を目的として、比較的安価で、小型,メンテナンスフリーという特徴を有する永久磁石型中性子磁気レンズを開発した。われわれは、発展型ハルバッハ六極磁気回路を採用することにより、永久磁石でありながら、$$phi$$30mmの大口径と、実用レベルの中性子集光能力を兼ね備えた磁気レンズの開発に成功した。会議では、偏極中性子を用いた磁気レンズの評価実験の結果をもとに、磁気レンズの性能について詳細に報告するとともに、中性子磁気レンズの応用方法についても議論する予定である。

論文

New cryocooler-cooled superconducting magnet; A 13.5 T high-field split-pair coil magnet for neutron scattering

片野 進; 皆川 宣明*; 長谷部 次教*; 櫻庭 順二*

Physica B; Condensed Matter, 385-386(Part 2), p.1300 - 1302, 2006/11

 被引用回数:9 パーセンタイル:39.76(Physics, Condensed Matter)

中性子散乱実験用の新しい冷凍機冷却型超伝導マグネットを開発した。マグネットの構成,コイルの大きさ,スプリットした上下コイル間のギャップとそのサポート方法、中性子の透過率などの詳細を示す。低温での実験のために4K冷凍機と100mK冷凍機型希釈冷凍機が使える。また4GPaまでの高圧セルがセットでき、多重極限条件下での中性子散乱実験が可能となった。最大磁場強度13.5Tが安定に供給できる。

論文

Peak overlapping and its de-convolution in TOF diffraction data from neutron biological diffractometer in J-PARC

日下 勝弘; 大原 高志; 田中 伊知朗*; 新村 信雄*; 尾関 智二*; 栗原 和男; 相澤 一也; 森井 幸生; 新井 正敏; 江幡 一弘*; et al.

Physica B; Condensed Matter, 385-386(Part 2), p.1062 - 1065, 2006/11

 被引用回数:12 パーセンタイル:47.67(Physics, Condensed Matter)

茨城県が提案するJ-PARC生命物質構造解析装置は現存する生体高分子用回折計BIX-3,4(JRR-3, JAEA)と比べて約50倍の測定効率を目指し設計開発を進めている。この性能を達成するため、本装置はより中性子強度が強く、広いパルス時間幅を持つ結合型減速材を配するビームラインに導入される。この広いパルス時間幅を持つ入射中性子を用いることにより隣接するブラッグ反射は時間軸方向に部分的に重なりを持つことが予想される。生体高分子中の水素原子の位置情報を十分な精度で得るためにはこれらの重なった反射の分離方法の確立が必要不可欠である。そこで実際の反射重なりの様子を知り反射分離の最適な方法を見いだすために、本装置の設計パラメータをもとにTOF回折データをシミュレーションするコンピュータプログラムを開発した。このシミュレーションの結果をもとに考察した反射分離の戦略について報告する。

論文

Deuteron ordering in ice containing impurities; A Neutron diffraction study

深澤 裕; 星川 晃範; 山内 宏樹; 山口 泰男*; 井川 直樹; 石井 慶信

Physica B; Condensed Matter, 385-386(1), p.113 - 115, 2006/11

 被引用回数:3 パーセンタイル:16.76(Physics, Condensed Matter)

通常の氷であるIce Ihの水素原子は無秩序に配置しているが、低い温度で無限の時間を経過させると、水素原子の配置が秩序化した構造(Ice XI)へ変化すると予測されている。このIce XIの形成過程を調べるために、KOD等の水酸化物を含有させて変化に要する時間を短縮させた氷結晶の中性子回折を測定した。相転移点(76K)以下の特定の温度域(62-70K)において、氷の中性子回折が時間の経過に伴って変化する過程を観測した。また、回折プロファイルのリートベルド解析を行い、Ice XIへの相転移に伴う構造パラメーターの変化を温度と時間の関数として分析した。この分析結果に基づいて、さまざまな条件下(温度や不純物濃度等)におけるIce XIの発生と成長の過程の特徴について発表する。そして、無限の時間経過において、完全に水素原子が秩序化した構造の氷が自然界に存在しうるのかについての洞察を述べる。

論文

Study of converging neutron guides for the cold neutron double-chopper spectrometer at J-PARC

梶本 亮一; 中村 充孝; 長壁 豊隆; 佐藤 卓*; 中島 健次; 新井 正敏

Physica B; Condensed Matter, 385-386(2), p.1236 - 1239, 2006/11

 被引用回数:9 パーセンタイル:39.76(Physics, Condensed Matter)

J-PARCに建設が予定されている冷中性子ダブルチョッパー分光器(CNDCS)のための中性子ガイド管の性能の検討を行った。この分光器は$$E$$$$_{i}$$$$<$$80meVのエネルギー範囲での中性子非弾性散乱法による物性研究に用いられる。弱い非弾性散乱シグナルを検出するためには試料位置での中性子強度をできるだけ上げ、かつ検出器位置でのバックグラウンドを抑える必要がある。その点、中性子ガイド管は多くの中性子を試料まで輸送することができる一方、曲管にすることで不要な中性子が検出器に到達するのを抑えることもできる重要なデバイスである。ガイド管の性能は、その形状,配置に依存するが、ガイド管形状が直線状,曲線状,テーパー状,放物線状,楕円状などのときの中性子強度のエネルギー依存性や空間分布,角度分布をモンテカルロシミュレーションによって求め、CNDCS分光器にとって最適な形状について比較検討した。

論文

Neutron powder diffraction study of methane hydrate by the rietveld refinement and maximum entropy method

星川 晃範; 井川 直樹; 山内 宏樹; 石井 慶信

Physica B; Condensed Matter, 385-386(Part 1), p.567 - 570, 2006/11

 被引用回数:1 パーセンタイル:6.00(Physics, Condensed Matter)

メタンハイドレートは大小2種類のカゴ状の構造を積み重ねた結晶構造をしている。粉末中性子回折法により重水素化したメタンハイドレートの結晶構造解析をリートベルト法とマキシマムエントロピー法(MEM)を用いて行った。メタン分子の席占有率から小さなカゴに含まれるメタン分子が約10%空の状態であることがわかった。この結果はLangmuir定数を用いたメタンハイドレートのカゴ占有率の理論計算と一致している。また、MEMで得られた散乱長密度分布から、7.7Kの低温ではメタン分子の炭素原子が大きなカゴの中心からずれていることがわかった。

論文

Aggregation behavior of polyisoprene chain ends during living anionic polymerization as investigated by time-resolved small-angle neutron scatting

宮元 展義; 山内 一浩*; 長谷川 博一*; 橋本 竹治; 小泉 智

Physica B; Condensed Matter, 385-386(1), p.752 - 755, 2006/11

 被引用回数:5 パーセンタイル:25.71(Physics, Condensed Matter)

イソプレン及びスチレンのリビングアニオン重合過程を時間分解中性子小角散乱(SANS)及びゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定し、イオン性のリビング末端が形成する会合体について以下のことを明らかにした。反応の溶媒には重水素化ベンゼン、開始剤にはsec-BuLiを用いた。イソプレンの系(最終分子量5300g/mol)では時間とともに散乱強度が増加する様子が観察された。GPCにより測定した分子量の時間変化に関するデータを用いることで、時間分解SANSにより得られる散乱曲線を定量的に解析し、会合数の時間変化を明らかにした。一方、リビング重合を停止させるとSANSプロファイルは大きく変化し、散乱強度は大きく減少した。この結果は、重合停止に伴う末端会合の解消を示唆している。

論文

Pressure-induced magnetic ordering in KCuCl$$_{3}$$

加倉井 和久; 長壁 豊隆; 後藤 健治*; 大沢 明*; 藤澤 真士*; 田中 秀数*

Physica B; Condensed Matter, 385-386(Part 1), p.450 - 452, 2006/11

 被引用回数:2 パーセンタイル:11.53(Physics, Condensed Matter)

KCuCl$$_{3}$$及びTlCuCl$$_{3}$$はそれぞれ31K及び7.7Kのギャップエネルギーを持つスピンシングレット基底状態系である。このスピンギャップの要因はCu$$_{2}$$Cl$$_{6}$$が形成する反強磁性ダイマーである。磁化の測定からそれぞれ8.8kbar及び0.42kbarの臨界磁場でこれらの系が圧力誘起磁気秩序を示すことが明らかにされた。今回、圧力下の中性子散乱実験によりこの圧力誘起磁気秩序構造を解明し、スピン-格子相関に起因すると思われる新規なスピン方向変移(spin reorientation)が観測されたので報告する。

論文

The Ibaraki prefecture materials design diffractometer for J-PARC; Designing neutron guide

Harjo, S.; 神山 崇*; 鳥居 周輝; 石垣 徹; 米村 雅雄*

Physica B; Condensed Matter, 385-386(Part 2), p.1025 - 1028, 2006/11

 被引用回数:4 パーセンタイル:21.33(Physics, Condensed Matter)

J-PARCの茨城県材料構造解析装置は、$$0.18<d($$$AA$)<5$$ (L1=26.5m)において高分解能$$Delta d$$/$textit{d}$=0.16%(ほぼ一定)を実現するとともに、広い2$$theta$$範囲をカバーするため広い$textit{Q}$範囲($$0.007<Q($$$AA$^{-1}$$$$)<50$$)の測定、すなわちPDF解析及び小角中性子散乱も可能にする。したがって、ビーム強度を犠牲にせず上記の特徴を高めるために中性子ガイド管の選択・設計は非常に重要である。本研究では、McStasシミュレーションを用いて、中性子を2次元的集光できる放物線的な形状を持つガイド管、すなわち楕円形ガイド管のようなバリスティックガイド管と、直ガイド管との特性を比較した。出口の焦点が試料位置よりも長くした楕円形ガイド管は、試料位置でのフラックスを若干上げることはできるが、装置の分解能を悪くした。また、この楕円形ガイド管は比較的短い波長においてガーランドピークを作り、粉末回折測定において大きな誤差を与えてしまう。一方、直ガイド管は、試料位置では全波長において一様な空間分布及び小さい発散角を持つ入射ビームを実現することができる。これらのことを考えると、直ガイド管は良い分解能及び比較的高いフラックスを保つためには最良な選択である。

論文

Rheo-SANS study on gelation of poly(vinyl alcohol)

高橋 伸明; 金谷 利治*; 西田 幸次*; 高橋 良彰*; 新井 正敏

Physica B; Condensed Matter, 385-386(1), p.810 - 813, 2006/11

 被引用回数:7 パーセンタイル:33.42(Physics, Condensed Matter)

われわれはポリビニルアルコールの重水素化ジメチルスルホキシド/重水混合溶液の物理ゲル化過程におけるせん断流動印加効果を時間分割二次元小角中性子散乱測定により研究した。サンプル溶液を100$$^{circ}$$Cから25$$^{circ}$$Cへクエンチした直後から定常せん断を印加し、時間分割測定を行った。観測した二次元散乱パターンは等方的であったが、散乱強度はゲル化に伴い増加した。また散乱強度の増加の度合いは、印加したせん断速度に依存することが明らかとなった。これまでの研究から本系のゲル化プロセスは、高分子鎖の結晶化により形成した微結晶が網目の架橋点として働くことが明らかとなっており、測定Q範囲は架橋点、及び網目構造を反映したものであることから、当該Q範囲の散乱強度から結晶化速度を評価し、定常せん断速度に対してプロットした。その結果、結晶化速度は、せん断速度5sec$$^{-1}$$以下ではせん断速度の増加に伴いエンハンスされること,それ以上の高速せん断下においては結晶化速度が静置場よりも下がることが明らかとなった。この結果は、フレキシブルな高分子鎖の部分的な配向が、微弱な定常せん断を印加することにより誘起されていることを示唆しており、同時に、高速せん断下においては高分子鎖がより強く配向されているはずであるが、一旦形成した結晶核が破壊されることによるものと推測される。

論文

Low energy vibrational excitations characteristic of superionic glass

中村 充孝; 岩瀬 裕希; 新井 正敏; Kartini, E.*; Russina, M.*; 横尾 哲也*; Taylor, J. W.*

Physica B; Condensed Matter, 385-386(1), p.552 - 554, 2006/11

 被引用回数:3 パーセンタイル:16.76(Physics, Condensed Matter)

超イオン伝導体ガラスにおける高いイオン伝導機構はサイエンスの未解決の問題の一つである。われわれは、ISISに設置されているMARI分光器を用いて(AgI)$$_{x}$$(Ag$$_{2}$$S)$$_{x}$$(AgPO$$_{3}$$)$$_{1-2x}$$系超イオン伝導体ガラスの非弾性中性子散乱測定を行った。その結果、超イオン伝導体ガラスにおいて1meVから3meVに渡るエネルギー領域での$$Q$$依存性が、$$Q$$=1.8$AA $^{-1}$$ を超えたところで絶縁体ガラスよりも過剰な強度を持つことを見いだした。同じような現象は、HMIに設置されているNEAT分光器を用いた高分解能測定によって、別の超イオン伝導体ガラス(AgI)$$_{0.5}$$(AgPO$$_{3}$$)$$_{0.5}$$においても観測された。これらの結果は明らかに、特異な低エネルギー振動励起が超イオン伝導体ガラスに普遍的な特徴であることを示唆するものである。

論文

Development of engineering diffractometer at J-PARC

盛合 敦; 鳥居 周輝; 鈴木 裕士; Harjo, S.; 森井 幸生; 新井 正敏; 友田 陽*; 鈴木 徹也*; 秋庭 義明*; 木村 英彦*; et al.

Physica B; Condensed Matter, 385-386(Part 2), p.1043 - 1045, 2006/11

 被引用回数:15 パーセンタイル:54.27(Physics, Condensed Matter)

大強度陽子加速器施設建設計画(J-PARC)の中性子源に設置する残留応力解析用パルス中性子回折装置を設計・開発を行っている。本装置の設計においては、さまざまな工学研究における部材内部の応力を十分な精度で計測するために、対称性の良い回折プロファイルを得ることが可能な高分解能型の非結合型・ポイゾンド減速材を選択した。装置は、プライマリーフライトパス長さが40m、セカンダリーフライトパス長さが2mであり、不要な高速中性子や$$gamma$$線の除去に一般的に用いられるT$$_{0}$$チョッパーを用いずにスーパーミラー曲導管を用いることとした。また、本装置は、産業界の大スケール・大重量の実機部材の測定にも対応するため、大型試料ステージを具備する設計としている。現在、装置パラメーターの最適化をモンテカルロシミュレーションを利用して行っている最中である。応力測定に適当な装置分解能$$<$$0.2%$$Delta$$$$d/d$$が得られることをシミュレーションによって確認した。

論文

Hydration-coupled protein boson peak measured by incoherent neutron scattering

中川 洋; 片岡 幹雄*; 城地 保昌*; 北尾 彰朗*; 柴田 薫; 徳久 淳師*; 筑紫 格*; 郷 信広

Physica B; Condensed Matter, 385-386(2), p.871 - 873, 2006/11

 被引用回数:14 パーセンタイル:52.24(Physics, Condensed Matter)

スタフィロコッカルヌクレアーゼを用いてタンパク質のボソンピークの水和との関連を調べた。ボソンピークは合成高分子,ガラス性物質,アモルファス物質に共通に見られるものであるが、その起源は十分には理解されていない。ボソンピークに寄与する運動は調和振動である。水和によりピークの位置は高周波数側にシフトし、振動の力学定数は増加した。このことはタンパクのエネルギー地形が変化したことを示す。タンパク質が水和することでエネルギー地形がより凸凹になり、極低温ではエネルギー極小に振動がトラップされる。タンパク質のボソンピークの起源はこのエネルギー地形の凹凸と関係しているかもしれない。

論文

In situ and real-time small-angle neutron scattering studies of living anionic polymerization process and polymerization-induced self-assembly of block copolymers

田中 宏和; 山内 一浩*; 長谷川 博一*; 宮元 展義; 小泉 智; 橋本 竹治

Physica B; Condensed Matter, 385-386(1), p.742 - 744, 2006/11

 被引用回数:25 パーセンタイル:68.55(Physics, Condensed Matter)

重水素化ベンゼン中でスチレンモノマーとイソプレンモノマーを共存させ、sec-ブチルリチウムを開始剤としてリビングアニオン重合を行った。これによりポリスチレンとポリイソプレンからなるブロック共重合体を合成した。この合成過程を中性子小角散乱(SANS),ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC),紫外可視光吸収スペクトル(UV-vs)により時間分割的に測定し、重合に伴う構造形成の様子をその場・実時間観察した。その結果、重合初期にはまずイソプレンモノマーが優先的に重合されてポリイソプレンが生成し、系内のイソプレンモノマーが消費されたのちスチレンモノマーの重合が始まり、ポリイソプレン-ポリスチレンブロック共重合体が生成することがGPC, UV-vsの結果から明らかとなった。また、この重合過程において、溶液内で高分子鎖は単独では存在せず、数本が集まって会合体を形成していることがSANSから明らかとなった。さらには、重合初期のポリイソプレンが生成している時間領域では、その会合数が4であるが、重合後期にスチレンモノマーの重合が始まると、会合数が2に急激に減少することが明らかとなった。

論文

Prototype of network distributed control system for MLF/J-PARC

中谷 健; 中島 健次; 鳥居 周輝; Bharoto*; 髭本 亘; 佐藤 節夫*; 大友 季哉*; 新井 正敏

Physica B; Condensed Matter, 385-386(Part 2), p.1327 - 1329, 2006/11

 被引用回数:1 パーセンタイル:6.00(Physics, Condensed Matter)

J-PARC MLFの実験装置のためのデータ集積・装置制御システムのソフトウェアプロトタイプを開発した。このシステムはEthernetを使用した分散コンピューティングを採用している。システムのソフトウェアはクライアント-サーバー型アーキテクチャとモジュール構造を採る。クライアントとサーバー間の通信にはTCP/IPのソケット通信を使用する。われわれは、このシステムのネットワーク分散型制御ソフトウェアプロトタイプをKEKのKENSで使用されているデータ集積ソフトウェアを改良することによって開発した。このシステムはSWAN装置にインストールされ、二週間のマシンタイムを順調にこなすことができた。

論文

Inelastic scattering measurement option of TOF-USANS instrument at J-PARC

相澤 一也; 新井 正敏

Physica B; Condensed Matter, 385-386(Part 2), p.1114 - 1117, 2006/11

 被引用回数:1 パーセンタイル:6.00(Physics, Condensed Matter)

J-PARCに設置を検討している、完全結晶を用いた2結晶回折計によるTOF型USANS装置は、高調波を用いることにより、原子炉に設置した同種の装置に比べて、測定可能運動量空間を拡張できる特徴を有している。本装置は、基本的には、弾性散乱装置であるが、アナライザー結晶を有する結晶モノクロメータ型直接配置費弾性散乱装置と考えることもできる。本報告では、オプションとしての非弾性/準弾性散乱測定に関して議論する。

論文

Small-angle neutron scattering studies of chemical reaction and reaction-induced self-assembly

田中 宏和; 小泉 智; 橋本 竹治; 黒崎 一裕*; 大前 仁*; 小林 四郎*

Physica B; Condensed Matter, 385-386(1), p.814 - 817, 2006/11

 被引用回数:3 パーセンタイル:16.76(Physics, Condensed Matter)

酵素重合により人工合成されたセルロースの自己集合過程を、小角中性子散乱を用いたその場・時分割測定により、観察した。得られた結果は以下の通りである。(1)反応溶液中で集合構造を形成している酵素の集合体の、なめらかな表面上あるいは表面近くに位置する酵素の特別な反応サイトにおいて、セルロース分子は合成される。(2)合成されたセルロース分子は、拡散律速凝集により凝集体を形成し、結晶化してフィブリルとなる。(3)フィブリルはさらにフィブリル同士で凝集体を形成し、それらが、反応時間の経過とともになめらかな酵素集合体の表面上に堆積して、表面フラクタルの次元を2から2.3へ増加させる。

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